Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●「疑わしきは活断層に」: 断層の上に核燃料サイクル施設?

2013年01月08日 00時00分29秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012121990070952.html)。

 そもそもそんなところにそんな危険な施設を作ったのはどこの党? 活断層が在るか無いか?ではなく、「無い」とは誰も言えない(言えなかった)のだから、「疑わしきは活断層に」でしょう。原子力施設、特に、非常に危険な核燃料サイクル施設を作ってはならなかったし、稼働させ続けてはならない。すでに破綻した核燃サイクルである。すぐに停止すべきだ。原発の再稼働など許されないし、建設再開・原発輸出など以ての外。

   『●断層を否定した者は居なかった: まずは大飯原発を止めるべき
   『●大飯原発「疑わしきは活断層に」についての「つぶやき」
   『●パブリックコメントで一般市民の「反原発」意思は集約済み
   『●原発をそんなところに建て、稼働してきた責任をどう取るのか?
   『●使用済み核燃料プールが満杯になったらどうするの??

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012121990070952.html

六ケ所村で断層調査 規制委方針
2012年12月19日 07時09分

 原発や核燃料サイクル施設が集中する青森県・下北半島全体が、地質的に原子力施設を設置するには危険との見方が専門家の間で広がっている。このため、原子力規制委員会六ケ所村の核燃施設でも断層調査に乗り出す方針を固めた。危険と判断されれば、全国の原発から出る使用済み核燃料の行き場がなくなり、日本の原子力政策は根幹から修正を迫られる。
 断層活動を研究してきた専門家は、下北半島東側沖合にある「大陸棚外縁断層」を活断層とする学説を注視。全長百キロあり、下北半島を西側に押しながら、潜り込むような動きをしているという。半島沿岸には十二万五千年前以降にできた新しい地形(段丘)があちこちで見られ、これらは断層活動に伴って隆起した証拠とされる。
 規制委が実施した現地調査で、東北電力東通(ひがしどおり)原発(青森県東通村)内に活断層がある可能性が高まっている。これらの断層も、大陸棚外縁断層の及ぼす力で形成され、今後も動く恐れがあるという。
 東京大学の池田安隆准教授(地形学)は、音波探査の研究結果を基に「この断層は西側に向かって傾きながら深さ十五キロほどまで延びており、下北半島を横断している」と指摘。地下深くにある活断層の上に、原子力施設が位置する危険性に警鐘を鳴らす。
 東洋大学の渡辺満久教授(変動地形学)は、六ケ所村の核燃料施設近くに見られる段丘や海側に向かって下がる地形も、大陸棚外縁断層の活動によると主張。さらに、大陸棚外縁断層から分岐した断層が施設の直下を通っているとし「大陸棚外縁断層が動いたとき、一緒に動く危険性が高い」と警告する。
 池田氏は、大陸棚外縁断層が動けば、沿岸部ではマグニチュード(M)8級の地震が起きると予測する。核燃施設を運営する日本原燃は大陸棚外縁断層が活動する可能性を否定。M8級の地震も考慮して耐震性を確保しているとするが、震源はずっと遠い沖合を想定しており、大陸棚外縁断層が動けば、より大きな揺れに襲われる恐れがある。
 規制委の田中俊一委員長は、下北半島全体で断層の影響を調べる必要性を記者会見などで認めている。

 <六ケ所村の核燃料サイクル施設> 使用済み核燃料を溶かし、再利用するプルトニウムを取り出す再処理工場(未完成)と、そこで出た高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)を数十年間保管する貯蔵管理センター、取り出したプルトニウムを混合酸化物(MOX)燃料に加工する工場(未完成)などからなる。既に貯蔵管理センターには約1400体のガラス固化体が保管されている。
 巨額の資金投入にもかかわらず、再利用の輪(サイクル)が完成するめどは立っていない

(東京新聞)
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●破綻した核燃サイクル: なぜ核分裂性プルトニウムをため込むのか?

