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●アベ様に逆らう者は「誰一人残っていなかった」、ニーメラー牧師「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき」

2016年04月12日 00時00分25秒 | Weblog


asahi.comの記事【室井佑月 報道番組のワイドショー化に「もうどうにもできないのかしら?」】(http://dot.asahi.com/wa/2016040600172.html)。

 《それってあたしたちのためになるの? もうどうにもできないのかしら? 3月末で報道ステーションの古舘キャスターが辞めた。3月11日は、福島県で発生している小児甲状腺癌(がん)を取り上げた。そして、放射能と関係があるのではないか?と疑問を投げた》。
 《ヒトラーはワイマール憲法の条文のひとつである「国家緊急権」──「大統領は公共の安全と秩序回復のため必要な措置を取ることができる」──を悪用し、独裁者になったという。国家緊急権によって、邪魔者を徹底的に潰していった。集会やデモを禁止し、出版物を取り締まった。野党の動きを封じた後は、個人の動きにまで監視の矛先を向けた》。

   『●「教訓を学ばないアベ様ら」を教訓に選挙を:
       戦前を忘れて壊憲し、東電人災を忘れて核発電所再暴走

 報じない報道機関へ変質。嬉々としてそれを受け入れる報道機関の上層部。アベ様らと寿司や天ぷらを喰って喜んでいるようではね。「「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と「報道現場の声」、「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」」。

   『●失われる「メディアの作法、矜持」…
     「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」
   『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
      「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」
   『●何度目かの「今日、死んだに等しいと思います」
       …《安倍政権の顔色ばかりうかがっている》テレ朝

 記事の中に《マルチン・ニーメラー牧師の「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき」》が引用されている。《誰一人残っていなかった》状態は、もうすぐそこかもしれない。「やめろと言わないのは“許した”のと同意」、自公お維大地に投票し、「眠り猫」となり投票に行かないことは、アベ様らに「同意」したこと同じ。

   『●戦争屋による憲法違反の「集団的自衛権」閣議決定
          ・・・「やめろと言わないのは“許した”のと同意」

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http://dot.asahi.com/wa/2016040600172.html

室井佑月 報道番組のワイドショー化に「もうどうにもできないのかしら?」
 (更新 2016/4/ 7 07:00)

      (マスコミの状況に危機感…(※イメージ))

 報道ステーション古舘伊知郎がキャスターを降板した。室井佑月氏はそんなマスコミの状況に危機感を覚えるという。

*  *  *

 硬派な報道番組がなくなってゆく。反対に報道番組のワイドショー化が、顕著になってきている。国民は自分の半径3メートル以外のことは考えるな、ってことみたいだ。

 それってあたしたちのためになるの? もうどうにもできないのかしら?

 3月末で報道ステーションの古舘キャスターが辞めた。

 3月11日は、福島県で発生している小児甲状腺癌(がん)を取り上げた。そして、放射能と関係があるのではないか?と疑問を投げた。

 3月18日は、古舘さんがドイツへ飛び、民主的であるといわれたワイマール憲法が、どうやってナチスに蹂躙(じゅうりん)されたのかをリポートした。

 ヒトラーはワイマール憲法の条文のひとつである「国家緊急権」──「大統領は公共の安全と秩序回復のため必要な措置を取ることができる」──を悪用し、独裁者になったという。

 国家緊急権によって、邪魔者を徹底的に潰していった集会やデモを禁止し、出版物を取り締まった野党の動きを封じた後は、個人の動きにまで監視の矛先を向けた

 番組では、この「国家緊急権」と、自民党の憲法改正草案緊急事態条項は似ている、といっていた。

 ほんとに、そっくりだ。

 古舘さんは「日本にヒトラーが現れるようなことはないと思う」ってなことをおっしゃっていたし、ここまで読んでみなさんが頭に浮かべたあのお方の名前をあげることもなかった。

 怖いもんな。そのことも十分に伝わってきた。

 そして、その6日後のことだ。東京新聞にこんな記事が載ったのは。

 「安倍内閣が、共産党について『現在においても破壊活動防止法に基づく調査対象団体である』との答弁書を閣議決定した。民主党と決別した鈴木貴子衆院議員の質問主意書に答えたものだ」(3月24日付、こちら特報部)

 夏の参議院選に向け、野党共闘の重要な鍵になる共産党への卑劣なレッテル貼りだ。

 反ナチス運動組織「告白教会」の牧師の、あの有名な言葉を思い出した。

   「ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、
    私は声をあげなかった。私は共産主義者ではなかったから。

    社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった。
    私は社会民主主義者ではなかったから。

    彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。
    私は労働組合員ではなかったから。

    そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は、
    誰一人残っていなかった

ってやつだ。

 ひょっとして、ホップ・ステップ・ジャンプのステップ辺りに、もうこの国は踏み込んでしまっているのかもしれない。古舘さんの報ステがなくなったら、どこがこういう重要なことに気づかせてくれる あたしたちは、いったいどうなっていくのだろうか?

週刊朝日 2016年4月15日号
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●何度目かの「今日、死んだに等しいと思います」…《安倍政権の顔色ばかりうかがっている》テレ朝

2016年04月04日 00時00分45秒 | Weblog


メディアに関するnikkan-gendaiの二つの記事【“政党オーナー”橋下徹氏に冠番組 テレ朝問われる報道姿勢】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/178035)と、
【NHKに「情報操作」疑惑…キャスターら抗議会見も取材せず】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178034)。

 《それにしても、あの橋下氏が何食わぬ顔でバラエティーに出演することに違和感を覚えた視聴者も多いはず。23日の特番では愛妻家をアピールするなど、必死に“いい人”を演じていたが、ついこの間までマスコミを敵視し、恫喝めいた発言を繰り返していた男だ。いくら愛嬌を振りまいたところでウサンくさい。さらに気になったのは“政治色”。番組冒頭、参院選出馬について橋下氏は「それやったら、ホントもう、人間としてダメです。ないです」と否定したが…》。

   『●無節操の図: 橋下元大阪〝ト〟知事も
      十分に〝ト〟、そして自民党も同じ穴のムジナ
   『●「俺様王国」ニッポン、
       「俺様王国」大阪「ト」を造りたい強権的政治手法好きな二人

   『●橋下元「ト」知事「「安倍首相とは考えが合う」
      とヨイショしまくり、安倍首相―橋下市長の蜜月」…トホホ
   『●アベ様から「慰労」してもらえる間柄の
     元大阪「ト」知事・弁護士橋下徹氏がアベ様との「連携」を確認
   『●対橋下元〝ト〟知事、どうすべきか?
   『●「橋下(徹)行政最大の負の遺産はヘイトスピーチの隆盛」
                 …そんな彼らが今やアベ様をバックアップ

 テレ朝は一体何を考えているのか…。何度目かの「今日、死んだに等しいと思います」…《安倍政権の顔色ばかりうかがっている》テレ朝。お維のオーナーで、アベ様と共に壊憲したくてしょうがない“政治色”満載な橋下徹元大阪「ト」知事を起用して恥じないテレ朝。バラエティーと報道の違い? 「報道現場の声」は聞こえていないのか?、―――「記者・ディレクターからの切実な声」(『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」』)。

   『●失われる「メディアの作法、矜持」…
     「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」
   『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
      「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」


 《「何でいないんですかね。こういう所にNHKは来るべきですよ」――ジャーナリストの大御所たちがカンカンだった》。

 だって「アベ様の犬HK」ですもの。とっくに「死んでいます」。ジャーナリストの抗議に対して《完全に無視》を決め込む犬HK、アベ様らに楯突けるはずもありません。

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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/178035

“政党オーナー”橋下徹氏に冠番組 テレ朝問われる報道姿勢
2016年3月26日

     (テレ朝は知名度維持に利用される(右は橋下氏)/(C)日刊ゲンダイ)


