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●内橋克人さん ―――《今は社会問題と正面から向き合う経済ジャーナリストがどんどん減る中で、また優れた知性を一人失った》(金子勝さん)

2021年09月05日 00時00分34秒 | Weblog

カースーオジサンは総裁選に出馬しないそうです。
 東京新聞の記事【菅首相が辞意固める 「コロナ対策に専念したい、総裁選に出馬しない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/128670)によると、2021年09月03日(金)、《菅義偉首相は3日、辞任する意向を固めた。自民党臨時役員会で「新型コロナウイルス対策に専念したいので総裁選に出馬しない。任期は全うする」と述べた。関係者が明らかにした。(共同)》…そうだ。アベ様に続き、政権放り投げ。どこまでも無責任。
 テレビや新聞は、自民党内のあれこればかりを流し続ける。バッカじゃなかろうか。アベ様・カースージさんの8年8カ月に及ぶ《メディアコントロール》の故か、あまりに情けない。自民党の広報機関になり下がる。憲法53条に反し、違憲にも、国会を開こうとしないことをなぜに追求しないのか?
 自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多のアベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある


// (20210904[])
神戸新聞の御悔やみ【経済評論家・内橋克人氏死去 市場原理主義に警鐘鳴らし】(https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202109/0014648968.shtml)。

 《市場原理主義に警鐘を鳴らし、「共生経済の大切さを訴え続けた経済評論家で神戸新聞客員論説委員の内橋克人(うちはし・かつと)氏が1日午後4時37分、急性心筋梗塞のため神奈川県鎌倉市の病院で死去した。89歳。神戸市須磨区出身。…経済の現場を丹念に歩き、市場原理主義や規制緩和万能論に突き進む政治経済の流れ厳しい批判を続けた。「規制緩和という悪夢」「共生の大地」「浪費なき成長」などの著書を相次いで出版。》



 《原子力規制委員会で審査が進んでおり、秋にも再稼働する可能性がある……内橋克人さんは「集団的自衛権の先に待っているのは、核兵器を持って抑止力にしようという政策原発はプルトニウムをつくる装置でもあり、原発を止めることは日本の核武装に待ったをかけることだ」と訴えた》(アサヒコム【「川内原発再稼働に反対」東京で集会 5500人参加】、2014年6月29日)。

 FEC自給圏、《原発は『プルトニウムをつくる装置』》…本当に尊敬できる経済評論家でした。ショックです、とても残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。
 トリクルダウン教祖・竹中平蔵氏などとは全く違う、真の意味での経済ジャーナリストだった内橋克人さん。

 東京新聞の御悔やみ【評論家の内橋克人さん死去 「共生経済」を提唱】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/128800)。《市場競争一辺倒からの脱却を訴え、人を大事にする「共生経済」を提唱した経済評論家の内橋克人(うちはし・かつと)さんが1日午後4時37分、急性心筋梗塞のため神奈川県鎌倉市の病院で死去した。89歳。神戸市出身。葬儀・告別式は親族で行う。喪主は妻泰子(やすこ)さん。神戸商科大(現兵庫県立大)卒。神戸新聞記者を経て1967年からフリー。高度成長を支えた無名の技術者を描いた著書匠の時代」シリーズで頭角を現した。著書「共生の大地 新しい経済がはじまる」などで、一貫して市場原理至上主義に警鐘を鳴らし続けた近年は憲法9条を守る活動にも積極的に参加した》。
 アサヒコムの御悔やみ【経済評論家の内橋克人さんが死去 市民目線で辛口評論】(https://www.asahi.com/articles/ASP936S4FP93UCLV00S.html?iref=pc_ss_date_article)。《企業・経済と人間が接する領域に光を当てた市民目線の辛口評論で知られる経済評論家の内橋克人(うちはし・かつと)さんが1日、急性心筋梗塞(こうそく)のため神奈川県鎌倉市内の病院で死去した。89歳だった。葬儀は近親者で営む。神戸市生まれ。神戸商大卒。神戸新聞記者を経てフリーに。1970年代後半から執筆した「匠(たくみ)の時代」シリーズで、高度成長を支える開発技術者たちの実像を報告した。『幻想の「技術一流国」ニッポン』では、日本の生産技術にひそむ問題点を摘出し、自国を技術先進国とみなす当時の楽観的な見方に警鐘を鳴らした。90年代以降、規制緩和構造改革が叫ばれると、市場原理にさらされる市民生活を擁護する立場から反対の論陣を張った。95年の阪神・淡路大震災では市民の人権を守る観点から被災者支援の充実を訴えた。同年刊の「共生の大地」では、市民事業や協同組合といった新しい生産・労働形態にもとづく「多元的経済社会」を提唱した。》

 金子勝さんのつぶやき:

