Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

米原万里「マイナス50°Cの世界」

2011-02-03 15:15:39 | 読書
清流出版 (2007).
(当地としては) とても寒かった日に図書館から借用.

科学書みたいなタイトルだが,大黒屋光太夫のたどった後を取材したさいの記録をもとに「毎日小学生新聞」に連載したものを中心とした,著者の処女作とのこと.このかたのエッセイを読むと,猛女という印象が強いが,当時の写真はとてもかわいい.
あとがきで妹さんが「小学生に分かるように,科学的に間違いがないように,とても努力して書いていました」と書いている.この取材旅行に同行したという,椎名誠のあとがきもある.

-50°Cの世界とは現在のサハ協和国で,首都ヤクーツクは年平均気温が -15 度くらい.人口 20 万の近代都市だが,地盤は凍土だから,高層ビルの基礎は塩水を凍らせただけ.湖の氷に孔をあけて魚を釣ると 10 秒で冷凍されてしまう.スキー・スケートは...溶けないから...滑らない.
そのくせ夏は40度近くまで気温が上がる.人間は 100 度の温度差があってもなんとか生活できるらしい.牧草はひと夏に 5-7 回収穫できるという.

部屋の中は暖かく,服装は薄着の上に毛皮.ただし便所は戸外.

この本とは無関係だが...
連想するのはまた聞きのシベリア抑留生活.サハより暖かい ? 地方とは思うが,3-4 人に毛布が1枚で,眠ってしまうと死んでしまう.でも眠らなくても死んでしまうので,交代で眠り,その間は起きているものが寝ているものの体をさすり続けたのだそうだ.
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg