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●《「棄却ですが付言がどうも画期的で…」…判決では琉球民族を先住民族と認め…「遺骨は、ふるさとで静かに眠る権利があると信じる」》

2023年10月31日 00時00分31秒 | Weblog

サケ漁をするアイヌ民族の畠山敏さん… (東京新聞2019年9月2日)↑】


(2023年10月08日[日])
沖縄アイデンティティーのよりどころである遺骨を本来あるべき場所に》という原告の訴えはまたしても棄却された。あの大阪高裁か…。《「棄却ですが付言がどうも画期的で…」》…でも、沖縄と最「低」裁の関係を考えてみれば、上告しても結果は…。
 琉球新報のコラム【<金口木舌>遺骨、ふるさとを夢見る】(https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2326106.html)によると、《▼94年前、京都帝国大学の研究者によって50体を超える遺骨が今帰仁村墓から持ち出された。…▼「棄却ですが付言がどうも画期的で…」。心に何かが跳ねる。判決では琉球民族を先住民族と認め、異例の付言が追記された。いわく「遺骨は、ふるさとで静かに眠る権利があると信じる」》。

   『●「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー
             (沖縄人を見くびってはいけない)」
   『●【<金口木舌>二風谷判決と沖縄】:
     「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み…先住民族に該当する」
    《「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み、独自の文化を保っており、
     先住民族に該当する」。1997年3月、札幌地裁で言い渡された判決に
     原告のアイヌ民族の人々は驚き、涙を流した ▼司法の場で初めてアイヌを
     先住民族と認めた、二風谷(にぶたに)ダム建設を巡る訴訟の判決だ…
     ▼しかし政府は沖縄の人々の権利保護を求めた国連自由権規約委員会
     勧告を無視

   『●《アイヌ民族…サケの捕獲は認められた先住権…
      儀式用のサケ十数匹を捕獲…サケ漁をするかどうかは自己決定権だ》

    《畠山敏さん(77)が、サケの捕獲は認められた先住権だとして、
     道の許可を得ずに儀式用のサケ十数匹を捕獲した。道職員が制止する
     場面もあったが、畠山さんは「サケ漁をするかどうかは自己決定権だ」
     として決行した。》

   『●【<金口木舌>サケ漁は自己決定権】…《アイヌ民族は
     先住民族と認められたが、権利回復の闘いは沖縄同様、道半ば》

    《▼アイヌ民族は先住民族と認められたが、権利回復の闘いは
     沖縄同様、道半ばだ
。「アイヌモシリ(北海道)に土足で
     上がり込んできた和人には左右されない
」と訴える畠山さんの
     言葉は重くて深い》

   『●《「アイヌの伝統」…捨て身ともいえる畠山さんの行動が
      先住民族とは何かを問いかける》…そして、「言葉」を殺すな!
   『●「国が象徴空間に集約することに我慢がならない。
           先祖の遺骨をコタンに返してほしい」
   『●琉球遺骨返還請求訴訟《旧京都帝国大…の人類学者が今帰仁村の
     百按司墓から持ち出した遺骨を京大が占有》は違法…京都地裁が請求を棄却
   『●琉球遺骨返還請求訴訟《沖縄アイデンティティーのよりどころである
     遺骨を本来あるべき場所に-という原告の訴えが…入り口論》で棄却
   『●《柔らかな響きと独特の語感が特徴のアイヌ語は、消滅の危機にある
      とされています》…萱野茂さんは「言葉は民族の証」と訴えてきた


 《明治以降、差別の上遺骨と文化を奪われてきたアイヌ民族…琉球処分によって失われた琉球の魂は戦争によって粉々にされ、土地は軍用地となり今また辺野古を遺骨で埋められようとしている》…司法が、沖縄差別を助長していないか? そして、我国の最高学府、これでいいのか? その直系の研究室・学科の研究人は何も感じないのかね? 《学術的価値があっても、地域や関係者の同意なしに盗掘同然に入手したものの保有を正当化できるのだろうか》? 《大量の古人骨を「清野コレクション」などとして誇っている京都大は、学問の府として誠実に対応すべきだ》。

   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
      も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…
   『●辺野古新基地建設: 国が寄って集って沖縄をイジメ、司法が沖縄イジメ
     にお墨付きを与える…野党議員は団結して立ち上がってくれないのか?

