Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」…未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権

2019年04月28日 00時00分40秒 | Weblog


Youtubeの映像資料【20190330 UPLAN 小出裕章「フクシマ事故8年 原子力を廃絶させる道」】(https://www.youtube.com/watch?v=lVepb2z-VyM)。
東京新聞の小川慎一記者による記事【プール核燃料、搬出開始 福島第一事故8年 3号機566体】(https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019041590135634.html)。
東京新聞の社説【核燃料搬出開始 廃炉への道のりはるか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019041602000153.html)。

 《【さようなら原発1000万人アクション実行委員会】さようなら原発講演会》。
 《3号機プールには、使用済みと未使用の核燃料計五百六十六体を保管。使用済み核燃料は長期間、強い放射線と熱を発するため、水中で冷やしている。東電は四月中に未使用の七体を取り出し、六月下旬から作業を本格化させる方針。核燃料は敷地内の共用プールに移す。取り出しを終えるまでに約二年かかる見込み》。
 《東京電力福島第一原発3号機から使用済み核燃料を取り出す作業が始まった。廃炉への道のりは険しく遠い。あらためてつくづく思う。この国で大変なことが起きてしまった。起こしてしまったと。「一歩前進」、それは確かだ。しかし、あと何歩進めば、ゴールにたどり着けるのだろう》。

 《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」…未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権。《廃炉への道のりは険しく遠い。あらためてつくづく思う。この国で大変なことが起きてしまった起こしてしまったと》…なのに、この国は一体何をやっているのでしょうか? 《しかし、あと何歩進めば、ゴールにたどり着けるのだろう》…アベ様らは、福島を既に忘却。《原発はいまだ本当の意味での「アンダーコントロール(管理下)」には遠く、この国が大変な困難を抱えたままだ》…を忘却。

   『●《ニコニコ》の山下俊一《先生も小児の甲状腺被ばくは
         深刻なレベルに達する可能性があるとの見解です》

   『●《県がこのまま原発を進めれば地域破壊がさらに進み、
          住民を苦しめ続ける。権力がそこまでしていいのか》
   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》 
                …原状回復して見せたのか? 誰か責任は?
   『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…
        日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
        “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…
       「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》

 《使用済み燃料の取り出し作業がたとえ順調に進んでも、燃料の最終処分先は決まっていない。その後には、核燃料が溶け落ちて固まった「燃料デブリ」が待ち受ける。それこそが“本命”だ》、《ことし二月、2号機の格納容器側面から投入されたロボットが、デブリとみられる堆積物に初めて触れて、一部持ち上げることに成功したことが、大ニュースとして喧伝》…。そして、デブリの総量は3基で?

   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も3基で
         計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?

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https://www.youtube.com/watch?v=lVepb2z-VyM



20190330 UPLAN 小出裕章フクシマ事故8年 原子力を廃絶させる道
2019/03/30 に公開

【さようなら原発1000万人アクション実行委員会】
さようなら原発講演会
福島原発事故から8年。原子力をめぐる環境は大きく変わりました。
しかし安倍政権は、そのような現実を直視することなく原発推進に邁進しています。
安倍政権の成長戦略の重要な柱であった原発輸出は、ベトナム、トルコ、イギリスなどで次々ととん挫しました。
現在、9基の原発で再稼働が強行されましたが、一方で廃炉決定・検討中の原発が23基となっています。
もはや原発は「廃炉の時代」に入っています
高速増殖炉もんじゅも廃炉となり、核燃料サイクルの意義すら失われています。
原子力政策は行き詰り、未来がないことは明らかです。
福島原発事故から8年目を迎え、このたびの「さようなら原発講演会」では、長年、原子力研究に携わり、その危険性を警告し続けている元京都大学原子炉実験所の小出裕章さんから原子力の問題点、その未来を語っていただきます。

講演:
原子力を廃絶させる道-小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)

現地から:
東電刑事裁判報告・住宅避難者の現場から
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https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019041590135634.html

