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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)の回復は、希望の回復でもある

2016-09-22 13:09:33 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
エリクソンの「愛着障害臨床実践マニュアル」
   エリクソンは、ピアジェの見事な認知発達理論を高く評価します。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』p76の、下から1......
 

 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども、大人

 最終章の第7章、p.291、3番目の面接者から。

 

 

 

 

 

 面接者 : 回復についても、一言いただけませんでしょうか? 人々にお伝えしたいメッセージをお願いします。

 キム  : ありますね。渦中にいる時には、分かりません。つまり、私は何年もの間、「あなたは頭が良いし、できますから、可能です。でも、カギになるのは、支援の仕組みです。支援の仕組みは、家族の外にあると思うことがよくあります。というのも、10中はっく、家族が今ある自分の原因だからです。でもね、確かな支援の仕組みがあれば、何とかなりますよ。教科書通りにやろう、人がきたいするとおりにやろう、ってんじゃなくて、自分が良いと思ったとおりにやるんですよ。だって、ほかの人がとやかく言うことに従って、自分が正しいと思っていることに従わなかったら、うまくいかないでしょ。そんなことをしたら、不満がたまってきますし、まるで自分が失敗している感じでしょ。だいいち、人は「あなたは良くなりたくないんでしょ」などと責め始めますよ。でもね、良くなろう、知らないことはどんなかを知ろう、というリスクを取るのは、それだけの値打ちがありますよ。だって、それは前に思ってたほど悪くないんですからね。

 

 

 

 

 

 キムさんが以前のように不信の塊、怒りの塊でないのが、その語り口から分かりますでしょ。それだけても、キムさんがいかに希望を取り戻しているのかが分かりますよね。

 

 

 

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発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の人のセラピー 受容的に話を聴いてくれる人たち

2016-09-22 11:15:44 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
引っ込みがつかなくなる。 アベシンちゃんと悪魔の仲間たち
   ルターが新しい時代の始まりをもらたしたのは、「腑に落ちない」こと、すなわち、聖書が “言ってること” と、カトリック教会がじっさいに ”やってること” が違うじゃ......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害研究は、新しいようで古い。発達トラウマ障害(DTD)の人も、辛いと思っていたことにまとわりついていた悲しみ、悔しさ、激しい怒りなどを、それでもよかった、と思えるようになってもらうのです。さっきのブルース・ペリー教授と同じでしょ。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.132の、ブランクから。

 

 

 

 

記憶するようになる

 

 マリリンのグルーブに入って、1年後、別のメンバーのメアリーが入会を申し込んで、13の時に自分に起きたことを話しに来ました。メアリーは、刑務官として働いていましたし、女性とサドマゾの関係でした。マリリンが自分の背景をグルーブの人たちに知ってほしいと思ったのは、グループの人たちには、自分の極端な反応にもっと耐えてほしい、と願ったからでした。メアリーは、ちょっとでも怒らせるようなことには、やってることを取りやめにしたり、怒りを爆発させたりしやすかったんです。

 

 

 

 

 メタリーは、脱抑制タイプの発達トラウマ障害(DTD)だったんでしょう。でも、自分のトラウマに関わることは誰ても言えなかったんでしよう。それで、自助グルーブ、しかも、受容的に、話しを聴いてくれる自助グルーブに支援を求めたのでしょう。そこでなら、自分の辛い体験を話すこともでき、自分の気持ちも受け止めてもらえる、と感じていたに、違いありません。

 

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発達トラウマ障害(DTD)の人たちと、感謝の温もり

2016-09-22 08:11:14 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
エリクソンの「愛着障害臨床実践マニュアル」
   エリクソンは、ピアジェの見事な認知発達理論を高く評価します。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』p76の、下から1......
 


