何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

曲がり角の先の、好い日

2022-05-17 23:51:15 | ニュース

良識ある皇室の方々は、ご自分の意見や思いを伝える術をもたれない。
これだけ誰もがネットを介し好き放題言う時代なのだから、もう少し生のお声を拝聴する機会があってもという意見もあろうが、(最近自分の懇意の記者に自分勝手な自己都合的言い訳を書かせた方もおられるが、それをしてしまえば、もう中立も公正も公平もなく下手をすれば強権的な言論封じによる反発しか生じないので)特定の記者や特定の出版社やマスメディアを用いての情報発信をされてはお終いだ、とも私は思っている。

そんなことを考えていた時、タイムリーな記事を見つけた。

「“明日は好い日になる”と私も信じ…」 天皇陛下が“制約”の中で国民に訴えた意外な“言葉”  
文春オンライン 5月12日掲載https://bunshun.jp/articles/-/54165

「赤毛のアン」(モンゴメリ)より
「あら、早咲きの小さなばらが一輪咲いてるわ。美しいこと。
あの花は自分がばらなことをよろこんでるにちがいありませんわね? 
ばらが話せたらすてきじゃないかしら。きっと、すばらしく美しい話を聞かせてくれると思うわ」


「“明日は好い日になる”と私も信じ…」 天皇陛下が“制約”の中で国民に訴えた意外な“言葉”    
文春オンライン 5月12日掲載https://bunshun.jp/articles/-/54165


記事全般は、新型コロナに対するお言葉や対応について日本の皇室と海外の王室を比較し進められるが、制約が多いなか発せられるからこその天皇陛下の言葉の重みについて言及していることも、(皇室の方の言葉や活動を、自分の思想に都合よく利用するマスコミが多いなか)お誕生日や新年のお言葉そのものをひたすら丁寧に読み解くことで御意思を拝察しようとする姿勢も、私は共感できる。

記事(資料①)では、昨年のお誕生日会見での新型コロナに関する「今は確かに困難な日々を送らざるを得ませんが、一人一人が自分にできる感染防止対策を根気強く続けることで『明日は好い日になる』と私も信じ、そうなることを願わずにはいられません」というお言葉に注目している。

大木記者は、天皇陛下が前の御代のような「願う、希望する」ではなく、「信じる」という言葉を用いられることを挙げている。
確かに、「願う、希望する」というのは意図しようがすまいが、行動するのは希望された側でありそれが上手く運ぶよう高い処からご覧になっている、という雰囲気があるのかもしれない。一方「信じる」という言葉には、行動する側を強く信頼するという点など行動する側と信じる側とに強い一体感がある、のかもしれない。
が、私はもう少し単純で、本当に天皇陛下は、歴史に鑑み、国民がこの困難を乗り越えることが出来ると「信じ」ておられるのだと思う。
それは、同じ誕生日の会見のなかでも言及されている歴代天皇の御自跡や(資料②)、水の研究での論文や講義のなかで、何度も我が国が大災害や疫病を乗り越えてきたことに触れておられるからだ。
こういう時、歴史学者でもあられる天皇陛下を戴いていることや、長い歴史を持つ国であることの有難さを強く感じる。

確かに今は困難な時代を生きているが、もっと困難な時代を先人は立派に乗り越えてきた、その歴史を天皇陛下が示して下さることはなんと心強いことだろうか。

もう一つ、天皇陛下はイギリス人のトム・ムーア氏の言葉「明日は好い日になる」に共感され、その言葉を引用されているが、その言葉に共感されたのは、それが天皇陛下の信念だからに違いない、と、これは私が勝手に拝察している。

天皇陛下は皇太子時代にご臨席された青少年読書感想文全国コンクールの式典でも、皇太子としての最後の大学での講義の際にも、「赤毛のアン」(モンゴメリ)の言葉を引き、若者を励まされている。
「学校生活を送る中で、あるいは学校を卒業後も、さまざまな曲がり角に出会うでしょう」「その先にあるものがよいものであるという希望を持って、未知の世界に羽ばたいていっていただきたいと思います」
「曲がり角を曲がった先に何があるかは分からない。
 でもきっと一番良いものに違いない」


新型コロナは間違いなく時代の大きな曲がり角を形成する。
そして、大小さまざまな地震に見舞われている我が国は、新型コロナの先にも、何があるか分からないという大いなる不安をもっている。
しかし、艱難辛苦を乗り越えてきた長い歴史と先人の歩みを思えば、その先に一条の光を見出すことができる。

その道標を示して下さる天皇陛下を、私は信じている。

すずらん 
花言葉 再び幸せが訪れる

時は五月
赤毛のアンを思いだしたことにより、その最後に記されていた詩を思いだす。

「春の朝(あした)」
(ロバート・ブラウニング 上田敏訳・「海潮音」)

時は春、
日は朝、
朝は七時、
片岡に露みちて、
揚雲雀なのりいで、
蝸牛枝に這ひ、
神、そらに知ろしめす。
すべて世は事も無し。

全て世は事もなし

明日は好い日

 

