Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●教員について密告させ、労組を監視する=自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」

2016年08月27日 00時00分42秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の水井多賀子氏による記事【自民党が密告フォームで集めた反戦教師情報を警察に提供、大分県警は野党の施設を監視…自民党=警察一体の監視社会に】(http://lite-ra.com/2016/08/post-2480.html)。

 《教員が「子供たちを戦場に送るな」と言う当たり前のことすら糾弾し、監視によって教育現場を統制しようとしただけでなく、選挙中であったことを盾に公選法違反として捜査対象にしようというのだ》。

 教員について密告させ、労組を監視する、そう云う社会、「超・監視管理社会」…自公支持者の皆さんの大好きな社会まであと一歩のようです。教育破壊が進行し、労働組合の取り組みも破壊されて久しい。教員や労働者に「戦争反対」でさへ口に出せなくする…、ゾッとします。それに、「本土」マスコミは騒ぎもしません。

   『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って
                              ・・・冷たい国だ
    「真に生活保護を欲している人の中で一体何%の人が
     「仕事をせず、遊んで暮らしているという」のか? 
     マスコミや一部の政治家の言動に踊らされていは
     いけない。「「生活保護受給者らしく」生活しているか、
     パチンコをしていないかどうかを監視し、隣近所に
     通報密告)を奨励している自治体があります」……
     監視社会なんて、ゾッとする。「オーウェル
     「一九八四年」…まで、あと一歩ではないか」」

   『●『日本の公安警察』読了(2/2)
   『●「超・監視管理社会」: 自公支持者の皆さんの大好きな、
               アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会

 東京新聞の記事【隠し撮り問題、被害届提出 大分県警「適正に捜査」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016081201001766.html)によると、《大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していた問題で、建物管理者の団体が12日、県警に建造物侵入の疑いで被害届を提出し、受理された。県警刑事企画課は「法と証拠に基づいて適正に捜査する」としている。建物には社民党支援団体の別府地区平和運動センターや、連合大分東部地域協議会が入っており、参院選公示後の6月24日まで1週間近くカメラが設置された》そうだ。…でも、「泥縄」「ドロナワ」させても無理なのではないでしょうか、「盗撮」「監視」の真相解明なんて?

   『●青木理さん「冤罪」「マイナンバー」
     「監視・管理されたがり社会」、金子勝さん「もんじゅ「廃炉」?」
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
      刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●刑事訴訟法の「改正」どころか、
      警察・検察に、司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」

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http://lite-ra.com/2016/08/post-2480.html

自民党が密告フォームで集めた反戦教師情報を警察に提供、大分県警は野党の施設を監視…自民党=警察一体の監視社会に
水井多賀子 自民党 警察 2016.08.08

    (自民党HPより)

 この国はもうすでに、中国や北朝鮮のような弾圧国家になったのかもしれない──。そう感じずにはいられないニュースが立てつづけに起きている。そのひとつが、自民党がホームページ上に設けた「学校教育における政治的中立性についての実態調査」のその後だ。

 本サイトでも伝えてきたように、自民党は先月の参院選公示直前に“「子供たちを戦場に送るなと主張することは偏向教育、特定のイデオロギーだ”と糾弾し、そのような学校や教員の情報を投稿できる密告フォームを設置したのだ。このページの存在が問題視されはじめると、自民党は一度ページを削除したが、その後、「子供たちを戦場に送るな」という部分を「安保関連法は廃止にすべき」に修正。それもまた批判を浴びると、安保法制についての文言も削除した。だが、7月19日未明まで、この“密告フォーム”は設けられたままだった。

 そして、問題はこのあと。なんと今月1日に自民党の木原稔・党文部科学部会長(5日、内閣改造で財務副大臣に起用が決定)は、“密告フォーム”に寄せられた情報について公選法違反は警察が扱う問題などと述べ、情報の一部を警察当局に提供する考えを示したのだ。

 つまり、教員が子供たちを戦場に送るなと言う当たり前のことすら糾弾し、監視によって教育現場を統制しようとしただけでなく、選挙中であったことを盾に公選法違反として捜査対象にしようというのだ

 しかも、この警察への情報提供問題を大きく取り上げた大手メディアは皆無。そればかりか、“密告フォーム”問題自体を読売新聞と産経新聞は一度も報じず、読売にいたっては、名古屋市立中学校の男性教諭が「与党の自民・公明が議席の3分の2を獲得すると、憲法改正の手続きを取ることも可能になる」「そうなると、戦争になった時に行くことになるかもしれない」と発言したことが問題となって謝罪したというニュースを先月13日にウェブ版に掲載。偏向教師がいると言わんばかりにこの教諭を追及するトーンで記事にしたのだ

 当然、こうしたメディアも相乗りした自民党の強硬姿勢に対して、今後、教育現場はさらに萎縮していくことは確実密告を推奨し、警察に取り締まらせ、メディアも片棒を担ぐ──いったいどこの弾圧国家の話かと思うが、これがいま、日本でまさに起こっている現実なのである。

 さらに先日発覚したのが、大分県警による隠しカメラ問題だ。参院選の公示前の6月18日夜、別府警察署の捜査員が民進党や社民党の支援団体などが利用していた建物の敷地内にビデオカメラ2台を設置、この件には署長以下幹部もかかわっていたことが判明している。

 これは憲法が認める思想・信条の自由などを侵した人権侵害事件だ。しかも、自民党が警察と一体となって進めた監視活動であることはあきらかで、戦前の特高警察の復活と言うべき重大な事件である。だが、こちらもメディアによる追及は見られず、問題の大きさからは考えられないほど新聞でもテレビでもその扱いはきわめて小さい

 このような自民党=安倍政権による、あからさまな思想の自由や基本的人権を無視した暴挙が行われても、メディアが沈黙するかぎり、問題が問題として認知されないまま、政治権力と警察権力が結び付いた監視体制はどんどん強化されていくだろう。そうなれば、人びとは政治的行動・発言をタブー視し、相互監視という密告社会が進んでいく。けっして大袈裟ではなく、わたしたちの社会や他者との関わり合い方そのものを、安倍政権は変化させようとしているのだ。

水井多賀子
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●亡国の大政翼賛報道・・・いつか来た道: アベ様は「現地を取材されて困ることでもあるのか」?

2015年02月11日 00時00分09秒 | Weblog


nikkan-gendaiの二つの記事【亡国の大政翼賛報道…安倍政権批判は「テロと同じ」の暴論も】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156931)、
【逮捕かパスポート返納か…安倍政権が“憲法無視”の見せしめ】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157103)。

 「この国の大新聞テレビが、そろって安倍政権を支える「大政翼賛会」と化している実態・・・・・・今回の事件は、安倍首相が「イスラム国対策にカネを出す」と宣言した「カイロ演説」が引き金だ。にもかかわらず、大新聞テレビで、安倍演説を批判する論調は皆無」。
 アベ様の政権の「暴走」許す、批判精神無き、「牙」無きメディア。情けなさすぎる。

   ●アベ様の政権の「暴走」許す、批判精神無き、「牙」無きメディア
   『●カラスはやっぱり「黒い」:  
      「アベ様のNHK」的「政府が白というものを黒とは言えない」で良いのか?

 「カラスはやっぱり「黒い」と言えなくなる日」は、すぐ目の前。NHKを犬HK・「アベ様のNHK」にし、朝日新聞を徹底的にイジメ、テレ朝・TBSを脅し、そして、ジャーナリストのパスポートを取り上げる・・・・・・アベ様達の「異常」さ。「眠り猫」や自公支持者は「鍋の中の茹でガエル」。茹でられていることに気づきもしない。・・・・・・「ちょっと異常である。外務省が・・・・・・カメラマン・・・・・・の旅券を返納させた問題のことだ。外務省と新潟県警の職員5、6人に囲まれた杉本さんは、「渡航禁止の命令書を見せられ、『強制返納か、拒否して逮捕か』と迫られた」という」。

     ジャスラックさん、御免なさい:
       山下達郎さん『War Song
          ・・・ 誰一人知らぬ間に 鋼鉄の巨人が目覚め
              老人は冬を呼ぶ キャタビラの音が轟く
          ・・・ WE JUST GOTTA GET UP RIGHT NOW
              WE MUST SAVE THIS WORLD SOMEHOW!