 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p155 、最後のところから。

 

 

 

 

 

私どもが経験していることが、次に来ることの最初のフィルターになります。それはちょうど、ティナが子どもの頃に性的に虐待されたことが、ティナが男性をどのように感じるかを形作ったり、レオンやコナーがずっとネグレクトされてきたことが、2人それぞれの世に中の見方を変えたりしたことと、同じです。しかし、この過程には、2つの道筋があります。私どもが今感じていることは、どのように過去を振り返るのか、ということと、過去から何を拾い出すのか、ということのいずれにも影響する場合がある、ということです。結果として、私達が記憶していることは、気持ちや雰囲気次第で変わり得るんですね。たとえば、もしも、気分が落ち込んでたら、悲しみという霞を通して、過去の記憶をフィルターすることになりがちです

 

 

 

 

 

 ですから、私どもセラピストの務めは、過去を悲しみや怒りや憎しみと言う霞を通して見て来た人に対して、自由で守られた時空を共にすることによって、過去を「いろいろと辛いこともあったけど、今の自分になるためになくてはならない良い経験だったね」という感謝の温もりを通してみられるようにして差し上げることなんです。

 

 

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インターメッツォ:人が残忍なほど人をコントロールしたくなる訳: エロスと権力志向 : 旦那さんはなぜ、奥さんから蔑ろにされてしまうのか?

2016-09-22 07:16:55 | 間奏曲

 

 

 
感じが悪いのは、イジメだから
   ≪関係=やり取り≫を下支えするものは、≪忠実であること≫=自発的犠牲 新しく、大きいものは良い、とする生き方2013-09-20 03:38:15......
 


 今朝は、人を大事にするよりも、人を支配したくなる訳について考えます。

 ユング著作第9巻の1(Collected Works of C.G. Jung, Volume 9 (Part 1): Archetypes and the Collective Unconscious)『諸元型(いくつかの最初の型)と集合的無意識』pp.75-110、Psychology Aspects of the Mother Archetypes 「母親元型の心理学的な様々な側面」の3 The Mother Complex.から。

 

 

 

 

 

 

 「女性性の肥大」━ 私どもは、娘がマザコンになると、女性性が肥大化してしまうか、あるいは、女性性を否定することになっとしまうか、のいずれかになる、と記してきましたね。…そういう女性の見られる否定的面は、子どもを産むことが唯一の目標になることです。すると、旦那は二の次になりますよね。…自分の人格も二の次になっていしまっています。彼女はそれさえ気付いてない場合がよくありますね。というのも、そういう女性の人生は、他の人たちの中に、他の人たちを通してあるからです。大なり小なり、世話をしている相手に自分の手ごたえのすべてを委ねることになりますから。そういう女性は、まず子どもを産むと、その次に、ずっとその子どもをつかんで離さなくなります。と言うのも、子どもなしには、死んだも同然だからです。(ギリシア神話の豊穣神)デーメテールみたいに、この女性は、自分の娘を支配する権利をしつこく主張して、神々に認めさせるわけです。そういう女性のエロスは、いつでも、母子関係にだけ発展しているのに、自分がそうだとは知らないままなんです。無意識になったエロスは、いつでも、権力志向になってしまいますこういったタイプの女性は、いつも、「人のために生きてます」と言うような顔をして、実際には、自分が損することは少しもやりませんよ。無慈悲な程に人を支配したいという気持ちと、自分の母親としての権利を気違いみたいに言い立てたい気持ちに駆り立てられて、自分の人格を台無しにするだけじゃぁなくて、自分の子どもの人生も台無しにしてしまいます。こんな母親みたいに、自分自身の人格に無意識であればあるほど、その人が他の人を支配しコントロールしたいという無意識の気持ちは、一層暴力的になりますよ。

 

 

 

 

 

 これは、ユングが基本的にヨーロッパの人たちについて述べているところです。日本でも、いわゆる「教育ママ」や「仕事する母親」の中に、この手のタイプがたくさんいます。でもね、日本では、これは女性に限ったことではありません。職場や地域社会の「仕切り屋」「ゴロツキ」の中に、この手の「野郎ども」がたくさんいますでしょ。母性社会の日本では、男でもこの手のタイプがギョーサンいる訳です。

 この手の男たち(野郎ども)も、一見強そうに見えてますけれども、自分の人格を失っている(「人でなし」になっている)だけではなく、一見「人のため」「組織のため」に働いているようで、自分が損をすることは1つもやらずに、暴力的に、残忍なほどに、人を支配して、人の人生も台無しにしている訳ですね。

 

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