Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

スリー・パインズ村の不思議な事件

2008-08-12 07:45:46 | 読書
ルイーズ・ペニー 著, 長野きよみ 翻訳 ランダムハウス講談社文庫 (2008/7)

英国推理作家協会最優秀処女長篇賞
アンソニー賞最優秀新人賞
バリー賞最優秀新人賞
ディリス賞
アーサー・エリス賞最優秀新人賞

それぞれがどんな賞かはまるで知らないが,賞コンプレックスのため,つい購入.小説そのものはとても良かった.

帯の紹介に曰く...
家に鍵をかける習慣さえない、ケベック州の平和な小村スリー・パインズ。感謝祭の週末の朝、森の中で老婦人の死体が発見された。死因は矢を胸に受けたと見える傷。一見、ハンターの誤射による事故死に思えた。だが、凶器の矢がどこにも見当たらないことから、ガマシュ警部は顔見知りによる殺人事件として捜査を始めた・・・・。
「ボアロとモース警部へのケベックからの回答!」と絶賛される本格ミステリの新シリーズ第1弾。

日本のミステリーに比べて文章に奥行きがある...のだろう,と,翻訳を通して感じられる.平和な村の殺人というよくあるストーリーだが,ゆるゆると展開するので,ゆるゆると読んだ.しかし後半は引き込まれ,読み急いでしまった.
舞台はカナダでも,英語と仏語がぶつかり合う地域で,タイトルもそこに由来している.
絵画が謎解きの鍵になっている.犯人は余計なことをして墓穴を掘るのだが,この殺人そのものに必然性は感じられない.殺人とは無意味なものと感じさせたいのかもしれない.
時々混じる新米女性刑事の視点もそれらしく描けている.
父親に罪をなすりつける男の子が出てくる.いまの日本の青少年だったら,自分が罪を犯した方が親にダメージを与えると考えるところだけれど.
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