エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

虎穴に入らずんば、虎児を得ず

2015-10-15 07:52:56 | アイデンティティの根源

 

 

 アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちの狂気を打開するために必要なのは、チッヤャナ言葉だけ。

 Young Man Luther 『青年ルター』p.233の第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ここで、私どものお話は、一巻の終わりです。私どもは、ルターの洞察と主義主張から人類が何を作り出そうとするのかは、大衆心理学と政治哲学に任せることもできましたでしょう。それから、ルターの人格がさらに発達することを台無しにした、残っていたいろんな葛藤を、こころの問題とか、老成とか、のせいにもできたでしょう。しかし、自分を確かにするシッカリとした感じは、人が危機から勝ち得た唯一のものなのです。

 

 

 

 

 

 「若い時の苦労は、買ってでもしなさい」と言われますよね。それは、自ら危機を招くことかもしれませんね。人から見たら、バカゲタことかもしれません。しかし、その危機に自ら入り込むこと、「虎穴に入らずんば、虎児を得ず」ですね。

 自分を確かにする感じであるアイデンティティは、文字通り、虎穴に入らずんば、虎児を得ず、なのです。

 

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東洋ゴムよ、またか! 三井不動産、おまえもか!

2015-10-15 07:35:09 | エリクソンの発達臨床心理

 

 日本に、これだけ狂気の沙汰が、アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちによってもたらされるのは、アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちだけが狂気じゃぁないからです。またまた、東洋ゴムが目先の金もうけのためには、ウソとゴマカシをやっちゃった。三井不動産が建てたマンションも、杭が寸足らずで傾いたのは、目先の利益のために、杭は十分に長い、とウソとゴマカシをやっちゃったから。しかし、そこで働いているお父さん、お母さんたちは、会社にいる時だけウソとゴマカシをやる訳じゃぁないのが怖い。いったんウソとゴマカシに慣れちゃったら、家に帰って子どもを前にしても、ウソとゴマカシだらけになりやすい。すると子どもの心は自ずから病んでいきます(闇になっていきます)。

 社会の闇が深くなれば(ウソとゴマカシが溢れれば)、子どもの心の病(闇)も深まりますからね。

 今の日本の子どもひとりびとりの心の闇は、唖然とするほど真黒黒なのは何故でしょうか?答えは…。

 

 ルターもガンディーも、自分が悩み苦しんだことを、同時代の人々が新しい人生を生きるために役立てた人でした。それはエリクソン自身も同じでした。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』p.82の第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 こういったことに導かれて、私どもは、歴史を心理的に振り返る仕事をしています。しかし、このお話の結論は、短くまとめるのが一番ですね。それは1つの問いを問うことです。精神分析の方法論は、歴史を心理的に振り返って得られた洞察から、何を学べるのか? ということと、その学びを伝える言葉をどうやったら生み出せるのか? ということです。ですから、私どもはこのお話の振出しに戻ります。

 

 

 

 これで、The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の第3章、「心理社会的発達の主たる舞台」の翻訳は完結です。

 ひとりびとりの心の発達と、社会の仕組みは、切っても切れない関係にあることがよく分かりましたよね。

 

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癒しの匂い  あばら家暮らしのエリクソン

2015-10-15 03:09:40 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 男も中年になれば、臭いのことを気にする方も多いのかもしれませんね。「加齢臭」などと言う、昔はなかった言葉も盛んに言われたりしますしね。でも、あんまり気にしすぎるのもどうでしょう。日本人は基本、そんなに臭いませんからね。それはいろんな民族の人と関われば、自ずから分かります。黒人で、カカオのような臭いの人がいるんですね。そうすると、教室位の、割と広い部屋でも、その人のカカオのような、甘い感じですが、強烈な臭いがすぐに充満しますから、匂い慣れしてない日本人は、ずくにでも逃げ出したい、と感じる人が多いかもしれませんからね。

 先ほど、ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」を翻訳して、愛着障害の治療法を紹介していると、言ってましたよね。でも、愛着障害のことを猛烈な勢いで本にしている岡田尊司(たかし)さんは、そういう治療法が愛着障害の子どもたちを癒すとは言いません。もっと手前のことが物を言うという訳ですね。私は、それは、匂いだ、と感じています。