 前大阪市長の橋下徹氏(46)の8年ぶりのバラエティー復帰番組「橋下×羽鳥の新番組始めます!」(テレビ朝日系)が23日放送されたが、平均視聴率は9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。市長から即、視聴率男にはなれなかった。

   「相方に人気の羽鳥慎一アナを起用し、ゴールデン帯で3時間に
    わたり放送したからには最低でも視聴率12%以上は欲しかった。
    4月から月曜深夜でレギュラー化されますが、苦戦は必至です」(民放関係者)

 それにしても、あの橋下氏が何食わぬ顔でバラエティーに出演することに違和感を覚えた視聴者も多いはず。23日の特番では愛妻家をアピールするなど、必死に“いい人”を演じていたが、ついこの間までマスコミを敵視し、恫喝めいた発言を繰り返していた男だ。いくら愛嬌を振りまいたところでウサンくさい。

 さらに気になったのは“政治色”。番組冒頭、参院選出馬について橋下氏は「それやったら、ホントもう、人間としてダメです。ないです」と否定したが……。

   「橋下氏は現在おおさか維新の会の『法律政策顧問』のポストに
    就いており、『政界引退』どころか国政政党の“事実上のオーナー”
    として君臨しています。参院選に向けた党の公約や政策を
    話し合う会議に参加したり、先日は憲法改正について
    『今度の参院選がワンチャンスだと思っている』と非公開の講演で
    語ったことも報じられました。彼は『私は民間人』と繰り返しますが、
    今も政界に片足を突っ込んでいるのは厳然たる事実です」
    (政治評論家の伊藤達美氏)

 テレ朝もテレ朝だ橋下氏の目的はミエミエだろう

   「テレビに出ることで知名度を維持したいのでしょう。
    お金を稼ぎたいなら弁護士活動に専念すればいい。当然、
    テレ朝だって彼の不純な動機を承知しているはず。
    “政治的公平”に反していると思うし、ある意味、両者は
    共犯関係ですよ」(伊藤達美氏)

 安倍首相の悲願である改憲の補完勢力として、おおさか維新は大事な存在だ。そんな政党の“事実上のオーナー”に冠番組を持たせたテレ朝は報道機関としてどうかしている上層部が官邸に睨まれることを恐れ、安倍政権の顔色ばかりうかがっていると疑われても仕方あるまい
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178034

NHKに「情報操作」疑惑…キャスターら抗議会見も取材せず
2016年3月25日

     (ベテランキャスターらが世界に告発(C)AP)

 「何でいないんですかね。こういう所にNHKは来るべきですよ」――ジャーナリストの大御所たちがカンカンだった。

 24日、外国特派員協会の主催で、ジャーナリスト5人が記者会見を行った。登壇したのは岸井成格氏(71)、田原総一朗氏(81)、鳥越俊太郎氏(76)、大谷昭宏氏(70)、青木理氏(50)。青木氏以外は70歳を越えるベテランばかりだ。

 彼らの結束は、高市早苗総務相の「電波停止」発言をはじめ、安倍政権のメディア潰しと、それに萎縮する腑抜けメディアに抗議するため。この日も「(高市発言は)憲法と放送法の精神に真っ向から反する。知らなかったら大臣失格。故意に曲解したなら、言論統制への布石だ。どこまでも責任追及していく」(岸井氏)、「あれは安倍総理へのゴマスリ。安倍さんが高市さん以外の女性を相当信頼しているから、『私だってこんなにやっているんだぞ』と」(田原氏)などと、ボルテージは上がりっぱなし。


■国会論戦ニュースは“政府答弁”で終了

 批判の矛先はNHKの報道姿勢にも向かった。冒頭の発言の主は岸井氏で、怒りのワケは会見の取材にNHKは記者もカメラも誰ひとり、参加しなかったこと。2月末に同じメンバーがそろった高市大臣への抗議会見の取材にも、NHKは来なかった完全に無視を決め込んでいるのだ。

 大谷氏は「国民の受信料で成り立つ公共放送が、海外メディアですら高い関心を持っているにもかかわらず、何ら見向きもしない。この姿を(特派員に)見てもらえるだけで、日本のメディアの状況を分かってもらえる」と皮肉ったが、驚くのは次のやりとりだ。

 岸井氏が「(NHKは)いつも最後に政府与党の言い分をくっつけることでニュースを完結させようとしている」と指摘すると、大谷氏は「NHK内部の人」から聞いた話として、国会論戦のニュースは「必ず政府側答弁で終わらないといけない」と応じ、制作サイドで義務づけているように語ったのだ。

   「テレビニュースは演説のようにメッセージを連呼できないだけに、
    視聴者の印象に残るのは、やはり最後の言葉となる。
    活字媒体なら記事を読み返せますが、ニュースを録画して見直す人は
    まずいない。しかも、視聴者は常に結論を待ってニュースを
    聞き流しているから、なおさらです。ニュースの結論を必ず政府の
    言い分で締めるのは、一種の情報操作と言えます」
    (明大講師・関修氏=心理学)

 NHKに事実関係を確認すると、「ご指摘のような事実はありません」との回答だった。
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●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」

2016年03月02日 00時00分56秒 | Weblog


asahi.comの記事【「私たちは怒っている」 高市氏発言への抗議声明全文】(http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y6JHGJ2YUCVL038.html?iref=comtop_list_pol_n03)。
ウェブ頁(http://appeal20160229.blogspot.jp/)からの「報道現場の声」の抜粋。
asahi.comの星賀亨弘記者による記事【「私たちは怒ってる」高市氏発言に抗議 岸井氏降板語る】(http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y5HH6J2YUCVL01Z.html?iref=comtop_list_pol_n04)。

   『●『ヒトラー選挙戦略』へ推薦文を書ける 
     高市早苗氏は「公平」とか、「倫理」「法」とか口にできるのか?
   『●「クレショフ効果」と「電波停止」「メディアコントロール」:
                 「電波」な「凶器」高市総務相が暴走中

 「電波」な「凶器」高市総務相の暴走を止めないと…。ようやく、「テレビジャーナリズム」からの反撃。

 非常に重要な「報道現場の声」について、以下の綿井健陽さんのつぶやきで知りました

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WATAI Takeharu/綿井健陽 ‏@wataitakeharu
今日の会見で読み上げられた、以下のHP下部にある「報道現場の声」に注目。記者・ディレクターからの切実な声だと思います。
【高市総務大臣「電波停止」発言に抗議する放送人の緊急アピール】 http://appeal20160229.blogspot.jp/ 
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 本当に「切実な声」だと思う。是非、一読して頂きたい。
 「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と「報道現場の声」、そこには「自粛」「忖度」「自主規制」「委縮」「事なかれ主義」…が「内部から」生じている最悪の状況であることが分かる。


 反知性やそれを支える、読売や産経といった新聞社に負けるな! 岸井成格さんは、《広告への感想を問われた岸井氏は「低俗だし、品性どころか知性のかけらもない。恥ずかしくないのか」と答えた》そうだ。「テレビジャーナリズム」やその現場は、「低俗」「反知性」「恥」な嫌がらせに負けてはいけない。今反撃の「狼煙」を上げずして、いつ上げるのか?

   『●アベ様は「報道がそれで抑圧される、
     そんな例があったら私は辞める」と明言・・・ETV番組改編問題は?

