何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

夏越大赦によせ打つ柏手

2015-06-30 19:25:03 | ひとりごと
今年はじめに赤い砂漠から惨たらしい映像が届いたことが遠い過去のことに感じられるほどに、命が軽んじられる事件が続いており、親が子を子が親を手にかけるのも日常的なニュースになってしまった今日この頃だが、またロクでもない事件が起り、自然災害の危険が現実化してしまった。

<新幹線で火災、男女2人死亡 車内で油まく 複数けが>朝日新聞デジタル 6月30日(火)12時7分配信一部引用
30日午前11時半ごろ、神奈川県小田原市上町を走行中の東京発新大阪行きの東海道新幹線のぞみ225号(16両編成)の1号車内で出火し、緊急停止した。県警や消防によると、乗客のうち何者かが車内に液体をまいて火をつけたといい、全身にやけどを負った男と60歳くらいの女性の死亡を確認。ほか1人が重傷を負い、8人がけがをしているという。
JR東海や県警などによると、1号車の先頭付近で煙が上がった。トイレの非常ボタンが押されたため、運転士が車両を緊急停止し、警備会社などを通じて消防や警察に通報した。乗客からも午前11時49分ごろ、「男が灯油のような液体をまいて火をつけた」と110番通報があった。

<「水蒸気爆発」で地表を吹き飛ばした可能性> 読売新聞 6月30日(火)17時29分配信より一部引用
箱根山の大涌谷(おおわくだに)で発生したとみられる小規模噴火について、専門家は、地下の火山ガスによって熱せられた地下水が水蒸気となって地表を吹き飛ばす「水蒸気爆発」が起きたと見ている。
噴火の規模について、金子隆之・東京大助教(火山地質学)は「一連の火山活動から考えると、噴火は小規模にとどまっている」と見る。しかし「今後はより規模の大きな噴火が起きる可能性もあり、注意が必要だ」と警告する。
箱根山は約40万年前に活動を始めた。これまでの地質調査から、約6万6000年前には、火砕流が約60キロ離れた横浜市西部にも到達するほどの大規模な噴火を起こしている。約3000年前の水蒸気爆発では、山が崩れてその一部が川をせき止め、芦ノ湖ができた。最後の噴火は鎌倉時代の12~13世紀という。


自然が牙をむき人心が荒廃していくニュースばかりを見ていると、どうしようもなく遣る瀬無くなる。
ここらで空気を一新することはできないのだろうか。
今日は夏越大祓の日、宮中でも大赦の儀が執り行われている。
明日に向け再度読んでいる「天地明察」(冲方丁)に神道について書かれている箇所がある。

『左手は火足(ひたり)すなわち陽にして霊。
 右手は水極(みぎ)すなわち陰にして身。
 拍手とは、陰陽の調和、太陽と月の交錯、霊と肉体の一体化を意味し、火と水が交わり火水(かみ)となる。
 拍手は身たる右手を下げ、霊たる左手へと打つ。己の根本原理を霊主に定め、身従う。
 このとき火水は神に通じ、神性開顕(しんしょうかいけん)となって神意が降りる。
 手を鋭く打ち鳴らす音は天地開闢の音霊(おとだま)、無に宇宙が生まれる音である。
 それは天照大御神の再臨たる天磐戸開きの音に通じる。
 拍手をもって祈念するとき、そこに天地が開く。
 そして磐戸が開き、光明が溢れ出る。』

「二重の苦」どころか幾重にも覆いかぶさってくる苦難を祓うため、心を込めて柏手を打とうと思う。
そして明日には新しい暦とともに改め変わりて、光明が溢れはじめることを心から祈っている。