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https://twitter.com/masaru_kaneko/status/1433900316680802304

金子勝@masaru_kaneko

内橋克人さんが亡くなられた。今は社会問題と正面から向き合う経済ジャーナリストがどんどん減る中で、また優れた知性を一人失った。かなり前だが励ましのお言葉をいただいた。言論の火を消してはいけない。心よりお悔やみを申し上げます。

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経済評論家 内橋克人さん死去 日本社会の経済格差を批判 | NHKニュース
【NHK】日本社会の経済格差を批判し誰もが安心して暮らせる社会の実現を訴え続けた経済評論家の内橋克人さんが1日、急性心筋梗塞のため…
nhk.or.jp
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午前6:10 2021年9月4日
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   『●『もうひとつの日本は可能だ』読了
    「グローバリゼーション (「市場化」・「民営化」) のオルタナティブ
     として、FECの地域内自給自足権 (圏) の確立こそ重要であることが
     提唱…。FECとは、Foods (食糧)・Energy (エネルギー)・
     Care (人間関係=医療や教育等)」

   『●『浪費なき成長』読了
   『●『不安社会を生きる』読了(1/2)
   『●『不安社会を生きる』読了(2/2)
   『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(1/4)
   『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(2/4)
   『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(3/4)
   『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(4/4)
   『●原発絶対断固反対!
   『●FECにつながる「地給率」
   『●SLAPPと祝島
   『●TPP批判: 内橋克人さん
   『●まさに、FEC自給圏を目指せ
   『●内橋克人さんインタビュー: 
      〝貧困マジョリティー〟の形成と『FEC自給圏』への志向
   『●衆院選の惨敗と参院選という正念場:
       FEC自給圏・「浪費なき成長」と「暗闇の思想」
   『●原子力ムラに対して、開き直ろう!: 
       こういう挑発や脅し、騙しに乗ってはならない
   『●居直ろう!: 〈毒食わば皿まで〉?  
       「一度認めた以上、どこまでも認めるという論理の一貫性」?
   『●電源構成(エネルギーミックス)案という貧相な「未来図」:
                     泥棒やその子分に縄をなわせる愚
    「ニッポンにとって、デンマークはとても参考になると思うのですが?
     内橋克人さんのFEC自給圏の確立を」

   『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
         をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン
   『●「始まりの地、福島から日本を変える」:
     シェーナウ電力、会津電力、飯舘電力…内橋克人さんのFEC
   『● FEC自給圏(内橋克人さん)…《地域の中で隣人同士が見守り合い、
      支え合いながら、病気を予防し、重症化を防ぎ、健康寿命を延ばす》

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https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202109/0014648968.shtml

2021/9/3 18:24神戸新聞NEXT
経済評論家・内橋克人氏死去 市場原理主義に警鐘鳴らし

     (内橋克人氏=2011年4月、神奈川県鎌倉市の自宅)
     (神戸新聞の経済部記者時代の内橋克人さん=1964)

 市場原理主義に警鐘を鳴らし、「共生経済の大切さを訴え続けた経済評論家で神戸新聞客員論説委員の内橋克人(うちはし・かつと)氏が1日午後4時37分、急性心筋梗塞のため神奈川県鎌倉市の病院で死去した。89歳。神戸市須磨区出身。葬儀・告別式は4日、親族のみで営む。

 1957(昭和32)年、兵庫県立神戸商科大(現兵庫県立大)を卒業後、神戸新聞社入社。経済記者を経て、67年に独立した。技術者の挑戦を通して企業と人間の接点に焦点を当てたシリーズ匠の時代」で脚光を浴びる。

 経済の現場を丹念に歩き、市場原理主義や規制緩和万能論に突き進む政治経済の流れ厳しい批判を続けた。「規制緩和という悪夢」「共生の大地」「浪費なき成長」などの著書を相次いで出版。

 1995年の阪神・淡路大震災時は、開発優先型の復興施策に対し、市民の立場に立った地域再生の重要性を強調した。また、東京電力福島第1原発事故後、原発再稼働に動く政府や経済界に対して「合意なき国策が独り歩きしているとして脱原発の活動にも参画した。2013年には自伝的作品として「荒野渺茫」を出した。


【作家・高杉良さんの話】 夕刊紙で連載した「匠の時代」は視点、取材力、表現力いずれも見事なものだった権力にすりよらない、おもねらないその気骨は特筆に値する。城山三郎さんと親交があったのも反戦の思想が背景にあったからだろう。市場原理主義が横行する中にあって内橋さんは守るべきものを大切に世の中に伝えてくれた見事な人生だったと思う。

