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ボルジア家の黒真珠さん

2009年09月17日 | ミステリ
いちおうホームズファンなので、ちくま文庫から「詳註版シャーロック・ホームズ全集」
(ベアリング・グールド/解説と注・小池滋/監訳)が出たときは、楽しみながら読みました。
ちくま文庫だけでなく、各社(早川、創元、新潮)の文庫でも出ているのはご存知のとおり。わたしはなんと言っても、新潮文庫の延原謙でないとホームズを読んだ気がしないくらい、新潮文庫の延原謙の訳が好きです。ほかの訳を読んでいないですし、小学校のころから延原訳のを読んでいたので、古臭いとか、分からないところは適当に訳しているとか、いろいろあるのでしょうが、それでも好きです。


ところで、ホームズものの中でも有名な作品に「六つのナポレオン」があります。最後に例のものをナポレオンの胸像の破片から見つけ出したとき、ホームズが芝居がかった台詞を言う場面がクライマックになっています。
延原訳では
「紳士諸君! ボルジア家の有名なる黒真珠をご紹介申しあげます!」

ちくま文庫版(高山宏訳)では
「諸君」と彼は大声で呼ばわった。「ご紹介いたします。ボルジア家の黒真珠さんです!」

原文は
"Gentlemen," he cried, "let me introduce you to the famous black pearl of the Borgias."


「黒真珠さん」!
好き嫌いではあるとは思うのですが、黒真珠「さん」ってすごく違和感が。
原文のどこにこんなニュアンスがあるのでしょうか。知りたい。
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