安くて美味しいワインはどれ? 安旨ワインつれづれ(安旨ワインと日々の出来事)

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実録「地底超特急西へ」 リニア実験線試乗会搭乗記 ②

2018-08-06 01:12:45 | 日記
①よりつづく

※体験搭乗の際にもらった記念品

今回体験乗車した山梨実験線のほとんどがトンネルでした。建設が始まっている東京ー名古屋間も多くは地下を通るそうです。文字通りの「地底超特急」。
リニアの建設が伝えられたとき「地底超特急西へ」を思い出しました。
1966年に放映されたSFミステリー&ファンタジー番組「ウルトラQ」の一編。
1966年は「弾丸列車」とか「夢の超特急」とか言われた東海道新幹線が開業して間もない頃。"ひかり“が4時間弱で東京-大阪を結んでいました。また、国鉄ではリニアの基礎的研究が始まったころです。一般人はリニアなんて知らなかったし、研究していた人たちにとっても、まだ海のものとも山のものとも分からなかったでしょうね。
こんなころに、出来たばかりの新幹線をしのぐ未来の超特急の物語が作られたのです。



時速450kmで東京と北九州を3時間で結ぶ「地底超特急いなずま号」。その推進力は先頭車両のジェットエンジン!先ほども書いたようにリニアなんて思いもつかない時代の産物です。(しかし、これでトンネル内を高速走行した際の、騒音や排気ガスはどうするのでしょう)
この「いなずま号」のマスコミなどを招待した試運転で事件が起こります。



ひょんな事から、大阪に輸送される人工生命M1号のボンベ(確か高圧をかけて細胞が分裂しないようにしていた。見た感じはボンベというよりはカプセル)を入れたアタッシュケースがいなずま号に持ち込まれてしまいます。発車後に発覚し、先頭車両にある特殊な金庫に保管されることになります。保管前に、心無い記者がアタッシュケースを開けて、ストロボをたいて写真を撮ったため、これが刺激となり、保管された金庫のなかでM1号の細胞分裂が始まり、猿人のような姿(姿は何とも間抜けな風貌)になって現れます。



先頭車両の運動席で暴れるうちに電子頭脳(!)を破壊してしまったために、いなずま号は暴走を始め停められなくなってしまいます。
主人公の気転でジェットのついた先頭車両を切り離し列車部分は停止して乗客は全員助かったかと思ったら、先頭車両には、この試運転に潜り込んだ少年が一人取り残されていることが判明します。その頃、終点の北九州駅では暴走したいなずま号を止めるべく、車止め車両(というか重機。ちょっとサンダーバードにでも出てきそうなやつです)がスタンバイ。少年にはあの特殊金庫に避難するように指示が出ます。
そして、M1号と少年を載せ時速600Kmにまで加速した「いなずま号」が北九州駅に到達。車止めも、駅も、周辺の施設も破壊して大クラッシュ!
少年たちの命は?
なんと、大クラッシュの勢いで、M1号と少年の入った金庫は地球周回軌道に乗り無事(?)に人工衛星になってしまうと言う落ち。
確かこんな話でした。
SFとファンタジー的な要素が入ったいかにもウルトラQらしい作品。

この物語の中で、一番印象的に覚えているのが人工生命M1号でも最後の大クラッシュでもなく、物語の始めの頃に描かれた、地底超特急いなずま号が新東京駅の地下ホームに入線してくるシーン。招待客や違法に潜り込む者など様々な人が高揚感、わくわく感をもって車体を眺め乗り込むところです。子供心に羨ましくそのテレビの中の光景を眺めました。そして、まだできたての新幹線にさえ乗ったことがないのに、いつかこんな未来の列車に乗り込みたいと思ったものです。         

それから50年も経った今日、映像の中の人たちと同じように高揚感とわくわく感を持って、ボーディングブリッジを渡りリニアに乗り込みました。
私たち日本人は月まで人を送る度胸はないけれど生活に近い物の技術の開発には素晴らしい力を発揮してきました。賛否両論ありますが、そのひとつがこのリニア「地底超特急」なのです。


リニアの側面に書かれたL0系とは、旅客を乗せる営業車両の最初車両を意味し、これからL○○系といった新車両が登場してくるのでしょう。
まだ、“のぞみ"とか“ひかり"といった愛称はついていません。“いなずま"なんてついたら、ちょっと素敵かもね。
2027年、営業が始まったらさっそく名古屋まで「地底超特急」の旅を楽しみましょう。その時は人工生命M1号を乗せないように注意してね・・・





※追伸 気になるニュースがあります。イタリアで常温で磁気浮上による列車の技術、それも専用の路線を必要とせず既存のレールの上を走らせることのできるものが開発されたと言うのです。そのうえ時速500Kmも出せるのだとか。もし本当なら凄い技術のブレクスルーで、日本のリニアの行く末も左右しかねないことです。さて。

実録「地底超特急西へ」 リニア実験線試乗会搭乗記 ①

2018-08-02 18:32:04 | 日記
やっと抽選に当たったんですよ!
「超伝導リニア体験乗車」
何度応募したことか!

