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百万長者の死

2018年12月20日 | 雑日
本格ミステリかと思って読むとアテが外れます。
ピカレスクロマンあるいは倒叙ものに近いかも。
ちょうど「世界を揺るがした10日間」(光文社古典文庫)を読んでいたので、
途中の手記はまさにその時代。
レーニン、トロッキーがケレンスキーから権力を奪取せんとするとき。

マニアだったら冒頭でプロットが分かっちゃう。
著者(たち)は、ミステリの枠を使って、
寄生地主たる英国の貴族たちを弾劾したかったのでは。

本格ミステリならば、探偵が謎を解くことで犯人へ制裁が行われるはずですが、
そうではないラストは、現代作品を先取りしているのかもしれません。
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