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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156931

亡国の大政翼賛報道…安倍政権批判は「テロと同じ」の暴論も
2015年2月3日

     (エジプト訪問時の安倍首相/(C)AP)

 過激派組織「イスラム国」による日本人殺害事件で、改めてハッキリしたことがある。この国の大新聞テレビが、そろって安倍政権を支える「大政翼賛会」と化している実態だ。

   「アベ。勝てもしない戦いに参加するというお前の無謀な決断のせい」
    ――。後藤健二さんを殺害した「イスラム国」側が名指しで
    指摘した通り、今回の事件は、安倍首相が「イスラム国対策に
    カネを出す」と宣言した「カイロ演説」が引き金だ。
    にもかかわらず、大新聞テレビで、安倍演説を批判する論調は皆無だ。

 人命優先の極秘交渉中なら「自粛ムード」も理解できるが、事態は最悪の結末を迎えたのだ。報道機関なら、安倍首相演説はもちろん、機能不全だった外務省、日本版NSC(国家安全保障局)の問題を徹底追及するべきだろう。ところが、今の大新聞テレビの報道姿勢は全く違う。政権批判は「的外れ」「テロと同じ」という論調だから理解不能だ

 象徴的だったのが、後藤さん殺害発覚直後のフジテレビ「新報道2001」(1日放送)だ。平井文夫・解説副委員長らが出演した番組では、安倍首相が事件を招いた――との批判が出ていることに触れ、「日本側に何かあったからというのはテロリストの要求に屈している」「(批判するのは)イスラム国の人と同じ」などと「安倍擁護」の発言ばかりだったからだ。

 コメンテーターで出演していた宮家邦彦・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹は2日の産経新聞でも、<事件と(安倍の)演説は関係がない。(略)日本は内輪もめなどをしている段階ではない>と主張。読売新聞も1月23日付の紙面で<安倍首相の中東歴訪がテロリストを刺激し、今回の事件を招いたかのような、的外れの政権批判が野党の一部から出ている>と書いていた。

 産経、読売は「安倍親衛隊」だから仕方ないとしても、他のメディアの論調も似たり寄ったり。

 官邸前で安倍首相の「カイロ演説」を非難するデモも起きているのに何も報じない。それでいて、後藤さんの過去のリポート映像を使って“お涙ちょうだい”報道を繰り返し、国民の反イスラム国感情を煽り続けているのだ。


■戦前戦中ソックリの構図

 戦前、戦中の日本では、侵略戦争に反対する言論や報道を「売国奴」「非国民」呼ばわりし、多くの文化人や活動家が官憲の拷問で虐殺された。片棒を担いだのが、大本営発表をタレ流し続けた当時の新聞だ。時の政府や旧日本軍に迎合した大阪朝日新聞は開戦直前にこう書いていた。

   <こういう未曽有の大事変下においては国内の相克こそ
     最も恐るべきものであります。全国民の一致団結の力が
     強ければ、何物も恐れることはありません>

 今回の日本人殺害事件で、大新聞テレビが「政権批判で内輪もめしている場合じゃない」「日本人は団結すべき」と報じている姿とソックリだ。

 元共同通信社記者の浅野健一氏はこう言う。

   「戦時の政権批判は特高警察に捕まる、という“縛り”
    あったが、今は規制も何もない。それなのに自粛し、
    政権寄りの報道をしている分、タチが悪い。有事の時こそ、
    そのメディアの本性が現れる。まさに今の日本のジャーナリズムは
    危機的状況にあります」

 日本人殺害事件を招いた安倍首相と大新聞テレビは“共犯”と言われても仕方ない。
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157103

逮捕かパスポート返納か…安倍政権が“憲法無視”の見せしめ
2015年2月9日

    (憲法22条を無視/(C)日刊ゲンダイ)

 ちょっと異常である。外務省が、シリア行きを計画していたカメラマン・杉本祐一さん(58)の旅券を返納させた問題のことだ。外務省と新潟県警の職員5、6人に囲まれた杉本さんは、「渡航禁止の命令書を見せられ、『強制返納か、拒否して逮捕か』と迫られた」という。

 しかし、シリアには朝日新聞の記者も入って、1日付1面で現地ルポを掲載している。殺害された後藤健二さんを巡っては、シリア行きを察知した外務省が、昨年10月までに3回渡航中止を要請しながら、最終的にスルーした。その最大の根拠が、憲法22条が認める「海外渡航の自由」で、菅義偉官房長官自ら「憲法との兼ね合いがある」と渡航制限に慎重な姿勢を示していたのだ。

 日本人2人の殺害で、シリアの危険性が高まったという見方は分からなくもないが、だからといって、法治国家として最も重い憲法を、政府が無視していいことにはならない。安倍政権の突然の手のひら返し、憲法無視は何なのか


■ミス挽回のパフォーマンス

 立正大教授・金子勝氏(憲法)が言う。

   「安倍首相は、解釈改憲で集団的自衛権を認め、自衛隊を
    海外に派遣しようと、今後の憲法改正に意欲を燃やしています。
    イスラム国による殺害事件は、その地ならしにうってつけです。
    だから、2人の拘束を事前に把握していたことを隠し、中東を歴訪
    イスラム国対策に2億ドルの支援を打ち出し、米国を
    中心とする対テロの有志連合に加わりました。ところが、
    2人の殺害でシナリオが狂い、政権への風当たりが強まった。
    そこで、ミスを挽回するためのパフォーマンスが、旅券返納です。
    イスラム国の残虐性が再認識された今なら、渡航制限は
    国民に受けます。憲法22条を無視しても、失地回復を優先したのです」

 渡航制限が出された国は、シリアやイラクなど中東やアフリカにいくつもある。ODAや難民支援、石油開発などさまざまな名目で、日本企業はそういう国に進出している。これもスルーしながら、杉本さんの旅券だけ返納させるのはおかしい。

 杉本さんが言う。

   「イスラム国が危ないことは前から分かっていましたが、
    現地に入る大手メディアの記者が渡航を制限されたという話は
    聞いたことがありません。私のような地方で活動するジャーナリストを
    渡航禁止にすれば、『危険地域への渡航は、自粛すべき』という
    格好の見せしめになります。旅券返納はいかにも場当たり的です」

 安倍政権は、現地を取材されて困ることでもあるのか
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●多分、アベ様は沖縄で三度敗れる・・・・・・踏みにじられる沖縄の民意

2014年09月11日 00時00分14秒 | Weblog


nikkan-gendaiの記事【辺野古の「海猿」に批判噴出! 移設反対市民を羽交い締めに】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/152972)。
『マガジン9』の記事【三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉 第5回いつかは分かり合える日がくると信じたい。~8月30日、40人のカヌー隊と「海猿」との、壮絶な闘いの跡から】(http://www.magazine9.jp/article/mikami/14466/)。
東京新聞の社説【「辺野古」強行 拒絶する名護の民意】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090902000141.html)と、
最後にコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014090902000120.html)。

 「沖縄・辺野古沖の「海猿」に対して批判が噴出・・・・・・移設に反対する住民のカヌーを監視、執拗に追い回し、「警備活動」と称して手当たり次第、乗員をとっ捕まえているのだ・・・・・・まるで戦前の特高警察・・・・・・いやはや、TVで脚色された“虚像”とはいえ、これが正義のヒーロー「海猿」の姿とは驚きだ」。海猿=「アベ様のイヌ」は、ついに「アベ様の特高」とまで呼ばれる酷さ。どこが海を守り人を守る「正義のヒーロー」なのだろう。

   『●辺野古「この風景は戦争」:
      誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」
   『●番犬様・米軍の飼い主の声は聞こえても、
        辺野古市民の声は聞こえず「戦場」が見えない防衛省
』 

 それに対して、名護市民らはカヌーなどで「彼らは世論に訴えるところにとどまらず、「本気で阻止」を決意しているのだ」・・・・・・「アベ様のイヌ」と死闘を繰り広げている。

 でっ、アベ様は「最高の責任者は私だ。・・・・・・私たちは選挙で国民の審判を受ける」と仰いましたし、それに、「地元に丁寧に説明し、理解を求めながら進める」とも仰せられました! 今般の名護市議会議員選で再び名護市民の明確な辺野古移設への反対の民意が示されたのですが、・・・・・・「安倍内閣が強引に進めている名護市辺野古沿岸部での米軍基地新設は、市民に再び拒絶された。地元の市議選で示された民意は明白」・・・・・・にもかかわらず、官房長官は「そんなの関係ねぇ」だそうです。酷いものです。豪語したアベ様の顔に泥を塗っています。

