エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ: 心の不可思議

2016-09-16 08:18:15 | 聖書の言葉から

 

 

 
改訂版 セラピー、ないしは、心と心が響くこと
   ≪約束≫ 巨大な遊び場 自主独立の人になる場2013-09-14 04:11:40 | エリクソンの発達臨床心理ア...>続きを読む ......
 


 今朝は、心がいかに不可思議なものかを物語る言葉。

 ユング著作第9巻の1(Collected Works of C.G. Jung, Volume 9 (Part 1): Archetypes and the Collective Unconscious)『諸元型(いくつかの最初の型)と集合的無意識』pp.3-41、Archetypes of the Collective Unconscious 「集合的無意識の諸元型」から。

 

 

 

 

 

 無意識は、五感を使わずに、命のバランスを保ち、「ほっとけない」という不思議な小道を通して、人の心の奥底の気持ちの動きが分かるだけじゃなくて、その心の奥底の気持ちの働きに、そっと働きかけもするのです。

 

 

 

 

 

 セラピストや、本物の宗教家の働きを、これほど見事に簡明に述べているところを、私は知りませんね。イグナチオ・ロヨラの著作にも通じるところらしい。

 人の心の奥底の動きが分かるだけじゃなくて、そこに働きかけることもできる。普通は言葉で表現できません。感覚的・直感的な感慨に過ぎない場合が多い。

 それにしても、見事です。

 

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発達トラウマ障害(DTD)の自己評価:大事にされなかったら、大事にしてくれない相手ではなくてね「私はひどい人」と思うもの、それはウソの始まりに過ぎない

2016-09-16 07:17:10 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
空き巣よりも、テッツェルにご用心!
   カトリック教会の身勝手な振る舞いは、アベシンちゃんと悪魔の仲間たちの身勝手な振る舞いに似ています。嘘八百を並べて、金を集めるだけ集めて、その金を飲み食い遊びに使っ......
 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども、大人

 キムさんは、人に見られるのが嫌なんです。顔を見られるのが嫌なんです。

 最終章の第7章、p.290、中央のキムさんの言葉の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 キムさん(続き) : それから、私はときどき、自分は偽善者だって感じることがあります。私がこんなにヒドイ人だからいつでも、どんなに人を助けられるか、みたいな。「もしも、人が本当のことを知ったら、」ね(どうしましょ)。私たちは上手に相手を務めますから、私が相手になった人たちは、殆ど、私のことを知りません、でもね、自分は嘘つきだって思うの、だつて心の中では、ヒドイ人だって感じてんですから。

 

 

 

 

 

 大事にされないでいることって、本当に心がメチャクチャでしょ。大事にされなかったり、イジメたりすれば、それをやる方が悪い。でも、大事にされなかったら、大事にされなかった自分が悪い、ヒドイ、って感じて、その感じからなかなか解放されないんですからね。

 がしかし、発達トラウマ障害(DTD)のひとも、「自分にウソをついている」ということは真実で、心の病気の最大の特色です。

 

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発達トラウマ障害(DTD) : ネグレクトが、津久井やまゆり園の犯人みたいな殺人鬼を作り出す訳

2016-09-16 03:13:31 | ブルース・ペリー教授の『犬』

    発達トラウマ障害(DTD)のご相談は,こちらへ。agape☆gmail.com  但し,全て半角にしてから,☆→1430777@に 変換してください。

 

 
自分の感じをきちんとした形にして出せるかどうか?
   私どもも、人生を賭けることが出来るヴィジョンをハッキリと意識したいものですね。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.154の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 レオンが母親からネグレクトされていることが、もっと早く分かっていれば、あんなことにはならずに済むチャンスもあったと、私は強く思っています。レオンが発達に必要な刺激を奪われていたこと、レオンのニーズに応えてもらえなかったことと、レオン自身が、世にもひどい殺人者になるという悪しき選択をしたこととは、長い繋がりがありますね。その人生の岐路の1つでも、特に、人生の始めの岐路の1つでも、違ったことがあれば、全く違った結果になったでしょう。コナーみたいに、思春期の時に治療していたら、あるいは、さらに良いことですが、ジャスティンみたいに、小学生のうちに治療していたら、レオンの将来は違っていたと思います。よちよち歩きの時にどなたかが治療していたら、レオンは全く違った人になっていたはずです。私が独房で会った略奪犯の若者じゃなくて、レオンの兄弟みたいになっていたことでしょう。

 

 

 

 

 早期発見、早期治療が発達トラウマ障害(DTD)の場合も不可欠です。そのセラピーをさせないことが、どんなに罪深いことか、その自覚もない者が、どんなに愚かなことか、と私は感じますね。

 津久井やまゆり園の事件の犯人も、おそらく、レオン級の酷いネグレクトだったはずですね。

 

 

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発達トラウマ障害(DTD)の人は、理屈に合わないくらい、自分を責めがち

2016-09-16 02:25:51 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
改訂版 セラピー、ないしは、心と心が響くこと
   ≪約束≫ 巨大な遊び場 自主独立の人になる場2013-09-14 04:11:40 | エリクソンの発達臨床心理ア...>続きを読む ......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども。その心の地図は、「自分はダメだ」行き、の悪い良心、なかなか変わりません。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.130の、第3パラグラフの10行目から。

 

 

 

 

私はマリリンを安心させたくて、言葉を遮りました。「まさか。あなたはまだ幼い女の子だったんですよ。やっていいことと、悪いことを分別するのは、父親の責任です。」キャシーは私の方に振り向いて、「ねえ、ヴッセル、良いセラピストになるのは大事よ。ですから、そんな馬鹿なことを言っても、ありがとうございますと言いましょう。結局、私は性被害者です。ビョーキの男たちの面倒を見るように育てられてたんです。ですが、2年間、あなたを信頼したおかげで、そんなことを言われたら、怖くなります、って言えるまでになりました。そう、でも本当のことなんですからね。私の周りの人たちに起こる、悪いことすべては、私のせいって、本能的に思っちゃうんですよ。理屈に合わないことだって分かってます、そう感じるのはバカだと思うんです。でも、本当にそう感じるんですから。もっと賢くなりなさいって言うつもりなら、私は一人ぼっちで、見捨てられた感じにますますなります。そうなれば、世界中の誰も、私みたいな気持ちを、分かってくれないと、本気で思っちゃうんですから。」

 

 

 

 

 

 

 虐待を受けている人の気持ちに共感するのは、セラピストのエネルギーを吸い取りますね。まるでスポンジが水を吸うみたいに。ヴァン・デ・コーク教授の様な一流のセラピストも、虐待のクライアントの言葉を遮りたくなるのを知って、何か安心しましたね。

 虐待を受けて来たクライアントは、しばしば、理屈に合わない程に、自分を責める場合があります。それを受容し続けるのは、本当に「エネルギーが要ります」よ。

 

 

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