2027年品川ー名古屋開通を目指して建設が始まっていますが、その営業線の一部となる約42㌔の山梨実験線で、年数回体験乗車が行われています。


※体験搭乗で配られたリーフレットより


今日は待ちに待った当日。
中央本線大月駅からバスでリニア実験センターへ向かいました。

※大月駅前です


搭乗までまだ時間があるので、実験線沿いに作られた「わくわく山梨館」に入りました。リニアの記念グッズやおみやげがいっぱいあります。



中には甲州らしくワインも。リニアラベルの特別品もありましたが、2500円はちと高い。
他にもよく見る勝沼のワイナリーのワインが並んでいました。何もここで買っていく必要もないのでおみやげは無しで2階に上がりました。



2階は力の抜けた郷土紹介スペース。長居は無用です。

3階にはリニアを見ることができる展望室が。
少し先に、L0系が停車しています。車両の2ヶ所に乗降用の通路が空港のボーディングブリッジのように横の建物から伸びています。あそこから乗るんだな・・・



20分も経つとL0系が動き出しました。東京方面に向かい、その先から500Km走行を始め戻って来ます。その模様は館内のモニターに表示され、速度や現在位置がわかるようになっていました。



展望室前を一瞬で通過していきます。早い!

※体験乗車で配られたリーフレットから


       *

ここで、お腹がすいてきました。500Kmを体験する前に腹ごしらえと思ったら、ここにはレストラン等の施設がありません。あるのはわくわく山梨館の前に出ている2台の出店のみ。仕方なく富士宮焼きそばを購入。まぁご当地グルメといえばそうなんですが、具はキャベツだけの超シンプル品。お腹すくなー。



焼きそばランチの後は、お隣の「どきどきリニア館」へ。「わくわく」だったり「どきどき」だったり、両方とも山梨県立の施設なんですが、利用者としては、ちょっと恥ずかしい。



こちらは入館料がいるのですが、体験参加者は割り引きしてもらえました。割り引きしていただいて言うのもなんですが、こちらもリニアを間近で見ることができる展望室や展望デッキの他には魅力無しです。
実験車両のMLX01-2の実物の展示やリニアの解説、映画の上映、山梨とリニアのジオラマ等あるのですがどれも「どきどき」しないものばかり。むずかしいですよね、リニアだけの展示館んて。





でも、屋外の展望デッキから見るリニアは迫力満点。リニアをほぼ横から見る位置にあり、浮上していて物理的な摩擦音や機械音が無くても目の前を一瞬に通過していく数トンの塊の轟音と圧力は怖いほど。
同じ所で見ていた外人さんもポツリと一言“scared・・・"

       *

こうしているうちに搭乗の時間が近づいて来ました。「わくわく」や「どきどき」の館から少し離れたあのボーディングブリッジがあるJR東海の施設に向かいました。
入口で搭乗券を発券しオリエンテーションルームへ。ここで注意事項やリニアの説明を映像で受けて、いよいよリニアに乗り込みます。





車内は航空機並みに小さい窓以外は、見慣れた新幹線。



席に着くと、今回の走行の責任者らしき方(運転手は乗っていないだろうからコントロール室の人?)から飛行機の機長よろしくメッセージが入りました。
もう何年にもわたり、安全に走行を行っていますので安心して時速500kmをお楽しみ下さい、てな内容だったかな。

さぁ発車です。まずは座っている座席の向きと反対方向に滑り出しました(座席は固定されていす)。
すぐにトンネルに入ったので、トンネルの側面のライトしか見えません。速さがわかりづらい。
室内のモニターには時速と先頭にとりつけられたカメラからの映像が映し出されています。
直線のトンネルを疾走、速度がグングン上がって行きます。振動は新幹線700系と同じ感じです。
150Kmを越えた辺りで「浮上走行に移ります」とのアナウンスが。そのとたん振動と騒音のレベルがひとランク下がりました。しかし、浮遊感のようなものは感じられません。
でもこの後の加速が凄い。あっという間に新幹線レベルの200Km台に達しやがて300台に、モニターの数字はまだまだ上がって行きます。400台もかけあがり502Kmに。すぐに減速が始まり実験線の東の端に着きました。
さぁ、ここから実験線42㌔をフルで走り抜けます。浮上走行が始まり、200、300、400そして時速502Km。モニターの風景も400を越えると違ってきます。等間隔で付いているトンネル側面のライトが大げさに言うと帯のように切れがないように見えます。



トンネルの先が明るくなってきました。実験線で一番長い地上部分、あの「どきどき」や「わくわく」の館の前の直線に差し掛かるのです。
トンネルを出た!と思って、窓の外の景色に目をやるのですが、速さを確認するまもなくトンネルにまた入ってしまいました。
浮上走行でも振動はあるもので、線路を走っていると言われればそんなもんかなと思ってしまいそうです。ただ、大きな衝撃があるわけではありませんが、浮上走行からタイヤによる走行に戻るときは飛行機の着陸のようで今まで浮いていたことを改めて感じさせられました。
西の端に着くと折り返して再び走り始めました。500Kmの速度に慣れると、速度を上げる時に通過する新幹線の時速200Km台が遅く感じられます。
こうして実験線を1往復して体験走行が終わりました。



           *

大月駅まで帰りのバスの中でふと思いました。今日の体験走行は約30分。リニアが開業した際にはもう10分足して40分で名古屋まで着くんだぁ。
やっぱりすごい!

大月駅に着くと、忘れていたお腹がすいてきました。電車の時間まで少しあります。駅そばの「きらく」に入って、自家製かきあげとざる蕎麦を食べました。冷たくしめた蕎麦が美味しいかった!

②に続く