おはようございます。旅人宿 会津野 宿主 ならびに 古書 会津野 店長の長谷川洋一です。
年が明けてから、ルソーの一般意思を現代に置き換えた書籍「一般意志2.0」(東浩紀著)、人工知能がヒトを超えるシンギュラリティーを迎えるとき人体と人工知能がつながる「人体2.0」を示した「シンギュラリティーは近い」(レイ・カーツワイル著)の2冊を読んできました。どちらも、すでに存在するもののパラダイムが大きく変わるVersion2.0的なものです。
さて、衝撃的な本を読みました。「お金2.0」(佐藤航陽著)です。
巷では、コインチェック社からの不正送金で580億円相当の仮想通貨が流出したニュースで持ちきりです。ニュースを聴く限りでは、大規模な銀行強盗が発生したことと同じことで、盗まれた仮想通貨を世界中で監視しているとのこと。昨日の報道では、580億円相当を9つに分割して再送金したところまで捕捉されているとのことでした。
現在流通しているお金が銀行強盗にあったと仮定した場合、1万円札で580万枚が盗まれたことですから、580万分割されて市中で使われてしまったら、たぶんわからないだろうなと思います。
ただ、仮想通貨の場合は、両替したり送金したりするには、金額の大小にかかわらず、必ず元のアドレスを辿りますから、最初に盗んだアドレスからずっと追っていくことが出来ます。
結局のところ、使う事のできない盗んだ金ということになるのではないでしょうか。
これでは、一体何のために盗んだのか?
こういう事件を起こせば、相場が下落するからそれを狙ったのか?
事件が起きた直後は、仮想通貨全体が下落したものの、すでに事件前のレベルに戻している状況を見ると、相場下落を狙ったにしても、それは起きなかったという結果になっています。
なんとも不可解な出来事だなと思っているところで、この本を読み、お金のパラダイムシフトが実際に起こってきたなと感じました。
「お金2.0」では、モノやサービスの「価値」を「対価」というものに置き換えたものが「お金1.0」の正体だとします。ここは、そのとおりとすぐに理解できます。
次に、お金は「対価」という使われ方の他に、お金がお金を生む金融という使われ方がされるようになったと説明します。これも理解できます。
この金融によるお金の膨張が相当大きくなり、お金全体の大半を金融が占めるようになってしまったと言います。いくら量的緩和をしても、市中にお金が巡る実感がないことから、これも理解できます。
ただ問題なのは、大半が金融界隈でお金が巡っているだけで、「対価」として使われることがないから、お金の価値が段々と下がってきていることだと指摘します。
現在の貨幣は、政治権力により中央銀行が発行しているもので、かつてはこの権力は国家しか持ちえなかったもの。仮想通貨は、国家を離れ誰でもが発行できるもので、それに価値があると思えばどんどん価値が増大します。
もしその価値を、「対価」として市中で利用できるようになったら、価値の下がった中央銀行の通貨と仮想通貨のどちらを人々は使うでしょうか?
答えは簡単。仮想通貨ですよね。
これが「お金2.0」によるパラダイムシフトです。
同様に、シンギュラリティによりヒトを越えた人工知能のどちらが「労働」をするかと言えば、人工知能の労働の方が成果が大きいだろうから、この時は「労働2.0」が起きて、人から人工知能へと労働がシフトするパラダイムシフトが起きる。
こんな近未来を詳しく説明しているのが、この本の内容です。
「生きるために金を稼ぐ」
「金を稼ぐために労働する」
という2つの事が、全く変わってしまうことが予想されるいま、これは人類にとってユートピアが実現することなのか、それとも、生きる希望を失ってしまうことなのか、まだよくわかりません。
仮想通貨は、かなり多くの種類がもうすでに発行されています。これは多くの経済圏があるということ。自分にとって生きやすい経済圏を探し出すことを模索する時期にきたとも考えられます。
「古書 会津野」では、version2.0関係の本を3種類ご用意しました。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/aizuno/20.html
ぜひ皆さんも、これらをお読みいただき、将来を考えてみてくださいませ。
今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。
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