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二重の苦を祓え

2015-06-29 12:39:41 | ニュース
ギリシャのデフォルトが避けがたい状況となり、取り付け騒ぎも起こっているなか開いた東京株式市場。

<東京株、一時500円超安=ギリシャ懸念で急落> 時事通信 6月29日(月)9時12分配信より一部引用
週明け29日午前の東京株式市場は、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念の高まりを受けた売り注文が殺到し、全面安で始まった。日経平均株価の下げ幅は一時500円を超え、22日以来1週間ぶりに2万0100円台まで下落した。午前10時現在では、前週末比467円37銭安の2万0238円78銭。
 ユーロ圏が6月末に期限を迎えるギリシャ支援の延長を拒否したため、同国が借金を返せずデフォルトに陥る恐れが高まった。これを受け、欧州での経済活動や金融市場の混乱、世界的な景気悪化に対する懸念が強まり、投資家心理が急速に冷え込んだ。



「ブッラックマンデー」は有名だが今日も月曜日なので、諸々あった週末を受けて市場が開く月曜日は忌なのか? いや「暗黒の木曜日」というのもあったと思い、つまらない検索をしていると、どうも「29」という数字はよかなぬことを引き起こす日だという気がしてきた。

「暗黒の木曜日」が起こったのは1929年
最初の暴落がおこったのは10月24日(木曜日)だったが、壊滅的な暴落を引き起こしたのは28日と29日
この1週間の損失300億ドルは政府年間予算の10倍以上に相当し、第一次世界大戦でアメリカ合衆国が消費した金よりもはるかに多く、これが世界恐慌の発端となる。

1987年10月19日の「ブラックマンデー」は下落率としては「暗黒の木曜日」を上回ったが、日本においては金融当局の対応が適切で、実体経済に被害をもたらすことはないどころか、翌日には上昇幅で歴代一位となっている。

世界的同時株安の最近の例では「リーマンショック」があり、これが失われた10~20年に追い打ちをかけ日本経済を更なる後退に追いやったのは記憶に新しい。これもリーマンが破綻したのは9月15日であったが、株価に壊滅的影響を引き起こしたのが9月28~29日にかけてであった。

こうして見ると、少なくとも日本に長く悪影響を及ぼす発端は、いつも「29」という数字が関わっているように感じられるが、このような与太話を垂れ流してはいけないと、幸田真音氏「スケープゴート」のなかで言っている。
気鋭の女性経済学者が新内閣の目玉人事として金融庁の大臣に就任するなり起る取り付け騒ぎ。
初登頂から一夜明け、番記者による本格的な質疑応答をしている最中に飛び込んできた第一報に色めき立つ番記者たち。
番記者が求めるものは何なのか?
パニックに陥っている預金者を救済して不安を取り除くことなのか、それとも新米大臣を追い詰め惑わせ、記者の個人的溜飲を下げる事なのか。
主人公の新米金融担当大臣は『マスコミが真にめざし、優先させようとしているものは一体なんだ』と戸惑いながら、言う。
『歴史的に見ても、マスコミが煽り立てることで事態をさらに悪化させたケースも多々あるのは忘れないで下さい。ここは皆さんどうか冷静に、少なくともこれ以上群集心理を煽って、さらに風評被害を拡大させぬよう、各社で注意をお願いします』
すぐさま上がる『それは報道規制ですか?』との反論の声に応えて言う。
『それぞれの自覚と矜持の問題です』

「日本に悪影響を及ぼす29という数字」というのは株式市場についてばかりではない。
日本では、縁起物の正月用の餅を29日についてはならないとされているが、それは、二重の「苦」とも「苦」をつく、ともいわれるからだ。
そんな御託をここで書いたところで群集心理に何の影響も与えないので書き放題、といきたいが、「自覚と矜持の問題」とくれば口をつぐむしかない。

二重の苦を祓う清浄な風が吹くことを祈っている。

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祝速報 なでしこ上々

2015-06-28 07:50:15 | ニュース
<なでしこ速報>日本、豪州に1-0の快勝でベスト4進出! 6月28日(日)6時50分配信より一部引用
女子ワールドカップの決勝トーナメント準々決勝の日本対豪州が28日(現地時間27日)、カナダのエドモントンで行われ、日本が1-0で快勝、ベスト4進出を決めた。日本は、積極的なプレスで序盤からボールを支配。美しいパスワークで、かき回し、後半42分、途中から投入されていた岩淵が決勝ゴールを決めた。準決勝はイングランド対カナダとの勝者と7月2日(現地時間1日)に行われる。

