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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

嵐のビクニック

2015-05-30 06:49:50 | 読書
本谷 有希子「嵐のピクニック」 講談社文庫 ( 2015/5).

「BOOK」データベースより*****
弾いている私の手首の下に尖った鉛筆が近づく―。優しいピアノ教師が見せた一瞬の狂気「アウトサイド」、カーテンの膨らみで広がる妄想「私は名前で呼んでる」、ボディビルにのめりこむ主婦の隠された想い「哀しみのウェイトトレーニー」他。キュートでブラック、奇想天外。初の短編集にして大江健三郎賞受賞作。*****

10 ページまでのもの 7 編,20 ページ 1 編,その中間が 5 編.ただし「嵐のピクニック」というタイトルは見当たらず.
とても面白かった.帯に筒井康隆が「一気読みすべき本じゃない」と書いているが,ほとんど一気読みしてしまった.

巻末の解説代わりに『「奇妙な味」は文学たりうるか』という,大江健三郎による,大江健三郎賞選評.大江氏はこの本が大江健三郎賞という「文学賞」に値するかどうか気にしているらしい.大江作品より面白いのは確かだから,それでいいんじゃないの?
なお,ここには大江氏が本のうちの2篇の丁寧な梗概を記している.解説に梗概は不要とは思うが,対象とされた2篇は確かに秀逸.

Wiki によれば著者は劇作家,演出家,女優,声優,小説家.「劇団、本谷有希子」主宰とある.検索の画像一覧ではなかなかの美女.「甘え」という公演のポスターはまるで小池栄子...と思ったら,本当に出演した小池さんの写真だった.

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