spin out

チラシの裏

探偵小説の黄金時代 その5

2018年12月04日 | 雑日
二十四章と地上最大のゲームの二十九章は、どこかで読んだようなと思いきや、
カーの評伝「奇蹟を解く男」そのままな感じ。
カーの章でもそうだとしたら、バークリーとセイヤーズのエピソードが中心になっているこの本の大部分は、
両者の評伝に大きく拠っているのでは。
セイヤーズの評伝は未訳ですが、バークリーの評伝はあるんでしょうか?

ディテクションクラブの歴史は、いわばバークリーとセイヤーズという二つの大きな台風によるもので、
二つの台風の暴走に翻弄される参加者という図式のようにも見えます。

バークリーとセイヤーズが中心とはいえ、多くの有名無名な作家を紹介する奔流に目眩がします。
筆名に隠された素性があらわになり、意外な因縁が分かるのも素晴らしい。

この本が出た今こそ、国書刊行会の世界探偵小説全集の本当の価値がわかる。
藤原編集室の慧眼おそるべし。

しかし、ミルワード・ケネディを読んでみないといけないなあ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 探偵小説の黄金時代 その4 | トップ | 百万長者の死 »

コメントを投稿

雑日」カテゴリの最新記事