医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

印少年の美しい夢

2006年11月03日 10時14分09秒 | Weblog
 今日は文化の日、明治天皇誕生記念日でもあります。

 一年中で最も雨の日が少ない日とも言われ、結婚式や学園祭が多いのもこの日、不肖ながら僕の誕生日でもあります。

 このブログも去年の年末から始め、234本を書きました。

 一応のテーマが「美」ですから、すぐ尽きるだろうと思いましたが、意外に続いております。

 僕が最も優れたドキュメンタリーのひとつと強くお勧めする、NHK-BS1「アジアに生きるこどもたち」の続編が、このところ夜9:10から放映されております。

 昨日はNHK教育の3チャンネルで夕方6時くらいから、再放送(?)のインド編を見ました。

 10歳で親元を離れ、都会で友達と貧困の中、チャイを売る屋台を始め、前向きに強く生きる男の子の話しでした。

 決して立派とは呼べないけれども、夢のいっぱい詰まったチャイの屋台が成功したら、彼は自分のような恵まれない子供たちのために、子供センターを作りたいんだ、と友達同士で夢を語り合っておりました。

 小説「黄金の島」-講談社-、真保裕一著、を思い出してしまいました。

 後味のホロ苦いこの本は、ヴェトナムのまさに同じ境遇の少年たちと、日本のアウトローとの小説です。

 そして、そのインドの少年は、離れ離れになって行方が分からなくなった家族と再会することができ、一緒に暮らそうと言われました。

 再会を果たしたときの母親のあふれる涙、嗚咽、抱きしめながらそれを自分の手でぬぐってあげる少年・・・

 弟の手をうれしそうに引くときの、とてもチャーミングな笑顔・・・

 またしても涙が止まりませんでした。

 しかし、友人たちは少年の家族との再会を喜びながらも、少年がいなくなってしまうことに複雑な心境、一方少年は悩んだ挙句、友達との生活を選びました。

 僕たちと同じアジアの、言ってみれば広義の同胞です。

 何とかならないかなぁ・・自分が歯がゆい。

 もう少し水の濃い薄いを撹拌・拡散できないものか?

 せめて世界中の子供たちが、飢えることなく、雨風をしのいで、親と一緒に過ごせ、教育を受けられるように・・・。

 

 仕事で富津に行ってきました。

 足を伸ばして、富津の吾妻神社、木更津の吾妻神社、きみさらづタワーのある太田山公園を探し出してお参りしてきました。

 これで横須賀の走水神社から、橘姫のくしが奉納された富津吾妻神社、袖が奉納された木更津吾妻神社を回ることができ、ヤマトタケルが姫を想った太田山も体験できました。

 平日で閑散とした太田山のタワーに昇り、静寂の中、しばし東京湾をぼんやりと眺めました。

 君去らず 袖しが浦に立つ波の
     その面影を 見るぞ悲しき