エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ: 心の自由と生活の不自由 発達トラウマ障害(DTD)の人にも必須な明るい展望

2016-09-24 09:46:47 | 間奏曲

 

「一方通行」の道路標識

 
自由がなければ、人間ではない!
 今晩も、自由について考えてみます。 先日、東洋大学学長の竹村牧男先生の「信と行」を考える6回シリーズが最終回でした。今度の土曜日13時に、再放送があります。 この6回シリーズのお......
 


 心は不自由、と言う場合もありますけれども、「こころは自由だなぁ」と感じる場合も良くあります。

 サイコセラピーをしていると、特に、抑制タイプの発達トラウマ障害(DTD)の人のセラピーをしている時に感じることがあんですが、ここまで、「一方通行」で、身勝手な母親に育てられても、「魂が殺されている」と言えるような状況にあっても、ドッコイ「こころは生きようとしている」と感じる場合があるんですよ。

 それは、自分が好きなことがまだまだある。ある女子高生の場合も、自分の好きなアニメを楽しむ気持ちを忘れていない。私はそのアニメの中身については、知らないのですが、それでも、その娘が、自分の気持ちを代弁してくれているからこそ、そのアニメが好きだと感じるのは分かります。何かを訊いても、言葉がなかなか出て来ない。表情も硬くて暗い。学校にもほとんど来てない。家では、昼過ぎまで寝ている…。

 だけれども、自分のこころは、好きなことをきっかけに、生きようとしている。

 私は、こういう場合、その好きなこと、それがアニメであろうと、ゲームであろうと、その話をよくよく聴こうとしますね。すると、あれだけ堅い表情にも、笑顔が零れますからね。「そこを手掛かりに、より善く生きよう」という感じを猛烈に感じます。

 そんな時には、私がイメージする未来予想図を、ハッキリと言葉にするようにしています。外れている場合もあると思いますが、1人でも「明るい展望」を示す人がいることが、辛い生活をしている子には、必須だと考えるからなんですね。

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発達トラウマ障害(DTD)のキムさんは、放蕩息子のように、どん底でも、信頼し続けることができた

2016-09-24 09:24:57 | 間奏曲

 

 

 

 
歴史上でも、ものを言う≪陽気で楽しい≫
 アベシンちゃんと悪魔の仲間たちも、人間として大事な人たち。 Young Man Luther 『青年ルター』p.228の、下から3目から。     ......
 


 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども、大人

 最終章の第7章、p.292、中央のキムさんの話の10行目途中から。

 

 

 

 

 

それから、もう1つ思ったのは、いままでされてきたようなことを、あの人たちはもうできないんだってことでしたね。それは、歪んだ考えでしょう。でもね、何でもいいけど、おそらく、私にとっては、そういうことだったんですよ。それに、私は現に今ここに生きていますし、また、それを体験するだろうとも思いました。それはおかしなことだって、分かっています。それが私が思っていたことです。今事の核心を指摘してくれましたけれども、アルコール依存症の人みたいに、あなたは今どん底ですけれども、それよりも上かもしれませんが、「2メートルは下」でしょ。そのどん底のあたりに、私もいたんですよ。

 

 

 

 

 

 まるで、『新約聖書』の「ルカによる福音書」第15章に出てくる「放蕩息子のたとえ」見たいですね。キムさんは、どん底にあっても、信頼することを忘れなかったのですからね。

 

 

 

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発達トラウマ障害(DTD)のマリリンの実感と、自助グループの役割

2016-09-24 07:16:35 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
いつでも大事な≪陽気で楽しい≫
   inertia イナーシャ 「よく考えることもなく、今までやってきたことだからと、今まで通りを繰り返す、お役所仕事な感じ」は、いつだって、人類に対する犯罪です。......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma  p132 、『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.132の、ブランクの後の第2パラグラフから。第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 終わりの時間が近づいた時、マリリンは「今日のセッションで体験したことをお話したいので、2分3分お時間をいただけますか?」と頼みました。グループの人たちは「いいですよ」ということになって、マリリンは話を始めました。「お話を伺って、私自身が性的虐待をされていたんじゃないかしら、と感じました」。私は口があんぐりと開きましたね。マリリンが自分の家族を描いた絵に基づいたら、マリリンは、ある程度は、すでにそのことに気付いていたといつも思っていました。マリリンは静的虐待の被害者みたいに、ミッシェルに反応していましたからね。それに、マリリンは、いつでも、「世の中って、怖いところ」と言うかのような立ち居振る舞いでしたからね。

 

 

 

 

 

 マリリンは、自分が静的虐待されたことをハッキリと意識することができませんでした。それは、性的虐待された時期が、幼すぎたからかもしれませんし、その体験そのものが恐ろしすぎたのかもわかりません。でも、それを全然知らない訳ではなくて、何となくは、ある程度は、勘付いているものですね。

 でも、自助グループは、その何となく気付いていることを、ハッキリと意識できるようにしてくれるものですね。

 

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発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子どもは、病院でも、学校でも、児童施設でも、虐待され続けている!

2016-09-24 05:54:24 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
自由がなければ、人間ではない!
 今晩も、自由について考えてみます。 先日、東洋大学学長の竹村牧男先生の「信と行」を考える6回シリーズが最終回でした。今度の土曜日13時に、再放送があります。 この6回シリーズのお......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p156 、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 しかしながら、1993年まで遡ると、記憶の性質や記憶が信じられない位書き換えられることは、あまり良く分かっていませんでしたし、トラウマを負わされた記憶についての知見も、子どもに関わる臨床医や他の専門家にも、あまり広まっていませんでした。静的虐待を受けた人たちが、自分たちが体験したことを勇気を出して話しし始めていましたが、誰もその話やその痛々しい現実を訪ねようとする者はいませんでした。子ども達が虐待されているという訴えても、依然と同様、真面目に取り扱われることもあまりありませんでした。かつて虐待された大人たちは、子どもが信じられないような虐待の説明をすることを信頼しても、人々はそんな古い、気分の悪い話しには戻りたくなかったのです。残念ですが。虐待された人たちの証拠が十分じゃないと言いたいために、臨床家のなかには世間知らずの人も居たり、強制することが記憶を変えてしまうことが解からなかったりして、虐待された人が更に虐待される結果となりました。

 

 

 

 

 

 悪い良心程怖ろしいことはありませんが、それと同じくらい怖ろしいのが無知ですね。発達トラウマのことがよく分からないばかりに、虐待されたり、ネグレクトされることが、どれだけその人の人生を台無しにするのか、「魂が殺させること」なのかが、分からない。知らないから、強制してでも、「治療」や「教育」をして、「良くしよう」と教員や医者なども、世間知らずに頑張っちゃう。結果としてそれが。虐待された人たちを一層虐待することになる…。

 これは何も、30年前のアメリカ、発達トラウマ障害(DTD)研究が始まった頃ののアメリカだけの話ではありません。発達トラウマ障害(DTD)研究が始まったばかりの、ニッポンの現実でもあります。病院でも、学校でも、児童施設でも、発達トラウマ障害(DTD)の子ども達は、日々虐待されているのが、悲しいかな。ニッポンの偽らざる現実なのです

 

 

 

 

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