松井今朝子 幻冬社文庫(2009/04).2年前の直木賞受賞作の文庫化.
*****内容(「BOOK」データベースより)*****
廓遊びを知り尽くしたお大尽を相手に一歩も引かず、本気にさせた若き花魁葛城。十年に一度、五丁町一を謳われ全盛を誇ったそのとき、葛城の姿が忽然と消えた。一体何が起こったのか?失踪事件の謎を追いながら、吉原そのものを鮮やかに描き出した時代ミステリーの傑作。選考委員絶賛の第一三七回直木賞受賞作。
**********
一気読みさせられたが,最後はあっけない.
受賞後,こすずめさんがおっしゃったとおりでした.
でもエンタメ小説としては星4つくらいの価値はあるかな.
見世番・遣手・楼主・床廻し・幇間・女衒・指切り屋・女芸者などの証言という形で進むあたりは,ちょっと「薮の中」を思わせる.ただし各々の証言が互いに矛盾するといった複雑な構成ではなく,とくに後半ストーリーは前進あるのみ.
ミステリーだったら用意周到な伏線があるはずだが,それはない.多分作家はミステリーのつもりはないのだろう.
現代人は落語・人情噺でしか聞いたことがなく,江戸の同時代人にとってもよくわからなかった(らしい)吉原システムが,わかった気にさせられた.
*****内容(「BOOK」データベースより)*****
廓遊びを知り尽くしたお大尽を相手に一歩も引かず、本気にさせた若き花魁葛城。十年に一度、五丁町一を謳われ全盛を誇ったそのとき、葛城の姿が忽然と消えた。一体何が起こったのか?失踪事件の謎を追いながら、吉原そのものを鮮やかに描き出した時代ミステリーの傑作。選考委員絶賛の第一三七回直木賞受賞作。
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一気読みさせられたが,最後はあっけない.
受賞後,こすずめさんがおっしゃったとおりでした.
でもエンタメ小説としては星4つくらいの価値はあるかな.
見世番・遣手・楼主・床廻し・幇間・女衒・指切り屋・女芸者などの証言という形で進むあたりは,ちょっと「薮の中」を思わせる.ただし各々の証言が互いに矛盾するといった複雑な構成ではなく,とくに後半ストーリーは前進あるのみ.
ミステリーだったら用意周到な伏線があるはずだが,それはない.多分作家はミステリーのつもりはないのだろう.
現代人は落語・人情噺でしか聞いたことがなく,江戸の同時代人にとってもよくわからなかった(らしい)吉原システムが,わかった気にさせられた.
これ、題名が良いです!
少し前に読んだので、物忘れの激しいこすずめには記憶が彼方~~~ですが、未だ単行本を買った事に後悔はありません。
>エンタメ小説としては星4つくらいの価値は・・・同感です。それだからでしょう。
近寄りがたい雰囲気の著者ですが、次回作も読みたいです。
松井さんのブログ「今朝子の晩ごはん」は3冊目の文庫化が4月に出たそうです.「東横のれん街でゲット」が常套フレーズとか.