プール核燃料、搬出開始 福島第一事故8年 3号機566体
2019年4月15日 13時56分

 東京電力は十五日、福島第一原発3号機の原子炉建屋上部にある使用済み核燃料プールから、冷却保管中の核燃料の取り出しを始めた。事故から八年、炉心溶融(メルトダウン)を起こした1~3号機でプールからの核燃料取り出しは初めて。現場は放射線量が高く人が長時間いることができない。ほとんどの作業が遠隔操作であるため、難航することが予想される。

 3号機プールには、使用済みと未使用の核燃料計五百六十六体を保管。使用済み核燃料は長期間、強い放射線と熱を発するため、水中で冷やしている。東電は四月中に未使用の七体を取り出し、六月下旬から作業を本格化させる方針。核燃料は敷地内の共用プールに移す。取り出しを終えるまでに約二年かかる見込み

 作業は午前八時半すぎに開始。建屋から五百メートル離れた免震重要棟内の操作室で、作業員がモニターの画面を見ながら取り出し機器を操作した。燃料取扱機で核燃料を一体(長さ四・五メートル、十五センチ四方、重さ約二百五十キロ)ずつ持ち上げ、水中に置いた専用容器(重さ約四十六トン)に七体入れる。一体を入れるのに二、三時間かけ、この日は午後八時まで作業する。一体目は、一時間半ほどで容器に入れることができた。

 その後、容器をクレーンで三十メートル下の一階に下ろし、トレーラーで共用プールに運び出す予定。

 3号機の核燃料取り出しは当初、二〇一四年末にも始める計画だったが、高線量が作業の壁となった。外部に放射性物質が飛び散らないよう、建屋上部にドーム型カバーを設置。東電は昨年十一月に取り出しを始める計画を示したものの、クレーンなどの機器に不具合が相次ぎ、点検や部品交換のため延期していた。

 4号機では、一四年末にプールから核燃料千五百三十五体を取り出し済み。地震発生時は定期検査で停止中で原子炉内に核燃料がなく、炉心溶融を免れた。水素爆発で建屋上部が吹き飛んだが線量は低く人が中で作業して一年程度で終えた。


◆解説

 福島第一原発3号機のプールからの核燃料取り出し作業は、同じく炉心溶融が起きた1、2号機の核燃料取り出しの行方を左右する。いずれも建屋内の放射線量が高く、人が中で長時間作業できず、遠隔操作で進めざるを得ないからだ。

 3号機プール周辺の線量は毎時五四〇マイクロシーベルトで、二時間で一般人の年間被ばく線量限度に達するレベル。プールに残る細かな汚染がれきを、アーム型機器で取りながらの作業だ。クレーンなどでトラブルが起きれば、人が建屋内で修理しなければならない。これら未経験の作業をこなし、ノウハウを積む必要がある。

 東電は1、2号機のプール内の核燃料取り出しを二〇二三年度に始める計画を立てたが、両号機は3号機よりも線量が高く厄介だ

 特に1号機は建屋最上階に大きながれきが積み重なり、原子炉格納容器上のコンクリート製の巨大なふたがずれ落ちているふたのずれを元に戻さなければ、3号機同様の取り出し機器は設置できない

 1号機は三百九十二体、2号機は六百十五体の核燃料がプールに残る。これらを高台の共用プールに移すことはリスク軽減のため不可欠。ただ3号機の作業次第では、1、2号機の取り出し計画の大幅な見直しが迫られる。 (小川慎一)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019041602000153.html

【社説】
核燃料搬出開始 廃炉への道のりはるか
2019年4月16日

 東京電力福島第一原発3号機から使用済み核燃料を取り出す作業が始まった。廃炉への道のりは険しく遠い。あらためてつくづく思う。この国で大変なことが起きてしまった起こしてしまったと