資料① https://bunshun.jp/articles/-/54165
誕生日会見でのさらなる進化
新年ビデオメッセージから約2カ月後の記者会見でも「信じる」が使われた。陛下は再びコロナ禍について触れ、ある英国人の言葉を引用した。医療従事者支援のため、100歳の誕生日までに自宅の庭を歩いて100往復する活動により多額の寄付金を集めたトム・ムーアさんだ。陛下はこう語った。
「今は確かに困難な日々を送らざるを得ませんが、一人一人が自分にできる感染防止対策を根気強く続けることで『明日は好い日になる』と私も信じ、そうなることを願わずにはいられません」
事態の好転を「信じる」の主語は、ここでははっきりと「私」になっている。

資料②(令和3年 お誕生日会見より)
日本の歴史の中では,天変地異や疫病の蔓まん延など困難な時期が幾度もありました。これまでの歴代天皇のご事蹟せきをたどれば,天変地異等が続く不安定な世を鎮めたいとの思いを込めて奈良の大仏を作られた聖武天皇,疫病の収束を願って般若心経を書写された平安時代の嵯峨天皇に始まり,戦国時代の後奈良天皇,正親町天皇など歴代の天皇はその時代時代にあって,国民に寄り添うべく,思いを受け継ぎ,自らができることを成すよう努めてこられました。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本一の日、

2022-05-10 19:47:38 | ひとりごと

お誕生日のお祝いが二カ月以上遅れるのは失礼極まりないのだが、何分この二カ月以上ブログに触れる時間がなかったので仕方がない。
だが、この日のためにとっておきの写真がある。
ちょうど日本一の御方のお誕生日の頃に、日本一のお山の麓で撮ったお写真を頂いたのだ。

お代替わりに伴うお引越しなどのニュースも目に留まるので、少し記録しておきたい。

・天皇皇后両陛下と敬宮愛子内親王殿下のお住まい皇居の改修費用・・・8億7000万円

・前の天皇皇后両陛下のお代替わり伴うお住まいにかかる費用・・・合計約 12億 
 高松宮邸改修費 5億半ば 
 東宮御所を仙洞御所への改修費 6億4000万円      

・推定相続人一位のコーシ家・・・合計約 44億
 仮住まいを新築(3年滞在) 9億8000万円
 推定相続人就任につき増改築    33~34億         

 

令和の天皇皇后両陛下と敬宮さまがお住まいになる皇居の改修費 8億7000万年も決して安いものではないが、そこが天皇陛下がお住まいになられる場所であり、国内外からの要人とお会いになられる場で日本国の顔ともいうべき一番重要な場所だと考えれば、一番重きをおいた対応がされて然るべきだと私は思う。
しかし、実態は、
前の御代の方のお住まい関連に12億、暫定ご家族のお住まい関連に44億
にもかかわらず、令和のただお一人の皇女敬宮さまは、成人式のティアラ制作を(コロナ禍に苦しむ国民の生活に配慮して)辞退され、おばさまのお古を借りて式に臨まれた。
皇后陛下は皇太子妃の頃から25年ちかく着まわしておられる洋服がいくつも目に浮かぶ。

オカシイじゃないかと思うのだが、
天皇陛下が50歳のお誕生日に述べておられるお言葉が蘇ってくる。

お誕生日御会見より引用(引用する場合は、きちんとそれを書きませう)
(問1)50歳といえば、論語で「天命を知る」とされる年齢です。今の率直なお気持ち、公私両面での抱負をお聞かせください。昨年、天皇陛下が、中国国家副主席とご引見された際、天皇が行う国際親善、公務の在り方が議論となりました。皇室のご活動については、憲法で定める「国事行為」以外に明確には規定されておりません。「象徴天皇」の在り方を含めたご公務に対する考え方や、殿下が度々、語られてきた「時代に即した新しい公務」の現状と今後の取り組みについてお聞かせください。

 《皇太子さま》自分としては、もう50になったのかという感じがする一方で、まだまだ研鑽(けんさん)を積まないといけないという、これからだという思いがいたしております。
 ご質問の冒頭にあった「天命を知る」という孔子の言葉は、自分がこの世に生まれた使命を知るという意味ですが、単に知るだけではなく、この世のために生かす、つまり、人のために尽くすという意味を含んでいるように思います。孔子の言葉といいますと、確か天皇陛下が50歳になられた時の会見で、「夫子の道は忠恕(ちゅうじょ)のみ」との孔子の言葉で質問に答えていらっしゃいます。「忠恕」とは、自分自身の誠実さとそこから来る他人への思いやりのことであり、この精神は一人一人はもとより、日本国にとっても「忠恕」の生き方が非常に大切なのではないかとおっしゃっておられます。「忠恕」と「天命を知る」という教えに基づいて、他人への思いやりの心を持ちながら、世の中のため、あるいは人のために私としてできることをやっていきたいと改めて思っております。
 また、教えと言えば、大学卒業の会見の折にお話ししていることですが、歴代天皇のご事蹟を学ぶ中で、第95代の花園天皇が、当時の皇太子、後の光厳天皇にあてて書き残した書に、まず徳を積むことの重要性を説き、そのためには学問をしなければいけないと説いておられることに感銘を受けたことを思い出します。そして、花園天皇の言われる「学問」とは、単に博学になるということだけではなくて、人間として学ぶべき道義や礼儀をも含めての意味で使われた言葉です。私も、50歳になって改めて学ぶことの大切さを認識しています。
 