   『●丸腰市民へ掃海母艦派遣・・・アベ様豪語
      「最高の責任者は私だ。・・私たちは選挙で国民の審判を受ける」


 東京新聞のコラム【筆洗】は、沖縄に対する「差別性の極み」を考えつつ、「新憲法の審議に沖縄の声がきちんと届いていれば、戦争の実相と基地化の現実を踏まえた九条論議ができた・・・・・・これは今へと続く問い掛けだ」と述べています。「平成の治安維持法」を制定し、「戦争できる国」へと地ならしを着実に進めています。しかし、市民の反対の声など、アベ様や自公議員は全く意に介していないようで、全く腹立たしい限りです。

   『●番犬様・米軍の飼い主の声は聞こえても、
       辺野古市民の声は聞こえず「戦場」が見えない防衛省

 アベ様らは、一度目は名護市長選で敗退し、二度目は今回の名護市議選。そして、三度目の敗北は来る沖縄県知事選だと予想します。アベ様は三度敗れるはずです。アベ様が、「アベ様のイヌ」を使ってまで既成事実化を焦るわけですが、さて、三度に渡り民意を問うて三度敗れたアベ様達は、それでも、辺野古や高江の暴挙を続けるつもりだろうか、沖縄への「差別性の極み」を続けるつもりだろうか。

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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/152972

辺野古の「海猿」に批判噴出! 移設反対市民を羽交い締めに
2014年8月30日

   (羽交い絞め…(上)、押さえつけ(下)/ユーチューブから)

 海上保安官の潜水士の姿を描き、人気となったTVドラマ「海猿」。危険を顧みず、人命救助に尽力する場面が話題となったが、沖縄・辺野古沖の「海猿」に対して批判が噴出している。普天間基地移設に反対する住民のカヌーを監視、執拗に追い回し、「警備活動」と称して手当たり次第、乗員をとっ捕まえているのだ。

   「オラーッ」。

 真っ青に広がる辺野古沖にドスの利いた声が響く。黒いゴムボートに乗った「海猿」の怒声だ。

   「7月から始まった海上調査に対応するため、海保は全国の『海猿』を
    辺野古沖に集中投入しています。基地移設反対派のカヌーを
    見つけると猛スピードで近付き、写真を撮り、時には体当たりして
    カヌーに飛び乗ってきます。まったく抵抗していないのに『確保!』と
    叫びながら市民を羽交い締めにして強引にボートに引き上げる
    こともあります。まるで戦前の特高警察です。このままだと
    大事故が起きますよ」(地元住民)

 一部報道によると、反対派の住民はこれまでに20人近くが拘束されたという。うち32歳の男性は、身柄を確保された際に頚椎捻挫のけがを負わされたとして、「海猿」を29日にも、特別公務員暴行陵虐致傷罪で那覇地検名護支部に告訴するという。

 いやはや、TVで脚色された“虚像”とはいえ、これが正義のヒーロー「海猿」の姿とは驚きだ

 一連の行動に問題はないのか。第11管区海上保安本部に聞くと、「頚椎捻挫した男性がいた? 海保として事実は確認していません。(活動は)現場海域の安全確保と法令励行のためです」(総務課)と答えた。
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http://www.magazine9.jp/article/mikami/14466/

三上智恵の沖縄撮影日記〈辺野古・高江〉
第5回いつかは分かり合える日がくると信じたい。8月30日、40人のカヌー隊と「海猿」との、壮絶な闘いの跡から

 8月30日。この日がカヌー隊のXデーになると知らされたのは直前だった。

 この決戦計画は極秘で、それを証拠に放送局のカメラはひとつも海に出ていなかった。「反対アピール」が目的ならメディアをよぶだろう。彼らは世論に訴えるところにとどまらず、「本気で阻止」を決意しているのだ。

 8月14日に、辺野古崎の周囲は赤いフロートで囲まれてしまった。その中に基地建設の第一歩であるボーリング機材が持ち込まれ、台船が組み上がり、海に穴を開けていく。

 非暴力の抵抗を貫き阻止行動をしたいと、海保との直接対決も厭わずに集まってきたカヌー隊だが、このフロートに阻まれやぐらに近づくことができない。

 2004年・2005年の沖合案の時には、反対する人々が海の中に立てられた4つのやぐら全てによじ登って座り込み、ボーリング機材を稼働させなかった。

 政府が今回、海保を大量動員し、周辺の漁協も懐柔して、提供水域の形まで変えてなりふり構わず押さえ込もうとしているのは、海のやぐらやボーリング機材にしがみついてでも、あきらめずに反対する人々がいること、それを警戒するためである。

 そして、あれから2週間、カヌー隊はフロートに近づいては海保に拿捕され、行く手を阻まれてやぐらには到達できないまま、効果的な阻止行動ができないでいた。

 しかし、作戦は密かに進んでいた。

 8月30日、決戦の日。満を持して集まった40人のカヌー隊が、この日一斉に台船を目指し、国が海に浮かべた見苦しい赤い鎖を次々と超えていったのだ。

 この日の午前10時ごろ、辺野古は西から進んできた黒い雲に覆われ、一時、強い雨と雷に襲われた。海保や、防衛局が雇った漁師の船も一旦、港に戻って待機。灰色にそまった海上から一瞬、船の姿が消えた。

 やがて雨が収まると、辺野古の浜から静かに20隻のカヌーが滑り出した。4隻の船も海域で配置につく。目指すは辺野古浜近くの掘削作業用のやぐら。赤いフロートに二重に囲まれたあのやぐらを占拠し、作業を止めるためだ。

 異変に気づいた海保のゴムボートが猛スピードで集まってきた。

 あっという間に10隻ほどが海域に結集し、「フロートに近づかないでください!」「それ以上接近したらわかってますね?」と拡声器で叫ぶ。カヌー隊は、淡々と打ち合わせ通りの配置に付く。そして、一斉に赤いフロートを超え始めた。

 パドルで超えようにも、乗り上げている時間が長いと海猿に確保される。

 そこはチームごとに打ち合わせたとおり、先に飛び込んでカヌーを引く者、2艇まとめて後ろから押す者、プカプカ浮いて注意をそらす隊員…。

 作戦中止を訴える海保の怒号と、抗議船の拡声器で騒然とする中、次々にフロート間際で転覆させられるカヌー。投げ出される隊員、引き上げる海保。それでも、もみ合う一団をすり抜けて、何隻かのカヌーがやぐらに迫って行った。

 しかし、海保のボートに追いつかれ、次々に飛び乗られて撃沈。中に入って行ったメンバーはすべて海保の黒いゴムボートに拘束された。乗り手がいなくなった色とりどりのカヌーが、あっちこっちの海面でひっくり返っていた。

 壮絶な海上の戦いの跡。市民の無謀な行動に呆然とする海保の姿があった。

 この40分、私の目の前で展開されていたのは、まぐれもない体当たり戦、だった。海のスキルを鍛え上げてきた海保の海猿たちにしてみれば、結局は捕まり、ゴムボートに拘束される運命とわかっていて、なぜ、カヌーのような弱い存在が次から次へと無駄な抵抗をするのか、理解できないだろう。

 もはや気の毒にさえなったのか、当初のような手荒な行為を控える人もいた。

 結論は出ているのに、秩序を乱すだけの集団。手のかかるならず者たちだと、我々を思うのかもしれない。

 でも、船の数も、装備も、練度も完全に負けていて、権力も政治力も、なにも持たない彼らがなぜここまでのことをするのか。もしかしたら少しずつは考え始めてくれたかもしれない。

 海保の皆さんはきっと、海を愛しているだろう。

 だから、海を壊したくない気持ちはよくわかってくれるだろう。親しんだこの海の素晴らしさを知っているからこそ、大学生から70代の大先輩まで、年代も生きる世界もバラバラな人たちが、やむにやまれずパドルを手に、厳しい海上工事の現場まで来てしまうのだと。

 それでも、まだ腑に落ちないだろう。

 こんな負け戦に見える戦いを、なぜ彼らが繰り返し挑んでくるのか。そこは沖縄に来て数ヶ月では、わからないかもしれない

 全てを失った沖縄戦から70年のできごと。伊江島で土地を守るために戦った阿波根昌鴻さんから、米軍の統治の横暴さに抵抗して投獄された瀬長亀次郎さんから、脈々とこの島で生きるものたちが受け継いできたもの