2012年08月26日 00時00分25秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082490070055.html)。

 昨日も触れたが(『●消極的にしろ、積極的にしろ、「原発0%」しかない』、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b03708607f8862b8c7cf7d7dc9e5ad32)、核燃サイクルはすでに破綻している。「日本は「余分なプルトニウムを持たない」と国際公約」し、「プルトニウムは核兵器の材料となるため、国際的にもむやみに保有量を増やすことはできない。日本は現在、約二十六トンの核分裂性プルトニウムを保有している」怖い状況。一体どうするつもりなのか? 「原子力=核」がミエミエ。「技術に平和利用軍事利用もないあるのは、平時利用戦時利用であるいったん、平和利用を標榜して技術を持ってしまえば、いつでも軍事的に使うことができる」(『●浅野健一ゼミ企画シンポジウム: 報道と福島原発人災』、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f65e4736c4c9e6a2d083d1d0ffdae54d) 「青森県六ケ所村にある再処理工場は稼働させ、高速増殖炉の開発も基本的には続ける」なんて寝言をまだ言ってる。

 記事にある鈴木達治郎原子力委委員長代理や近藤駿介委員長については、以下の記事をを読めば、どのようなスタンスの人々であるのかが分かります。

   『●原発をどうするのかをフェアに議論できる情報提供なのか?
   『●今頃言ってらぁ
   『●死の商人、あるいは、安全神話の押し売り

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082490070055.html

「プルトニウム利用なければ」 「再処理せず」合意ほご
2012年8月24日 07時00分

 東京電力福島第一原発事故の後、核燃料サイクル政策の選択肢を検討した原子力委員会の小委員会が、当初、使用済み核燃料の再処理で出るプルトニウムを使う見通しが立たない場合、再処理しないことで合意していたのに、検討途中で合意をほごにしていたことが分かった。事故の影響で、電力会社は原発でプルトニウム利用の計画を示せない状態。その現実を無視し、核燃サイクル維持の方向に議論を進めていた

 プルトニウムは核兵器の材料となるため、国際的にもむやみに保有量を増やすことはできない。日本は現在、約二十六トンの核分裂性プルトニウムを保有している。

 疑念を持たれる状況を解消するため、小委の座長を務める鈴木達治郎原子力委委員長代理は、使う当てがなくても再処理を認めている現状を改善するため、三月から核燃サイクルの選択肢の本格的な検討を始めた。

 当初、委員七人の合意事項として「再処理はプルトニウム利用計画に基づいてのみ実施する」との文言を検討資料に書き込み、この合意を大前提に新たな原子力政策を練ることになっていた。四月下旬の小委会合では、鈴木氏が「利用計画がある場合に限り、再処理します。よろしいですね。それは確実に書かせていただく」と了承も取っていた。

 だが、五月以降の小委の資料からは合意の文言は消された

 本紙の取材に鈴木氏は、原子力委の近藤駿介委員長や推進派の小委委員らから反発があったことを明かした。近藤氏からは「電力会社が『最後は必ず原発で使う』と約束すれば、いろんな理由の再処理があっていい」と、暗に現行施策の継続を求められたという。

 事実関係について、近藤氏は秘書を通じて「小委のことは鈴木氏に聞いてほしい」と答えた。鈴木氏は「座長として意見をまとめるためには仕方なかった」と話した。

 小委の検討結果を踏まえて六月に原子力委が政府のエネルギー・環境会議に示した最終報告書では、将来の原発比率を0%にしない限り、青森県六ケ所村にある再処理工場は稼働させ、高速増殖炉の開発も基本的には続けることが記された。

 核燃サイクルには十兆円以上の巨費が投じられながら実現のめどは立たず、施設の維持だけでも年間一千億円単位の資金がかかる。いずれも電気料金を通じた国民の負担だ。

 政府内では、意見聴取会などの結果を受けて、将来の原発比率についての検討が進んでいる。しかし、核燃サイクルは、ほとんど議論されていない

 核燃サイクルをめぐっては、経済産業省資源エネルギー庁の原子力政策課長が昨年末、原子力委の近藤委員長に対し、脱原発を検討しないよう文書で圧力をかけていたことも判明している。


<プルトニウム利用計画> 日本は「余分なプルトニウムを持たない」と国際公約し、原子力委は電気事業連合会に利用計画を公表させている。1997年には、海外で再処理して出た分を、2010年までに全国16~18基の原発で使うと公表したが、達成率は2割程度。05年からは日本原燃再処理工場(青森県)から出る分を、将来18基程度で使うと毎年3月に公表していたが、福島第一原発事故で使う見通しが立たないため、昨年と今年は公表を見送った。

(東京新聞)
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●志賀原発訴訟第二ラウンド: 裁判所は信頼を回復できるか?