   『●有言不実行: アベ様は「報道がそれで抑圧される、
              そんな例があったら私は辞める」と明言

   『●自民若手批判できないアベ様・・・
     「「報道がそれで抑圧される、そんな例があったら私は辞める」と明言」
   『●テレ朝問題: 「これは圧力です」なんて答える訳がない!  
                 「私は辞める」なんて考える訳がない!!
   『●ヒヨる「マスコミがもう一度軍靴の行進に旗を振」る世の中で、
                        「東京新聞の読者の数が平和の数」
   『●岸井成格氏を支持する: 「TBSは今日、
     再び、死んだに等しいと思います」なんてことが起こらぬために
   『●「TBSは今日、再び、死んだに等しいと思います」 
       なんて方向に進んでいないか? 報道は見て見ぬふり?
   『●「そんな曲が交じっていないか。耳をそばだてる」…
         聞こえるのは、アベ様らの勇ましき進軍ラッパのみ
   『●最後っ屁に期待する: 古舘伊知郎さん、 
     この際ですから全部ぶちまけてから降板を! 矜持を示して!
   『●「NHKの看板番組「クローズアップ現代」の
            国谷裕子キャスターもとうとう降板」
   『●古舘伊知郎・岸井成格・国谷裕子・青木理さん… 
      アベ様に「厳しい立場だった人」達は偶然の一致なのか?
   『●スガ殿が「粛々」とジャーナリズムを破壊していく
             ~「安倍政権の圧力、狡猾なやり口」~

   『●失われる「メディアの作法、矜持」…
     「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」
   『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
      「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」

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http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y6JHGJ2YUCVL038.html?iref=comtop_list_pol_n03

「私たちは怒っている」 高市氏発言への抗議声明全文
2016年2月29日20時44分

 田原総一朗氏ら7人が呼びかけ人となって出した、高市総務相の「電波停止」発言に抗議する声明の全文は以下の通り。

     ◇

声明
私たちは怒っている
――高市総務大臣の「電波停止」発言は憲法及び放送法の精神に反している

 今年の2月8日と9日、高市早苗総務大臣が、国会の衆議院予算委員会において、放送局が政治的公平性を欠く放送を繰り返したと判断した場合、放送法4条違反を理由に、電波法76条に基づいて電波停止を命じる可能性について言及した。誰が判断するのかについては、同月23日の答弁で「総務大臣が最終的に判断をするということになると存じます」と明言している。

 私たちはこの一連の発言に驚き、そして怒っている。そもそも公共放送にあずかる放送局の電波は、国民のものであって、所管する省庁のものではない。所管大臣の「判断」で電波停止などという行政処分が可能であるなどいう認識は、「放送による表現の自由を確保すること」「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」をうたった放送法(第一条)の精神に著しく反するものである。さらには、放送法にうたわれている「放送による表現の自由」は、憲法21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」の条文によって支えられているものだ。 

 高市大臣が、処分のよりどころとする放送法第4条の規定は、多くのメディア法学者のあいだでは、放送事業者が自らを律する「倫理規定」とするのが通説である。また、放送法成立当時の経緯を少しでも研究すると、この法律が、戦争時の苦い経験を踏まえた放送番組への政府の干渉の排除、放送の自由独立の確保が強く企図されていたことがわかる。

 私たちは、テレビというメディアを通じて、日々のニュースや情報を市民に伝達し、その背景や意味について解説し、自由な議論を展開することによって、国民の「知る権利」に資することをめざしてきた。テレビ放送が開始されてから今年で64年になる。これまでも政治権力とメディアのあいだでは、さまざまな葛藤や介入・干渉があったことを肌身をもって経験してきた。

 現在のテレビ報道を取り巻く環境が著しく「息苦しさ」を増していないか。私たち自身もそれがなぜなのかを自らに問い続けている。「外から」の放送への介入・干渉によってもたらされた「息苦しさ」ならば跳ね返すこともできよう。だが、自主規制、忖度、萎縮が放送現場の「内部から」拡がることになっては、危機は一層深刻である。私たちが、今日ここに集い、意思表示をする理由の強い一端もそこにある。

〈呼びかけ人〉(五十音順 2月29日現在)

青木理大谷昭宏金平茂紀岸井成格田勢康弘田原総一朗鳥越俊太郎
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http://appeal20160229.blogspot.jp/

【高市総務大臣「電波停止」発言に抗議する放送人の緊急アピール】


  呼びかけ人有志で会見を行いました。

■2月29日(月)14時半~日本記者クラブ
 千代田区内幸町プレスセンタービル9F

<呼びかけ人>(五十音順 2月26日現在)

青木理大谷昭宏金平茂紀岸井成格田勢康弘田原総一朗鳥越俊太郎

声明
私たちは怒っている
―――高市総務大臣の「電波停止」発言は放送法の精神に反している

………。


―報道現場の声―

○在京放送局 報道局若手社員
 報道現場の委縮」とは意識して始まるものではなく、現場の人間でさえわからない間に「浸食」されてしまうものだと感じている。気づけば、争点となる政策課題(たとえば原発、安保)を取り上げにくくなっている。気づけば、街録で政権と同じ考えを話してくれる人を何時間でもかけて探しまくって放送している。気づけば、政権批判の強い評論家を出演させなくなっている。私たちは今まで通り、自由に企画を提案しても、通らないことが多くなったり、作ったものに対しても直しを求められることが増え、それがいつのまにか普通になり、気づけば自由な発想がなくなってきているような状況だ。以前のように政策をチェックし批判すべき点を批判する、ということが、明らかにできていない。おかしいことをおかしいと言えない、閉塞感が漂っている。
 若い新入社員などはそれをおかしいとは思わずこれを基準に育っている。そうした中で飛び出した高市大臣の発言。これが出てその日を機に何か変わった、という わけではない。ただ、もやもやとある閉塞感の中に「あーやはりこれ以上政権批判はできないんだ」という絶望感みたいなものがさらに加わった気がする。「自由な政権批判ができない」空気は、もはや、自分一人では抗えないものとなっている。権力者を監視すべきは国民であり、その国民に対して必要な情報を届けられていない。今のマスコミは危機的だ。このままでは、気づけばテレビジャーナリズムは死んでいた、となりかねない。
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○在京放送局 報道ディレクター
 「原発」「沖縄」「領土と歴史認識」「安保」といった日本の針路に関わる国民の最も関心を寄せるイッシューに対して、自由闊達な議論を封じる有形無形の圧力を感じている。
 上記に関する特定の映像を放送の直前になって、削除、変更するよう言われたり、政権の要職にある人物の発言を補足するコメントを書き改めるよう求められることが、実際に起きている。安保関連法をめぐる番組の放送日時が変更されるケースも出てきている。
 問題なのは、それらの圧力が番組の企画、取材、編集の場に立ち会ったこともない部署や人物から、突然降りてくることである。今まで現場の自由闊達な議論を経て、納得するまで合議を重ね、番組を作ってきたが、その議論のプロセスを知らない方向から、現場の意向と相反する指示が降ろされてくることは、現場との信頼関係を崩すのみならず、それまで取材に協力してくれた方々や、視聴者からの信頼をないがしろにすることに他ならない。
 政権の意向を忖度し、自主判断という名の自粛が当たり前になるならば、それこそ権力による検閲の最終形であり、沈黙はその道に進むことに対する容認である。放送人として、今こそ自覚的であるべきだと痛感している。
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○在京放送局 中堅ディレクター
 「安全保障関連の提案が通りにくくなった」。これは昨年来、現場で問題となっていることです。しかしいったいなぜ通らないのか、どうすればいいのか、それを皆で議論しようとすると、人事を把握している人間から「そういうことをすると、どうなるか・・・」ということをほのめかされます。 
 ナレーションを書く時にも、「中立公正」でいようと心を砕きますが、さりげなく政権側の主張をプラスされて書き換えられます。「中立」の基準が、少しずつずれていっているように感じます。1日の最初のころには報道検討項目としてあがっていた事柄が、時間がたつにつれて消えていき、結局は報道されないという事は、しょっちゅうおこります。しかしなぜAというニュースが選ばれ、Bは選ばれないのか、その明確な基準は現場にはわかりません。日々積みあがっていく、無数の「忖度」。しかし誰もそれを「忖度」とは呼ばず、一見ちゃんとした理由があるように見えます。提案が通らないのは、内容が練れていないから。ナレーションが書き換えられるのは、視聴者にちゃんと伝わらないから。現場から外される人事異動も、より活躍する場を広げてほしいから・・・。本当にそうなのか、誰も検証できないまま、結果として自由に意見が言えない雰囲気が充満していきます。
 高市発言の時も、個々人で話せば多くの人が憂慮していますが、皆で声をあげようということにはなりませんでした。報道機関として情けない、外の方はそういうでしょうし、忸怩たる思いを抱えている仲間も大勢います。のちの時代になって「あの頃が転換期だった。メディアは何をしていたんだ」と言われるようになるのではと、日々恐れと焦りを感じています
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○在京放送局 報道局中堅
 報道現場に充満する自粛の空気と言うのは、皆さんが想像する以上の深刻な域に達しています。我々は、今、伝えるべきことを伝えられていないと言う自責の念に、日々かられています。012年12月の選挙の際に、自民党が選挙報道にあたっての「要請文」を放送各社の記者を一人一人呼びつけ、手渡しましたが、これまで政党がこんな事をしたことはありませんでした。共産党など少数政党が他の党と同等に扱うようにと言う文書を送ってくることはありましたが、放送内容について細かく要請してきたことはありません。文書で細かく注文をつけるのは、報道への政治介入と捉えられ、明らかに表現の自由に抵触するという節操がまだあったからです。自民党がNHKとテレビ朝日を呼びつけた事も、同じように、報道への政治的なプレッシャーです。実際に、こうした文書や動きが報道現場に自粛の効果をもたらしています。表向き各局の記者やコメンテーター、経営陣が、恥ずかしくて認めないため、多くの国民の知る所となっていませんが、現場には、明らかに大きな影響が出ています。例えば、この文書を受けて街録を削りましたし、デモの批判的な映像も自粛しています。デモは市民の意思を表す動きですが、デモを警戒している官邸に気を使ったのです。ニュースの選択の段階で気を使い、無くなったニュース項目は山ほどあり、数を挙げたらきりがないほど、気を使っています。
 高市大臣の発言は、これまでの動きからさらに踏み込み、「電波停止」と言う、明らかに憲法の「表現の自由」を侵す憲法違反の発言です。この発言は、参議院選挙前のこの時期に、報道現場にさらに自粛させる効果を持っています。すでに自粛の空気は充満していますが、それ以上に、放送局経緯陣が慎重になり、それが現場へのプレッシャーになるからです。高市大臣が、国会で「私自身に対するここ1週間ぐらいの報道を見てましても、決してメディアは萎縮されてないと思います。」と答弁していますが、そもそも放送局でこの問題をしっかり放送したのは、3つ4つの番組だけです。毎日いくつもの報道番組がニュースを流す中で、この重大な発言を扱う番組がこれだけしかないというのが現実を表しています

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○在京放送局報道番組ディレクター
 高市大臣発言を含めて、一連の安倍政権下の動きで、実際の報道現場に影響が出ているのは、確かです。最も顕著に表れているのが、番組内の決定権者らの自粛です。「それはやりたいのは分るが、我慢してくれ。そこまで突っ込めない。」などと言われることは何度もあります。これまでなら当然指摘してきた問題点の掘り下げなどについてです。政権批判と取られるのではないかと恐れ、自粛しています。これは、報道側の情けなさではありますが、実際にある圧力によって影響を受けています。これまでの政権下でも公平性に注意して報道してきましたが、安倍政権になって特に自粛が強まっています
 2年前の衆院選で一党が議席の3分の2を得た後、右傾化が進むのではないかと感じ、「非国民」のような戦前戦中の言葉も出てくるのではないかと冗談を言っていました。しかし実際にそんな世の中になってきているようで大変残念です。 過半を取った党は、思ったより急激に放送に対して管理的な一部敵対的行動を始めた様に感じます。要請文書問題や、部会での問題発言など、聞こえてくる声は、放送法と電波法を組み合わせた脅しのようなものに感じます。
 放送に対してだけではありません。去年8月、「戦争に行きたくない」との青年の言葉に対して、「自分中心、極端な利己的な考え」と、まるで戦前の「非国民」扱いのようなことを平気で言う、当該の党の国会議員があらわれました。お国のために命をささげるのは当然だ。という意識なのでしょうか。そのお国のための戦争は、本当に正しいか?別の策はないか?そんな戦争には行きたくない。という考え方が、国会議員に非難される世の中になったのでしょうか。
 また一部の国々と安保協調せねばならないという主張だけがことさら強調されていると思います。そもそも、その各国の安保軍事行為は最善か?などの検討や国民的議論はなされず、数の論理で、憲法の解釈など重要問題が一方的に一方向に決められて行く。もしかすると戦前はこんな空気から始まったのではないでしょうか。
 そして今回、権限、権力を持つ大臣があの発言をしました。国論を二分する政治課題であれば、政府案の問題点を追及することはメディアの役割です。そのことと、「政治的な公平」とは別次元の話です。しかし、それをあえて曲解して、「ことさらに他の見解のみを取り上げてそれを支持する内容を相当時間にわたり繰り返す」とされるおそれが出てきました。
 報道の一員である以前に、一国民として、この報道への行き過ぎた行為に対して抗議します。
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○在京放送局 報道番組ディレクター
 今の番組の空気は、政権と上司を忖度する空気が蔓延している。事なかれ主義になっている。例えば、NHKのやらせ問題でBPOが政治介入と報告した件を、ニュースで大きく扱うよう提案したところ、結局ニュースに出来なかった。放送への政治介入を取り上げることは、放送局共通の大問題でもあるのに、逆に取り上げることで、政権から目を付けられるのが嫌だと。デスククラスで誰かが反対すると、皆反対する空気になって、危ない道は今はやる必要ないとなる。今やらなければ、いつやるのか。視聴者に伝えなくてはいけないことを伝えられていない。会社のトップが総理と会食して仲良くするから、番組幹部がそれを見て、出世を考えるから、忖度する。ぎりぎりを攻めてミスしないようする方が、視聴のためになるのに、出世するためには上司に嫌われないように、危ない橋を度らないようにする。何のためにこの仕事をやっているのかということになる。
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http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y5HH6J2YUCVL01Z.html?iref=comtop_list_pol_n04

「私たちは怒ってる」高市氏発言に抗議 岸井氏降板語る
星賀亨弘 2016年2月29日19時58分

     (放送局に電波停止を命じる可能性についての
      高市早苗総務相の発言に抗議する(左から)
      青木理、大谷昭宏、金平茂紀、岸井成格、
      田原総一朗、鳥越俊太郎の各氏
      =29日午後、東京都千代田区、時津剛撮影)

 高市早苗総務相が放送法4条違反を理由にテレビ局に「停波」を命じる可能性に言及したことについて、「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)の司会者田原総一朗氏や「ニュース23」(TBS系)のアンカー岸井成格氏らジャーナリスト6人が29日、東京都内で会見を開き、「私たちはこの一連の発言に驚き、そして怒っている」とする声明を発表した。

 会見したのはジャーナリストの青木理氏、大谷昭宏氏、鳥越俊太郎氏、「報道特集」(TBS系)キャスターの金平茂紀氏に田原氏、岸井氏を加えた6人。出席はしなかったが、「週刊ニュース新書」(テレビ東京系)で司会を務めるジャーナリストの田勢康弘氏も声明の呼びかけ人に参加している。

 声明では、高市氏の発言を放送法や憲法の精神に反するものだと批判。さらに、「現在のテレビ報道を取り巻く環境が著しく『息苦しさ』をましていないか」として、「自主規制、忖度(そんたく)、萎縮が放送現場の『内部から』広がることになっては、危機は一層深刻である」と訴えた。