 沖縄が歩んだ道は、負けるとわかっていたって引き下がれないことばかりだった。

 その歴史的な任務を引き継いで今を生きる人たちの覚悟について。圧倒的な力を持ってしても、決して根絶やしにすることはできない信念、希望、明日を変えられると信じる力。

 そんなことを、できれば海保の皆さんの一人一人と話してみたいと、この日海に出た人や、浜で固唾を飲んで見守っていた人たちは皆思っていたに違いない。

 この日は結局、誰ひとりやぐらに登ることはできなかった。

 カヌーと身柄を返してもらい、夕方辺野古の浜に集まったメンバーに、周囲からは惜しみない拍手が送られた。確かに力でねじ伏せられたが、悲壮感はなかった。

 その力を容赦なく行使するのは「国」であり、敵は海上保安庁の職員ではない。本当は、共に海を愛し、守るという理想を語り合える関係でいたいと、壮絶なぶつかり合いの後でも、私たちは思うことができる。

 そうやって、作り上げられた対立の構図に落とし込まれずに、いつかは分かり合えると信じられる力こそが、希望そのものなのかもしれない。


三上智恵監督新作製作のための
製作協力金カンパのお願い

沖縄の基地問題を描く、三上智恵監督新作の製作を来年の2015 年完成を目標に開始します。製作費確保のため、皆様のお力を貸してください。

◎製作協力金10,000円以上、ご協力いただいた方(もしくは団体)は、映画HPにお名前を掲載させていただきます。

◎製作協力金30,000円以上、ご協力いただいた方(もしくは団体)は、映画エンドロール及び、映画HPにお名前を掲載させていただきます。

※掲載を希望されない方はお申し込みの際にお知らせ下さい。

■振込先
郵便振替口座 00190-8-513577
名義:三上智恵監督・沖縄記録映画を応援する会
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090902000141.html

【社説】
「辺野古」強行 拒絶する名護の民意
2014年9月9日

 安倍内閣が強引に進めている名護市辺野古沿岸部での米軍基地新設は、市民に再び拒絶された。地元の市議選で示された民意は明白だ。政府にはこのまま工事を進めるのではなく、再考を求めたい。

 沖縄県内では七日、一村長選と二十四の市町村議選の投票が行われた。無投票で決まった自治体を含め、県内四十一市町村のうち約三分の二で選挙が行われた沖縄県版「統一地方選」である。

 全国的な統一地方選は来年春に行われる。沖縄県では米軍占領下の一九四六年九月、本土に先駆けて首長・議員選挙が行われたため時期がずれている、という。自治体選挙の実施時期からも、沖縄県民が強いられた苦難の歴史がうかがえる。

 今回、全国的にも注目を集めたのは名護市議選だろう。同県宜野湾市の米軍普天間飛行場を日本側に返還するため、代替施設を辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に建設する「県内移設」に対する市民の判断が問われたからだ。

 しかし、米軍基地の新設は、市民には負担増にほかならない。

 辺野古移設反対を掲げて再選された名護市の稲嶺進市長は市議選でも反対派候補を支援した。「市長与党」は一議席減らしたものの引き続き過半数を確保した。名護市民の意思は明白である。

 公約を破って県内移設容認に転じた仲井真弘多知事が三選を目指す十一月の県知事選への影響も避けられないだろう。政府は市議選結果を重く受け止めるべきだ。

 安倍内閣は八月中旬、埋め立て地盤の強度や地質を調べる海底掘削調査を始めた。知事選前に建設を既成事実化し、県内移設の争点化を避けたいのだろう。

 安倍晋三首相は内閣改造で、菅義偉官房長官に新設した「沖縄基地負担軽減担当相」を兼任させ、記者会見では「沖縄の方々の気持ちに寄り添い、これまで以上に全力で当たってほしい」と語った。

 住宅地に囲まれた普天間飛行場の固定化を避けるのは当然だ。基地閉鎖、日本側への土地返還は喫緊の課題ではある。

 とはいえ、同じ県内で基地をたらい回しにしては、在日米軍基地の約74%が集中する沖縄県民全体では負担軽減になるまい。

 菅氏は名護市議選後、「辺野古移設は淡々と進めていきたい」と述べた。沖縄の気持ちに寄り添うというのなら、県内移設の強行ではなく、「国外・県外移設」の実現にこそ政治力を傾注すべきだ。あらためて強調しておきたい。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014090902000120.html

【コラム】
筆洗
2014年9月9日

 憲法制定をめぐる重い事実がある。戦争放棄という人類の理想をうたった新憲法案を議論した帝国議会に、沖縄県選出の議員は一人もいなかったという事実だ▼終戦の四カ月後、衆議院で沖縄選出の漢那憲和(かんなけんわ)議員は訴えた。「これは、見ようによっては沖縄県に対する主権の放棄」「帝国議会における県民の代表を失うことは、まことに言語に絶する痛恨事であります」▼批判の矛先は、衆院選挙法の改正案。憲法改正に先立って選挙も男女同権など新時代にかなうものにする。戦後民主主義の第一歩であったが、この改正で沖縄県民は選挙権を停止されてしまった戦争の地獄を見た沖縄県民を「戦後の平和」から切り捨てるのか。漢那の悲痛な思いは昭和天皇にも届いていたろうか。皇太子時代に訪欧した際、お召し艦の艦長として随伴し厚い信頼を得た軍人こそ漢那だった▼しかし、平和憲法制定と沖縄の基地化は、車の両輪のように進んだ。公表された『昭和天皇実録』にも、米軍による沖縄占領継続こそ日米双方の利となると、天皇が米側に伝えたとの文書が引用された▼憲法制定史に詳しい古関彰一氏は、労作『「平和国家」日本の再検討』で、新憲法の審議に沖縄の声がきちんと届いていれば、戦争の実相と基地化の現実を踏まえた九条論議ができたのではないだろうかと指摘している。これは今へと続く問い掛けだ。
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●騙されることの責任、再び: 特定秘密保護法案を仲良く協議する翼賛与党・翼賛野党議員に投票した人々

2013年11月28日 00時00分27秒 | Weblog


毎日新聞の社説【秘密保護法案を問う 修正協議】(http://mainichi.jp/opinion/news/20131119k0000m070129000c.html)。
東京新聞の記事【秘密指定の検証 形だけ 首相が「第三者」的関与】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013111902000243.html)。
gendai.netの記事【「秘密保護法」で与党に屈服…国民を裏切った野党の末路】(http://gendai.net/articles/view/news/146080)。
asahi.comの【天声人語】(http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin)。
『田中龍作ジャーナル』の三つの記事【【秘密保護法】 首相独裁に道開く みんなの党、修正案合意】(http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008227)、【【秘密保護法】 「みんな」に続き「維新」も!? 次々転ぶ野党】(http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008232)、【【秘密保護法】 言論人が総決起集会 文太兄ぃ「トドメの悪法になる」】(http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008237)。
asahi.comの社説【秘密保護法案―「翼賛野党」の情けなさ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1と二つのインタビュー記事【〈秘密保護法案〉私たち一人ひとりの問題 落合恵子さん】(http://www.asahi.com/articles/TKY201311210363.html?ref=com_top_pickup)、【〈秘密保護法案〉国民の「知る義務」阻害 樋口陽一さん】(http://www.asahi.com/articles/TKY201311230294.html)。

 自公という腐敗した与党の腐臭に集(たか)る与党もどきの野党両党。修「正」という名の改「」作業を通して、与党もどきの野党両党議員も「うそをつく人達」だったことが再確認できただけのこと。「自民党の「補完勢力」どころか「翼賛野党」」であり、一体誰がこんな「翼賛与党」や与党もどき「翼賛野党」議員に投票したのか?、彼/彼女ら投票者に尋ねてみたくなる。

 「騙されることの責任」が再び問われようとしている。
  
   『●『だまされることの責任』読了(1/3)
   『●『だまされることの責任』読了(2/3)
   『●騙されることの責任
   『●戦争と原発: 伊丹万作さん
       「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」
   『●騙されること・騙されたフリの責任: 何度でも騙される
   『●予算編成から見えてくるもの: 投票者の責任

 騙す方の品格や責任と騙される方の品格や責任。

   『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」
   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
         「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
   『●「もはや犯罪というしかない」
          ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの
                      重大事故だというのに、この国は・・・・・・
   『●次に原発事故が起きた時には責任をとってくれるのね?
   『●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス
   『●「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」、騙す阿呆に、騙される阿呆