【評論家・佐高信さんの話】 40年近く、共著などを手掛け、兄貴のような存在だった。国民ひとりひとりを豊かにする経済政策の必要性を一貫して訴え、少数派に追いやられながらも軸はぶれなかった。内橋さんの文章は詩情にあふれ、人間の姿が立ち上ってくる。今春、出版した本で著作を紹介したのでお送りしたところ、「自分もまだ書きます」という返信をもらい、励まされていたのだが。
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●内橋克人さんインタビュー: 〝貧困マジョリティー〟の形成と『FEC自給圏』への志向

2012年01月09日 01時23分46秒 | Weblog


昨日の朝日新聞(2012年1月8日、14版、p.4)に、

  『再生日本政治貧困の多数派 歯止めを』(経済評論家 内橋克人さん)

というインタビュー記事(聞き手・園田耕司)が出ている。朝日新聞デジタル(http://digital.asahi.com/20120108/pages/politics.html)には記事が出ているようですが、asahi.comの方には出ていないようです。大変に勿体無いと思いますけどね。

 日本で新たな階層が。「国民皆年金など基礎的な社会保障からさへも排除された人たちが多数派となる『貧困マジョリティー』だ。グローバル化マネー資本主義が進み、非正規雇用が増えて中間層が崩壊する社会の到来」。
 『うっぷん晴らし政治』。「・・・大阪市の橋下徹市長の『ハシズム現象』も貧困マジョリティーの心情的瞬発力に支えられている・・・。『地方公務員は特別待遇を受けている』とバッシングし、閉塞状況下の欲求不満に応えていくやり方だ」。『創』や『週刊金曜日』で中島岳志さんも同様なことを述べておられる。『●大阪元〝ト〟知事、重いツケ、将来への大きな禍根』でも触れた。

 「橋下主義=ハシズムを支えるもの 中島岳志
    (『週刊金曜日』、2011年12月23日 877号)
     (http://www.kinyobi.co.jp/backnum/tokushu/tokushu_kiji.php?no=2340
 「◆既得権益バッシングが格差に苦しむ若者を熱狂させる
     橋下徹「ハシズム」を支えているものは何か 中島岳志」
    (『創』、2012年12月号)
     (http://www.tsukuru.co.jp/gekkan/2011/index.html


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       うちはし・かつと 1932年生まれ。神戸新聞記者を経て経済評論家。
     90年代から一貫して市場原理至上主義、新自由主義的改革に警鐘を鳴ら
     してきた。
主な著書に「悪夢のサイクル―――ネオリベラリズム循環
    共生経済が始まる」など。

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 政治的閉塞感が国民の方向性を誤らせる。「・・・ヒーロー待望論ほど異常なものはない。・・・『頂点同調主義』・・・『熱狂的等質化現象』が一体となる。『うっぷん晴らし政治』の渇望・・・。グローバリズムが生み出した『貧困ファシズム』の培地となりかねない」。
 さらに悪化の方向へ。「グローバル化の流れは変わらず、市場原理主義のもとで、貧困マジョリティーを生み出す『貧困の装置化』が進んでいる。消費税増税によって、零細企業や地域経済を支えてきた地場産業は、価格転嫁できずにコスト引き下げを迫られる。所得税なら稼いだ人がたくさん納めるが、日本型消費税は貧困マジョリティーを増幅させる『貧困の装置化』の手段になる」。斎藤貴男さんと同意見。
 TPPについても。「・・・米シンクタンクは一貫して『投資の絶対的自由の保障』を求めてきた。・・・外資は日本政府を米国の経済法廷に訴えることができる。米企業はオーストラリアでの医療品への公的補助でさえ『自由市場に反する』と問題視している。日本の国民皆保険制度も目の敵にしているが、これは豊かな人も貧しい人も、ひとたび体を害せば医師にかかることができる制度で、国民的財産社会的共通資本だ。それが毀損され、一部企業のビジネスチャンスになる。弱いところに社会的変動の影響が収斂する」。視点はコモンズにまで。『●TPP批判: 内橋克人さん』でも取り上げた。

 目指すべき方向性。「私は新たな基幹産業として『FEC自給圏』を提唱してきた。FはFoods(食糧)。日本の穀物自給率は世界で124番目だが、食糧自給は国の自立条件で新たな産業も形成する。EはEnergy(エネルギー)。再生可能エネルギーとしてデンマークでは風力発電、太陽熱発電を推進し、エネルギー自給率が今では200%近い。日本は国策として原発に集中し、他の選択肢を排除した。CはCare(介護)。市場に任せるのではなく、社会による介護自給圏を形成すれば北欧諸国のように強力な産業になる」。「『うっぷん晴らし政治』ではなく、世界のモデルに目を向け、食糧、介護、エネルギーの自給圏を志向すべきだ。地味でも良いから、グローバル化の中で、それに対抗できる『新たな経済』を作ることが本当の政治の役割だと思う」。目指すべきは北欧型か? 「地味でも良いから」、というところにグッときた。

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