会津の旅人宿 地域との交流・旅人との交流が盛んな【会津野】宿主ブログ

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【会津野】まちづくりの背景を考えてみる

2018年05月19日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主 ならびに 古書 会津野 店長の長谷川洋一です。

前回のブログから長い時間が空いてしまいました。久々に文章を書いています。

この冬からはじめた「古本屋」。だんだんと軌道に乗って参りまして、地域の方々から集めた古本の整理に追われる毎日です。

そんななか、集めてきた本の中から2冊の本を読んでいます。(自分では、役得だなぁと思う)

 

1つは、「人びとのための資本主義」(ルイジ・ガンジレス著)です。

イタリア人である著者は、コネ社会が蔓延しているイタリア社会から、自由の国アメリカへ移住した人物。

1988年に移住した当時、アメリカは自由の国であった。しかし、2008年のリーマンショックあたりから、企業の失敗(この時は金融の失敗)の後始末を国民で後片付けする社会に変わったと言う。政府が巨大企業を救い、税金を使って後始末するということだ。

ロビー活動や、企業から政府の要人を選出するなどの方法を用いて、コネ社会への変化が急速に進んでいるように見える。

こういうことを詳細に記述した内容になっています。

 

他方、今朝(2018年5月18日)の福島民報読書欄に、「十五の夏」(佐藤優著)の書評が出ています。

この本は、外務省職員であった佐藤優が、十五歳のときに東欧やソ連を旅した記録を記したもの。

当時の社会主義体制を背景として、このような言葉が並ぶ。

「人間はどの国に住んでいても大きな違いはない」

「むしろ彼らは国家が信用できない分だけ、家族や友人を大切にしていた。今の日本はどうでしょうか」

不正の蔓延する社会主義体制の中で、人々は本当に信頼できる家族や友人を大切に過ごしていたことがうかがえます。

 

もう1冊の本、「黒い選挙の構図」(秋山紀勝著)は、昭和55年3月の会津高田町議会議員選挙の不正をルポルタージュしたもの。

会津高田町は、現在、会津美里町となったうちの1つの自治体です。

ここでの不正の構図は、話し合いにより選挙を無投票当選にするよう企てたもの。

その際、町長が任命する権限を持つ助役のポストを議員立候補予定者に割当て、立候補を取りやめさせる手段を用いた。

他の立候補者には、金品で降りていただく手段を用いた。

最終的に、この企てに参加した議員の逮捕や書類送検、また町長の書類送検が起き、議員および町長の辞職が起きています。

話し合いというコネクションが、住民参加の大きな手段である選挙を妨害したことに対し、それに対する議会および住民の不正浄化運動が盛り上がらない実情もルポされています。

この地域は、戊辰戦争により勝ったものが振るう権力にひれ伏してきたところ。それに対し、明治年間には、自由民権運動が起きるほどの不正に対する行動があった。

しかし、運動した者が不条理に投獄されたりもした。

だから、為政者とは離れたところで家族や友人を大切にする精神が育まれてきた。

その精神が、立候補者を話し合いで決めることに発展してしまった。

これを浄化するには、大切な家族や友人である議員を非難し、社会を変える必要がある。

そういう行動を取ると、自らが社会から省かれる危険がある。

だから、運動が盛り上がらない。

これが戊辰の役以降150年の会津の人々の気持ちだと、私は理解している。

 

来週、準備を重ねてきたまちづくり団体が我が町会津美里町に発足します。

まちづくりには、「若者、よそ者、ばか者」が必要だとよく言われる。

私は22年前にここに移住した「よそ者」のひとり。

そして、このたび総務省から会津美里町役場のまちづくり政策課長に就任した方も、町の広報誌で自己紹介として「よそ者」という言葉を使い、自らを表現している。

会津で戊辰150年の血を持つ方々と、これを客観的な視点を持つ立場にいる「よそ者」のパワーを集結し、新しい絆の形を具現化する「まちづくり」をしたいものです。

今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。

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※ご予約は、旅人宿会津野ホームページにて承ります。


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【会津野】十善戒

2018年04月25日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主 ならびに 古書 会津野 店長の長谷川洋一です。

ちょうど1年前の2017年4月に、「リーダーの教科書」という本を読みました。そこには100冊前後の本が紹介されているのですが、そのうちの1冊で、東京工業大学教授で文化人類学者の上田紀行先生が勧めていた書籍「煩悩リセット稽古帖」(小池龍之介著)を、いま読んでいます。

先日調べた「会津三十三観音めぐり」では、大沼郡(現在の会津美里町の範囲)に存在する10の札所は仏教でいう「十善戒」に相当すると言う事がわかりました。

では、「十善戒」とはなにか?

