アンジョルラスが好き

おもにAaron Tveitについて
彼に興味が無ければつまらないです。
コメント欄が面白いので読んで下さいね。

リラの恋・いよいよ結ばれます

2013-08-09 | 妄想のアーロン
リラの恋、いよいよクライマックスですよ。
Lilasさん、いつも素敵な物語をありがとう。

【One Day More】終了後のミュザン2階から始まります。

アンジョルラスが、いつものように「リラ、送っていく。」と言いました。
リラは「でも…。今夜は、まだ明日の準備があるんじゃない?」と訊きましたが、アンジョルラスは「いいから。大丈夫だ。」と言って、
さっさと階段を降りていきます。リラも慌てて後を追いました。


■テレマンのアリアです。

外に出た二人は、いつものように黙って歩いていましたが、突然、アンジョルラスが
「リラ、話があるんだ。遠回りになるけど、ちょっと俺の部屋に寄ってくれないか?
…後で、ちゃんと送るから。」と言います。「…ええ。いいわ。」リラは答えてついて行きます。



歩きながら、リラは、話って何だろう…と考えます。
1つだけ心当りがありました。明日の蜂起には参加するな、と言われるのではないか…ということです。
今までも、リラは、自分がミュザンに出入りすることを、実はアンジョルラスはあまり快く思っていないのではないか…と
心配したことがあったからです。
でも、もちろん、リラは蜂起に参加するつもりです。来るなと言われたら何て答えたらいいだろう…。
リラは考えながら、いつもとは違う道を歩いていました。

アンジョルラスの部屋の、建物の前までは来たことがあったリラですが、中へ入るのは初めてです。
階段を上がりながら、リラは少しドキドキしてきました。

アンジョルラスがろうそくを灯すと、部屋の中が少し見えてきました。昼間の光ではありませんから、あまりはっきりとはわかりません。
でも、様子は充分に感じられます。
この人は、こんな質素な部屋に暮らしていたんだ…。想像していたとはいえ、リラは少しだけ驚き、立ったまま見回していました。


部屋には本とベッド、それに小さな机と椅子。はがれた漆喰の壁がさむざむとしていました。
知らなかった・・・と、リラは思いました。ここで、彼はずっと暮らしていたんだ・・・

リラは故郷のアンジョルラスの部屋を思い出していました。壁紙のはられたあの美しい部屋。
大きな窓と、磨きぬかれた机、厚い絨毯と大きな椅子。

ときどき掃除に入って、彼の開いた本をそっと見たり、彼の筆跡を胸を震わせながらなぞったりしていた、あの部屋となんて違うんだろう。

…ふと気がつくと、アンジョルラスがすぐ傍に来て、リラをじっと見つめています。リラは、うつむきました。
「話があるんだ、リラ…。言おうかどうしようか、迷ったけど…。」アンジョルラスは言い淀みます。いつもとは違うその感じに、リラは顔を上げました。

「…リラ。愛してる。」リラは耳を疑いました。今、この人はいったい何を言ったのでしょう。自分は何を聞いたのでしょう。
「やっと…最近、わかったんだ。それまで、全然気がついていなかった。自分の気持ちに…。言わないでおくべきかとも思った。でも、やっぱり…。」
そこでやっと、アンジョルラスは、びっくり仰天しているリラの表情に気づき、ちょっと笑って下を向きます。
「…驚かしちゃったな。悪かった、こんな話をして。リラの気持ちも考えずに…。忘れてくれ。…行こう。送…」
「…あたし。。。あたしは!」アンジョルラスの言葉を遮って、リラは突然叫びました。戸口に向かっていたアンジョルラスが振り向きます。

「あたしは…ずっと、あなたが好きなの。小さい頃から、ずっと…。だから、パリに来たの。少しでも近くにいたかったから。でも…言えなかった。
あなたは革命に一生懸命で…。でも、あなたを…愛してるの。」今度はアンジョルラスが驚いた顔になりました。

アンジョルラスは傍まで戻ってくると、リラを抱きしめます。そして呟きました。「もっと…、早く言えればよかった…。」
それから、アンジョルラスはリラの顔を覗き込み、キスをしました。そして、リラの眼をじっと見つめて、小さな声で言います。
「今夜は…俺と一緒にいてくれるか?朝まで…。」
リラは頷きました。


■チャップリンの映画ライムライトよりテリーのテーマです。

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※勝手に、ブログ主がラブシーンを追加です。不快な人は太字部分だけ読んでね。