今、東北大震災の被災地には雨が降り、土砂災害警戒情報が発令されている。
4年前、東日本大震災で打ちひしがれている日本と東北に、なでしこは元気をくれた。
なでしこの首尾上々のできは、日本に元気を与えてくれる。

頑張れ!なでしこ
頑張れ!日本 ニッポン
頑張れ!東北


<ワンコ上々>
実はこの数か月気になっていることがあった。
ワンコの右前脚の関節(肘)のあたりに小指の大きさで触れるものがあった。骨でなく皮膚表皮についている感じであることと柔らかいことをもって、悪いものではないと自分に信じ込ませていた。
先月狂犬病の注射の際に獣医さんに訊ねると、「脂肪でしょう」と言われ安心していたが、この2~3週間で固くなり表面外側に膨らんできたので、心配でたまらなかった。
哀切を帯びた鳴き声はやはり痴呆ではなく、どこか痛いのだろうか。
かといって齢80をこえ、おそらく全身麻酔での手術は難しく、痛みを止めるしか術はないのだろうかと、恐れ慄きながら昨日病院へ連れて行った。
細胞検査
獣医さん3人が代わる代わる顕微鏡を見て診断して下さった。
「良性腫瘍」
寝ている時に必ず床に接する部位なので(腫れがひどくなると)厄介で色々対応を考えなければならないが、ともかく良性腫瘍であり痛みはないとのこと。
・・・・・では、あの哀切なる鳴き声はやはり痴呆、か。
医師が「痴呆で」と説明される、その「痴呆」の言葉の度に医師の顔を見据えて吠え立てるワンコに、医師は苦笑され看護師さんは爆笑されるという和やかな診察風景に、一安心。

ワンコ上々

「エリゼ宮の食卓」(西川恵)上々>
「心をつかむ胃袋」で紹介した「ワイン外交の舞台裏」(手嶋龍一)で西川氏に関心をもち早速「エリゼ宮の食卓」を取り寄せ読んでみたが、面白い。
プロローグのっけから「メニューは雄弁である」とし、「食卓にこそ政治の極致がある」という仏・美食研究家の顰を紹介している。
メニューを決める際に重要な手掛かりとなるのは、ホストの客人に対する親近の度合い、客人の重要度、客人の政治的社会的地位と格付け、さらには序列など。これらを加味してメニューが決定される過程が書かれていて非常に面白い。
面白いのでザッと一気読みしてしまったが、ミッテラン元大統領が日本の皇室に深い敬意を払うきっかけとなったのが、1982年国賓として訪日された際の宮中晩餐会で、ある女性皇族と話したことにあるというのには驚いた。
大統領当選を果たし先進国では異例の長期政権となることが確かなものとなっていたミッテラン元大統領は、宮中晩餐会である女性皇族にこう語った。
『私としては本当は本を読んだり、ものを書いたりしたいのですが、残る6年の任期中、かごの鳥で我慢しなければなりません。これは個人的にはかなり辛い事です。』
この言葉を引き取った女性皇族、『では終生かごの鳥でいなければならない皇族の私は、どうしたらいいのでしょう』。
この女性皇族との会話から、ミッテラン大統領は美辞麗句やうわべだけの遣り取りでない真摯なものを感じ取り、日本の皇室と伝統や歴史に自分なりの認識を掴む契機となったと側近は語っているそうだ。

これ以後親日家となったミッテラン大統領以上に知日派親日派のシラク大統領は1997年皇太子ご夫妻をフランスに招待したが、男児出産を優先するという雰囲気に勝るとも劣らない「皇太子ご夫妻に(海外)活躍の場を与えたくない」思惑が働き、招待されたのは皇太子ご夫妻であるにもかかわらず派遣されたのは別の皇族という(招待した国に対し)失礼極まりない珍事まで起こっている。
しかし、中2にして英語をほぼマスターされた敬宮様は最近フランス語の勉強も始められたと報じられているので、いつか流暢なフランス語で真摯な会話を交わす食卓親善外交をなさる日がくると願っている。