なんと「煩悩リセット稽古帖」にしっかりと解説がありました。

リーダーたるもの「十善戒」を知れということなので、その10の戒律をお知らせしましょう。

★ ★ ★

①殺さない(人も虫も鳥も。殺虫剤とか農薬とか日本人は不用意に使いすぎです。)

②己に与えられていないものを奪わない

③邪淫を犯さない

④事実に反することを言わない

⑤棘(とげ)のある言葉を使わない

⑥ネガティブな噂話をしない

⑦無駄話をしない

⑧欲望を薄める

⑨不満の感情をつくらない

⑩心の因果法則を理解する

★ ★ ★

詳しくは本書に譲ることにしますが、これらの戒律をひとつひとつ実行するために、会津美里町にある観音堂めぐりをするのが、会津三十三観音めぐりの云われとなっています。

リーダーの素養を付けるための行動として、これらをめぐるようなストーリーを考えてみようかな、などと思うに至りました。

先日、別の文化人類学者さんが、セクハラを題材として「概念を言葉にすると文脈を失う」ということを話されていました。セクハラと言う言葉はまだ数十年しか使われていない言葉ですが、それ以前も同じようなことはあったに違いない。しかし、さまざまな文脈で説明されたことが、セクハラという言葉の誕生によりひとつの概念になってしまう。だから、単純な言葉だけに踊らされてはいけないということをおっしゃっていました。

十善戒は、文脈で理解をする必要があるもの。その文脈を観音堂めぐりと結び付けてお伝えする方法を、これからあれこれと考えてみたいと思います。

今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。

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【会津野】書籍「ラーメンと愛国」

2018年04月21日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主 ならびに 古書 会津野 店長の長谷川洋一です。

「ラーメンと愛国」(速水健朗著)を読みました。

今日は、喜多方ラーメンの話からしましょう。

昭和48年(1973)にオイルショックがありました。そのとき、石油化学製品を製造する昭和電工の企業城下町であった喜多方市は、人口約6万人の町でした。オイルショックにより業績が急低下した昭和電工は、喜多方市内の事業所を大幅に縮小し、海外移転などが起きたと言われています。それにより、人口が急減少し、半分近くまで落ち込みました。

もともと人口6万人にしてはラーメン屋さんが多い街だったことからか、「喜多方ラーメン」という名称を用い、市外からの誘客を促進。今風に言えば、交流人口の拡大を図り成功したものでした。

この本の中でも「喜多方ラーメン」に触れられており、当時、店ごとにばらばらな麺の太さや味付けであったものを、「喜多方ラーメンと言えば太麺のしょうゆ味」というふうに標準化し、「ご当地ラーメン」という流れにつながったと記されています。

これに先立ち、アメリカの事例として、単一な形のT型フォードと、多くのバリエーションを持つGMの自動車を比較し、標準化と同じ意味があったT型フォードが没落し、顧客が選ぶことが出来るGMの自動車が繁栄したことが取り上げられています。

喜多方ラーメンとは逆の動きですが、日本でも平成に入り個性的なラーメン屋さんや、チェーン店でも店ごとに味が違う「ラーメン二郎」のような店の出現により、顧客が選ぶことの出来るラーメンへと変化したことは、皆さんの思うとおりです。

ここで指摘していることとして、この動きは、ラーメンを食べようと選ぶ時代から、どのラーメンを食べるかを選ばされる時代へとの変化、つまり、マーケティングの時代がはじまったと表現しています。

その後、地域主義のことへと話題は移ります。

ラーメンと言えば、ファストフードの部類に入ります。対極のスローフードは、地産地消と親和性が高く、地域主義、ひいてはナショナリズムにつながるものだと言う。

しかし、ファストフードであるラーメンも、「ご当地ラーメン」のように地域主義に近づき、もともと「支那そば」から変化したラーメンが、"日本のもの"としてナショナリズムを意味するものへと変化した。