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http://mainichi.jp/opinion/news/20131119k0000m070129000c.html

社説:秘密保護法案を問う 修正協議
毎日新聞 2013年11月19日 02時35分

安易な合意は禍根残す
 特定秘密保護法案の審議が重要な局面を迎えている。与党は週内の衆院通過を目指す構えだ。民主党を含む3野党の修正案や対案が19日に出そろう。与党は日本維新の会、みんなの党と修正協議を進めている。

 法案への疑問や懸念は国会審議でむしろ深まるばかりで、付け焼き刃的な修正でカバーできるものではない。与党による強行採決など数頼みの手段は許されない。野党側も将来に禍根を残しかねない中身での妥協は厳に慎むべきである。

 森雅子特定秘密保護法案担当相の揺れる答弁ぶりが問題だらけの法案を象徴するようだ。秘密指定が妥当かを判断する第三者機関の設置や報道機関への強制捜査をめぐる答弁は他の閣僚らと食い違い、「改善を法案成立後にも尽くしたい」と成立後の見直しにまで言及した。これでは政府自ら欠陥を認めたに等しい。

 だが、どんな閣僚が受け持っても答弁は森氏と似た状況になろう。何が秘密であるかが明らかにされないうえ情報公開のルールもなく、国会や司法のチェックも及ばない。質疑を重ねるほど法案の構造的な問題を露呈しているのではないか。

 そんな法案を2週間ほどの審議で通過させるなど論外だ。参院選で国会のねじれが解消して4カ月ばかりで数まかせの手段を行使するようでは選挙結果を有権者からの「白紙委任」とはき違えているに等しい。

 修正協議の行方が週内に衆院を通過するかのカギを握る。民主党は19日に同党案をまとめるが短期での与党との合意など実際には困難だ。性急な採決への反対を徹底すべきだ。

 焦点は日本維新の会とみんなの党の動向だ。維新の会は秘密の指定解除に期限をつけることや第三者機関による検証を求めている。与党は秘密の指定期間を「原則30年」とすることや第三者機関や国会への指定基準の報告などで応じる構えのようだが本質的な修正とは言えまい。

 不可解なのがみんなの党の柔軟姿勢だ。同法案は官僚による情報独占、立法府や司法に対する行政優位を強めかねない大きな問題がある。

 ところが渡辺喜美代表は「総論賛成」と早々に言い切り、安倍晋三首相との会食で修正案まで示したという。官僚支配に反対した党の理念とどう整合するのか。同党の主張に沿い秘密指定への首相の関与が強化されたとしても恣意(しい)的な指定のおそれなどが解消するとは言い難い。

 安易な妥協で与党に採決の口実を与えてしまえば、その責任は重い。政党の真価が試される場面だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013111902000243.html

秘密指定の検証 形だけ 首相が「第三者」的関与
2013年11月19日 夕刊

 みんなの党は十九日昼の役員会で、国家機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案について、与党が示した修正案を了承した。修正案は、政府の意のままの秘密指定を防ぐ第三者機関の設置は盛らず、「首相の『第三者機関的関与』で恣意(しい)的運用を排除し、指揮監督権を明記」としたが、首相は政府代表そのもので「第三者」ではなく、すでに「指揮監督権」もある。三党で合意した恣意性の検証は形式的なものにすぎない。

 みんなの党は役員会の前に部門会議を開き、修正案について協議。出席者から「議論は拙速で今、決めるべきではない」などの異論が出たが、渡辺喜美代表が「われわれの主張がかなり認められた」と強調。最終的に役員会に一任した。

 一方、自民、公明の与党と日本維新の会の法案実務者が同日昼、国会内で会談。与党は法案の付則に「第三者機関の設置の検討」を盛り込むことを伝え、維新も受け入れた。維新が求める最長三十年での秘密指定の全面解除に関しては、与党側は指定期間を延長できるケースを法案に例示することを検討する考えを伝えた。

 民主党は「次の内閣」会合で、対案の「特別安全保障秘密適正管理法案」を決め、衆院に提出した。与党が修正に応じなければ、政府案には反対する方針だ。

 管理法案では特定秘密の指定対象を「外交と国際テロに関する必要最小限の情報」に限定、公務員らへの罰則も政府案の最高懲役十年以下から五年以下に引き下げる。秘密指定の基準を定めて適正か調査する「情報適正管理委員会」設置法案なども衆院に提出した。

 新党改革も法施行から三年後の制度見直しを付則に盛り込む修正案を与党に提出した。
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http://gendai.net/articles/view/news/146080

「秘密保護法」で与党に屈服国民を裏切った野党の末路
2013年11月20日 掲載

 希代の悪法に野党の一角が屈服した。みんなの党はきのう(19日)、特定秘密保護法案に賛成する方針を決めた。自公両党との協議で、みんなが求めた修正案が受け入れられたためだ。みんなの党の裏切りを追い風に、政府・自民党は維新と民主の切り崩し工作に動いている。野党総崩れは時間の問題なのか。

 みんなは「情報公開」「脱官僚」を掲げて支持を集めてきた政党だが、秘密保護法の成立で情報の官僚独占はますます強化される。なぜ、党是と相反する行動に出たのか。

   「一言で言えば『存在感を示したい』ということ。圧倒的な数の力を持つ
    与党案に反対したところで、仮に『強行採決』されたら終わり。そうなると、
    みんなの修正案は蹴飛ばされて党の存在感は示せない。メディアに
    取り上げてもらう機会もなく、他の野党と同じ扱いで埋没する。
    ならば『与党に修正を迫った』という方が、党のメンツが保てる
    と考えたのでしょう」(政治評論家・有馬晴海氏)

 渡辺代表は、第1次安倍内閣で行革担当相を務め、安倍とは近しい関係だ。

 14日には安倍や菅官房長官、塩崎政調会長代理と赤坂の中華料理店で会食。この時、秘密保護法の修正案について“党首会談”を行っていた。

   「会合後に記者に囲まれた渡辺代表は上機嫌で、『安倍政権が
    政治主導を実現するなら真摯に協力するってずーっと言ってきた』
    『(修正協議も)その延長線』『楽しい会合だった』とペラペラまくしたてた。
    この時、すでに修正合意はまとまっていたのでしょう」(みんなの党事情通)

 19日の会見でも、渡辺は「(首相とは)もともと信頼関係がある。トップ会談を行えば政治のプロセスは非常にスムーズに運ぶと痛感した」とシレッと答えていた。もはや野党か与党か分からないが、他の野党もだらしなさは似たようなものだ。

 日本維新の会も、19日午前中の協議では、与党案を断固拒否する姿勢を見せていたが、午後になると態度は一変。秘密基準の妥当性をチェックする第三者機関の「設置検討」を法案の「付則」に盛り込む修正案に合意した。

 霞が関の官僚用語で検討は「やらない」ということ。しかも「付則」だから意味はない。

 条件闘争の末に野党が取り込まれ、悪法の修正協議は完全に与党ペースで進んでいく。野党第1党の民主党もグラグラだ。

   「秘密の範囲を『外交とテロ』に限るとした対案を衆院に提出しましたが、
    与党側が受け入れる可能性はゼロに近い。このままだと、何の抵抗も出来ず、
    “万年野党”になってしまう。そんな民主党の保守系幹部の心理を見越して、
    与党側は水面下で複数の幹部に秘密保護法の採決の欠席を求めたり、
    ポストをちらつかせながら『引き抜き』を画策しています。最悪の場合、
    採決で造反者が出かねません」(政治ジャーナリスト)

 そろって自民の「補完勢力」「別動隊」に成り下がろうとしているから情けない。野党総崩れの中、希代の悪法が粛々と成立してしまっていいのか
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http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin

2013年11月21日(木)付
天声人語

 茶番劇である。きのう、特定秘密保護法案を取りあつかう衆院の委員会で速記が一時止まった。与党議員がいないじゃないかと、野党が怒ったからだ。これまでも空席がめだっていた。なんとしても成立させたい重要法案にしては不まじめではないか▼委員会は委員の半数以上がいないと開けない。国会法の定めである。定足数割れが疑われるほど閑古鳥が鳴くのは異常だ。テレビ中継がないから構わないのか。国権の最高機関はわれわれだと、いつも威勢のいい人々の国会軽視に驚く▼表舞台での審議をないがしろにしながら、裏舞台では一部の野党と修正のための話しあいをする。その中身も茶番劇というほかない。秘密の指定などが恣意(しい)的にならないよう、首相が「第三者機関的観点」からかかわるのだという第三者とは当事者でない者をいうふつうの理解では、首相は当事者そのものである。与党とみんなの党との合意内容は黒を白と言いくるめるようなものだろう。こんな乱暴がどうしてまかり通るのか▼それに比べ、民主党の対案の第三者機関は検討に値する。なにを秘密にするかの基準を決め、個々の秘密指定が適当かどうかも調べる。機関のメンバーは内閣ではなく、国会が選ぶ。首相のお気に入りを集めるようなことはできない▼民主党案はこのほか多くの点で政府案の骨格を変えている。いまからでも遅くはない。与党は民主党と議論を尽くすべきだ。まずは委員会にきちんと出席してもらわなければならない。
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http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008227

【秘密保護法】 首相独裁に道開く みんなの党、修正案合意
2013年11月19日 11:27

    みんなの党本部に陳情したが事務所の中には入れてもらえず、
    暗い廊下での立ち話となった。=19日午前9時頃、平河町 写真:筆者=

 特定秘密保護法をめぐる攻防で野党の一角が崩れようとしている。みんなの党が与党との間で修正合意に傾いたのだ。

 合意内容に呆れる。▼特定秘密の指定者を行政の長としていたのを首相(府)へも広げる▼チェックする第3者機関を首相(府)が担うというものだ。

 これではますます恣意的に運用される。首相に独裁の権限を与えることになる。みんなの党は官僚政治の打破を掲げて立党した。ゆえに官僚独裁よりも「首相独裁」の道を選んだのだろうか。

 危機感を抱く人々が今朝8時からみんなの党 本部前で抗議の声をあげた。すぐに制服警察官が駆けつけ遠巻きにしたが、参加者が次々とやって来て、抗議集会が終わる9時頃には約30人にまで膨らんだ。

 集会後、党本部事務所を訪れ「みんなの党が国民のことを思うなら自民党との修正には応じないで下さい」と陳情した。

 午後からはみんなの党、日本維新の会の議員事務所を回り「修正には応じないよう」呼び掛ける。

    秘密保護法は警察の権限を肥大化させる。警察官の多さが同法の
    性質を象徴しているようだった。=午前8時頃 平河町 写真:筆者=
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http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008232

【秘密保護法】 「みんな」に続き「維新」も!? 次々転ぶ野党
2013年11月19日 20:15

    自民党議員事務所を訪れたボランティアたちは「強行採決したりしないよう」
    に訴えた。=19日午後、参院会館 写真:筆者=

 天下の悪法が現実のものとなろうとしている。みんなの党はきょう午後一番、役員会を開き秘密保護法案に賛成することを決めた。

 自らが提案した修正案を自公が飲んだためという。みんなの党の修正案とは秘密指定にあたって首相の権限を広げるものだ。

 特定秘密をチェックする第3者機関を首相(府)の下に置くという。首相に独裁権限をわざわざ与えるようなものだ。民主主義を健全に保つための「チェック・アンド・バランス」も何もあったものではない。

 ある永田町関係者は「渡辺代表と安倍首相が食事をした14日が分岐点だった。(首相から)何か交換条件が提示されたんだろうね」と説明する。みんなの党の議員事務所には抗議の電話やFAXが相次いだようだ。

 秘密保護法案に反対する人々がきょう午後、みんなの党の議員事務所を訪問した。ある事務所の秘書は「党が決めたことですから」とそっけない。別の事務所の秘書は、修正案を与党が飲んだことで満足していた。

 日本維新の会も転ぶのは早かった。同会は夕方から与党と修正協議に入った、とNHK午後7時のニュースは伝えた。

 「第3者機関の設置は譲らない」としていた日本維新の会だが、「政府内に準備室を設けてどのような機関ができるか検討する」という附則を法案に盛り込むことで折り合いがついたようだ。

 野党2党を抱き込んだ自公が民主党の対案を審議せずに採決すれば、それは議会制民主主義の無視となる。

    「みんな」の期待を裏切った「みんなの党」の面々(たすきをかけていない)。
    =12日、原発被害者救済の請願受付で 写真:筆者=
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http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008237

【秘密保護法】 言論人が総決起集会 文太兄ぃ「トドメの悪法になる」
2013年11月20日 20:33

    「秘密保護法案、廃案」の要請文を手渡すTVキャスターたち。
    手前(後ろ姿)は橋場・内閣情報調査室参事官。
    =20日午後、内閣府門前 写真:筆者=

 マスコミ界の大御所、作家、評論家、夕刊紙社長……言論に携わる著名人たちがきょう、「特定秘密保護法案」の廃案を求めて総決起集会を開いた。

 平成の治安維持法と言われる秘密保護法案は、みんなの党が昨日与党案賛成に回ったため成立が現実味を帯びてきた。言論界を支えてきた重鎮たちが危機感を表明した―

 「安倍晋三は日本を北朝鮮並みにしようとしている。進めている人の個人の責任を厳しく問いただす。谷垣法相はスパイ防止法に反対していた。反対なら辞めるべきじゃないか」。こう厳しく指摘するのは評論家の佐高信氏だ。

 川崎泰資・元NHK政治部記者(1934年生まれ)は、安倍晋三首相の危険性を強調した―

   「何とかに刃物」じゃないが、この男(安倍首相)にこの法案を与えたら
    とんでもないことになる。右翼軍国主義者と自称する人物が首相に
    なるということは国際的に通らない」。

 社会部記者だった原寿雄・元共同通信編集局長(1925年生まれ)は、警察の性格をよく知っている―

   「この(会場の)中にも警察の尾行がついている人がいる。今は警察の
    尾行を批判できるが、法律(秘密保護法)ができたら“内偵している、
    合法だ”ということになる」。

    小中陽太郎さん。自らが描いて特高警察ににらまれた高射砲の絵を
    持参した。小中さんの後ろは作家の澤地久枝さん。=平河町 写真:筆者=

 作家の小中陽太郎氏(1934年生まれ)は昭和15年(1940年)、ゾルゲ処刑の年に神戸から上海に向かう船の中で特高に尋問された。高射砲を描いた絵を持っていたからだった―

   「“坊やこれは何で書いたんだ?” “クレヨンだよ”。特高は外国のスパイが
    特殊インクで書いたのかと思い捜査した。70年間倉庫に入れたままだったが、
    探して持ってきた。子供の書いた絵が問題になる。これがスパイ法のバカバカしさだ」。

 きょうの集会には俳優の菅原文太さん(1933年生まれ)も駆けつけた―

   「こういう法律が出てくるなんて考えもしなかった。戦後初めてでしょう。
    私は戦争中の時代をかすっている。その頃は異常な時代だったから
    考えられないことが沢山あった。この法案が通ればトドメになるのか
    と思うくらい悪法。娯楽と騒々しい中に放り込まれて、考える事を
    なくしてしまった中で、こんなものが突きつけられている。
    ここにいる皆さんが考えつかないような時代になる」。

 治安維持法の時代に生まれ育った彼らの言葉には有無を言わさぬ説得力があった。

 言論人と表現者だけではない。政界からも一人だけ参加者がいた。辻元清美議員だ。辻元議員は国会内の事情を解説した―

   「与党は26日の衆院通過を目指している…(中略)私が森まさこ大臣を
    追及していたら、維新の議員からヤジが飛んで来る。これまでのような
    与党対野党の図式とは違う異常な状況。(国会の)外で盛り上がって
    いることが、(国会)内での歯止めになる」。

    「国民が不幸になる」と警告を発する菅原文太さん=写真:筆者=

 集会の後、岸井成格氏、田勢康弘氏らTVキャスターたちが、森まさこ特定秘密保護法案担当相に同法の廃案を求める要請文を手渡すため内閣府を訪れた。

 だが森担当相は国会審議を口実に会おうとしなかったため、内閣情報調査室の橋場健参事官が要請書を受け取った。場所は内閣府庁舎の門前だ。「庁舎内でのカメラ撮影はNG」となったためだ。

 キャスターの鳥越俊太郎氏は「門前払いです。ここでしか渡せないのが日本の現実です」と悔しがった。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1