 安藤恭子記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「先住民の遺骨はふるさとに」 沖縄県民側の求めを退けた高裁判決が付言で示した、全く別の意味とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/280993?rct=tokuhou)。《琉球王家の子孫という沖縄県民らが、昭和初期に旧京都帝国大(京都大)の研究者によって同県の墓から研究目的で持ち去られた遺骨の返還を求めた訴訟の控訴審判決が、大阪高裁(大島真一裁判長)であった。判決は請求を退けた一審京都地裁を支持し、原告側の控訴を棄却する一方、付言として「持ち出された先住民の遺骨は、ふるさとに帰すべきだ」と断じた。請求を退けながら、付言では返還を強く促した意味とは。(安藤恭子)》

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https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2326106.html

<金口木舌>遺骨、ふるさとを夢見る
2023年10月02日 00:05

 すぐ「どうせ…」と捉える習い性はよくないらしい。分かってはいるが沖縄を巡る政治や社会課題の道行きは悪路が多い。だから「どうせ棄却だ」と軽く考えていた


▼94年前、京都帝国大学の研究者によって50体を超える遺骨が今帰仁村墓から持ち出された。その琉球遺骨返還訴訟の控訴審判決取材で大阪にいる同僚との電話だった

▼「棄却ですが付言がどうも画期的で…」。心に何かが跳ねる。判決では琉球民族を先住民族と認め、異例の付言が追記された。いわく「遺骨は、ふるさとで静かに眠る権利があると信じる

▼94年前の本紙記事から「無縁塚のべんべん草の下に淡い夢を見ていた骸骨」と引用し、遺骨が「ふるさとの沖縄に帰ることを夢見ている―」と締めた。言葉が脈打っていた

▼前述の本紙記事は、遺骨持ち出しが学会への奉仕だと京大におもねる形で報じた。新聞の足元とてかようにぬかるむこともある。返還協議が地元や京大の間で進むよう期待しつつ、「どうせ」を乗り越える脈打つ言葉を届けようと小さく決意する。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/280993?rct=tokuhou

「先住民の遺骨はふるさとに」 沖縄県民側の求めを退けた高裁判決が付言で示した、全く別の意味とは
2023年10月2日 12時00分

 琉球王家の子孫という沖縄県民らが、昭和初期に旧京都帝国大(京都大)の研究者によって同県の墓から研究目的で持ち去られた遺骨の返還を求めた訴訟の控訴審判決が、大阪高裁(大島真一裁判長)であった。判決は請求を退けた一審京都地裁を支持し、原告側の控訴を棄却する一方、付言として「持ち出された先住民の遺骨は、ふるさとに帰すべきだ」と断じた。請求を退けながら、付言では返還を強く促した意味とは。(安藤恭子

     (百按司墓を訪れる原告の玉城さん
      =2019年11月、沖縄県今帰仁村で)


◆琉球民族を先住民族と認めた初の判決

 「棄却は残念だったが、琉球民族が先住民族であると明確にされた。遺骨を持ち去った研究者と私たちは、日本国民として同じ立場とはならない。これからは胸を張って先住民としての権利を主張し、墓へ帰す協議を求めることができる」

 9月22日にあった控訴審判決。「こちら特報部」の取材に、原告の玉城毅(たまぐしくつよし)さん(73)=うるま市=は喜びを表した。弁護団によると、琉球民族を先住民族と認めた判決は初という。

 遺骨が持ち去られたのは今帰仁村(なきじんそん)の「百按司墓(むむじゃなばか)」。第一尚氏の王族ら14~15世紀の有力者がまつられたとされる風葬墓だ。4年前に記者が訪れた際も、苔(こけ)むした森の中、岩壁の暗い奥に青白い骨が散らばっていた。研究のために沖縄各所で骨を持ち出して「白骨累々として充満」「百按司墓を採集し尽くした」と記録した人類学者の姿を想像し、ぞっとした


◆「返還は世界の潮流になりつつある」

 京都大は26体の遺骨を箱に入れて保管している。原告らは2018年、遺骨返還や慰謝料を求め京都地裁に提訴。一審判決は、研究者らが1930年前後に多数の遺骨を持ち出したとし、玉城さんら2人を第一尚氏の子孫と認めつつ、子孫らは他にも多数いるとして、祭祀(さいし)継承者とは認めず、返還請求権はないとした。

