何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

にしんが鴨に化けたワン

2016-12-31 10:17:55 | 
毎年年末に知恩院をお参りする時、ワンコにお留守番をしてもらっていたので、今年は一緒に行こうと思っていたのだが、ちょっとした行き違いが大き目の感情の縺れとなり、まず私が計画から降りてしまった。

例年なら、①清水寺で「今年の一字」を見て、産寧坂の途中で「阿闍梨餅」を買い、高台寺の前をそぞろ歩き、八坂さんを参拝し、丸山公園を抜け知恩院へ至るか、②銀閣寺から哲学の道を歩き、永観堂・南禅寺を左手に見ながら知恩院へ至るか、いずれにせよ知恩院をお参りすることにしていた。
昨年はワンコと過ごすため、そもそも知恩院をお参りする計画はなかったので、今年はワンコも一緒にと考えていたし、それに打って付け?の本も読んでいたので、①の起点より南から上がっていこうか、などと計画を立てていたのだが・・・・。

「梅もどき」(諸田玲子)
本書の主人公は、父が石田光成側についたため敗者の姫となるだけでなく、その特別な血筋ゆえに数奇な人生を歩む、お梅という女性である。
関ヶ原の合戦後、お梅はごく少数の伴だけを従え、命と貞操を守るため大阪城から逃亡するが、頼みの綱の高台院に会えず途方に暮れているところを、茶屋四郎次郎に救われる、これがお梅の人生を変えた。
父亡き後を追おうとする お梅に茶屋四郎次郎は「生きろ」というだけでなく、徳川・豊臣両家の血を引くという特殊なお梅の血筋を「お家」のために活かすべきだと忠告する。それは、亡き父の菩提を弔いつつお家の再興を果たすべく、家康の側妾となるというものだった。
戦国の世なれば、ままあることなのだろうが、数奇な運命は、これだけに留まらない。
泣く泣く家康の側室になったにもかかわらず、暫くして お梅は、家康の命により、家康の家臣の本多正純に「下賜」される。そして数年後には、その本田が失脚し、終生軟禁状態の蟄居となってしまうのだ。

このように書くと、運命に翻弄される弱い女性が浮かび上がりそうだが、そうではない。
父亡き後、敵の大将の側室になるだけでなく その家臣に下賜されて尚、生きようとする強さを、’’しなやか’’と見るか ’’したたか’’と見るかは、読み手によるかもしれない。
私はと云うと、そのような強さがないことが、私の弱さだと思っている。

さて、この本を参考に京の都を歩こうと思ったのには訳があり、『此岸と彼岸の境目だという六道辻界隈の寺社』という件が目に留まり、ワンコを思いながら此岸と彼岸の境目という地を歩いてみようかと考えていたのだ。
だが、今はそこにワンコを連れて行ってあげられなかったことも、ワンコの意思だったかもしれないと思っている。
その地が歴史上果たしてきた役割を考えれば、優しいワンコと弱気な私が、中途半端に歩いてよい場所ではないと気付いたのだ。

かくして、知恩院お参りの後、四条界隈で美味しいニシン蕎麦を食べる計画もなくなり、掃除と買い出しの合間をぬって「どん兵衛 鴨だし蕎麦」をすすっている。

  

「奇跡を呼ぶ男 ワンコ」「聖地を歩く ワンコ」「一緒にお泊りだよ ワンコ」「穂高だけ ワンコだけ」

今年の夏、初めてワンコと一緒に大好きな安曇野を旅し蕎麦を食べたから、京の都でも一緒に食べたかったのだけど、
それは又のお楽しみだな ワンコ
今夜は、年越し蕎麦だよ ワンコ
いつも、お’’そば’’にと念じながら、一緒に食べようよ ワンコ

えっ何なに?
皆様にお礼を伝えて下さいって・・・
お空組では まるちゃん達によくしてもらい、小豆ちゃんママしゃんにはホタテお粥を御馳走になり、ワンコともども心から感謝しております。
このような出会いのおかげで、どれほど心が救われているかしれません。
本当に有難うございます。
時々は帰省してくれながらも、お空組の皆は仲良く、地上組の友達やご家族さんのお幸せを願っていると思います。
楽しく見守り、楽しく遊びに来てくれるように、良い年を重ねていきたいと思います。
そのためにも、これからもワンコともども宜しくお願い致します。

では、まったね~ 良いお年を!

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