アンジョルラスの冷たい指が、リラの首筋をそっと下って行きました。そして、その指先は彼女の襟元からそっと差し入れられ・・・
もうひとつの手でしっかり抱きかかえられながら、彼の唇は、リラの唇を離れ、頬から耳元へ、そして首筋・・・指先を追うように
下がって行きました。
リラは静かな風にそよぐ葦のように、身を任せていました。やがて、甘い声をあげたリラを、彼は腕に抱き上げベッドに運んで行きました。
そして、リラは深い海に沈むように、アンジョルラスのするがままに身を任せました。
 
これ使うの二度目。すみません。なかなか綺麗な裸婦がないんです。
清純派で売ってるのに、何この妄想・・・

窓の外が、少し明るくなってきました。もう夜明けです。
リラは、まだアンジョルラスに抱きしめられたまま、彼のベッドの中にいました。部屋の中は、しんと静まりかえっています。

アンジョルラスは、リラを抱きしめている腕にぐっと力を込めると、ささやきました。「ずっと…こうしていられたらいいのにな…。」
リラはちょっと驚きました。そっと身動きすると、アンジョルラスの顔を見つめます。
頭の中は革命のことばかりでいっぱいのはずのアンジョルラス。
なのに、こんなことを言うなんて…。
リラの心配気な顔を見たアンジョルラスは、ふっと笑い、リラの髪をくしゃくしゃっとなでて言います。
「でも、今日は決起の日だ…。民衆が立ち上がる日なんだ…。今日から全てが変わるんだ。」
そして、リラに優しくキスすると、ベッドから出ました。

リラは、しばらくじっとしたまま、今のアンジョルラスの言葉を、頭の中で繰り返してみました。
決起の日。民衆が立ち上がる日。今日から全てが変わる…。
そして、リラは、そっとベッドから出ると、服を着ました。

それから、二人は一緒に部屋を出ました。
アンジョルラスがこの部屋に戻ることは、二度と、ありませんでした。

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I Vow to Thee, My Country (我は誓う、わが祖国よ)

I vow to thee, my country, all earthly things above,
Entire and whole and perfect, the service of my love;
The love that asks no question, the love that stands the test,
That lays upon the altar the dearest and the best;
The love that never falters, the love that pays the price,
The love that makes undaunted the final sacrifice.

我は汝に誓う、我が祖国よ、地上のあらゆるものよ、
あまねく、すべてのものにして完全なるもの、我が愛への奉仕。
何も問わない愛、試練に耐える愛、
すなわち最愛にして最良のものをも祭壇に差し出す愛、
怖気づかない愛、贖う愛、
すなわち、究極の犠牲をも不屈のものにする愛。


ホルストの惑星の『木星』を編曲して歌詞をつけたものですが、歌詞のないこれが演奏が綺麗だったので。

アンジョルラスは、もう振り返ることはありませんでした。リラとは別れることになるかも知れないけれど・・・
祖国に殉ずる道を選んだのだから。

リラも無言でした。帰りの彼女は、もう来たときの彼女ではありませんでした。
それがアンジョルラスの選んだ道なのなら、私はもう泣くのはやめよう。

六月の初めの朝はまだ寒く、ふたりは無言で歩きました。
やがて、見慣れたカフェミュザンが朝もやの中に現れました。

アンジョルラス、さようなら。でも、最後に心の中でだけでも言わせて欲しい。リラはそっとつぶやきました。
愛してる 愛してる・・・・・・アンジョルラス、あなたを愛してる・・・


この“フィジカルラブ編”をあてはめるとすると、前に書いた本編の“二人のココロが繋がる場面”の会話がちょっと変わって、
“砦から出てゆけ~!”“そんなの嫌~!ずっと一緒にいられると思ったから、あの夜も、朝まで一緒に過ごしたのに~!”
という感じになるのかしらw
でも…。そうなると、リラにしてみれば、“初めて彼と二人で迎えた朝”から“この世での最後の別れの朝”まで、たった丸一日なんですね。
…リラ、ごめんね。

いっそのこと、終り方を“その後のリラは赤ちゃんを生みました。アンジョルラスによく似た可愛い男の子でした。
でも、リラは赤ちゃんの命と引き換えになくなります。
赤ちゃんは、マリウスとコゼットが引き取りました。”ということにでもすればいいのかしら。
…いやいや、これはだめだ。なんだか違いすぎますね。だめだめ、却下~。


考えることは同じですね。私も赤ちゃんを考えました。
でも、なんとなくアンジョルラスに合わない気がしてやめました。

Lilasさんのお話、まだ続きますよ。