2013年11月22日(金)付
秘密保護法案―「翼賛野党」の情けなさ

 巨大与党の前に、あまりにも情けない野党の姿である。

 このままでは自民党の「補完勢力」どころか「翼賛野党」と言われても仕方あるまい。

 日本維新の会が、自民、公明の与党と、特定秘密保護法案の修正に合意した。

 みんなの党に続く妥協だ。

 いずれの修正も実質的な意味は乏しく、問題の根幹はまったく変わっていない。

 与党は、4党で修正案を共同提案し、26日の衆院通過をめざすという。野党はこれを許してしまうのか。

 愕然(がくぜん)とするのは、維新との修正合意で、特定秘密の指定期間が後退したことだ。

 維新は当初、「30年以上延長できない」と主張していた。ところが、合意では「60年たったら原則として解除」と期間が2倍に延びてしまった。

 しかも60年を超えても延長できる7項目の例外まで、できてしまった。

 まるで与党側の焼け太りだ。これでは、維新もみんなの党も利用されるだけではないか。

 維新は秘密指定できる行政機関を絞り込む案も主張したが、与党にはねつけられた。「首相が有識者の意見を聴いて政令で限定できる」との合意では、およそ実効性に乏しい。

 秘密指定のチェックについても、大きな疑問符がつく。

 法案の付則に「第三者機関の設置検討」を盛り込むことで合意したが、付則に書いても実現の保証はない。どんな機関になるかも不明確で、期限も区切っていない。

 与党とみんなの党との合意では、首相が「第三者機関的観点」からかかわることで客観性が担保されるとした。最大の当事者を「第三者」とする意味不明。与党が真剣に問題を受けとめているとは思えない

 維新の内部からも「後退している」などの批判が噴出している。当然だ。今からでも対応を見直すべきだ。

 野党ではほかに、民主党が対案を出している。

 秘密の範囲は外交や国際テロに限る▽国会が委員を指名する第三者機関「情報適正管理委員会」を設置し、個々の秘密指定が適当かどうかも調べる▽罰則は政府案が最長懲役10年だったのを懲役5年以下とする――などの内容である。

 政府案との隔たりは大きい。そこを埋める努力もせず、4党の修正案で突き進むのでは、巨大与党にすり寄っているとしか映らない。

 与党に都合のいい修正をするのが野党の役割ではない
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http://www.asahi.com/articles/TKY201311210363.html?ref=com_top_pickup

〈秘密保護法案〉私たち一人ひとりの問題 落合恵子さん
2013年11月21日22時39分

■作家・落合恵子さん

 3・11後、脱原発運動を続けてきました。1986年にチェルノブイリ原発事故が起きてささやかな勉強会を開きましたが、長続きしなかった。そのことへの反省があります。

 いま、同じ思いで特定秘密保護法案の反対を訴えています。法律ができて言論が弾圧された戦前のような取り返しのつかない状況を迎えた時、どうしてもっと力を尽くさなかったのかと悔いたくはないからです

 この法案について、近所の人から「(処罰される対象になる)公務員じゃないから大丈夫」と言われたことがあります。そうでしょうか。私たちは、東京電力福島第一原発事故で情報の隠蔽(いんぺい)をさんざん経験し、今も味わっています。

 テロ対策を名目に原発に関する情報はますます出なくなると思います。秘密が広がり、大切な情報が市民に届かなくなる。そうなれば、一人ひとりが多様で正確な情報に基づき判断するという民主主義の基礎が壊れてしまう。私たち一人ひとりの問題なのです。

 歴史を振り返れば、いつの時代でも世界のどこでも権力は情報を隠します。政府が情報をどれだけ開示するかが民主主義の成熟度を示すものですが、日本の情報公開は米国などに比べはるかに遅れています。政治が取り組むべきは、秘密保護ではなく情報公開です。

 法案の修正ではなく、廃案しかありません。

     ◇

 秘密が増えて私たちの身の回りが息苦しくならないか。暮らしにはどんな影響が出るのか。国会での審議が大詰めを迎えている特定秘密保護法案に反対する動きが広まっている。各界で活躍する人たちの異議申し立ての声を聞いていく。
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http://www.asahi.com/articles/TKY201311230294.html

〈秘密保護法案〉国民の「知る義務」阻害 樋口陽一さん
2013年11月24日00時14分

 ■東大名誉教授・樋口陽一さん

 敗戦後の焼け野原の中、「私はだまされていた」と告白した高名な作家がいました。国民主権の憲法となり、国民自身が政治を動かす立場にある今こそ、私たちには「だまされない責任」があると言いたい。

 しかし3・11の原発災害で私たちは「原発は安全」という神話にだまされていたことを知った。今後、政府のうそにだまされず、主権者として公のことがらの基本を動かし、未来への責任を果たすため、国民には問題の所在を「知る義務」がある。それを邪魔するのが、今回の特定秘密保護法案だと言えます。

 法案の中身の粗さからも、政府の説明や政党間協議の経緯からもたくさんの疑問がわき出ています。それを押し切り「秘密」の壁を高く厚くする理由について、安倍政権は「米国と情報共有をはかるため」と説明しています。「秘密」の共有を強化してまで政権がやろうとしていることは、日本が歩んだ道からの決定的転換となるでしょう。

 米国は世界中に情報の網を張り巡らせる覇権大国として各国と摩擦を起こしていますが、一方で米国の言論人は「批判の自由」を核心的な価値として守ってきました。安倍政権は日米で「価値観を共有する」と言いますが、日本社会の骨組みをどちらの方向に切り替えるかが、法案をめぐって問われていると思います。
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●『自然と人間(2009年12月号)』読了

2010年11月04日 05時05分27秒 | Weblog

自然と人間』(2009年12月号、Vol.162)、10月に読了。「非正規雇用の拡大に歯止めをかけるとき」。

 森達也さん、「第45回つぶやくニッポンの街角/誰が誰に何を言ってんの?」(表紙裏)。「みんなで見張ろう!/目のイラスト/そこに犯罪者がいる!/江戸川台東自治会」。「邪視の目」。イスラム圏の「ファティマの目」。

 鴨桃代氏、「派遣法改正はもう待てない!」(pp.6-9)。
 藤田孝典氏、「貧困ビジネスの被害は行政の責任」(pp.10-13)。「無料宿泊所で不当な営利」。「ハウジングプア」。「貧困の元を断つべき」、「・・・穴の開いたボートに乗っている感覚になることがあります。・・・必死に桶で水をかいているという状態です。本当は穴をふさぐ作業が必要です」。

 松井繁明氏、「葛飾マンションビラ配布事件/最高裁は公安言論弾圧を認めるのか」(pp.14-15)。「イラク戦争を前後して繰り返された公安警察の弾圧事件の一つ、葛飾マンションビラ配布事件。最高裁は、高裁の逆転有罪判決を追認する姿勢を示した。・・・」。「公安警察が作り上げた事件」、「裁判所がチェックしない」、「歪んだ司法を変えよう」。

 川島睦子氏、「ウチナンチュの誇りを忘れない/県民がひとつになって「沖縄に基地はいらない」と発信」(pp.18-20)。「俺たちウチナンチュは間接的な殺人者」。

 浅野健一さん、「「週刊現代」・西岡氏の“言論テロ”/「JR東労組=テロリスト」記事に550万円賠償命令/公安資料提供は正当行為と誤認も」(pp.25-27)。「公安幹部資料漏えいは守秘義務違反」。「ジャーナリストとして自己崩壊」した『噂の真相』元編集部人の西岡研介氏。公安の情報の裏の「悪意」や「私怨」を見抜けない「西岡氏は「言論テロリスト」だと私は思う。・・・/・・・「ペンを持った公安警察官」は、ジャーナリズムの現場では勲章にはならない」。「・・・21世紀に入って戦前の特高警察・思想検事の流れをくむ公安当局は不要だ。税金の無駄遣いの公安警察の解体こそ今すぐ実行できる行政改革である」。

 魚柄仁之助さん、「第七十二回 魚柄仁之助の食文化情報局 台所の穴/お歳暮ニッポン」(pp.32-34)。
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●『「押し紙」という新聞のタブー』読了(2/2)

2010年04月17日 02時36分51秒 | Weblog


黒藪哲哉著、『「押し紙」という新聞のタブー/販売店に押し込まれた配達されない新聞』

 生々しい数字・実態、産経の「押し紙」。「・・・実配部数は3000部程度だった。約2000部が過剰になっていたのだ。/・・・小屋を建てて新聞を補完するように命じられ・・・。/・・・古紙回収業者に引き取ってもらっていた。・・・/たとえば、01年8月の回収は9回、約27トンの「押し紙」を回収している」(p.73)。

