Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

国語教師

2020-02-07 10:17:23 | 読書

ユーディト・W・タシュラー,浅井晶子訳,集英社(2019/5).

Amazon の内容紹介*****

女は国語教師。男は有名作家。
再会したふたりが紡ぐ〈物語〉は、あの忌まわしい過去に辿り着く――

16年ぶりに偶然再会した元恋人たちは、かつてのように物語を創作して披露し合う。
作家のクサヴァーは、自らの祖父をモデルにした一代記を語った。
国語教師のマティルダは、若い男を軟禁する女の話を語った。
しかしこの戯れが、あの暗い過去の事件へとふたりをいざなってゆく……。
物語に魅了された彼らの人生を問う、フリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)受賞作。*****

・『このミステリーがすごい!2020年版』海外編(宝島社)第10位
・「 ミステリが読みたい! 2020年版」( ミステリマガジン /早川書房)海外篇 第4位&新人賞 受賞

 

誰の手にも触れていないように綺麗な図書館本.カバーイラスト(牧野千穂)にも惹かれて借りた.読んでいるときはミステリーという感じはなかった.

メール・会話と普通の文章がないまぜになり時間を往復する.ボルテージが高すぎるヒロインと,それに閉口するダメ男という設定がうまい.最後近くの,癌を使っての悲劇のヒロイン化はあまりに安易.でも読後感は悪くない.

日本の小説にはありそうもない女性像,親(と,それ以前の)世代の詮索,そこはかとなく感じられる階級制など,これがドイツの小説か,と思った.


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