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【振り返り】結婚は親のため?”政治的”なることが人を不幸にすることを描く、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第2話「脱げたウエディングドレス」

2022-08-01 | 備忘録
-『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(Netflix

成りあがったお金持ちの娘と財閥の御曹司の結婚式で、新婦のウエディングドレスがずれ落ち胸部が露になってしまったこと、また背中に菩薩の入れ墨があったことが露になってしまった為に結婚式場を訴えようという躍起になった新婦の父、キム会長がハンバダにやってきます。

このキム会長、ハンバダのライバル弁護士事務所、テサンの大口顧客だったということもあり、テサンはキム会長の無理筋過ぎる訴訟を引き受けることになります。

また、このエピソードは後に明かされるヨンウの実の母、テ・スミが登場。テ・スミも娘とは知らずにウ・ヨンウ弁護士を認識するエピソードであるため、話のトーンはすっきりさわやかである一方で重要なエピソードになっています。もっと言うと、ハンバダのモテ男、イ・ジュノが完全にヨンウに恋に落ちてしまうエピソードである為に、ラブの意味でも重要なエピソードであります。

Park Eun-bin’s bridal look leaves Kang Tae-oh speechless | Extraordinary Attorney Woo Ep 2 【日本語 CC】


結婚式場の内情調査の為、カップルになりきって潜入するヨンウとジュノ。ヨンウのウエディングドレス姿に、漫画の様に見惚れてしまうジュノが可愛すぎます。

そして、このシーンの前段で本来はジュノとカップルを演じる筈だったチェ・スヨン弁護士がお腹を壊し、スーツに粗相してしまうシーンやスーツを汚してしまったスヨンに替えのズボンを差し入れしに来たヨンウとの掛け合いも秀逸。と言うか爆笑です。

このヨンウが持ってきた替えのズボンはこの後のエピソードでも、スヨンが事務所に泊まり込む時などに着ていて、そう言う細かい演出が楽しいです。スヨン推しとしては、ここは良いポイントです。


スヨンがお腹をくだすシーンやヨンウのウエディングドレス姿やそれに見惚れるジュノなど沢山ある為、話のトーンは全体的に軽くて爽やかです。

でも、本作の本質では家父長制に基づく”政治的な”政略結婚が描かれます。新婦はレズビアンであるものの、父にカミングアウトできず財閥の御曹司との結婚を選んだことが終盤明らかになります。

韓国社会でLGBTがまだ一般的ではないことが示唆されます。加えて言うと、新婦の背中の菩薩の入れ墨はキリスト教から仏教に改宗した決意であることが語られます。キリスト教徒が大半を占める韓国で仏教徒がマイノリティーであることもまた示唆されます。


今見返してみると、第2話「脱げたウエディングドレス」で描かれる、家父長制が幅を利かせ、”政治的”であることが個人の尊厳を傷つけている様は本作に通底している批判的な視点の嚆矢のようにも捉えることが可能です。そして"政治的"である事は、ヨンウの出生の秘密にまで影を落としていることが後のエピソードで明らかになります。


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