
小川 哲「君のクイズ」朝日新聞出版 (朝日文庫 2025/4) .
舞台化で紹介されたストーリー*****
生放送のクイズ番組に出場した三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、問題も読まれぬうちに正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。
真相を解明しようと本庄について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり-。*****
面白かった.種明かしにも納得.
突っ込むとすれば,問題も読まれぬうちに正解し,番組がそれを優勝と認めてしまうこと.でもそうしないと小説が成り立たない,か...
「クイズ番組は参加者の人生を肯定する」的な哲学はどうかと思う.
早押しクイズには必勝法と言うべきものがある.深い知識は必要ではない.
テキスト中の例では「1,2,4,...という数列の第10項 (第4項でもいいかも) は何か」で始まる問題.問題はまだ続くが,とりあえずまずボタンを押し,やおら考える.等比数列 1,2,4,8,16... かもしれないし,差がひとつずつ増えていく1,2,4,7,11,...という数列かもしれない.可能性は無限である.回答者は出題の意向.どのくらい捻った問題にするか,過去の出題傾向は,番組進行中の位置を勘案して (始まったばかりか・終わりに近いか,文系の問題に挟まれているか否か) どの程度の難易度にするか... と言うことをとっさに判断し,答えを計算しなければならない.
深い知識は不要.こうした問題に対する対処は AI がもっとも得意とするところと思うが,単行本刊行の 2022/10 の時点では AI はまだ幼稚な段階だった.
また,田村正資の解説は「日本のテレビにはずっと,クイズ番組があった」で始まる.クイズ番組といっても早押しクイズのこと.これにマニアックに賭ける人種のストーリー.しかし解説は「...番組はずいぶん減ってしまったが...」と続く.将来 番組も この小説も 生き残れるかどうかは微妙.登場人物のひとり,本庄はテレビから YouTube に鞍替えするらしいが…
文庫化を機会に購読.
舞台化で紹介されたストーリー*****
生放送のクイズ番組に出場した三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、問題も読まれぬうちに正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。
真相を解明しようと本庄について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり-。*****
面白かった.種明かしにも納得.
突っ込むとすれば,問題も読まれぬうちに正解し,番組がそれを優勝と認めてしまうこと.でもそうしないと小説が成り立たない,か...
「クイズ番組は参加者の人生を肯定する」的な哲学はどうかと思う.
早押しクイズには必勝法と言うべきものがある.深い知識は必要ではない.
テキスト中の例では「1,2,4,...という数列の第10項 (第4項でもいいかも) は何か」で始まる問題.問題はまだ続くが,とりあえずまずボタンを押し,やおら考える.等比数列 1,2,4,8,16... かもしれないし,差がひとつずつ増えていく1,2,4,7,11,...という数列かもしれない.可能性は無限である.回答者は出題の意向.どのくらい捻った問題にするか,過去の出題傾向は,番組進行中の位置を勘案して (始まったばかりか・終わりに近いか,文系の問題に挟まれているか否か) どの程度の難易度にするか... と言うことをとっさに判断し,答えを計算しなければならない.
深い知識は不要.こうした問題に対する対処は AI がもっとも得意とするところと思うが,単行本刊行の 2022/10 の時点では AI はまだ幼稚な段階だった.
また,田村正資の解説は「日本のテレビにはずっと,クイズ番組があった」で始まる.クイズ番組といっても早押しクイズのこと.これにマニアックに賭ける人種のストーリー.しかし解説は「...番組はずいぶん減ってしまったが...」と続く.将来 番組も この小説も 生き残れるかどうかは微妙.登場人物のひとり,本庄はテレビから YouTube に鞍替えするらしいが…
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