Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

南北朝

2022-08-12 09:28:05 | 読書
小学校高学年で,先生が講談調で日本の歴史を語ってくださった.このとき,源氏・平家,元寇、太閤秀吉などが「常識」としてぼく達に刷り込まれた.
このごろ書店で意外に太平記・南北朝の本が出ているので,小学校時代を思い出し.むかし買ったこの本を引っ張り出した.

林屋辰三郎「南北朝」朝日新聞社 (文庫 1991/1).

2017/2 に「南北朝―日本史上初の全国的大乱の幕開け」として朝日新書入りしている.もともとは 1957/10 大阪創元社「創元歴史選書」の一冊だった.その後の研究で本書があるいは時代遅れとなった部分もあるかもしれないが,ぼくにはどうでもいいことである.

目次*****
序章 内乱の前夜
第1章 結城宗広 - 東国武士の挙兵
第2章 楠木正成 - 公家勢力の基盤
第3章 足利尊氏 - 室町幕府の創設
第4章 後村上天皇 - 吉野朝廷の生活
第5章 佐々木道誉 - 守護大名の典型
第6章 足利義満 - 国内統一の完成
付章 内乱の余波*****

このように人物を軸に,しかしほぼ時代に沿って展開するという構成がうまい.結城宗広という,(ぼくは) 聞いたことがない人物で始まり,また佐々木道誉という婆娑羅大名も重要視されている.それにひきかえ後醍醐天皇という章がないところが面白い.

もともと悪党だった楠木正成が,時代も読めたのに,なぜ南朝に命懸けで義理立てしたのか,わからないが面白い.それも子・正行の代まで...といいたいが,正行の弟・正儀になると,コウモリ的に北についたりすることもある.
南朝は衰退するいっぽうだが,北朝 というより足利方の内紛に応じて何度も盛り返すのが,虚しい.
200 ページ強で,飽きずに読める.登場人物が多すぎ,系図が何本か欲しいところ.

あとがきで正成と観阿弥・世阿弥との関連に触れている.

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