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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の人の回復の要は、信頼を取り戻すこと

2016-09-23 06:59:11 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
改訂版 心理臨床学会での友田明美さんの報告:赤ちゃんの脳まで壊す不誠実な母親の関わり
    大竹しのぶさんにとって大事なこと (暴)力による支配2013-09-30 02:11:20 | エリクソンの発達臨床心理 脱儀式化の状況は.........
 

 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども、大人

 最終章の第7章、p.292、最初の面接者から。

 

 

 

 

 

 面接者 : 支援の仕組みにたどり着けたのはどうしてですか?

 キム  : 私には強い信念があって、祈りには役割があると信じてるんです。神さまが私のために何かをして下さるのは、さもなければ、私は死んでおしまいってことになることを神様はご存知だからです。神さまが介入してくださるおかげもあり、支援の仕組みのお陰もあって、決断出来たんだって思います。支援をして下さる方々を信頼しようって思うんです。変わらなくっちゃと言われたらヒドイって言ってましたし、変わろうなんて少しも思わなかったけれども、少しくらいは信頼しようかな、って思ったんです。というのも、「自分が何を失くしてきたのか」が分かったからです。

 

 

 

 

 キムさんもキリスト者なんですね。どんなにつらいことがあっても、神さまに対する信頼を失わなかったみたい。繰り返しで申し訳ありませんが、発達トラウマ障害(DTD)の回復の要は、地で信頼することを回復することになんですからね。

 

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発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の人の記憶は作られている

2016-09-23 06:04:51 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
アベシンちゃんと悪魔の仲間たちも 人間、仲間 とするのが大事
   いったん、血生臭い戦いが始まると、引っ込みがつかなくなるのが人間の常のようですね。ですから、そうならないための賢い歯止めが幾重にも必要です。おバカで狂気の、アベシ......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p156 、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 マイクロソフトのワードのファイルを開く時みたいに、脳に収めてあることから記憶を取り出す時、人は自動的に記憶を「編集している」ことを私どもは今日知っています。いま自分がどんな気分なのか、どんな環境にいるのかが、思い出にどのような感情色があるのか、出来事をどんな風に解釈するのかに影響するばかりではなくて、どの出来事が実際にあったのか、ということに関する信念にさえも、影響しますもんね。しかし、思い出を「貯金」して、思い出を思い出箱に収める時に、その思い出を、気が付かない内に、修正しているのかもしれませんよ。1つの経験の記憶について話しをしている時、友達や家族、あるいは、セラピストから聞いた話が、その次にその「ファイル」を引きだす時に、どのように思い出すのか、何を思い出すのか、について歪みになるかもしれませんしね。時間と共に、だんだんと増し加わるいろんな変化によって、実際にはありもしない記憶が作り出されることにもなりかねません。研究室では、研究者達はテストの協力者たちを鼓舞すれば、ありもしなかった子どもの頃の記憶を作り出すことができました。デパートで迷子になる記憶を作り出す、中程度の人もあれば、悪魔に取り付かれる人を見た、という記憶をこしらえる、高度な人もいます。

 

 

 

 

 

 記憶は作られる。ショックですね。少なくとも、記憶は編集され、脚色される。これならあり得ますでしょ。でもね、無意識のフィルターを通すと、記憶は作られる、と言って差し支えない程、記憶は変化しますし、だいいち、今経験していることをどんなふうに受け止めるかが、非常に影響を受けますもんね。ですから、「入力」の段階でも、記憶は編集されている、と考えた方が良いのでしょう発達トラウマ障害(DTD)の人の場合は、記憶の創られ方、編集のされ方が「高度」だと言えるでしょう

 

 

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発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の人のセラピーにも活かされるゴールデンルール

