よみびとしらず。

あいどんのう。

草の壁〜6月10日

2017-06-11 11:52:59 | 散文(ぶん)
その部屋は壁の一面に草が生い茂っていて、僕が立っている場所は空だった。そこにただひとつある草の壁以外は、地面も天井も草の壁以外の三つの壁も全て空でできている。空に立つというのはなんとも居心地悪く、僕はどうにかして草の生えている場所に足をつけたかったが、どうにもうまくいかない。草が壁で、空が地面だ。空は踏みごたえがなくて、まったく落ち着かない。僕の足元にある空の下は何もみえない。ただ青い空間と白いも . . . 本文を読む