2012年07月06日 00時00分29秒 | Weblog


東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012062902000110.html)。安全な原発などあるわけがなく、形容矛盾であるが「危ない原発ランキング」についてのgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/137270)。

 北陸電力 志賀原発の運転差し止め訴訟が起こされた。地裁レベルとはいえ、 金沢地裁唯一反原発判決を書いた井戸謙一さんのあの志賀原発である。その第2ラウンドという位置づけになるでしょうか。東京電力福島第一原発の人災を受け、井戸元裁判長にいかに先見の明があったのかがうかがい知れる。
 関西電力 大飯原発を契機に、次々と原発を再稼働しようとしている。伊方原発美浜原発の名前が挙がるなど、正気の沙汰とは思えない振る舞いである。各地で起こる、原発再稼働反対運度。特に、首相官邸前での週末のデモは想像を超える規模である。OurPlanet-TVhttp://www.ourplanet-tv.org/)の映像資料(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1379)などで確認できる。でも、その声は、首相官邸の住人や第2自民党・元祖自民党・第3自民党の原子力ムラの取り巻き政治家にはどうやら全く届かないらしい。単なる「音」としか感じていないらしいが、さて、明日は「声」が届くだろうか。
 一方、司法はその信頼を取り戻せるのか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012062902000110.html

【社説】
志賀原発提訴 国策と思わず審理を
2012年6月29日

 北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の運転差し止めを求める訴訟が起こされた。福島第一原発事故は原発に根源的な疑問を投げかけた。動きは全国に広がる。国策への予断なく審理をしてほしい
 石川、富山両県の住民ら百二十人が二十六日、金沢地裁に提訴した。福島第一原発事故で明らかになった原発の耐震指針や防災指針などの不備を追及するほか、志賀原発周辺の活断層に関する新たな知見を基に現在の活断層連動の評価にも誤りがあると主張する方針だ。被災時に放射性物質が拡散する恐れを指摘し、北陸電力に安全性の立証を求める。
 日本列島が地震の活発期に入ったといわれ、今後も大地震が相次ぐことが危惧される今、当然の動きである。
 今回の提訴は福島第一原発事故を受け、全国で進む「脱原発」一斉訴訟の一環でもある。差し止めの控訴審中の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)では昨年、廃炉を求める訴訟が新たに起こされた。
 関西電力大飯原発(福井県おおい町)では今年三月、再稼働に必要な定期検査終了証交付の差し止めを求めて滋賀県の住民らが提訴。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)や四国電力伊方原発(愛媛県)でも訴訟が進行中だ。
 原発訴訟ではこれまで差し止めを求める原告側の訴えが退けられてきた。専門性の高い事案であるため、専門家が作り上げた政策や基準に異を唱えることは難しく、司法は行政や電力会社寄りになってきたといえる。そんな従来の流れを根本から変えたのが3・11だ
 「安全神話を振りまいてきた原発行政は全く信頼できないことを露呈。被害想定の基礎となる地震学も知見不足を明らかにした。専門家は敗北したのである
 実は、志賀原発は商業用原発で唯一、運転差し止めの判決を受けたことがある。その二〇〇六年三月の金沢地裁判決にはこうある。「想定を超えた地震が発生する可能性がある。その場合に、構築した多重防護が有効に機能するとは考えられない」。まるで福島第一原発事故を予言したようだ。
 この判決文を書いた井戸謙一裁判長(現弁護士)は本紙の取材に「あれだけ危険なものを動かす以上、被告側が安全を立証すべきだ」と述べた。安全が証明されないなら危険。そんな当たり前の感覚が、専門家の想定できなかった事態を見通すことを可能にした。
 司法は住民、市民の視点で判断を下してもらいたい
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http://gendai.net/articles/view/syakai/137270

専門家が指摘 危ない原発ランキング
2012年6月26日 掲載

活断層の上に大量の使用済み燃料棒

 関西電力の大飯原発(福井)の再稼働が決定し、放っておけば野田政権は次々と「暫定的な安全基準」で原発を再稼働するとみられている。専門家に言わせればとんでもない話だ。