 青木氏は「政権と政権の応援団がメディアを非常に不当な形で攻撃してきているという事実を真剣に受け止め、黙っていられないという思いでここに来た」。大谷氏は「視聴者にすでに多大な影響が出ている」と指摘。東日本大震災の被災地で復興が進んでいるところを取材をしようとすると、「復興がなっていないのに、あんたがたは、そういう取材をさせられているんだろう」との批判を受けると語った。

 金平氏は「自主規制とか忖度とか、過剰な同調圧力やそれによって生じる萎縮が今ぐらい蔓延(まんえん)していることはないと、自分の記者経験から思う」。田原氏は「高市氏の発言は非常に恥ずかしい。全テレビ局の全番組が抗議すべきだが、残念なことに、多くのテレビ局の多くの番組が何も言わない」と語った。

 鳥越氏は「これは政治権力とメディアの戦争。政治権力側が一方的に攻勢を強め、メディアが後退している。ここまで露骨にメディアをチェックし、牽制(けんせい)してきた政権はなかった。下から変えていくしかない。声をあげましょう」と呼びかけた。

 また、3月で「ニュース23」のアンカーを降板することについて岸井氏は「私個人は圧力に屈したとは思っていない。具体的に私に言ってくる人はだれもいなかった。交代は局の意向」と説明した。

 岸井氏が昨年9月に番組で「(安全保障関連法案に)メディアとしても廃案に向けて声をずっとあげ続けるべきだ」と発言したことについて、保守系の学者らでつくる「放送法遵守(じゅんしゅ)を求める視聴者の会」が昨年11月、「放送法に対する違反行為だ」と批判する意見広告を産経新聞と読売新聞に出した。広告への感想を問われた岸井氏は「低俗だし、品性どころか知性のかけらもない。恥ずかしくないのか」と答えた。(星賀亨弘)


■高市氏、29日も考え示す

 高市早苗総務相は29日の衆院予算委員会で、放送法4条に基づく電波停止について、極めて慎重な配慮が必要だとしつつ、「一つひとつの番組の集合体が番組全体なので、一つひとつを見ることも重要だ」と述べた。放送局が政治的に公平性を欠く放送を繰り返したかの判断は、個々の番組の内容が要素になるとの考えを改めて示した。

 民主党の奥野総一郎氏は「なぜ高市答弁が大きく取り上げられるのか。従来は番組全体のバランスで判断するとしていたが、高市答弁では個別の番組でも停波をしうると変わったからだ」と指摘した。

 一方、自民党の谷垣禎一幹事長は、27日放送のBS朝日の番組で「政治的偏向をどうするか、という判断に行政が立ち入ると難しい局面になる。私はそういうことに自民党が踏み込んでいくのは非常に慎重で、それが自民党の放送政策だと思っている」と否定的な考えを示した。
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●古舘伊知郎・岸井成格・国谷裕子・青木理さん…アベ様に「厳しい立場だった人」達は偶然の一致なのか?

2016年01月24日 00時00分01秒 | Weblog


東京新聞の社説【キャスター降板 何が起きているのか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016012102000138.html)。

 《NHKや民放のニュース番組で著名なキャスターらが相次いで降板すると報道されている。安全保障関連法案について厳しい立場だった人もいる。放送の世界でいったい何が起きているのだろうか》。


   『●岸井成格氏を支持する: 「TBSは今日、
     再び、死んだに等しいと思います」なんてことが起こらぬために
   『●「TBSは今日、再び、死んだに等しいと思います」 
       なんて方向に進んでいないか? 報道は見て見ぬふり?
   『●「そんな曲が交じっていないか。耳をそばだてる」…
         聞こえるのは、アベ様らの勇ましき進軍ラッパのみ
   『●最後っ屁に期待する: 古舘伊知郎さん、 
     この際ですから全部ぶちまけてから降板を! 矜持を示して!
   『●「NHKの看板番組「クローズアップ現代」の
            国谷裕子キャスターもとうとう降板」

 ジャーナリズムの矜持の崩壊。古舘伊知郎さん、岸井成格さん、国谷裕子さん、青木理さん……アベ様に「厳しい立場だった人」達が去りゆくのは偶然なのか?、必然だったのか? 3A+Sによる「粛々」としたジャーナリズムの破壊。

   『●見損ねた
   『●東京電力原発人災の「つけ」と東電の無責任体質
   『●ヒヨる「マスコミがもう一度軍靴の行進に旗を振」る
         世の中で、「東京新聞の読者の数が平和の数」
   『●”テレ朝は今日、死んだに等しいと思います”
   『●カラスはやっぱり「黒い」: 「アベ様のNHK」的
      「政府が白というものを黒とは言えない」で良いのか?

   『●アベ様の政権の「暴走」許す、批判精神無き、「牙」無きメディア
   『●「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」
                    ・・・・・・アベ様達からして?

   『●失われる「メディアの作法、矜持」…
     「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」
   『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
      「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」
   『●崩壊するジャーナリズム…仕込みとアベ様らによる世論操作: 
                  初夢が悪夢となり、正夢となりつつあり……

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016012102000138.html

【社説】
キャスター降板 何が起きているのか
2016年1月21日

 NHKや民放のニュース番組で著名なキャスターらが相次いで降板すると報道されている。安全保障関連法案について厳しい立場だった人もいる。放送の世界でいったい何が起きているのだろうか。

 テレビ朝日「報道ステーション」のメーンキャスターを務める古舘伊知郎さんが降板する。同じ三月末にはTBSの「NEWS23」のアンカー岸井成格(しげただ)さんも…。NHKの「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子さんの降板も検討されている。

 相次ぐ降板報道が、さまざまな臆測を呼んでいる。政権に批判的だったからではという風評もある。確かに古舘さんは記者会見の場でも「キャスターは反権力の側面がある」と語った。岸井さんは安全保障関連法案に対して「廃案に向けて声を上げ続けるべきだ」と発言したこともある。国谷さんは集団的自衛権の問題で、菅義偉官房長官に鋭い質問を浴びせたことがある。まさか三人の降板が権力からの圧力や自制の結果ではないことを祈る。

 しかし、著名なキャスターの降板は、放送界が政治報道に萎縮しているのではないかという印象を与えることは間違いなかろう。

 そもそもNHK会長人事が「首相のお友達を据えた」と言われた。一昨年末の衆院選のときは、自民党が在京各局に「公平中立、公正の確保」を求める文書を出したし、昨年にも任意にせよテレビ朝日とNHKの幹部から事情聴取している。権力の動きもまた目立っているからだ。

 政治報道の番組はストレートなニュースが中心で、「解説や評論が減った」という声もある。「政治そのものが扱われなくなった」という声も聞かれる。事実ならば、自由闊達(かったつ)であるべき放送ジャーナリズムの衰退である。

 もし政権の意向を忖度(そんたく)したり、報道内容を自粛したりしているならば、放送による表現の自由を定めた放送法の理念にもとる。

 同法一条の「不偏不党」の言葉の意味は、言い換えれば「自立」か「独立」である。それを保障するのは公権力の側である。

 「政治的に公平」という言葉も、自由であるからこそ、自律的に公平さを保ってほしいという倫理規定にほかならない権力から離れ、自らの掲げた理想を目指し、自らの理性に従って権力を監視するのである。

 テレビが政治的に元気でないと、この国の民主主義も元気に育たない。
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●「NHKの看板番組「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターもとうとう降板」

2016年01月18日 00時00分42秒 | Weblog


nikkan-gendaiの記事【NHK高笑い 富川・報ステに対峙する新「クロ現」の勝機】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/173104)。


 《古舘伊知郎の3月降板に続いて、NHKの看板番組「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスター(58)もとうとう降板――。これはNHKにとっては願ってもない最良の展開だ》。

   『●カラスはやっぱり「黒い」: 「アベ様のNHK」的
      「政府が白というものを黒とは言えない」で良いのか?