 業界団体が主催する総会に出席してみると・・・「大浴場・・・裸の男たちの群れに、入れ墨をした者が複数混じっていたのだ。/・・・温泉総会を取材するたびに、浴場で入れ墨をした人々を目撃した。・・・顔を強ばらせ、「立派な入れ墨ですね」とお世辞を言っているのを聞いたこともある。/・・・欧米では、新聞人がマフィアと交友を結ぶことはありえない。・・・原則的には一線を画さなくてはいけないが。日本の新聞社では両者の関係が違和感なく受け入れられている。「新聞はインテリが作って、ヤクザが売る」という一句で、すべてが片付くのだ」(pp.144-145)。

 ナベツネ氏の下品さ。「読売――〝1000万部〟をバックに総理を動かす!?」(pp.142-143)。「・・・一千万部の力で総理を動かせる。・・・政党勢力だって、自自連立だって思うままだし、・・・。/・・・魚住昭氏が『渡邉恒雄 メディアと権力』・・・渡邉氏に対して行ったインタビュー・・・。/渡邉氏の発言内容は、文化人の言葉というよりも、野心を内に秘めた政治家の言葉に近い。そこには本来新聞人が持つべき文化や知性の香りは、どこにも感じられない。ある種の下品さすら漂う」。
 
この下品なナベツネ氏は、日販協政治連盟の設立にも関わり(p.192)。「新聞業界と政治家との癒着には、政治家と番記者の情交、あるいは記者クラブを通じた馴れ合いのイメージがつきまとう。実際、元政治記者で2008年に保守の大連立構想をめぐって政界工作を行った読売新聞社の渡邉恒雄会長・・・自民党の大物政治家・大野伴睦と接するときの心境・・・。それは政治家と番記者の情交が、いかに権力を監視すべきジャーナリズムを骨抜きにするかを物語っている」(p.163)。「記者クラブは、〝談合〟の場か?」(p.174)。「・・・真実とは異なった情報が日本中に広がるおそれがある。・・・/念を押すまでもなく、新聞社にとって公権力からの最大の情報の受け皿となるのは記者クラブである。/・・・情報提供者の希望する情報だけが、新聞を通じて広がることになる。・・・記者クラブが提供する情報によって、世論が形成されていくと言っても過言ではない」。
 元社長が別の意味でね。「・・・暴力をともなった拡販活動を警察が積極的に取り締まらない背景には、新聞社との癒着があるのかもしれない。・・・読売の場合、社内に読売防犯協力会という組織が設置されていて、多数の警察OBが参与になっている。警視庁OBの天下りも指摘されており、読売の元社長・正力松太郎氏も戦前の特高警察の出身である」(p.150)。検閲の手間を省くために1000紙以上の新聞社を50数社に削減することで「・・・新聞を通じて大本営発表をそのまま報じさせる体制を整えたのだ。それが日本を不幸に陥れたことは、歴史が証明している。/・・・戦前は国家権力によるメディアに対する強制があったが、戦後はそれがなくなった。とすれば、公権力は別の方法で、マスメディアをコントロールしていかなければならない。・・・/・・・『原発・正力・CIA』(新潮新書)の中で、読売の元社長・正力松太郎氏が、新聞を通じて親米世論を盛り上げるためにCIAの操作されていた事実・・・を明らかにしている。正力氏の暗号名は「ポダム」だったという」(p.170-171)。

 新聞奨学生の悲劇。「・・・便利屋のような存在だ。・・・どんなに過酷な労働を課しても夜逃げするわけにはいかない。/・・・タコ部屋同然の部屋だったという」(p.155)。

 無理・強引な拡販がもたらす悲劇。悪循環。「部数至上主義の旗の下で、新聞人はジャーナリズム活動を支えるための強い経営基盤を打ち立てるはずだった。そのためには、販売店の切り捨てもはばからなかった。拡販部隊としてのアウトサイダーの受け入れも、「必要悪」の論理の下で容認した。/しかし、肝心のジャーナリズムの灯は消滅した。後に残ったのは新聞乱売と人間疎外の索漠とした荒野だった。それが新聞離れに拍車を掛けて、新聞社を崩壊の危機へと追い込んでいるのではないだろうか」(pp.159-160)。

 「日販協と新聞族議員の〝絆〟」(p.186)。中川秀直、小泉進次郎小池百合子与謝野馨。「・・・新聞販売懇話会は多数の有力政治家を「輩出」している。・・・塩川正十郎、小沢一郎、森山真弓、小渕恵三、与謝野馨、石原慎太郎、・・・島村宜伸、小泉純一郎、河野洋平、森喜朗、羽田孜、谷垣禎一、加藤六月、西岡武夫、・・・。・・・山本一太・・・。いわば政界の頂点と日販協が太いパイプでつながった時期もあったのだ」(pp.187-188)。中川秀直センセへの恩返し(p.191)や、山本一太センセへ800万円もの政治資金のばら撒きが(p.191)。衝撃的です。「政治献金によって政策が左右されるシステムが、民主主義であるはずがない」(p.193)。「・・・新聞業はジャーナリズムの看板を掲げているのだから、道義上の問題は免れない。それに、仮に献金の目的が再販制度などの既得権の防衛にあるとすれば、金で政策を買ったことにもなる」(p.196)。四大悪法との関わりが焙り出されてくる。「四大悪法の成立と引き替えに・・・・・・」、「再販問題の弱みを握られたことで、新聞社は政界の監視というジャーナリズムの役割を果し辛くなり、結果として政権党の国会運営を助けた可能性はないだろうか。/・・・辺見庸氏が提起した「1999年問題」という表現を思い出す。/・・・周辺事態法、盗聴法、国旗・国歌法、改正住民基本台帳法など矢継ぎ早に通過している。・・・高橋哲哉教授との対談・・・「新しい『ペン』部隊」とは、マスメディアのことである。/・・・新ペン部隊が陰に陽に展開し、百十本というおびただしい法律を矢継ぎ早に成立させるのを大いに助けた。わけても、前述の四大悪法を通す後押しをした」(pp.208-209)。

 キッタナイ政治家どものキッタネエ手での「・・・改憲に向けた動きと考えて間違いない。/・・・背景には、企業のグローバリゼーションの影響・・・、太平洋戦争の犠牲者の上に成り立っている憲法の「改正」には、慎重にも慎重を重ねなければならない。当然、ジャーナリズムの役割は重要になってくる。・・・/・・・ところがそれを議論するための公平な土壌があるのか、はなはだ疑問が残る。新聞社が自らの権益を守るため、政界との癒着を強めているからだ。」(pp.214-215)。

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●最早嫌がらせが目的

2010年03月29日 05時00分32秒 | Weblog

My New Japan再び押し紙問題の記を発見。本問題の第一人者のジャーナリスト黒藪哲哉さんの記事で、押し紙問題での読売新聞の悪行について、再び。もはや、ほとんど嫌がらせです。

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【http://www.mynewsjapan.com/reports/
                                  1216】
読売「弱いものイジメ・嫌がらせ訴訟」第7戦へ 言論封殺の特高警察体質浮き彫りに
                  
黒藪哲哉 20:01 03/24 2010

 2001年に、配達部数6百部弱に過ぎない1店主である真村久三さんが、自称1千万部を発行する読売新聞との裁判に巻き込まれてから10年近い歳月が流れた。これまでの判決は、真村さんの6勝0敗。そして2月初旬、読売が判決を不服として保全抗告の申立て手続きを行い、裁判の舞台を福岡地裁から福岡高裁に移しての「第7戦」が決まった。最高裁が真村さんの地位を保全してもなお、ビラやパンフレットの配布、ノボリを立てる行為、さらに単行本の出版などの言論活動を解任理由にあげて最高裁決定に従わない読売。あらゆる手段を動員して言論を抹殺しようとするその姿勢は、正力松太郎元社主が幹部だった特高警察の活躍を連想させる。
【Digest】
◇読売による保全抗告
◇人権問題としての真村事件
◇「読売攻撃=悪」の視点
◇読売は憲法21条を否定するのか?
◇ノボリを立てたのはけしからん
◇出版の自由があやうい
調査報道に足枷
◇推測の記述に対しても名誉毀損
◇ペンに自信がないから裁判?
◇自由人権協会への疑問
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