Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ゼロからはじめる音響学

2015-05-01 10:50:05 | 新音律
青木 直史,講談社 (2014/03).

広い意味の音響学は,物理学・電気工学・電子情報工学から,音声学・言語学・心理学・脳科学あたりまでの境界領域である.理工系の,必ずしも音響学というタイトルでない講義のためにも,学生の興味を惹く題材が豊富である.講義の参考にと,これを図書館で借用したが,とても良い本.この本の前書きによると,文系の学生もスコープに入っているようだが,むしろ昨今の初年級の理工系学生向き.

著者のホームページが「サポートサイト」で,音声ファイルのみならず,Youtube へのリンクもある.
電子書籍がこの領域には最適なはずだが,じつは問題が多々ある.われわれは CD ブック (視て聴くドレミ) を出版したが,こういう出版方法もあったか,という感じ.

学術参考書となると,小さい図をちまちまと入れたくなるものだが,ここでは図が大きく,余白もたっぷりで,おおらかな気分になれる.
サイン波,周波数分析 から始まり,音の性質から音声 特に日本語の音声へと進む.量子化・標本化に一章.最後のマスキング効果・両耳聴効果・音の知覚あたりが充実しているのはその話題性のためだろうか.反対にコンサートホールの音場など,建築の立場からのまとまった記述はない.
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