大和撫子 敬宮様 上々

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命が始まる朝

2015-06-26 21:18:34 | ひとりごと
早朝、新聞受けに新聞をとりに出ると、門の脇で生まれたてでないにしろ、まだ一人で飛ぶことはできなさそうなヒナがうずくまっていた。
じっと見つめると、警戒することなくこちらを見つめ、小さな体の割には大きな口をあけ何かを訴えてくる。
これから本降りとなると予報がでている雨がポツポツと降り始めているので、怪我でもしているなら何とかしてあげたいと思いながらも、野生の鳥のヒナに安易に手を出して良いものか迷っていたら、大きな口でピヨピヨ鳴きはじめた。
すると、近くから優しさと警戒感と威嚇の三重奏のような力強い鳥の鳴き声が。
親鳥が近くにいる!
ならば私は離れた方が良いだろうが、最近近所をうろついている野良ネコに一瞬の隙でやられやしなかと内心ヒヤヒヤしながら家に入り、窓越しに見守っていた。
見守ること数分で、親鳥らしき鳥が飛来した。
親鳥は、翼で抱えるようにしながらヒナが自力で立ち上がるのを促し、ヒナが高く飛ぼうとしてはその度落下しそうになるのを(伴走ならぬ)伴飛び?しながら見守り、ついに親子して向いの家の庇に降り立った。

今日も濡れそぼる雨で肌寒く気持ちまで沈みがちだったが、清々しさと温かさで一杯になる光景に朝から出会い、「命が外の世界で営みを始める神秘と素晴らしさ、生きる力の逞しさ、親に愛されるべくして生まれてくる命」について語られた雅子妃殿下のお言葉を思い出したおかげで、週末金曜をもう一踏ん張りする元気をもらう素敵な朝の始まりとなった。


敬宮愛子内親王殿下御誕生についての御会見から一部引用
出産といいますか,子供の誕生というものは,本当に大きな感動に満ちたものだったと言えると思います。
無事に出産できましたときには,ほっといたしますと同時に,初めて私の胸元に連れてこられる生まれたての子供の姿を見て,本当に生まれてきてありがとうという気持ちで一杯になりました。今でも,その光景は,はっきりと目に焼き付いております。生命の誕生,初めておなかの中に小さな生命が宿って,育まれて,そして時が満ちると持てるだけの力を持って誕生してくる,そして,外の世界での営みを始めるということは,なんて神秘的で素晴らしいことなのかということを実感いたしました。
また,生まれたての子供の生きる力というのを目の当たりにいたしまして,子供っていうのは,変な言い方ですけれども,本当に生きるために,そして,親に愛されるべくして生まれてくるんだということを強く感じました。この懐妊の期間,そして出産に至るまで皇太子殿下には,その過程をすべて共有してくださって,近くで私を励まし,支え続けて下さったことに心から感謝を申し上げております。

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大和撫子の愛と勝利

2015-06-25 12:10:31 | ひとりごと
「心をつかむ胃袋」では、「女王陛下の外交戦略」(君塚隆一)にある「ホットドックとビールを食されたジョージ国王御夫妻」の話から、食事を共にする相手の国の文化に根差す料理を気持ちよく食すということは、相手国とその国民への友情と敬意を示すことになるのではないか、と書いた。

では、晩餐であれ午餐であれ食事会の(その場)を和やかに過ごすことが皇族方や王族方の最大にして唯一の仕事かと考えた時、「天皇の料理番(6/21)」のある場面を思い出す。
昭和天皇御即位の御大礼のための饗宴の儀のディナーを任された主人公秋山氏は、「陛下のために、国の威信のために絶対に失敗があってはならない」とメニューに悩む。
2000人の要人に、ともかく同じ品質の食事を同時に出さなければならないという点で頭が一杯な秋山は、大量の食材が揃いやすく、全ての料理人が知っている調理法からメニューを考える。
それでは、「大失敗は免るかもしれないが、記憶に残る料理にはならない、すなわち失敗ではないか」と再考を迫られる秋山に、昔の上司が「フランスでは何と習ったか?」とヒントを与える。
そこで秋山はフランスで尊敬していた料理長の言葉を思い出す。
「料理は音楽だ」と。