   『●アベ様の政権の「暴走」許す、批判精神無き、「牙」無きメディア
   『●「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」
                    ・・・・・・アベ様達からして?

   『●失われる「メディアの作法、矜持」…
     「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」
   『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
      「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」
   『●崩壊するジャーナリズム…仕込みとアベ様らによる世論操作:
                  初夢が悪夢となり、正夢となりつつあり……

 「カラスはやっぱり「黒い」」と言わなければいけないというのに、「政府が白というものを黒とは言えない」となって久しい。やはり、(王)国営放送アベ様の犬HK」にはジャーナリズムの矜持無し。一体このどこが「アベ様の犬HK」にとっての「勝機」「最良の展開」などという寝言を言っているのだろう……。ジャーナリズムの瀕死の状態ではないのか?

   『●見損ねた
   『●東京電力原発人災の「つけ」と東電の無責任体質
   『●ヒヨる「マスコミがもう一度軍靴の行進に旗を振」る
         世の中で、「東京新聞の読者の数が平和の数」
   『●”テレ朝は今日、死んだに等しいと思います”

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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/173104


NHK高笑い 富川・報ステに対峙する新「クロ現」の勝機
2016年1月10日

      (NHKの高笑いが聞こえる(C)日刊ゲンダイ)

 古舘伊知郎の3月降板に続いて、NHKの看板番組「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスター(58)もとうとう降板――。これはNHKにとっては願ってもない最良の展開だ。

 「クロ現」は4月以降は現在の月~木曜の19時30分からの放送時間を22時に枠移動させ、番組名も「クローズアップ現代+(プラス)」にするという。後任は局アナを軸に検討中。テレ朝と同じパターンに落ち着く可能性が高くなった。

   「反安倍政権的な信条の国谷がNHK局内で孤立し、昨年から
    降板の雰囲気はできあがっていた。NHKの場合、夏ごろから
    4月改編の作業が始まるのですが、『クロ現』は10月には
    枠移動と国谷降ろしで、話が進められていました」
    (放送ジャーナリストの小田桐誠氏)

 NHKにとっては、官邸サイドから横やりも入る国谷を飛ばすという目的のひとつがクリアできたが、さらにタナボタだったのが「報道ステーション」古舘の降板。「クロ現」改編で、21時54分スタートの「報ステ」と時間帯がモロにかぶり、勝ち目はないと踏んでいたのだが、思いもかけない降板で現場は俄然やる気になっているという。

   「NHK21時からの『ニュースウオッチ9』は伸び悩んでいます。
    そこに国谷がいなくなった『クロ現+』をくっつけてもどうか
    と不安視する向きもあった。そこに古舘の降板のニュース。
    NHKにとっては“敵失”のようなもので、後任が富川悠太なら
    勝機がある。成功すれば、21時から22時台が報道枠
    という民放にはない独自色を打ち出すこともできるから
    一挙両得です」(放送関係者)

 朝ドラ「あさが来た」は絶好調、さらに報道もNHKの天下? 民放に打つ手なしか。
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●崩壊するジャーナリズム…仕込みとアベ様らによる世論操作: 初夢が悪夢となり、正夢となりつつあり……

2016年01月11日 00時00分56秒 | Weblog


東京新聞のコラム【【私説・論説室から】 初夢】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016010502000139.html)と、
nikkan-gendaiの記事【一般人は自民区議…朝生“ヤラセ問題”がテレ朝に落とす影】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/172755)。

 《しかし、放送法に縛られかねないテレビとは少々違い、俺たちは新聞だ。自由民権運動の明治時代から、先輩たちが権力に抗(あらが)ってきた伝統がある。今の日本国憲法にはむろん言論表現の自由もある》。

 テレビも新聞も、初夢が悪夢となり、正夢となりつつあり…。

   『●カラスはやっぱり「黒い」: 「アベ様のNHK」的
      「政府が白というものを黒とは言えない」で良いのか?

   『●トップからして腐敗したメディア:
       「きょうの安倍将軍」「安倍様のNHK」

   『●(非)特定秘密「隠蔽」法を大歓迎:  
     「たかり記者」だった?読売新聞ナベツネ氏は正気なのでしょうか?
   『●アベ様の政権の「暴走」許す、批判精神無き、「牙」無きメディア
   『●「戦没 新聞人の碑」と「対馬丸犠牲者の慰霊碑 小桜の塔」
   『●失われる「メディアの作法、矜持」…
     「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」

   『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
      「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」

 《建築板金業を営む、「一般人」として観覧席に座っていた「大森昭彦さん」が実は自民党の大森昭彦大田区議(63)だったことが発覚。司会進行の田原総一朗氏(81)を相手にイケシャーシャーと民主党批判を繰り広げたのだ》。

 そういうことに何も感じない報道者。小林よしのり氏あたりに、「やはりテレビ朝日の上層部が、安倍首相と繋がっている…」などという勘繰りを与えてしまうスキありなところと脇の甘さ。アベ様に「公正中立」な報道などと内心でせせら笑いさせていて、平気な報道者。
 ジャーナリストの矜持「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目」の無さ……何度目かの「テレ朝は今日、死んだに等しいと思います」。

   『●岸井成格氏を支持する: 「TBSは今日、
     再び、死んだに等しいと思います」なんてことが起こらぬために
   『●「TBSは今日、再び、死んだに等しいと思います」 
       なんて方向に進んでいないか? 報道は見て見ぬふり?
   『●「そんな曲が交じっていないか。耳をそばだてる」…
         聞こえるのは、アベ様らの勇ましき進軍ラッパのみ
   『●最後っ屁に期待する: 古舘伊知郎さん、
     この際ですから全部ぶちまけてから降板を! 矜持を示して!
    《またひとり安倍政権に批判の論陣を張るメディア人が消えた……
     官邸は“してやったり”ではないか。早速、テレ朝の報道局員の
     もとには、霞が関の官僚たちから“お祝い”の連絡が続々と
     届いているらしい》
    「「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」。
     このままアベ様にやりたい放題やらせておいて、
     メディアには矜持は無いのか

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2016010502000139.html

【私説・論説室から】
初夢
2016年1月5日

 松の内なので戯(ざ)れ言(ごと)にお付き合いいただきたい。初夢の話である。

 舞台はいつも社説を書いている、ここ論説室。午後のひととき、まどろんでいると自席の電話が鳴る。低い男の声。事務的だが、怒気を含んでいた。「今すぐ首相官邸まで、ご出頭願えますか。総理が社説にお怒りで

 あの社説のことかな? 心当たりがないわけではない。この政権には厳しい論調で臨んできた。安全保障、エネルギー政策にことごとく異を唱えてきたことが気に障ったのだろうか。ぜひにも長期政権を目指す首相にとって、うちの社説は目障りな存在に違いない。

 しかし、放送法に縛られかねないテレビとは少々違い、俺たちは新聞だ。自由民権運動の明治時代から、先輩たちが権力に抗(あらが)ってきた伝統がある。今の日本国憲法にはむろん言論、表現の自由もある。圧力をかければ、ひるむとでも思っているのだろうか

 などと思いをめぐらせていたら、目が覚めた。やはり夢だったんだ。戦前・戦中じゃあるまいし、今の日本で、そんなことがあるはずはない。新年早々、悪い夢を見たものだ。

 眠気を覚まそうと卓上のコーヒーに手をのばし、一気に飲み干した。すると、自席の電話が鳴る。聞き覚えのある低い男の声。「今すぐ首相官邸まで、ご出頭願えますか…

 もう一度、目が覚めた。夢でよかった。 (豊田洋一
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/172755