 その、岡田尊司さん。エリック・エリクソンのことに触れている本が何冊かあるんですね。多くの著名人の心の傾向を分析するのが得意な岡田尊司さんですから、エリック・エリクソンに関心を持つのも、ある意味当然です。エリクソンの詳しい伝記、Lawrence J, Friedman, 1999, Identity 's architect : a biograpy of Erik Erikson,  Harverd University Press. も当然読んでいることでしょう。岡田尊司さんの『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』(光文社新書 540)pp.250-254に、エリクソンのことが出てきます。エリクソンは、英語も満足に話せないのに、アメリカに移住して、ボストン郊外のあばら家に住んでいました。アメリカでは精神分析は医者がするものとされていましたから、大学も出てないエリクソンは、なかなか精神分析家と認められませんでした。でも、他の人がお手上げだったケースを、次から次に治療していきました。岡田尊司さんは、その中でも難しかったであろう、失感情語症のマーサ・テイラーのケースに触れています。原著ではpp.114-119に、エリクソンが、このマーサ・テイラーを、精神分析のやり方としては、型破りなやり方で治療したことが出てきます。岡田尊司さんは、エリクソンがマーサを治療できたのは、エリクソンがマーサと同じ愛着障害に悩み、それを克服していたからだ、といいます。私も同感ですね。なぜなら、エリクソン自身も、「私の仕事においては、宗教的・政治的指導者、すなわち、マルティン・ルターとモハンダス・ガンディー(1958; 1969)の人生と、2人の人生の中で抜き差しならなかったいくつかの時期を、研究することだけです。この2人は、自分がうまく折り合いがつけられずに困っていたことを、同じ時代を生きた人々の人生に役立てるために、みんなが分かる言葉にして見せた人たちです。」(自分の悩みを、人様のために役立てる生き方)と言うくらいですからね。岡田尊司さんは、「エリクソンが彼女に与えた、無防備とも言える親密さ、あけすけさが、マーサが抱えていた愛着不安をやわらげ、リラッスクして自分の問題を語り、それを受け入れるのを容易にしたのではなかろうか。」(p.252 -253)と言っていますね。

 私は、臨床が上手な人には、独特の匂いがすると、つねづね感じてます。ですから、河合隼雄先生や伊藤良子先生等の有名人じゃなくても、上手な人は、独特の匂いを感じますもんね。クライアントや子どもは、私どもよりもはるかに、その匂いに敏感です。ですから、その匂いのする人をすぐに見分けます。その匂いは、自分の心理的課題を乗り越えて、悦んで生きてることから、自ずから立ち現れる匂いです。

 

 

 

 癒しの匂いは、プリメーラの匂いみたい

 

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発達トラウマ障害(DTD)のいろんな治療法

2015-10-15 01:18:19 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
矢内原忠雄の「子供について」
  矢内原忠雄先生の晩年の小論の「子供について」があります。私が西村秀夫先生の「聖書を学ぶ会」に参加を許されて間もなく、そのコピーをいただいて、当時繰り返し読んだ...
 

 福井大学の友田明美さんたちの、愛着障害研究について、朝日新聞その他の新聞で紹介されています。http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/medical/80928.html

愛着障害は、視覚野や聴覚野が20%委縮すること、環境に合わせて、神経回路を減らす(刈込する)ことができないために(危険をいち早く察知するために、たくさんな神経回路を温存して)、感覚情報が大量に、感覚情報を受け止める容量が小さいところに集中して、オーバーフローしやすく、混乱と恐怖をもたらしがちなこと、意欲や喜びを感じる線条体の活動が弱いことが、報じられています。

 私に言わせれば、この福井大の研究は、アメリカの30年以上の研究成果の延長にあるものであって、友田明美さんは、「(今回の福井大の研究だけからは)愛着障害の原因か結果かはわからない」とした、脳の委縮や脳の機能不全は、愛着障害をもたらす、心と心が響かない養育環境の結果であることは、明らかです。

 ますます、福井大の研究の基となっているヴァン・デ・コーク教授の研究が光りますね。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.206の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 こういったいくつかの目標は、それぞれ、決まった手続きで、達成すべき段階ではありません。それぞれの目標は重なり合い、また、ある目標は別の目標に比べて、困難な場合がありますし、(その目標が達成できるか否かは)ひとりびとりのいろんな事情次第です。これからお示しするそれぞの章で、これらの目標を達成する特別な方法や治療法について、お話するつもりです。私はこの各章を、トラウマを背負って生きている愛着障害の人たちや、その治療に当たるセラピスト等にとって、お役に立つものにしようといたしました。今ストレスにされされている人々も、この特別な方法や治療法が、役立つと感じて下さればと思います。1つの治療法しか、うまく使えなかった、という方もあるかもしれませんが、回復の段階に応じて、いろんな治療法が役立ったという方がほとんどでしょう。

 

 

 

 

 ヴァン・デ・コーク教授は、今翻訳している13章の後でいろんな治療法を紹介しています。14章では言葉療法・カウンセリング、15章ではEMDR、16章では、ヨガとマインドフルネス、17章では、内省療法(内的家族システム療法)、18章は、ペッソ・ボイデン体感療法、19章は、ニューロフィードバック療法、20章は、演劇療法、という具合です。

 

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