 控訴審判決は一審判決を踏襲しながらも結論の終わりに「付言」として、世界各地で先住民の遺骨返還運動が起きていることに触れ、「返還は世界の潮流になりつつある」「遺骨は単なるモノではないふるさとで静かに眠る権利があると信じる」と踏み込んだ。

 訴訟による解決は限界とした上で「関係者が話し合い解決へ向かうことを願う」と促し、将来的な遺骨の保存研究を要望した日本人類学会の書面には「重きを置くことが相当とは思われないとくぎを刺した


◆「学知の植民地主義」が続いている

 原告側の丹羽雅雄弁護団長は「アイヌ民族の遺骨を巡る近年の訴訟は、和解で返還の道筋が示されてきた。判決もその流れをくんでいる」と話す。一方で、京都大は「本学の主張が認められたと理解している」とコメントを出した。

 波平恒男・琉球大名誉教授(沖縄近現代史)は「本裁判の問題は、葬制も文化も全く異なる多数派の大和の法に基づき、少数派の琉球人の遺骨返還請求という先住民の権利が裁かれた点にある」とみる。琉球の墳墓は地域の共同体によってまつられ祈りの場とされてきた一方、裁判では本土の家長制を前提とする民法の所有権規定が判断された。

 この矛盾を解消するため、先住民の権利を定める国際人権法に従った国内法の整備が急務だと指摘する。

 「研究者が琉球処分後の沖縄から持ち出した遺骨について、大学は今も所有の正当性を主張し、頑として離さない。『学知の植民地主義』が続いている証左だ。訴訟が求めたのは遺骨の所有権ではなく、元の所に帰して皆でまつるということ。京都大はそのための協議に応じるべきだ」


【関連記事】持ち去られたアイヌの遺骨が子孫に返還されない 「一刻も早く土に」を阻む背景とは
【関連記事】真珠湾での戦死から81年、米兵の遺骨はふるさとに…「悲しいだけ」と語った遺族の思い
【関連記事】ふるさと納税で「戦没者に畏敬の念を」 沖縄の男性が靖国神社で訴えた深い理由 遺骨が眠る土地が荒らされる
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●琉球遺骨返還請求訴訟、大阪高裁も棄却…ただし、《遺骨の返還は世界の潮流…「持ち出された先住民の遺骨は、ふるさとに帰すべきだ」と指摘》

2023年10月18日 00時00分08秒 | Weblog

サケ漁をするアイヌ民族の畠山敏さん… (東京新聞2019年9月2日)↑】


(2023年09月27日[水])
沖縄アイデンティティーのよりどころである遺骨を本来あるべき場所に》という原告の訴えは、またしても、棄却。偶然でしょうが、これまた、大阪高裁か…。(琉球新報)《上告する方針だ。遺骨返還は世界の潮流である。最高裁には世界の潮流に沿う妥当な判決を求める》…あぁ、絶望的な司法。特に沖縄イジメ沖縄差別に加担する司法、その頂点の最「低」裁。最「低」裁が《妥当な判決》を下す確率はかなり低いと思われる。

 別に、京大や北大に恨みは無いが、かつての研究者の不始末の責任はその大学が取るべきではないか。(琉球新報)《日本本土(ヤマト)の沖縄に対する継続的な植民地主義が垣間見える》。
 これは重要な指摘 ―――――― (琉球新報)《国連は2008年に沖縄の人々を先住民族と公式に認め、日本政府に基地問題などの差別の改善や、沖縄の言語、文化の保護を何度も勧告している。だが政府は沖縄の居住者・出身者は日本民族だとし勧告を受け入れていない》、なぜならば、《国際法である先住民族権利宣言は、先住民族の合意がない限り、先住民族の土地の軍事利用を禁じている沖縄の人々を先住民族と認めると政府は基地問題など、これまでの沖縄政策の「不正」を是正せざるを得なくなるため認めたくないのであろう》。

   『●「「希望はTPP。」なのか」
      『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)