 「一歩前進」、それは確かだ。しかし、あと何歩進めば、ゴールにたどり着けるのだろう

 炉心溶融(メルトダウン)を起こした福島第一原発1~3号機の原子炉建屋上部にある燃料プールには、それぞれ未使用と使用済みの核燃料が残されたままになっていて、強い放射線を出し続け、廃炉作業の大きな妨げになっている

 3号機の燃料プールの中でも比較的安全な未使用の燃料を取り出すことから踏み出した“第一歩”。事故から八年、機器の不具合などがあり、予定より四年遅れで始まった

 その取り出しが始まったということは、廃炉作業環境の地ならしが、ようやく端緒についたということにすぎない。

 作業はすべて遠隔操作。特殊な装置を使って核燃料を水中で輸送容器に納め、クレーンでつり上げて、近くの共用プールへ移す-。

 3号機のプールの中だけで五百六十六体の燃料が眠っている。一日数体ずつ移し、二〇二〇年度中に作業を終える工程だ。これだけでも大変な作業である。

 使用済み燃料の取り出し作業がたとえ順調に進んでも、燃料の最終処分先は決まっていない。その後には、核燃料が溶け落ちて固まった「燃料デブリ」が待ち受ける。それこそが“本命”だ

 ことし二月、2号機の格納容器側面から投入されたロボットが、デブリとみられる堆積物に初めて触れて、一部持ち上げることに成功したことが、大ニュースとして喧伝(けんでん)された。

 上部からつり上げやすい位置にある使用済み核燃料すら、一基二年がかりの難作業。所在も形状も性質も不明に近い燃料デブリを果たして安全に取り出すことができるのか-

 「一歩前進」を喜ぶよりも、ことの重大さを、あらためて思い知らされるのみである。

 安倍晋三首相は十四日、スーツ姿、マスクなしで事故現場を視察。東京五輪開催に向けて、作業の進展と安全性をアピールした。しかし、原発はいまだ本当の意味でのアンダーコントロール(管理下)」には遠く、この国が大変な困難を抱えたままだということを私たちは忘れるべきではない。
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●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?

2019年04月15日 00時00分56秒 | Weblog


東京新聞のルポ【スリーマイル島事故40年 原発延命論 不安続く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019032702000136.html)。

 《一九七九年三月二十八日、2号機で核燃料が半分近く溶融するメルトダウンが発生。放射性物質が外部に漏れ、周辺住民十四万人以上が避難した。八六年の旧ソ連のチェルノブイリ原発、二〇一一年の東京電力福島第一原発の事故より前に、原発災害の脅威が現実のものとなった事故から四十年がたつ…◆日本、廃炉の参考 デブリ総量、福島は7倍》。

   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」
                   ……いま、その〝少年〟は?
    「記事は、「原発事故で故郷を奪われることが二度とあってはならない。
     日本に原発はいらない」という〝少年〟の言葉で結ばれている」

   『●消えゆく「事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの」
                     ~「原子力 破滅 未来のエネルギー」~
    「原発を再稼働したい「地元」はよく噛みしめるべきだ。川内、高浜、大飯、
     大間、玄海……「地元」の人たちは、本当にこのままで良いと思っているのか?」

   『●原発PR看板撤去=「間違った過去と向き合わない行為」
                 …「人間の愚かさ」にさらなる恥の上塗り
    「「負の遺産として保存し、人間の愚かさを後世に伝えるべきだ」と撤去反対」

   『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」
              …2011年から「X年後」を怖れる
   『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの参加者だ
                       ということがわかっているのだろうか」?
   『●「マンハッタン計画」の核開発拠点となったハンフォードと
               東京電力核発電人災、それぞれの『X年後』…

 東電原発人災の福島第一核発電所の膨大なデブリ…。東電は、ちっぽけな1個のデブリを〝マジックハンド〟で僅かに持ち上げたからと言って、大喜び。だから、何だというのでしょう? 何をバカ騒ぎ? どろどろに溶けて固着した高濃度の放射線を帯びたデブリを、如何に完璧に取り除くのか? もともとそんなことは可能なのか? 取り除けたとして、どこで、どのように安全に保管するの?
 要は、東電原発人災は、何一つ解決していない。誰も責任をとらない。原状回復できていない(そもそも原状回復しようもない)。
 核発電所再稼働なんてやっている場合なのだろうか?