2016-09-23 01:26:42 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
遊びと人類皆兄弟
   エリクソンのエピジャネシスのライフサイクルの発達図式は、現在進行形の、実践マニュアルです。 The life cycle completed 『人生の巡り合わ......
 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害研究は、新しいようで古い。発達トラウマ障害(DTD)の人も、聴く耳のある人、自由で守られた時空は、直ぐにそれと分かってくれますね

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.132の、ブランクの後の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 言葉を絞り出すようにして、メアリーはある晩、わたくしたちに、自分が13の時、お兄さんやその悪仲間達にレイプされたことを話してくれたんですね。そのレイプの結果、妊娠してしまったので、メアリーの母親は、自宅で、台所のテーブルの上で、堕胎をしたのです。その自助グループの人たちは、メアリーが話してくれたことを敏感に受け止めて、もらい泣きをしてメアリーを慰めたんですね。私も皆さんが人の気持ちになることにいたく感動しましてね。皆さんがメアリーを慰めたそのやり方は、ひとりびとりが自分のトラウマと最初に向き合った時に、人様が自分を慰めてくれた、そのやり方だったんですからね。

 

 

 

 

 ここにも、心理学の唯一の絶対的な法則が出てきますでしょ。ゴールデンルール、黄金律です。

 自分を大事にするように、あなたの隣り人を大事にするようになっています。

 自分がして欲しくないことは、人にしてはいけません。

 …

 ゴールデンルールと言っても、その表現には様々なヴィリエ―ションがありますね。

 ヴァン・デ・コーク教授が今日ご紹介してくれたのは、

皆さんがメアリーを慰めたそのやり方は、ひとりびとりが自分のトラウマと最初に向き合った時に、人様が自分を慰めてれてくれた、そのやり方だった

 んでしたね。セラピーでも、うまくいく場合には、必ずゴールデンルール通りになっている、と言えるものですね。

 

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インターメッツォ:無意識の中の感情色のコンプレックスは、自由で守られた時空で、神の臨在の中で、癒される時

2016-09-23 00:37:11 | 間奏曲

 

 

 
改訂版 心理臨床学会での友田明美さんの報告:赤ちゃんの脳まで壊す不誠実な母親の関わり
    大竹しのぶさんにとって大事なこと (暴)力による支配2013-09-30 02:11:20 | エリクソンの発達臨床心理 脱儀式化の状況は.........
 


 今朝は、人を大事にするよりも、人を支配したくなる訳について考えます。

 ユング著作第8巻の(Collected Works of C.G. Jung, Volume 8: The Structure  and Dynamics of the Psyche)『こころの構造とダイナミクス』pp.159-234、On the Nature of the Psyche「こころの性質について」の5 Conscious and Unconscious. 「意識と無意識」から。

 

 

 

 

 

 無意識の状態は実際、意識の状態とは全く違います。たとえば、無意識の中の感情色のコンプレックスは、意識の中の感情色のコンファレンスみたいには、変わりません。…同じように、無意識の中の感情色のコンプレックスは、自動症となって、影響されない強迫的な性質を帯びることになります。この自動症の影響されず強迫的になっている性質を失くすためには、その無意識の中の感情色のコンプレックスを、意識化する以外に、方法はありませんこれをやるのが、セラピーの一番大事な要素の1つなんですね。

 

 

 

 

 

 非常に綺麗な、スッキリとした、こころの解説です。無意識の中の感情色のコンプレックスは、普通の意識、日常的な思考様式では、変えることができません。何故なんでしょうね。それは、無意識の中の感情色のコンプレックスは、対人関係の中でため込んだものなので、一人では変えられないからです。対人関係の中でしか変えられないからです。そのセラピーが可能となる対人関係は、まるで神様との関係みたいに、許される関係、自由で守られた関係でなくてはなりません

 私は、キリスト者ですから、本当にうまくいくセラピーでは、必ず神の臨在を感じますもんね。それはライブでそう感じる場合もあれば、振り返ってみて、そう感じる場合もあります。むしろ後者の方がはるかに多い。

 不思議でしょ。

 

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