今日から、ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」の翻訳を始めます。
愛着障害。一番の専門家と思われがちで、それなりの大学や病院にお勤めの児童精神科医でさえ、愛着障害を知らないために、愛着障害の子どもたちが捨て置かれている現状に、心が痛むからですね。もっと広くは、日本の多くの人も、愛着障害を知らないために、アメリカ精神医学界やアメリカ児童虐待専門家協会が「やってはならない」=「禁忌」としていることを、税金を使って、「正々堂々と」=イケシャァシャァと、行っている現状を、少しでも打開し、愛着障害の子どもが、これ以上、傷に塩を塗り込まれるような虐待を、税金を使って行うことを防ぐためです。極めて消極的な理由から、この翻訳を思い立ったわけですね。
今日から訳す所のタイトルからして、とても大事ですね。愛着障害の子どもは、本当の自分を生きられない、最も重症な子どもです。しかし、本当の自分を生きてないのは、愛着障害の子どもだけではありません。おしなべて日本人は、同調主義にドップリ漬かっていることが実に多い。同調主義の良いヌカミソになっちゃってる訳ですね。そうすると、本当の自分は死んじゃってることも、必然的に、多くなるわけですね。そういう人は、愛着障害の子どもの支援は無理ですね。自分もできてないことで、人を支援するのは、きわめて困難だからです。
それでは、ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p205~
第13章
トラウマから癒されること :
本当の自分を生きること
僕がセラピーに行くのは、自分が変わり者だと分かるためじゃない。
僕が毎週、セラピーに行って分かるのは、たった一つの答え。
セラピーのことを話す時はね、人がどう思うかって分かってる。
セラピーをすれば、自己中になるし、セラピストが好きになる、ってね。
でも、あぁ、人は誰でも大好きだったことも分かる。
それは、最後にたくさん話し出すのは、自分のことなのにね。
― ダル・ウィリアムズ『心の声は、何て言ってますか?』
(訳注:https://www.youtube.com/watch?v=LwrQXI4_mgoで、この曲が聴けます)
誰もが「治療」できないもの。それは、争い事、虐待、レイプ、性的いたずら(痴漢)、それから、恐ろしい出来事。こういうことは、いったん起ったら、元に戻すことなどできません。でもね、そのトラウマが体や心や魂に刻み込んだ傷跡に、何か「できる」ことはないのかなぁ? 五感が滅茶苦茶にされたら、不安だとか、憂鬱だとかいうかもしれません。自分のコントロールが出来なければ、「危ない」「怒られる」、と警戒するのが当たり前です。自己嫌悪、悪夢、フラッシュバックがあれば、それが暗中模索の霧となって、仕事も手に付かなくなりますし、今やってることに身が入らなくなります。心を開いて、他の人と関われなくなりますね。
発達トラウマがあると、自分とも、他の人とも、関わることができません。魂も人間関係も育ちませんから、社会の中で生きていくことが非常に困難ですね。引きこもり、非行、怠学、少年犯罪、いじめなどの背景に、発達トラウマ、愛着障害あり、ですね。