一般人は自民区議…朝生“ヤラセ問題”がテレ朝に落とす影
2016年1月6日

     (「報道のテレビ朝日」が…(C)日刊ゲンダイ)

 今年の元日に放送された「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)が物議を醸している。建築板金業を営む、「一般人」として観覧席に座っていた「大森昭彦さん」が実は自民党の大森昭彦大田区議(63)だったことが発覚。司会進行の田原総一朗氏(81)を相手にイケシャーシャーと民主党批判を繰り広げたのだ。

 討論テーマは「激論!安倍政治 国民の選択と覚悟」。田原氏が「中小企業の実態を聞きたい」と話を振り、アナウンサーに「建築板金業を営む大森さん」と紹介されてマイクを持った大森区議は、田原氏から「民主党政権と自民党政権は変わらない?」という問いに「民主党政権のときよりは良くなったかなと、そういう印象はあります。なぜかというと、物流としてモノが流れるようになって取引が増えました」と東京五輪のピンバッジを胸につけて熱弁。パネリストのひとりである山本一太参議院議員がしらじらしく大きくうなずいていた。

 大森区議は一部マスコミの取材に、観覧を認めたうえで「工場の経営者として観覧したので(区議であることは)言う必要はなかったと考えていた」「約20年前に同番組のディレクターのひとりと知り合いになり、その後、依頼を受けて観覧席に座ることがあった」「ディレクターは(大森氏が)区議であることを知っていた」と答えていたが、これは明らかな世論操作であり、到底看過できない大問題である。

 放送ジャーナリストの小田桐誠氏はこう言う。

 「たとえ『一般人』でも事前に職業や住所などの素性は番組として把握しているはず。『議員なら肩書を名乗るべき』という批判すらもおかしく、そもそも出演すべきではない。これは危機管理以前の初歩的な問題です。公平中立な番組内容でなければ、とは思いませんが、今回のような“仕込みは最もやってはいけないこと。一昔前にはフジテレビで(『発掘!あるある大事典』や『ほこ×たて』など)ヤラセが問題になっていましたが、他人事ではありません。特にテレ朝は『報道・情報のテレ朝』といわれてきたので、政治的な働きかけを勘繰られる今回の“仕込み”は大きな問題になるでしょう」

■広報部は「説明不足」で平謝りも…

 テレビ朝日は日刊ゲンダイの取材に対して「ご指摘の方(大森区議)には番組側から建築板金業者としてアベノミクスに対する現状を話して頂くようお願いしていました。しかしながらそれ以上の話す内容についての打ち合わせはしておりません」と書面で回答。

 “一般人の大森さん”が区議であることについては「今回の出演に際し、自民党の区議会議員でもあるという情報がプロデューサー、出演者を含め番組内で共有出来ておらず、結果的にこの方が自民党の区議であることをご紹介出来ませんでした。視聴者の皆様には説明不足となり、申し訳なく思っております」と続けた。

 同番組にパネリストとして出演した漫画家の小林よしのり氏(62)は3日、自身のブログで「やはりテレビ朝日の上層部が、安倍首相と繋がっているのが、現場に響いているのではないか? ジャーナリズムは完全に権力に屈しているのかもしれない」とつづり、「結局、番組自体がヤラセだったのではないか?」「テレビ朝日が安倍政権の軍門に屈したか? 田原総一朗も、すでに屈しているのか?」と番組への不信感を募らせた。

 テレ朝は「報道ステーション」で12年間、メーンキャスターを務めてきた古舘伊知郎(61)が3月いっぱいで降板することを発表。官邸からの圧力に屈したのではないかという声が上がったばかりだ。現状を見る限り、テレ朝がジャーナリズムの看板を下ろす日は遠くない
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●青木理さん: ジャーナリストの矜持「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」

2015年12月30日 00時00分11秒 | Weblog


asahi.comの記事【歯を食いしばってもメディアの役割を貫く 不利益を甘受しても守る矜持、楽しくやりがいのある仕事/青木理】(http://webronza.asahi.com/journalism/articles/2015042800018.html)。


 《強者にこそ徹底した監視の目をメディアとジャーナリズムが民主主義社会を支える》。

 失われる「メディアの作法、矜持」…。強者を監視するどころか、『読売』や『産経』は何をやっているのか?、何をやってきたのか? 『アベ様の犬HK』の哀しい姿。

   『●カラスはやっぱり「黒い」: 「アベ様のNHK」的
      「政府が白というものを黒とは言えない」で良いのか?

   『●アベ様の政権の「暴走」許す、批判精神無き、「牙」無きメディア
   『●「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」
                    ・・・・・・アベ様達からして?

   『●失われる「メディアの作法、矜持」…
     「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」


 凄まじい道警のやり口。でも、最大の問題は、傍観するメディアだ。シッポを振り、おもねるメディアだ。

   『●『創(2009年6月号)』(2/2)
   『●これ(裏金)はこれ
   『●『創(2011年1月号)』読了
   『●『創(2011年2月号)』読了
   『●裏金問題への道警の反撃? 深読みしすぎかな?
   『●トップからして腐敗したメディア:
        「きょうの安倍将軍」「安倍様のNHK」
    《「新聞報国」 の再現こそ 「国難」 権力との一体化の危険性
     情報保全諮問会議座長に「渡辺恒雄氏」
高田昌幸
      …権力は嘘をつく。自らの地位や栄華を守るため、
     責任回避のためなら、何度でも、どこまでも、だ。
      筆者の狭い経験でも「北海道警察の裏金」「北海道庁の裏金」
     などの取材過程で、権力側は虚偽を重ねた。嘘の歴史は枚挙に
     暇が無い。かつての大本営発表も沖縄返還密約も意図的な嘘だった。
      秘密保護法成立後のいま、ジャーナリストに問われるのは、
     権力側の嘘を許さないことだ。それには取材しかない。権力者の
     言動に対する評価や論評は、評論家に任せておけばいい。
     言動の背後に隠れている事実、旺盛な意欲と鍛え抜かれた
     取材力によってのみ明るみにできる事実
。秘密保護法が
     あろうとなかろうと、それらを次々に世に送り出す。
     それがジャーナリストの仕事であり、あなたにしかできない仕事だ

   ●「東電元幹部の罪と罰」 『週刊金曜日』
       (2014年9月19日、1008号)についてのつぶやき

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http://webronza.asahi.com/journalism/articles/2015042800018.html】 

歯を食いしばってもメディアの役割を貫く
不利益を甘受しても守る矜持、楽しくやりがいのある仕事
青木理
2015年05月20日

     (特定秘密保護法に反対するシンポジウムに臨む
      筆者(右)ら=2013年11月24日、東京都文京区)

 ジャーナリストをめざす学生に向けてなにごとか参考になることを書け、という本誌編集部からの依頼を受け、少なからず狼狽した。私がメディア業界に飛び込んだのはつい先日のような気でいたし、まだ先輩から教えを受けることばかりの身だと思っていたからなのだが、よくよく考えてみれば、この仕事を始めてもう四半世紀の時が過ぎてしまっている。いつのまにやら後輩やジャーナリスト志望者に向けてなにごとかを語ってもおかしくない齢としになってしまった、ということなのだろう。

 とはいえ、乏しい頭をいくらひねっても、ここで偉そうに語るべきものを持ち合わせているとは思われない。私の中に辛うじて残されているのは、いずれも尊敬する先輩の記者やジャーナリスト、編集者たちからたたき込まれた教えばかり。つまり、オリジナルではない。身もふたもない言い方をすれば、単なる「受け売り」。

