郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

暮らしの片すみ ④「郷土全協と二人の太郎」

2022年09月21日 | 日記

郷土全協的だなと思った二人の太郎がいる。

 

 

ひとりは岡本太郎

 

岡本太郎は、1970年の大阪万博のテーマ展示のプロデューサーを頼まれた時。

周囲は「そんなの受けない方が良い」と猛反対。

 

しかし、無茶なことこそ挑みたくなる太郎であった。

万博のシンボル展示として太郎はあの大屋根を突き破る「太陽の塔」を提案した。

 

しかし、その大屋根は著名な建築家、丹下健三デザインで重量計算も含め、すでに設計が出来上がっていた。

その大屋根に穴を開けるというのである。

もちろん周囲は猛反発。

 

360度全員反対、四面楚歌の嵐の中で岡本太郎はひとり根気強く自説を説明。

ついにゴーサインを得る。

 

かくして太郎は、万博テーマ「人類の進歩と調和(=日本が高度成長絶頂期で夢の未来を無邪気に信じていた)」に反対し挑むものとして、「太陽の塔」を造り上げてしまった。

 

「五重の塔ではない日本。ニューヨ-ク、パリの影でない日本」、「縄文の心(=日本人の中に今も宿っている原始のたくましさと豊かさ、ふつふつとたぎる生命力)」を呼び覚まし、時空を超えた絶対感として、「太陽の塔」をドカンと突っ立たせたのである。

 

 

もうひとりは山本太郎

 

私は先日の参院選挙時、彼の街頭演説を聞きに行った。

演説中、ヤジが飛んだ。

山本太郎はスタッフに「マイクを貸してあげて」と、そのヤジを放った人にマイクでしゃべらせた。

ヤジの彼との認識の違いを話題にしようとしたのだろう。

 

街頭演説の終了後は聴衆からの質問コーナーとして時間を取っていた。

時には「議員辞めろ」の罵声も浴びることもある。

彼は、「そんなあなたも守りたい」と応えたという。

 

故安倍元首相がヤジを放つ人々に対し、「こんな人たちに負けるわけにはいかないのです」と警官に取り締まらせたのとは心の開き方が180度違う。

 

 

 

この二人の太郎は、「意見の違い」に目を背けず、相手とことばを交わし合い、互いに近づいていこうとしていた。

これぞ郷土全協的だ。

 

杉並区長に初当選した岸本聡子氏も「自分に票を入れなかった人々の意見も聞きたい」と対話重視の姿勢を打ち出している。

この人も全協的だ。

                                   

-K.I-


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