かぜの日

風の子は風邪を引き風に乗るかつて太陽にとろけた翼を授かり空を飛ぶことのない身体を受け入れた見えない風に流されてその真新しさを知らず知らずのうちに飲み込めば生まれ変わってわたしはまたしても何度でもよみがえり繰り返し引っぺがされてひるがえる見慣れた禍根の海を渡ったその風は名前を持たずしてわたしは深呼吸して新たな風を産むその懐かしさに佇めばホラ吹きの音鳴りは風にまぎれたひと吹きに泣いてひとひらくるくると . . . 本文を読む