 

虚栄のために嘘を吐き、自己保身のために嘘を吐き、賞のために嘘を書き、言い訳のために嘘を書かせ、もはや自分が思うことしたいことが真実正しいと妄信しているような中にあっては、ガツンと一発意見することも必要だろうと自分などは思うのだが、四倍返しになる恐れもある……などというチンケなことなど忠恕の御心にはないのかもしれない。少しの歯がゆさを感じないでもないのだが、そんな思いを忘れさせてくれる言葉を見つけた。

「あきない世傳 金と銀 合流篇」(高田郁)

アホウだったり才覚はあるが冷酷だったり、善い人だが商売に不向きだったりと、とにかく暖簾を傾けるばかりの旦那たちを支え五鈴屋を守る主人公・幸と幸を慕う者たちの奮闘記を描く本書で繰り返される言葉がある。

『笑って勝ちにいきましょう』(『 』「あきない世傳 金と銀」より引用)

「笑う門に福だすで。せやさかい、笑いなはれ、盛大に笑いなはれ」という大番頭治兵衛の言葉は、幸だけでなく、読むたび私も気持ちを新たにさせられるのだが、10巻の本書にはもう一つ印象に残った言葉がある。

『「胸中に成竹あり」ていいますやろ。絵師が竹の絵を描く時、その胸の中に描き上がった絵が既にある。せやさかいに筆を取ったら迷いもなしに一気に描き上げることが出来るって』(『 』「あきない世傳 金と銀」より引用)

何十億もの費用を投じた場所に住まわなくとも、とっかえひっかえ衣装をかえなくとも、ピカピカの新しいティアラをつけなくとも、両陛下と敬宮様は人としてあるべき姿勢を明確に心に描いていらっしゃるのだろう。
忠恕すなわち誠実さと思いやり、それをただ頭で知るだけでなく、世の中に生かしていく。
学問は徳を積むためのものであり、道義や礼儀は生涯かけて学び続けるもの。

心にある、人としてのあるべき姿勢を実践されながらも、日々それを学びによって進化深化されている日本一のご家族。

インチキが横行するのを見せつけられるのは歯がいたらしいが、いつも穏やかで暖かな笑顔の両陛下と敬宮さまには、その笑顔のままに『笑って勝ちにいきましょう』となって頂きたい。

インチキとインチキ神輿が笑う世になれば、象徴は日本一のお山がよい。

 

お代替わりに伴う改修費用の記事
①ユミウリ https://www.yomiuri.co.jp/koushitsu/20210714-OYT1T50279/
新御所は1993年に在位中の上皇ご夫妻の住まいとして建設され、代替わりに伴ってご夫妻が東京・高輪に転居された後の昨年6月から今年6月まで改修工事が行われていた。
建物は鉄筋コンクリート造の地下1階、地上2階建てで、外国賓客らをもてなす接遇部分(630平方メートル)、ご一家の私室部分(970平方メートル)、側近らが業務を行う事務室部分(1480平方メートル)に分かれ、廊下などを含めた延べ面積は5290平方メートル。
改修工事では、老朽化した給排水管や電気設備の取り換え、内装のリフォームなどが行われたが、部屋の配置などは建設当初のまま引き継がれた。工事費用は、約8億7000万円だった。


②(平成の)両陛下仮住まい5億円台に https://www.asahi.com/articles/DA3S13574440.html
宮内庁は6日、天皇、皇后両陛下が退位後に仮住まいする東京都港区の高輪皇族邸(旧高松宮邸)の改修整備の経費について、当初予算額の8・4億円から5億円台半ばほどに大幅縮減される見通しと発表した。

③「仙洞御所」を報道陣に公開…私室部分はバリアフリー
https://www.yomiuri.co.jp/koushitsu/20220425-OYT1T50216/
工事費用は約6億4000万円となる見通し。


④秋篠宮家 仮新居は10億円!https://news.line.me/articles/oa-jisin/bb21e956d5b7
宮邸の隣に建設された御仮寓所は鉄筋コンクリート造り3階建て。延べ床面積は約1,378平方メートルで、建設費は約9億8千万円だ。
御仮寓所の建設費は9.8億円。引越し費用や備品代も含めれば10億円を超える。さらに秋篠宮邸の改修には33億円もの予算が計上されている。

⑤日本テレビでは、秋篠宮邸改修費を“34億円”と報道。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする