スマートフォンやタブレットは、急速にパソコンに取って代わる存在になりつつある。だが、さっと素早くメモを取りたいときは、やはり手書きが便利。そのため、手帳やノートとペンが手放せないという人は多いだろう。そんな人に提案したいのが、スマホやタブレットに“手書き”ができる「手書きアプリ」だ。
AndroidとiOSの両方で使えるものとして有名なのは「7notes」。これは手書き入力とキーボードによる文字入力が併用できる=画面写真〔1〕。また、このアプリには手書きした文字を“文字認識”してフォント変換する機能もある。とりあえず手書きし、後から“清書”(=変換)するという使い方をすれば、紙のノートに書いてパソコンで打ち直すという二度手間がなくなる。Android版は980円、iOS版はiPhone用が450円、iPad用が800円。いずれも無料の体験版がある。
同じく両OSで使えるものに「Skitch」(無料)がある。これは手書きしたメモをノート型データベースアプリ「Evernote」に取り込めるのが特徴。複数のパソコンやスマホ、タブレットで同じデータを共有できるEvernoteと連携できるので、外出先でスマホを使って書いたメモを会社のパソコンで確認するといったことが簡単にできる。
Skitch自体は、手書きの文字やイラストを保存できるツールで、写真や地図、ウェブサイトの画像をアプリに取り込んで、その上に直接書き込める=同〔2〕。地図の上に待ち合わせの時間やビル名、写真の上にメッセージなどを書き込める。書いたメモはEvernote内部に自動保存され、メールに添付することもできるので、表現の幅が広がる。
Evernoteと連携する手書きアプリには「Penultimate」(無料)もある。これはiPad用のアプリだが、前述の2つのアプリに比べて“手書きの味”を重視したアプリだ。標準で無地、けい線入り、方眼入りの背景が用意されており、さらに有料で五線譜やフォトアルバム、絵日記形式の用紙が選べる。
iPad内蔵のカメラで撮った写真や撮影済みの写真を取り込んでノート上に貼り付けたり、その上に文字を書き込むことも可能=同〔3〕。前述のSkitchが写真の中にメモを書き込む形式なのに対し、Penultimateではノートの中に写真も組み込むという方式だ。複数のページをまとめて1つのノートとして管理できるので、長めのメモに向いている。
代表的なアプリを3つ紹介したが、ほかにも多数の手書きアプリが公開されている。アプリ公開サイトの評価をもとに、いくつかダウンロードしてみて使いやすさを試してみてほしい。指で書くのが基本だが、文字を書く機会が多いなら、スタイラスペンを使うほうが書きやすいだろう。(松本佳代子)