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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

列車にご用心

2015-05-02 08:03:15 | 読書
エドマンド・クリスピン,冨田 ひろみ訳 論創社 (2013/03).

「BOOK」データベースより*****人間消失、アリバイ偽装、密室の謎。名探偵フェン教授が難事件に挑む。「クイーンの定員」にも選ばれたロジカルな謎解き輝く傑作短編集*****

図書館で借用.

2014 年原書房本格ミステリ海外編 1 位,とはいえ出版されたのは 1953 年のこと.解説で (HMMなどに)「すでに邦訳がある」とされたものはやはりうまくできているように思えた.ただし表題作はあまり面白くない,中にはよくわからないものもあったが,どれも短くてテンポよく読めた.全体に古き良き時代のミステリという感じ.

探偵役は最後の二編を除きオックスフォード大の英語英文学教授だが,この人は謎解きマシンという感じで,この短編集ではシャーロックホームズのような人間性は感じられない.「高速発射」は秀作だが探偵ガリレオみたいなネタで,探偵も理工系の教授とした方がぴったりくる.

ゼロからはじめる音響学

2015-05-01 10:50:05 | 新音律
青木 直史,講談社 (2014/03).

広い意味の音響学は,物理学・電気工学・電子情報工学から,音声学・言語学・心理学・脳科学あたりまでの境界領域である.理工系の,必ずしも音響学というタイトルでない講義のためにも,学生の興味を惹く題材が豊富である.講義の参考にと,これを図書館で借用したが,とても良い本.この本の前書きによると,文系の学生もスコープに入っているようだが,むしろ昨今の初年級の理工系学生向き.

著者のホームページが「サポートサイト」で,音声ファイルのみならず,Youtube へのリンクもある.
電子書籍がこの領域には最適なはずだが,じつは問題が多々ある.われわれは CD ブック (視て聴くドレミ) を出版したが,こういう出版方法もあったか,という感じ.

学術参考書となると,小さい図をちまちまと入れたくなるものだが,ここでは図が大きく,余白もたっぷりで,おおらかな気分になれる.
サイン波,周波数分析 から始まり,音の性質から音声 特に日本語の音声へと進む.量子化・標本化に一章.最後のマスキング効果・両耳聴効果・音の知覚あたりが充実しているのはその話題性のためだろうか.反対にコンサートホールの音場など,建築の立場からのまとまった記述はない.

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