    「平田剛士氏【アイヌ人骨〝発掘〟研究の実態は依然不明 
     北大のずさんな管理が発覚】……」

   『●「安倍首相の暴走と「妄想」」
      『週刊金曜日』(2014年2月7日号、978号)について

    「平田剛士氏【いまだ返還されず 全国12大学にアイヌ遺骨1636体!】、
     「遺骨を返還すれば大学自体も癒される。アイヌも力を得て、
     誇りを取り戻せるはず……より人間的な大学に変わるための
     チャンスととらえることもできる」」

   『●「国が象徴空間に集約することに我慢がならない。
              先祖の遺骨をコタンに返してほしい」
    「「研究目的」(!!)で勝手に盗掘して「大量の遺骨や副葬品が
     返還されないまま」に放置する大学人、そして、政府のいい加減な
     対応。一体どんな国やねん!! 当事者が「嫌だ」と言っているにも
     かかわらず、平気で「人権侵害」。「墓を暴いて先祖の遺骨を集めた
     学者たちの責任をあいまいにしたまま、国が象徴空間に集約することに
     我慢がならない先祖の遺骨をコタンに返してほしい」と云う叫びに
     どう応えるつもりか?」

   『●琉球遺骨返還請求訴訟《旧京都帝国大…の人類学者が今帰仁村の
     百按司墓から持ち出した遺骨を京大が占有》は違法…京都地裁が請求を棄却
   『●琉球遺骨返還請求訴訟《沖縄アイデンティティーのよりどころである
     遺骨を本来あるべき場所に-という原告の訴えが…入り口論》で棄却

 沖縄タイムスの【[社説]琉球遺骨訴訟棄却 返還協議し前へ進めよ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1227419)。《判決は「遺骨の本来の地への返還は、現在世界の潮流になりつつある」と指摘し、さらに念を押すように「遺骨は、ふるさとで静かに眠る権利がある」とも強調する。ここまで明確な見解を示していながら、原告らの主張を退けたのは一体、なぜなのか。》
 琉球新報の【<社説>高裁、琉球遺骨返還棄却 京大は世界の潮流に従え】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2303285.html)。《旧京都帝国大(京都大)の研究者が昭和初期に今帰仁村の「百按司(むむじゃな)」から研究目的で持ち去った遺骨の返還を琉球王家の子孫とする県民らが大学に求めた訴訟で、大阪高裁は請求を退けた一審を支持し、原告の控訴を棄却した。一方、原告らを沖縄地方の先住民族である琉球民族に属すると認定した。付言(ふげん)でも遺骨の返還は世界の潮流になりつつあるとし「持ち出された先住民の遺骨は、ふるさとに帰すべきだ」と指摘した。京都大は一刻も早く骨を返すべきである》。

   『●「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー
             (沖縄人を見くびってはいけない)」
   『●【<金口木舌>二風谷判決と沖縄】:
     「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み…先住民族に該当する」
    《「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み、独自の文化を保っており、
     先住民族に該当する」。1997年3月、札幌地裁で言い渡された判決に
     原告のアイヌ民族の人々は驚き、涙を流した ▼司法の場で初めてアイヌを
     先住民族と認めた、二風谷(にぶたに)ダム建設を巡る訴訟の判決だ…
     ▼しかし政府は沖縄の人々の権利保護を求めた国連自由権規約委員会
     勧告を無視

   『●《アイヌ民族…サケの捕獲は認められた先住権…
      儀式用のサケ十数匹を捕獲…サケ漁をするかどうかは自己決定権だ》

    《畠山敏さん(77)が、サケの捕獲は認められた先住権だとして、
     道の許可を得ずに儀式用のサケ十数匹を捕獲した。道職員が制止する
     場面もあったが、畠山さんは「サケ漁をするかどうかは自己決定権だ」
     として決行した。》

   『●【<金口木舌>サケ漁は自己決定権】…《アイヌ民族は
     先住民族と認められたが、権利回復の闘いは沖縄同様、道半ば》

    《▼アイヌ民族は先住民族と認められたが、権利回復の闘いは
     沖縄同様、道半ばだ
。「アイヌモシリ(北海道)に土足で
     上がり込んできた和人には左右されない
」と訴える畠山さんの
     言葉は重くて深い》