   「福島原発の事故は、津波が来る前に配管がダメになった
    とみられています。しかも、直下に活断層があったわけでもない。
    ということは、震度6程度の地震でも原発は危ないのです。
    大飯原発に関しては、異常を警告するアラームが鳴るなどの
    トラブルが続いているのも心配です」
    (放射能に関わる無機・放射化学を専門とする
          元立教大学理学部教授の佐々木研一氏)

 「使用済み核燃料貯蔵量」も心配だ。全国で貯蔵していない原発はないが、記事末尾のように、大量に保有しているところがある。燃料棒と使用済み燃料はともに原子炉建屋の最も高い位置にある使用済み燃料プールの中で冷却されている。建屋が壊れ、保管されている燃料棒が露出すればアウトだ。危ない断層の上にある原発はゾロゾロだからゾッとする。
 泊原発(北海道)、東通原発(青森)、六ケ所再処理工場(同)、柏崎刈羽原発(新潟)、敦賀原発(福井)、志賀原発(石川)の現地調査を行った東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)に聞いた。

   「活断層が動いた場合、被害が大きくなる原発は、敦賀もんじゅ
    美浜大飯東通です。活断層本体の上に立っているわけでは
    ありませんが、分岐した断層が動くことで建屋が壊れ、被害が
    出るとみられています。これらよりも破格に危ないのは、浜岡
    六ケ所再処理工場です。2つとも、活断層の本体が直下にある。
    地震の揺れだけでなく地面のズレも生じ大きな被害をもたらすと
    考えられます。使用済み核燃料の量を見ても、六ケ所再処理工場は
    ケタ外れに危険です。調査の結果、原発稼働すべきでないのは、
    敦賀、浜岡、六ケ所再処理工場。あとの4カ所も、きちんと
    現地調査してほしいと政府には訴えています」

 六ケ所村の再処理工場直下に存在する活断層は下北半島東部沖にある「大陸棚外縁断層」につながっていて、M8級の地震を引き起こす可能性がある。また、原発としては使用済み燃料量でトップの柏崎刈羽原発には、M7.5の地震が想定される活断層が指摘されている。ここに原発があること自体が狂気である。

  ◇電力会社/発電所/場所/貯蔵量

  ◆北海道電力/北海道古宇郡泊村/380
  ◆東北電力 /東通/青森県下北郡東通村/100
             女川/宮城県牡鹿郡女川町、石巻市/420
  ◆東京電力/ 福島第1/福島県双葉郡大熊町/1960
             福島第2/福島県双葉郡楢葉町/1120
             柏崎刈羽/新潟県柏崎市、刈羽郡刈羽村/2300
  ◆中部電力/ 浜岡/静岡県御前崎市/1140
  ◆北陸電力/ 志賀/石川県羽咋郡志賀町/150
  ◆関西電力/ 美浜/福井県三方郡美浜町/390
             高浜/福井県大飯郡高浜町/1180
             大飯/福井県大飯郡おおい町/1400
  ◆中国電力/ 島根/島根県松江市/390
  ◆四国電力/ 伊方/愛媛県西宇和郡伊方町/590
  ◆九州電力/ 玄海/佐賀県東松浦郡玄海町/830
             川内/鹿児島県薩摩川内市/870
  ◆日本原電/ 敦賀/福井県敦賀市/580
             東海/茨城県那珂郡東海村/370
  ◆日本原燃/※六ケ所/青森県上北郡六ケ所村/2860

    電事連調べ(2011年9月末)など(単位:トン) ※六ケ所は再処理工場
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●核燃サイクルという幻想、推進ありき

2012年02月19日 02時32分40秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012021090070722.html)。

 記事にある通り、彼らは、最初から危険は承知、実現性などほとんどないことも。推進ありき。一体何のために核燃サイクルを、まだ、継続しようというのか?

