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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

物理実験法 = 料理実践法

2018-01-03 10:28:22 | 科学


去年の物理系研究室の忘年会.学生が作るものを Faculty が賞味する.我々もお相伴にあずかった.
単身赴任の K 教授は「肉はあらかじめ解凍しておけ」「もっと小さく切れ」「そっちの鍋を使え」... など,うるさく言っておられた.

一巡前の拙ブログに料理は実験というのがあった.また蒸し返しで恐縮です.

大学での講義のテキストを物理実験法 無料ダウンロード版 (ただし Microsoft にアカウントが必要) としてアップロードしたが,その際上記の料理実験説を「序文」に挿入した.
この文末にこの部分を長々と引用した.

K 教授はこの日のように学生をきめ細かく指導したいのだが,会議とか,海外出張とか,...で思うに任せないのでしょう.


**( 以下は引用 )**
 うまく実験を運ぶことは,卒業してから,物事を万事上手く片付 けることに通ずる.実際の実験は料理のようなものである.どちらもまず,こうしたら面白かろう・おいしかろうというイマジネーションが必要だ.もっとも実験テー マ (献立) を自分でつくれるまでには年期が必要である.学部の学生実験は調理実習と同じで,ほとんど大学側がお膳立てする.あれは本当の実験 (料理) ではない.

 料理ではどこで何を買えば安く早く手に入るかという,材料の調達がポイントである.材料を洗って切った後で初めて煮たり焼いたりできる,この手順をよく考えないと能率が悪い.途中で醤油がない (ビスやナットがない) などというときは隣から (隣の研究室から) 借りる才覚が必要だ.煮込むのに時間がかかるときは,まず火に掛けて,その間に他にできることをやらなければならない.煮ながら,いっぽうで炊飯し,かたわらでサラダを作るように,実 験でも真空引きなどをしながら,別なことをする.

 特殊な料理のときは,あるいは新しいレパートリーを試みるときは,鍋釜の類いを新しく買うこともある.必要なら,実験装置の図面をひいたり,自分で作ったりしなければならない.

 レポート,ゆくゆくは論文を書くのは,レシピを公開するのと同じである.追試して同じ味が再現できないと,データねつ造な どと言われかねない.
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