大塚家具の経営権争いを決する株主総会が27日に迫り、創業者の大塚勝久会長(71)側と長女の久美子社長(47)側の委任状争奪戦(プロキシファイト)も大詰めに入った。情勢不利も伝えられる勝久氏側だが、3%超の株を保有するフランスベッドから委任状を獲得したと公表するなど巻き返しに必死で、激戦のまま総会にもつれ込む。
勝久氏側によると、フランスベッドは大塚家具の最大取引先の1社で、「大株主かつ長年の取引先から支持をいただいたことは心強い限り」とした。また、日本テレビの報道では、約3%を保有する従業員持ち株会のうち、総会で意思表示する意向を示した従業員の約6割が勝久氏支持で、0・7%程度に相当するという。昨年末時点の勝久氏自身や親族の保有分などを含めて28%程度を確保した可能性もある。
一方の久美子氏側は創業家の資産管理会社と米投資ファンドを合計して20%超を確保したとみられる。この数字だけをみると勝久氏が上回っているが、約6・2%を保有する日本生命保険や、約3・4%を保有する東京海上日動火災保険など国内の大株主の動向は判明していない。
「大株主に対する説得では久美子氏側が先行しているのではないか」(市場関係者)との見方もある。
個人投資家の動向について、勝久氏側のIR(投資家向け広報)業務を担当する会社は「これまで多くの委任状争奪戦を手掛けてきたが、個人株主からこれほど激励されたのは初めて」という。これが実際に総会での得票につながるかもポイントとなりそうだ。
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