   『●《ニコニコ》の山下俊一《先生も小児の甲状腺被ばくは
         深刻なレベルに達する可能性があるとの見解です》

   『●《県がこのまま原発を進めれば地域破壊がさらに進み、
          住民を苦しめ続ける。権力がそこまでしていいのか》
   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》 
                …原状回復して見せたのか? 誰か責任は?
    「《失われた古里》、《もどれない故郷》、失われた
     《本来は恵みをもたらす田畑の土》…原状回復して見せたのか? 
     誰か一人でも責任をとったのか?
     それでも経済産業省は核発電の《維持推進を掲げる》…
     東京電力核発電人災から8年なのに、この体たらくだ
     核発電「麻薬」中毒患者達は、経済性から核発電輸出からは撤退しよう
     としているが、…国内では、核発電所を再稼働し、新規建設をしたくて
     しょうがない訳だ。3.11の核発電人災の反省など一切なし」
    《「福島は語る」という映画…土井敏邦監督が福島県民ら十四人に
     インタビューした記録映画である。そこに杉下初男さんが出ていた。
     杉下さんは石材業を営み、本の中では、飯舘の白御影石は安くて色が
     ブルーなので東京で人気だった、と書いてある。
     映画で杉下家の本当の悲劇は、事故の何年も後だったと知った。
     杉下さんは原発事故のせいとも、放射能のせいとも語っていないが、
     故郷を離れ、避難生活を送ることの厳しさを感じた》

   『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…
        日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》
   ●核発電「麻薬」中毒患者・中西宏明経団連会長自ら、
        ニッポンは《民主国家ではない》ことを立証して見せた
   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…
      「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
   『●東電は《企業版ふるさと納税制度を利用し、
     子育て支援事業などにおよそ4億円を寄付》って、酷い冗談!?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019032702000136.html

スリーマイル島事故40年 原発延命論 不安続く
2019年3月27日 朝刊

     (スリーマイルアイランド原発2号機。
      右の円筒形の建物が原子炉建屋=14日(共同))

 【スリーマイルアイランド(米ペンシルベニア州)=共同】 鏡のように穏やかな川面を輝かせる米東部ペンシルベニア州サスケハナ川。その中州に鼓形の巨大な四つの建造物がそびえる。スリーマイルアイランド原発の冷却塔だ。二つは1号機の運転に伴う水蒸気を発するが、2号機用の残り二つは静けさが漂う。

 一九七九年三月二十八日、2号機で核燃料が半分近く溶融するメルトダウンが発生。放射性物質が外部に漏れ、周辺住民十四万人以上が避難した。八六年の旧ソ連のチェルノブイリ原発、二〇一一年の東京電力福島第一原発の事故より前に、原発災害の脅威が現実のものとなった事故から四十年がたつ。

 午前四時ごろ、タービンを動かす蒸気を作るための給水系統のトラブルで原子炉が緊急停止。この時に開いた炉心冷却水の圧力調整用の弁が自動で閉じなかったことに運転員が気付かず、冷却水が施設内へ流れ出し水位が下がり続けた。冷却機能を運転員が止めるミスもあり、数時間後に回復するまでに炉心の三分の二が露出、過熱して45%が溶融した。

 米原子力規制委員会(NRC)などさまざまな組織が原因を調査し、機器の故障や複雑で誤解しやすい計器類、運転員のミスによる複合要因と結論付けた。設備の安全対策の強化や運転員の教育訓練、緊急対応計画の改革につながった。溶融核燃料(デブリ)の取り出しと搬出が完了したのは十年余りたった九〇年。発生した汚染水の処分も九三年に終わり、外観をとどめたまま監視が続く。

     (事故で2号機圧力容器の下方にたまった燃料デブリ)

