Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

美術と音楽 アマとプロ

2021-04-28 09:02:34 | お絵かき
先日の波の会展 30 周年記念セレモニーにおけるシンポジウム「美術のすばらしさ」で,松田弘さん (東広島市立美術館 館長) から「絵画にはプロもアマもない」という発言があった.

トップの画像,左は低学年小学生の作
中央の油彩画はかっての人気プロレスラー ジャイアント馬場の作である.太陽の上の八の字に眉を寄せたような雲が,本人の意図したところは知らないが,かわいい.
右は昨日のブログに書いた 90 歳 木村セツさんの新聞切り絵

ぼく的評価では,これらの作品はアマの作品だがプロに劣らない魅力を持っている (ルソーなどは素朴派へたうま派だが,右の2枚はそうは言えない).これに対し,公募展でお目にかかるプロあるいはプロ志望作家の作品は.....

絵画,一般化すれば美術にはプロもアマもない.ところが音楽ではプロとアマの間には大きな溝がある.素人のど自慢の合格者はプロのように歌っているだけで,アマの画家によくある破天荒な面白さはない.

音楽は強固なシステムである.例えば,絵画ではどんな周波数 (どんな色)でも使えるのに対し,音楽で使う周波数は (早く言えば) ドレミファ ..に量子化されている.邦楽をふくむ民族音楽ではこの縛りは緩いが,これらは別なシステムであるといった方がいい.そのため,音楽には学習がつきもので,技術の習得もともなう.バイオリン,チェロなどはドレミファ...を弾くのもたいへん.尺八だって「首振り3年」が学習期間である.
言葉に似ているかもしれない.西洋音楽という言語体系の中に,クラシック語,ジャズ語,演歌語... 喋るには学習が必要.

美術は空間の芸術であるのに対して,音楽は時間の芸術である.絵画は納得できるまでじゅうぶん時間をかけて仕上げればいいが,音楽は時間との競争である.さらに,音楽は多くの場合,ソリストと伴奏者・小編成の合奏・オーケストラなど,共同作業が多い.合奏でボーっとしていると (時間的に) 置いていかれる.その点絵画の方が年寄り向き ?

美術に対し,音楽は保守的と断言したら叱られるだろうか.

わが学生時代には,美大の学生の外見は乞食みたいで,音大の学生はお嬢様に見えた (男子学生は記憶にありません)... 関係ないけど...
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