   『●プルサーマルの無意味さ再び: 核燃サイクルという幻想の破綻
   『●高速増殖炉もんじゅ廃炉
   『●核のゴミと云う地獄:「王様は裸」
   『●玄海原発プルサーマル賛成派質問者8人中7人が仕込みだった!
   『●原子力ムラは土台から腐ってる
   『●核燃サイクルという幻想に、まさに金をドブに湯水の如く
   『●ポスト東京電力原発人災: 扉がどんどんと抉じ開けられる

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012021090070722.html

核燃サイクル 政府、慎重論無視し推進
2012210 0708

 使用済み核燃料を再処理して核兵器に転用可能なプルトニウムを取り出す核燃料サイクル計画をめぐり、旧通商産業省(現経済産業省)と旧科学技術庁(現文部科学省)の幹部らが一九九一年、日本の核武装に対する国際社会の懸念や、膨大な費用がかかることなどを理由に慎重な姿勢を示していた。本紙が入手した内部資料から分かった。 

 当時は九五年の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)ナトリウム漏れ事故前。政府が核燃料サイクルの研究開発を推進していた時期に、原子力政策の担当者が異論や疑問を抱えていたことになり、計画の無責任ぶりが浮かび上がった。

 内部資料は原子力政策の重鎮で、科技庁原子力局長などを歴任した故・島村武久さんが八五~九四年に開いた非公式の研究会議事録。当時、原子力に関わった政治家や現役官僚、経営者、学者らの証言を掲載している。文科省が二〇〇八年に編集し、一部の関係者に配布した。

 九一年夏の会合に出席した通産省資源エネルギー庁技術課長(当時)の谷口富裕さん(68)は、核燃サイクルを「全体的展望なり戦略に欠けていて、経済的に引き合わない」などと批判。米ソ冷戦の終結直後という当時の国際情勢下で、プルトニウムの大量保有につながる再処理は「最近、各国が日本に(兵器転用への)警戒心を高めている中、(計画自体が)うまくいくわけがないのでは、という心配をしている」と話した。

 九一年六月の会合では、講師役を務めた科技庁核燃料課長(当時)の坂田東一さん(63)は、核燃サイクルの方向性を議論した政府の原子力委員会の専門部会を「リサイクルありき」と指摘。「(核燃サイクルの是非は)一回議論しかかったが、そこまで行くと収束できない」と、問題があることを知りながら、推進に回った事実を証言した。

 一方、電力業界も九四年夏の会合で、旧日本原燃サービス(現日本原燃)の元社長豊田正敏さん(88)が「資源の乏しい国で(プルトニウムは)ぜひ使わなきゃいけないと言うが、一割二割のところしか節約できない」と、核燃サイクルの採算性を疑問視していた。

 現在、東京工業大特任教授の谷口さんは本紙の取材に「当時は計画の進め方が性急すぎた」とした上で「適切な時間軸と国際的な視点が足りない」と話した。


 <核燃料サイクル> 通常の軽水炉原発で燃やしたウランの使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再利用する仕組み。政府、電力業界は「資源小国・日本の切り札」として期待するが、中核となる高速増殖炉は経済コストが高く、技術的な問題も多いことから主要先進国の米、英、仏、独は1990年代後半までに撤退している。福島第一原発事故を受け、日本でももんじゅを含めた核燃料サイクルの見直し論議が高まり、政府は今夏をめどに是非を判断する。

(東京新聞)
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●ポスト東京電力原発人災: 扉がどんどんと抉じ開けられる

2012年01月15日 00時00分31秒 | Weblog


asahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20120110.html)。

 最近後退気味の朝日新聞にまでダメ出しされている。破綻している核燃サイクルをまだ検討したり、継続したり、遂行しようとする行為のなんと愚かなことか。まずは全ての原子炉を廃炉にして、これ以上核のゴミを増やさないことだ。プルトニウムの抽出やMOX燃料なんて無駄で、危険なことなど、以ての外。ガラス固化といった未確立の技術にかけ、さらに核のゴミを増やそうとしたり、原発輸出で延命を図るなど許せない行為だ。

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http://www.asahi.com/paper/editorial20120110.html

