Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

日本人の声

2015-04-14 08:10:22 | 新音律
鈴木松美 編著,洋泉社 (2003/03).

図書館でパラパラとめくったら,美空ひばりや宇多田ヒカルのソノグラムでこぶしや 1/f 揺らぎを解説していたので借用.
著者はソノグラムを「声紋」と言っている.ただし,スペクトルそのものを声紋ということもある.指紋にかこつけての命名 ? と思う.しかしフーリエ変換は標本の大きさや窓関数に左右されるから,指紋のようにだれが採っても同じとはいかないと思うのだが....
こういう本でフーリエ変換をどう説明するか,著者が悩むところだが,この本の方針は「説明しない!」である.

著者は科学警察研究所にて主として音声・音響分野の研究に携わり,その後個人経営の「日本音響研究所」を設立したが,現在はご子息がここを後傾している.度々マスコミに登場し,最近ではイスラム国日本人拘束事件で後藤健二の声紋を鑑定したとのこと.

「BOOK」データベースによれば*****「女性の声は低音化し、男性の声は高音化している」や「子どもの声が低くなった」というのは本当だろうか?「海外ではこぶしやだみ声が受け入れられない」や「仏教と声には意外な関係がある」というのは事実か?あまりに身近すぎてふだん意識することのない声を理解するために、発声のメカニズムといった声の基礎知識から、人を癒したり、安心させたりする声の不思議な力までを解読。発する人の体格から気質、生活環境、時代状況までを反映する声を通して日本人を浮かび上がらせる画期的な試み。*****

200 ページ足らずの新書ですぐに読了.「日本人」のタイトルを超え,犬の声の翻訳の話題 (バウリンガル) も盛り込まれている.
中村明一「倍音」と主張がかぶる部分があるが,こちらの鈴木氏の記述のほうが早いし客観的に思えた.
これは 10 年以上前の刊行だが,2011 年には「あの人の声はなぜ魅力的なのか ~惹かれる声と声紋の科学~」という本が技術評論社から出ている.
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