「料理は音楽」
とりあえず胃の腑に栄養分が収まれば良いという私の調理を音楽で語るなら、味はともかく手際よくリズミカルに段取りがはかどることをもって「ブラボー」となるが、そこは一流の料理人、一品一品に手塩をかけるだけでなく、それぞれがハーモニーを奏でる味わいが必要なのだと思われる、多分。
一流の料理人たちが、メニューの作成から調理まで時に威風堂々を頭に響かせながら(笑)心を込めて作った食事を、気持ちよく召し上がることだけが皇族や王族方の最高にして唯一の役目なのだろうか。

ここで思い出すのが「殿下の料理番~皇太子ご夫妻にお仕えして」(渡辺誠)にある、その名もずばり
「ミュージックメニュー」だ。
1995年、皇后陛下の還暦を祝う祝宴が東宮御所で行われるにあたり、雅子妃殿下と「殿下の料理番」である渡辺氏は綿密な相談を重ねておられた。
当時を振り返って渡辺氏は、『雅子妃殿下が御成婚から二年足らずで両陛下の御料理のお好みを完全に理解し、それに適したアドバイスをなさるのにも驚いたが、それと同時に驚かされたのが、雅子妃殿下が示された「ミュージックメニュー」の存在だった』と書いている。

「ミュージックメニュー」
食事会のテーマに合わせ、ゲストのお好みを組み入れ、更には料理とのアンサンブルを考え曲目や作曲者が選ばれるという。

皇后陛下の還暦のお祝いによせて雅子妃殿下が選ばれた「ミュージックメニュー」
エルガー作曲「愛のあいさつ」に始まり、皇后陛下の作詞による「ねむの木の子守歌」まで全9曲。

雅子妃殿下によって「ミュージックメニュー」について知った渡辺氏がご自分の不明を悔み、それ以後クラッシックの専門家である佐藤勝美氏について勉強され始めたことは立派で、渡辺氏のようなプロ意識の高い方を私は尊敬しているが、それはともかく、この雅子妃殿下の教養と優しい御心配りのエピソードから「皇族・王族方と食事」について考えてみる。

皇室や王族の方の食事の場が、共に食事する人への敬意や友情を示す役割を果たしているならば、食事会で気持ちよく過ごすことはもちろんだが、その食事会の準備段階から相手のことを思いながら関わるのが、一番誠意ある姿勢ではないだろうか。

今年3月30日、デンマーク皇太子ご夫妻が東宮御所を訪問された。
デンマーク皇太子ご夫妻をお迎えする車寄せに雅子妃殿下のお姿がなかったことから批判する向きもあったが、それは4時間にも及ぶ晩餐会に向け体調を整える必要がありカメラ撮影を遠慮されたのだという。この一点をもって批判するのは如何なものだろうか。
雅子妃殿下は、デンマーク皇太子ご夫妻の晩餐会のために、両殿下の食事の嗜好や宗教的な配慮について事前に外務省に問い合わせ、その情報をもとに大膳職の人達とメニューとワインを考え準備に備えておられたという。

カメラの前でニッコリするのも大事な仕事には違いないが、二か国の皇太子ご夫妻が共に食事をし友情と敬意を確かめられるとき、雅子妃殿下の優しさと配慮の行き届いた「おもてなし」は、カメラには映らないが確実に存在する大仕事であると思われる。
カメラに映らない雅子妃殿下のお姿といえば、東宮御所で祝宴が催されて忙しいときなど、雅子妃殿下は大膳職の方々とご一緒に皿洗いまでなさるという。

「やまとなでしこ」とは、見た目の清楚な美しさばかりを言うのではないはずだ。
誰が見ていなくとも、カメラがないところでも、誰にも理解されなくとも、成すべきことを成す奥ゆかしさを秘めていてこそ、真の大和撫子だと思う。
真の大和撫子である雅子妃殿下を信じている。
「撫子」とは撫でるように可愛がっている子、愛しい子という意味があるそうだが、雅子妃殿下が大切に育てておられる敬宮様を信じている。

真の大和撫子の愛と勝利を祈っている。

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