これが著者の言う「愛国」なのだろうと感じます。

★ ★ ★

私が新卒で就職した業界はIT業界です。

仕事で初めて身に付けさせられたことは「標準化」です。

ここでいう標準化は、「誰が作っても同じプログラムが書けること」で、個性のあるプログラムは「悪」でした。

現在のプログラミングは、誰でも作れるものはAI(人工知能)で出来るから、社会が必要とするものをコード化できる"個性"が必要だ。その結果、創られたアルゴリズムが、それを用いる人々が自ら選ぶアプリケーションから、選ばされるアプリケーションへと変化してきた。

つまりは、IT環境もラーメンと同じく製作者のマーケティングにより誘導付けられるものに変化した。

ここに「愛国」の感情が埋め込まれると、ナショナリズムへと人々が走るということになる。

★ ★ ★

ラーメンから、さまざまな社会の動きを解説する試みは、とても素晴らしいものでした。

江戸時代、人々の娯楽として札所めぐりが多く行われた。会津の人々の多くは、西国三十三観音めぐりへ出かけた。会津の殿さまであった保科正之は、会津から西国へ富が流出される状況を憂い、会津三十三観音めぐりを会津に定めた。

一時期は隆盛を得たようだが、いまはだいぶ廃れている。しかし、文化庁による「日本遺産」への指定という風が吹き始めた。

「何して遊ぶ?三十三観音めぐりをして遊ぶか!」ということから、会津三十三観音めぐりを選んでいただけるようなマーケティングが、会津には必要なようだ。

まずは会津三十三観音めぐりのボードゲームから遊んでいただき、会津三十三観音めぐりを周らなければならぬ道筋を付けることが、いまの私のミッション、と自分では思っている。

こりゃ、ゲーミフィケーション理論も勉強せねばならないな。

誰か良い本をご存じの方がいらっしゃれば、ぜひお知らせください!

今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。

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【会津野】書籍「書店員あるある」

2018年04月16日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主 ならびに 古書 会津野 店長の長谷川洋一です。

「書店員あるある」(書店員あるある研究会著)を読みました。

私は古本屋ですが、この本は新刊書店店員の体験談と言える内容です。

古本屋は仕入から流通、販売までのすべてを自分の店で行います。

それに対し新刊書店は、取次と呼ばれる中間業者がいて、出版された本の流通は別の組織が行います。

なので、取次さんから配送してくるトラックの運転手などの「あるある」がこの本には出てきます。

また、雑誌の付録を1冊づつ梱包する作業や、コミックなどへのビニールがけ(シュリンクと呼ぶ)なども、古本屋には無い作業です。

案外と知らないこともあるなという感想を持ちながら、楽しく読めました。

しかし、本屋の店員が本を出版するなんて、この著者たちはどれだけ本が好きなんだろうと思わされます。

収集欲があると、目の前の本を売り惜しんでしまう本屋という商売。お客様がほしいと思った本は、自分の欲を押し殺して売らねばなりません。

古本屋だと、もう出会えない本もあるので、本好きにとってはなんともやりきれない時もあります。

本の虜になる仲間がここにもいたと思いながら、楽しく読めた本でした。

今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。

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【会津野】国際観光旅客税法 成立

2018年04月13日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主 ならびに 古書 会津野 店長の長谷川洋一です。

4月11日の参議院本会議で、「国際観光旅客税法」が成立しました。

日本から出国する際に、一律で1人1000円の税を課すもので、出国税とも言われています。

報道によると、2020年のオリンピックへ向け、海外への情報発信や地方の観光振興策に充てる財源とするとしています。

具体的には、「快適な旅行のための環境整備」、「体験型観光の満足度向上」、「日本の魅力に関する情報発信強化」の3つの項目が規定されています。

この3つは、いままでこのブログでも書いてきたDMO(Distination Management/Marketting Organization)が行う事業そのもので、ついに財源が確保され、予算に道筋がついた!と私は内心よろこんでおります。

徴収は来年(2019)1月7日から始まり、年間の税収予測は430億円とのこと。「DMOやります!」と手を挙げれば、1億円くらいは配分されるでしょうか???

今回の法律は、菅案件だとか二階案件だとか言われているようですが、議員さんが財源確保のために動き正式に法律を制定することは至極当然のこと。がんばりましたね。

国会は加計・森友・日報などの公文書問題で大揺れですが、まともな部分もありました。

さあ、DMOを仕掛ける時がきました。そうです。今やらなきゃいつやるの?

企画を練るゾ!

今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。

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