Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

木曜日だった男

2008-07-03 11:00:34 | 読書
チェスタトン 南條竹則訳「木曜日だった男 一つの悪夢」 光文社古典新訳文庫 (2008/5)

新訳でタイトルが「木曜日の男」から変わり,原著者もチェスタートンからチェスタトンに変わった.チェスタトンは「木の葉を隠すなら森に。森がなければ作ればいい (死体を隠すには,死体の山を作ればいい)」の,ブラウン神父シリーズで有名.ぼくはシャーロック・ホームズのつぎくらいにこのシリーズを読んで面食らった覚えがある.今回初めてこの「木曜日...」を読んでやはり,なんだこれ..と思った.

裏カバーの惹句によれば
この世の終わりが来たようなある奇妙な夕焼けの晩、十九世紀ロンドンの一画サフラン・パークに、一人の詩人が姿をあらわした。それは、幾重にも張りめぐらされた陰謀、壮大な冒険活劇の始まりだった。日曜日から土曜日まで、七曜を名乗る男たちが巣くう秘密結社とは。

まじめにストーリーを追う小説ではない.古き良きイギリスの小説らしく,女性は登場しない.唯一の例外はロザモンドだが,たいした役割はない.
おもしろいくて,機内で一気に読めてしまった.しかしあとではぐらかされた気分になった.訳者の解説によれば「黙示録」だそうだ.古典というのはこういうものなのかもしれない.この小説は吉田健一 (戦後長く首相だった吉田茂の長男) も訳しているが,いかにも吉田健一好み,

登場人物中,木曜日だった男より,日曜日だった男のほうが理解し難い..
コメント
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