 事故後、米国では三十年以上、原発の新規着工が敬遠された。最近ではシェールガス革命に伴う火力発電や、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電が安価で、競争力を失った原発は廃炉が相次ぐ。ピークの九〇年代に百十基余りあった米国内の原発は九十八基に。事故以来と期待された四基の新設計画のうち二基は頓挫した。

 隣接する1号機も例外でない。二〇三四年まで運転が認められているが、事業者の米電力大手エクセロンは一七年、前倒しで一九年九月末までに閉鎖すると発表した。2号機の解体は1号機と並行して進む予定だ。

 だがここに来て、1号機の運転を引き延ばす可能性が浮上している。地球温暖化対策として、二酸化炭素を出さない原発を再生可能エネルギーと同様に優遇することを州議会が検討。実現すれば1号機は補助金により延命され、2号機の解体も影響を受けるとみられる。連邦議会でも原子力の新技術開発には党派を超えた支持があり、推進する法律が成立している。

 地元では今も事故が影を落とす。健康への不安などを語り合うウェブ上の交流サイトは参加者が四千人近くに上る。原発から約五キロの場所に住むパティー・ロングネッカーさん(75)は「近所では白血病などのがんで亡くなる人がいて、事故の影響だと考えてきた。私にとって、四十年前に始まった懸念は決して終わることがない」と話した。

     (1985年、燃料デブリを取り出す作業員ら
      =いずれも米ペンシルベニア州で(米原子力規制委員会
      /アイダホ国立研究所提供・共同)


◆日本、廃炉の参考 デブリ総量、福島は7倍

 炉心溶融を起こし、デブリを取り出したスリーマイルアイランド(TMI)原発のケースは「先行事例」として東京電力福島第一原発の廃炉作業の参考となっている。3基で炉心溶融が起きた第一原発では2019年度内にデブリ取り出し初号機を決めるが、TMI事故とは相違点も多く、今後の困難さが際立つ

 1979年のTMI事故で炉心溶融が起きたのは2号機の1基で、燃料の半分近くが溶融した。カメラによる内部調査などを経て、デブリ取り出し開始は事故6年後の85年。大きな損傷は免れた原子炉圧力容器を水で満たして放射線を遮り、水中でデブリを砕く作業を繰り返したデブリは極めて硬く、場所により硬さや形状も異なるため、同時並行で工具を開発。先端部に人工ダイヤモンドを含む掘削用ボーリング機器などが使われた。

 90年までに約130トンに上るデブリを取り出し大半は3000キロ以上離れた米アイダホ国立研究所に鉄道輸送された。ただ1トンほどのデブリは取り切れず、原子炉内に残されている

 事故を起こした2号機に隣接する1号機は現在も稼働中のため、解体と残りのデブリ取り出しは1号機の運転終了後に同時に行う。このため2号機は40年前とほぼ同じ状態で置かれている。

 これに対し、福島第一原発は3基同時に炉心溶融が起き、デブリは圧力容器を突き破って原子炉格納容器に達している。事故で損傷した原子炉の修理は困難で、格納容器を水で満たさずに取り出す「気中工法」で着手することが検討されている。デブリの総量も3基で計約880トンと推計され、TMIの7倍近くだ。

 汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水の扱いも異なる。TMIでは近くの川への放出が検討されたが、下流域の住民が反発。91年から93年に約9000トンを蒸発させ大気中に放出処分した。一方、第一原発では貯蔵量が既に100万トンを超えて増え続け、政府が海洋放出などの処分方法を検討しているが、結論は出ていない。


<スリーマイルアイランド原発> 米東部ペンシルベニア州にある原発。1号機と2号機の2基あり、いずれも米メーカーのバブコック&ウィルコックス製の加圧水型軽水炉。1号機は1974年、2号機は78年に稼働した。2号機では79年3月28日早朝に部分的なメルトダウン(炉心溶融)事故が発生。商業運転開始から3カ月しかたっていなかった。 (ワシントン・共同)
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