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横溝正史 探偵小説五十年

2009年09月19日 | ミステリ
江戸川乱歩に「探偵小説四十年」があり、
横溝正史には「探偵小説五十年」。




「探偵小説四十年」は、乱歩が幼少からの思い出を書いているとはいえ、
日本の探偵小説界のありさまも描かれていて、当時のようすが興味深いですねえ。
それは、乱歩が自分を記録することにかけては尋常でないくらいの意欲を持っていたからでしょう。

たいして正史の「五十年」は、思い出話に終始しているかわりに、
小説を書く作家というものの複雑な心の内も覗くことができます。
扱いにくい乱歩を操縦するには「おだてること」と看破しているものの、
自分も城昌幸にうまくおだてられて「本陣殺人事件」を書いたって、
横溝先生、あなたも城編集長に操縦されてたんじゃないですか~
戦前に大病をしたあと復帰したとたんに
「鬼火」が検閲で一部削除を命じられたのは、ほんとにショックだったんですね。
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