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千葉翔太外野手の評価は?

2013年08月23日 | 気になるネタ

甲子園に異色すぎるスターが誕生した。今大会最小兵の身長156センチで、花巻東(岩手)のベスト4進出に貢献した千葉翔太外野手(3年)である。

19日の準々決勝ではファウル狙いのカット打法で粘りに粘り、5打席で相手投手に41球も投げさせ4四球をゲット。大会3試合通算でなんと打率7割、出塁率は8割を誇る(20日現在)。プロ球界では「プロで通用する。いや、むしろプロの方が彼を見習うべき」と絶賛する声の一方で、「邪道すぎる」と一刀両断する向きもある。 (宮脇広久、片岡将)

 こんな選手は見たことがない。ひょっとすると、プロにも難しい高等技術ではないか。花巻東の「2番中堅」千葉のことである。

 準々決勝の鳴門(徳島)戦では、相手投手が投じた163球のうち、約4分の1の41球をひとりで稼いだ。ここまで粘られたら相手投手が根負けするのも無理はない。

 大会3試合を終えた時点で15打席10打数7安打5四球、打率7割、出塁率8割。文句のつけようがない数字だ。

 「プロにああいうのがいてもいい。欲しいよ」と最大級の賛辞を口にするのは巨人・川相昌弘ヘッドコーチ(48)。

 「相手から見たら嫌らしい打者だよ。それに、ファウルを何本でも打ち続けられるということは、甘い球さえくればヒットにできる技術もあるということ。ボールをぎりぎりまで引きつけ、投球を長く見ているから、バットに当てる確率が高い」と説明する。

 川相ヘッド自身、岡山南高時代は投手で主軸打者だったが、プロ入り後に野手に転向すると、小技を磨き通算533犠打の世界記録を樹立。歴史に残る“バント名人”となっただけに、千葉が泥臭くファウルを打ち続ける姿にはなおさら共感するようだ。

 「おれのバントもそうだけど、“誰もやりたがらないことをあえてやる”こともプロで生き抜く秘訣なんだよ。そりゃ本塁打、打点、打率で勝負できれば、評価されやすいし、給料も上がるのは確か。でも、プロにはものすごいやつがゴロゴロいて、そこで勝ち抜ける選手はごくわずかだから。いまプロの若い選手には、そういう工夫や執念が足りない気もする」

 川相ヘッドもプロ入り当初からバントがうまかったわけではない。プロで生き抜くため、ゼロに近い状態からバント技術を磨き、さらに一、二塁間に低い打球を打つ目安としてロープを張り、進塁打を打つ練習も繰り返して、いぶし銀の存在意義を勝ち取ったのだ。

 もし本当に千葉がプロ入りするようなことがあれば、いったいどんなことが起こるだろうか。

 “子供のころからエースで4番”が全国から集まってくるのがプロ。考え方によっては、高校時代にスラッガーだった選手がプロ入り後、にわかに小技を身につけるよりは、千葉の方がすんなり自分の役割を見つけられるかもしれない。

 現在プロ野球で最も身長が低いのは、163センチの横浜DeNA・内村賢介内野手。150センチ台の千葉がプロ入りすれば、史上まれに見る小柄な選手だが、その分投手は戸惑い、ストライクが入らないことも考えられる。

 ただし、ある巨人球団幹部はこうも指摘する。「おもしろい選手だとは思うが、プロでは相手投手は、粘られて投球数がかさんだ揚げ句、四球を出すくらいなら、1球でぶつけてしまえ-という発想になるかも。そうなると、体がどこまで持つか…」と。

 別の球界OBは、「ファウルを打つことだけに徹していて、完全に相手の体力を奪うことが目的になっている。あれは高校野球だから許される。故意的な遅延行為だ」と批判的だ。

 また、鳴門戦で走者として千葉がみせたプレーも話題になっている。二塁上から相手捕手のサインを盗み、味方打者に球種を教えているとして球審に注意されたのだ。

 ある高校野球関係者は「千葉君単独でやっているとは誰も考えないだろう。監督はとぼけていたが、以前から言われていたこと」と花巻東は“常習犯”としてマークされていたと話す。

 「あれを許していたら、申し合わせにのっとってやっている高校が気の毒。表面上は爽やかな野球をうたっているけど、狡猾なところも少なくない。“正々堂々”とか“スポーツマンシップ”といった高校野球の精神には反している」

 各方面でこれだけ議論を巻き起こしている以上、156センチの千葉が意外な“大物”であることだけは間違いない。この千葉のプレースタイルが、高校野球より上のレベルで通用するかどうか見てみたい気はする。



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