 しかし、そう明記した上で、先輩たちからの教えのうち重要だと思うものをひとつ、ここで記しておこうという気持ちになった。どの仕事にも一定程度は共通する話だろうが、一見派手にも感じられるメディアやジャーナリズムにかかわる仕事とは、結局のところ地味な職人仕事の側面が強く、先輩から学んだ技術や教えを次世代に申し送りするのも大切なことだと思うからである。


不利益を甘受しても守らなければならない矜持

 私が学校を卒業し、大手通信社に記者としての職を得た直後のこと、数々の修羅場をくぐってきたことで知られる編集幹部に誘われて安酒場に行き、ずいぶんと熱っぽく諭された。おおよそ次のような内容だったと記憶している。

 〈記者とかジャーナリストとかいっても、数あまた多ある職業のひとつにすぎない。会社だって、基本的には営利企業だ。名刺を持っていけば誰にでも会えるが、オレたちは単なる会社員だし、偉ぶるなんてもってのほか、常に謙虚じゃなくちゃいけない


 ただ、この仕事にはほかの仕事と違うところがある。会社は、単なる営利企業じゃない。たとえ損をしても、たとえ不利益を甘受しても、意地を張って守らなくてはならない矜持がある。最悪の場合、そのために会社がツブれるかもしれない。その覚悟を常にしておかなくちゃいけないという点で、この仕事はほかの仕事と決定的に違う。お前も、それをいつも頭にたたき込んでおけ〉—。

 いまから考えれば若かったのだろう、安酒場のカウンターで薄い水割りを傾けながら編集幹部の話を聞きつつ、わずかに武者震いした。現実にそんな話はキレイゴトであり、多くのメディア企業が自己保身と利益確保に躍起となっていることを間もなく知るのだが、あの武者震いは、組織を離れてフリーランスとなったいまでも決して忘れてはいけない初心だとたびたびかみしめる。

 そう、はっきりいえば、真面目にやればやるほど損をしかねない仕事なのである。だが、この仕事に携わる以上、意地を張ってでも損を甘受せねばならない時が確かにある。どういうことか。


強者にこそ徹底した監視の目

 普通の企業や仕事なら、取引先やスポンサーとの関係はどこまでも円満に保ち、常に利益を極大化しようと考え、行動する。新聞社を例にとれば、取材先や広告主などがこれにあたるだろう。

 しかし、新聞記者は取材先や広告主との関係を円満にしておくだけではいけない。取材先だろうと広告主だろうと、そこに何らかの問題点や不祥事があれば真正面から批判する。独自の取材や内部告発などによって取材先や広告主の不正をつかんだら、敢然とそれを記事化して問題提起しなくてはならない

 当然ながら、取材先や広告主は怒る。まったく無縁の他人であればまだしも、ふだんは親密にやり取りしている関係なのだから、怒りはさらに増幅しかねない。

 しかも、ここが大切なところなのだが、メディアとジャーナリズムの大きな役割は「権力や権威の監視」にある。そんなものは理想論にすぎないと冷笑する輩やからが大手を振っているのが現実とはいえ、理想は理想として常に掲げ続けねばならず、それを貫くならばメディアとジャーナリズムにかかわる者は常に弱者の側に寄り添い、強者=力の強い者にこそ徹底した監視の目を注ぎ込まねばならない

 これも当たり前の話だが、力の強い者は文字どおり力が強く、反撃力も強い。不正を暴き、あるいは批判を加えれば、こちらも打撃を受けるおそれが高い。

 ここで「力の強い者」と簡単に記したが、それにはさまざまなものがある。政権や官僚機構、それを構成する政治家や官僚は筆頭格だろうし、巨大資本を擁する大企業などもそれにあたる。私が長年取材した対象組織でいえば、警察や法務・検察などは絶大な権限と権力を保持している

 これ以外にも大手の広告会社や宗教団体、あるいは大手の芸能事務所なども関係業界やメディアに強い影響力を有しているメディアそれ自身が権力装置と化していることだってある

 そうした組織や団体、個人におもねらず、批判すべきは批判し、不正があれば敢然と告発し続けられるか。

 言うは易いが、行うは難しい。

 たとえば警察や法務・検察組織は、強大な権力機関であると同時に、新聞社の社会部記者にとっては重要な取材先であり情報源でもある。批判を加えたり不正を暴いたりすれば反撃を受けかねないし、取材などの面で不利益を受けるのは必至の状況に陥る。

 ひとつだけ具体例を挙げる。

 いまから約10年ほど前のこと、北海道の名門紙・北海道新聞(道新)がキャンペーン報道を繰り広げ、大きな関心を集めた。北海道警察本部(道警)が組織的に手を染めていた「裏金づくり」という不正を地道な調査報道で次々と明るみに出したのである。

 本題からはずれるのでここで手口などは詳述しないが、警察組織には捜査協力者などに支払う「報償費」というシステムがある。ところが道警は、領収書を偽造するなどして実際には存在しない協力者に「報償費」を支払ったことにして裏金化し、幹部の遊興費や交際費にまわしていた。

 理由はどうあれ、これは捜査機関である警察の明白な犯罪行為—たとえば文書偽造、横領など—であり、道新は1年半にもおよぶ地道な取材とキャンペーン的な調査報道でこれを公にした。最終的に道警はしぶしぶながら7億円以上の不正支出を認めて謝罪するところに追い込まれ、道新取材班は新聞協会賞などの栄誉にも輝いた。メディアとジャーナリズムの役割である「権力の監視」役を見事に務めたといっていい。


道新の裏金キャンペーンに北海道警が執拗な反撃

 しかし、ことはこれで終わらなかった。おそらく道警は怒り狂ったのだろう、強大な権力を背景とし、間もなく道新に対して陰湿かつ執拗な反撃に出た。

 当時の道新取材班メンバーらによれば、事件や事故取材の情報提供で道警は道新を締め上げ、現場記者からは悲鳴があがった。

 また、裏金問題をめぐるキャンペーン報道とは直接関係のない記事が事実と異なると抗議を繰り返し、取材班メンバーによる書籍の一部記述が名誉毀損にあたるとして道警OBは訴訟まで起こした。さらには道新内部の不祥事案を口実とし、場合によっては強制捜査もありうると道新を脅しあげたこともあったらしい。

 こうした反撃を受け、間もなく道新は膝を屈してしまう。抗議を受けた記事については「おわび社告」を1面にでかでかと掲載し、道警側と裏で内々に手打ちしたというのが定説になっている。事実、裏金問題の取材班メンバーは編集の中枢から次々に外され、幾人もの記者が社を去った。栄光から屈辱への転落、まさに死屍累々だった。

 実をいえば、警察の裏金問題はなにも道警に限った話ではなく、各地の警察本部で営々と続けられてきた全国的な悪弊であった。しかし、全国紙をはじめとする他のメディアはこれをうすうす知りながら追及せず、悪弊は長年にわたって放置されたままとなっていた。


他のメディアはほとんど追随せず

 これに道新の取材班は果敢に斬り込んだのだが、道新のキャンペーン報道を他のメディアは傍観し、ほとんど追随しなかった果ては道警にすりより、道新をけなしつつ事件・事故に関する捜査情報を得るのに躍起となる者まで現れる始末だったらしい。

 お分かりだろうと思う。メディアとジャーナリズム本来の任務である「権力の監視」役を担おうと真摯に貫けば、時にとてつもない痛手を受ける。もっと直截にいえば、損をする。真面目にやればやるほどしんどい目に遭う。逆に「力の強い者」と適度に折り合い、ねんごろにつきあい、うまく世渡りしていった方が圧倒的に得をする


メディアとジャーナリズムが民主主義社会を支える

 だが、そのような者はメディアとジャーナリズムの仕事にかかわるべきではない。少なくとも私は、絶対にかかわってほしくないと痛切に思う。それが前述した先輩の教え—たとえ損をしても、たとえ不利益を甘受しても、………。 
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