Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

天澤退二郎「眠りなき者たち」

2019-06-04 08:55:57 | 読書
中央公論社 (1982).

「びるま」まで「詩」とは縁がなかった.歳をとると嗜好が変わるのか... と,ブログを辿ったら同じ天澤さんの「幽明偶輪歌」思潮社(2001) も読んでいた.確かなのは,歳をとると忘れることである.

天澤さんの名前は,1970 年代に雑誌「話の特集」に連載されていた,子供向きとは思えない童話「夢でない夢」(佐伯俊男のイラストにつられて読んだ) の著者として認識していた.これはどこか宮沢賢治を連想させる...と思ったら,宮沢賢治研究家としても高名.「謎解き・風の又三郎」丸善ライブラリー (1991)も我が本棚にある.

雑誌「海」に 1980-1981 に断続的に連載された散文詩を軸にした 36 編で,個々の詩にタイトルはない.ストーリーはあるが脈絡はない文章の羅列で,悪い夢を見るようだ.「眠りなき者たち」という署名は意味深だ.
「...ものたち」をタイトルとする詩集三部作の最後の巻だそうだ.

古書店で裏帯が面白かったので購入した.そこにあったのは16番目の詩の冒頭の引用だったので,ここにコピーした.ここまでは比較的まともな文章だが,この後の展開は帯では解らない.
このように,詩の大部分が句点不在の四角い文字群の塊だが,すらすら読めてしまうところ,やはり詩なんだろう.

若い方かと思ったら, Wikipedia に著者は 1936 年生まれとあった.

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