2012110日(火)付
核燃サイクル―事業者任せはおかしい

 全国の原発から出る使用済み核燃料を再処理する工場(青森県六ケ所村)が、今月中旬にも試験運転を再開する。
 青森県の三村申吾知事が昨年末、県内の原子力施設の安全対策を了承したのを受け、再処理の事業主体である日本原燃運転に踏み切る
 これは、おかしい。
 政府は福島第一原発の事故を受け、再処理でプルトニウムを取り出し、再利用する核燃料サイクル事業も見直す方針だ。
 原子力委員会はすべての使用済み燃料を再利用するコストが、再処理せずに地中に埋める「直接処分」の2倍になるとの試算もまとめている。
 こうしたデータをもとに、再処理問題の本格的な議論を始めようとする矢先の再開は、事業継続の既成事実を積み上げる意図があるとしか思えない。
 再処理工場での試験運転は、06年3月から始めた。しかし、高レベル放射性廃液を高温炉でガラスと混ぜて固める工程がうまくいかず、08年に中断する。11年3月の再開直前、福島の事故が起き、止まっていた。
 青森県の検証委員会は、電源車の設置など、電源を喪失した際の対策を有効だと評価した。報告書は「再処理施設は原子炉と違い、常温・常圧の環境下で化学処理が行われる」などと、原発との違いを強調している。
 原発との違い自体はその通りだ。地元の六ケ所村が再開を求めてきた事情もあろう。
 だが、福島の原発事故が迫っているのは、「安全神話と低コスト幻想」に基づいた原子力事業全体の見直しである。
 私たちは「原発ゼロ社会」に向けた道筋を提言してきた。原子炉の寿命を40年とする政府の法改正案は、その線に沿うものとして評価する。こうして脱原発を進めていけば、核燃サイクルは根本から崩れる。
 一定程度の原発を維持するにしても、再処理事業の妥当性はすでに大きく揺らいでいる。核燃サイクルの究極の目的である高速増殖炉にいたっては、巨費を投じた原型炉「もんじゅ」がほとんど稼働せず、もはや実用化は夢物語である。
 腑(ふ)に落ちないのは、政府の対応だ。原子力行政の根幹にかかわる話のはずなのに、試験運転の再開は「国が承認する、しないという段階ではない」(枝野経済産業相)という。
 日本原燃は、再処理後にプルトニウム混合酸化物(MOX)燃料をつくる工場の建設も再開する予定だ。
 こんな事業者任せの見切り発車を認めてはいけない
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●大間原発工事再開の企み

2012年01月11日 00時00分38秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/1226/TKY201112260529.html)。

 佐賀県知事といい、北海道知事といい、困った人たちである。大間原発の建設工事再開なんて、とんでもないことだ。原発再稼働を企み、原発輸出を推進し、つぎは、大間原発の工事再開や祝島住民を何十年と苦しめ続けている上関原発の工事着手を狙っている。本当に反省の無い人たちだ。
 「地元の理解も得られれば」の「地元」の定義は何なのだろうか? 東京電力FUKUSIMA原発人災の際の「地元」とは? 「理解を示した地元」の住民だけの被災や被爆問題だったのか? 10kmや30km圏内だけが地元ではないし、福島県内だけでなく全国・全世界に放射性物質を拡散させてしまった。そして、大人だけでなく、何の罪のない子供達の問題でもあったはずで、さらに、未来の子供たちの問題でもあったはずだ。我々ニッポンジンはあの人災から学んだはずではないのか。
 ガラス固化などという未確立の技術に頼ろうとしている始末であり、現存の核廃棄物だけで手いっぱいな現状である。いいかげん、もうこれ以上核のゴミを増やすな!!

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http://www.asahi.com/national/update/1226/TKY201112260529.html

201112262044
六ケ所村再処理、試験運転再開へ 青森知事が安全策了承

 青森県の三村申吾知事は26日、記者会見し、東京電力福島第一原発事故を受けた県内原子力施設の緊急安全対策を「了とすべきもの」とする見解を発表した。これを受け、同県六ケ所村で使用済み核燃料再処理工場を運営する日本原燃は近く、試験運転を再開する見込み。電源開発も、同県大間町に建設中の大間原発の工事再開を検討する。

 試験運転が再開すれば、福島の事故を受けて停止した原子力関連施設の活動再開としては初めて

 福島の事故を受け、日本原燃は今春に実施予定だった、溶解した使用済み燃料を固形化するガラス固化の試験運転を中止した。県が緊急安全対策などを了承し、地元の理解も得られれば、試験運転を再開すると11月に表明していた。
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