   『●《「アイヌの伝統」…捨て身ともいえる畠山さんの行動が
      先住民族とは何かを問いかける》…そして、「言葉」を殺すな!
   『●「国が象徴空間に集約することに我慢がならない。
           先祖の遺骨をコタンに返してほしい」
   『●《柔らかな響きと独特の語感が特徴のアイヌ語は、消滅の危機にあると
       されています》…萱野茂さんは「言葉は民族の証」と訴えてきた

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2303285.html

<社説>高裁、琉球遺骨返還棄却 京大は世界の潮流に従え
公開日時 2023年09月24日 05:00
更新日時 2023年09月23日 15:12

 旧京都帝国大(京都大)の研究者が昭和初期に今帰仁村の「百按司(むむじゃな)」から研究目的で持ち去った遺骨の返還を琉球王家の子孫とする県民らが大学に求めた訴訟で、大阪高裁は請求を退けた一審を支持し、原告の控訴を棄却した。

 一方、原告らを沖縄地方の先住民族である琉球民族に属すると認定した。付言(ふげん)でも遺骨の返還は世界の潮流になりつつあるとし「持ち出された先住民の遺骨は、ふるさとに帰すべきだ」と指摘した。京都大は一刻も早く骨を返すべきである。

 京都大の返還拒否や、それを追認した判決には、日本本土(ヤマト)の沖縄に対する継続的な植民地主義が垣間見える。そもそも、日本本土と沖縄では墓を巡る慣習が違うが、それを考慮せず、日本本土の慣習に沿う民法だけで判断したからだ。その根本を改め、日本の法律に限界があるのなら国際人権法の趣旨を踏まえた判断をすべきだ。

 だが判決は原告が主張した国際人権法や憲法に基づく遺骨返還請求権ないとした。墓に参拝している子孫らは他にも多数いると考えられ、民法で請求権がある祭祀(さいし)主宰者とは認められないとした。

 波平恒男琉球大名誉教授が指摘するように、琉球・沖縄と日本本土では、墓制や葬制などの伝統的慣習が大きく異なる。沖縄ではお墓の集団的利用が広く行われてきたが、民法は家族単位の墓が単独相続される日本本土の慣習を想定しているとみられる。

 波平氏は「本裁判の問題性は多数派の大和人の法に基づいて少数派の琉球人の遺骨返還請求が裁かれている点にある」と指摘。植民地主義の過去の清算や沖縄の自己決定権の確立とも深く関わるという。

 一方、付言で原告らを「沖縄地方の先住民族である琉球民族に属すると認めた点は重要だ。自己決定権など沖縄の人々の権利回復との関わりが議論されているからだ。

 国連は2008年に沖縄の人々を先住民族と公式に認め、日本政府に基地問題などの差別の改善や、沖縄の言語、文化の保護を何度も勧告している。だが政府は沖縄の居住者・出身者は日本民族だとし勧告を受け入れていない

 国際法である先住民族権利宣言は、先住民族の合意がない限り、先住民族の土地の軍事利用を禁じている沖縄の人々を先住民族と認めると政府は基地問題など、これまでの沖縄政策の「不正」を是正せざるを得なくなるため認めたくないのであろう。

 付言は訴訟での解決には限界があるとし、関係者に対話を促した。その前に裁判所は国際人権法の趣旨の実現を考えるべきではなかったか。琉球民族を先住民族と認めた付言に、原告は、アイヌ民族を先住民族と初めて認めた二風谷(にぶたに)ダム建設を巡る札幌地裁判決を重ねた。上告する方針だ。遺骨返還は世界の潮流である。最高裁には世界の潮流に沿う妥当な判決を求める。
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●アベ様と菅官房長官らが辺野古でやっていること・・・「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」

2015年04月18日 00時00分51秒 | Weblog


東京新聞の記事【「菅氏と重なる」キャラウェイ氏とは 強権統治 沖縄反発招く】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015041202000118.html)。

 「米軍政下の沖縄で最高責任者として強権的に振る舞ったと言われるキャラウェイ高等弁務官を引き合いに、菅氏の姿勢を批判・・・・・・人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じだった」。
 アベ様と最低の菅官房長官のコンビ。「法治国家」「民主国家」が聞いて呆れる、アベ様らによる「人治国家」。好き放題やっている。

   ●菅義偉官房長官曰く「この問題は過去のものだ。争点にはならない」
                              ・・・・・・なんという言い草!!

   『●辺野古破壊者は沖縄で4度目の完敗だというのに、
                         「ロコツな“沖縄イジメ”」

   『●「法令に基づいて粛々と対応する」「法治国家」ニッポンならば
                         辺野古破壊を直ぐに停止すべき

   『●「いま」壊憲を議論できる、
          「主権在民」どころか「主権アベ様」な呆れた国

   『●アベ様の周りには忠実なシモベばかり・・・
          辺野古破壊「続行を」、「強硬論次々」だそうです

   『●「主権在アベ様」=「地域住民ごときが文句を言うのは
                 許されないというのが安倍政権の立場」

 「菅氏は翁長氏との会談後、キャラウェイ氏と同一視されたことを記者会見で問われると「私自身は上から目線でないと思う。十六年前に沖縄県知事と名護市長が同意して、知事から埋め立て承認も得た。日本は極めて民主国家だ」と反論」・・・・・・ニッポンは「民主国家」だそうです!? この「民」には沖縄県民は入っていないらしい。アベ様と菅官房長官らが辺野古でやっていること・・・・・・「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」。アベ「帝王」による沖縄イジメ、差別性の極み

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015041202000118.html】。

「菅氏と重なる」キャラウェイ氏とは 強権統治 沖縄反発招く
2015年4月12日 朝刊

     ((左)米高等弁務官を務めたキャラウェイ氏(右)菅官房長官)

 翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事は菅義偉(すがよしひで)官房長官との初会談で、米軍政下の沖縄で最高責任者として強権的に振る舞ったと言われるキャラウェイ高等弁務官を引き合いに、菅氏の姿勢を批判した。キャラウェイ氏とはどんな人物だったのか。当時を知る沖縄の識者らに聞いた。(後藤孝好


 「キャラウェイ氏は本土ではほとんど知られていないでしょ。菅氏もピンと来なかったんじゃないかな」と言うのは、政治思想史に詳しい琉球大の比屋根照夫名誉教授(75)だ。

 キャラウェイ氏は米陸軍出身。一九六一年二月から六四年七月までの間、陸軍中将として司法、立法、行政の全権を掌握する高等弁務官を務めた。比屋根氏は「立法院の審議や企業の人事、教職員会の活動などに次々と介入した。人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じだった」と指摘する。

 キャラウェイ氏の強圧的な統治姿勢については、池田勇人首相(当時)がライシャワー駐日米大使(同)との会談で批判していたことが、公開された外交文書で明らかになっている。

 キャラウェイ氏が強権的な統治を明確に打ち出したのは、六三年三月の米軍将校クラブでの「自治神話論」演説だ。「琉球における自治は神話である」と断言して、住民の権利拡大を認めない姿勢を鮮明にした。

 地元紙の琉球新報は翌日、発言を一面に掲載して追及した。強権発動できるため帝王とされた高等弁務官への批判は、それまで抑えられており、異例の記事だったといえる。当時、琉球新報記者だった比屋根氏は「高等弁務官は銀行融資を止めるなどして、新聞社をつぶすこともできた。社内には緊張感が走ったが、見過ごせない発言だった」と振り返る。

 自治神話論を契機に、沖縄では米軍政への反発が強まり、住民自治や権利獲得の運動が一気に盛り上がった。キャラウェイ氏はその後、更迭に追い込まれ、知事に当たる主席の直接公選などが実現したほか、本土復帰運動も加速した。

 沖縄では権利を自らの手で一つ一つ積み上げて、住民自治を勝ち取ってきたからこそ、民主主義で尊重されるべき民意への期待は大きい

 琉球大の波平恒男教授(60)は「政府は沖縄の民意を無視して強権的な姿勢を取り続けている。翁長氏はキャラウェイ氏の自治神話論を持ち出して、沖縄では戦後七十年たっても、自治が認められていないと訴えた」と指摘する。

 菅氏は翁長氏との会談後、キャラウェイ氏と同一視されたことを記者会見で問われると「私自身は上から目線でないと思う。十六年前に沖縄県知事と名護市長が同意して、知事から埋め立て承認も得た。日本は極めて民主国家だ」と反論した。
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