Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

密室ミステリ歴代二位 魔の淵

2008-07-21 20:30:20 | 読書
ヘイク タルボット 著, 小倉 多加志 訳「魔の淵」 ハヤカワ・ポケット・ミステリ (2001/4)

1981年の欧米の作家批評家編集者読者などによるベスト密室長編ミステリ投票第二位の作品.ちなみに一位はカーの「三つの棺」,三位はルルの「黄色い部屋」だそうだ.1944年の作品だが日本では雑誌に連載されただけで,単行本化は2001年のこの本が初めて.図書館で借りた.
原題 Rim of the Pit.この意味はざっと読んだところではよくわからないし,この題名で固定するのだろうが,「魔の淵」の意味もわからない.

雪に埋もれた山荘の降霊界に本物?の悪霊が出現.この悪霊が空を飛んだり,雪原にたどった足跡が忽然と消えたり.山荘と狩猟小屋を,限られた登場人物が行ったり来たりするのだが,冒頭の地図兼建物間取り図はちょっとお粗末.

貫井徳郎の解説にあるように,大きなトリックに賭けた作品ではなく,小技の積み重ねにより完成度を高めた作品.そのかわり小技と怪奇趣味はてんこ盛り.盛りだくさんで,どじばた感さえある.
でも面白かった.

以下ねたばれ.

奇術師がトリックを弄するのは...どうもね.同じ奇術手品でも泡坂妻男の一連の作品は洗練している.ミステリも時代とともに進化しているのだろうか.
コメント
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