はじめまして

今回、新しくブログを開設しました。

舳倉島4日目 島を去る日になりました。

2008-05-10 15:53:45 | Weblog

4月28日(月)  晴れ
 星も無き 百里の空を 鳥帰る と詠みました。

 鳥帰る は春の季語で、 鳥渡る は秋の季語になって
いますが、何が根拠になっているのか俳句の世界は不思議
です。どちらが、本拠地になっているかで帰る、とも渡る
ともなることでしょうに、鳥の種類によってどちらかに決
まると思いますが、俳句では種類を問わないようです。

 さて、何時ものように4時半起床。5時出発です。

 出掛けて間もなく空に7羽のゴイサギが飛んで来ました。




 柵の上でアオジが囀っていました。朝日に映えて黄色が
はっきりしましたが、写真ではそれほどでなくなりました。


 今回珍しくルリビタキの♂がいました。


 水場から電波中継塔へ抜ける道の三叉路でムギマキを探した
が居ませんでした。その替わりマミジロキビタキ♀幼鳥が見ら
れました。アオバズクは何処かへ飛んだようです。




 後ろ姿で見ると左右の翼帯に白い斑があり、尾羽の付け根
に赤い部分がかすかに見られます。これが特徴です。
 同じ所でいろいろとポーズをしてくれたので判りました。


 水たまりにルリビタキの♂が来ました。一度見ると良く出る
ようになります。


 水場から学校の校庭に出る。同行のKさんが、昨日この校庭
で見た鳥がどうも納得いかないと言うので再確認する。


 ツグミのようでは有るが、どうも納得出来ません。
 いろいろと協議し、他のバーダーの意見も聞くと
ノドグロツグミの亜種でノドアカツグミとなりました。
 半信半疑ながら納得して宿に戻りました。

 校庭にはアマサギとノビタキが遊んでいました。
 アマサギは3羽でした。


 ノビタキは何処でも見られました。♀です。


 7時に宿に戻り朝食。8時半に再出発します。最後です。

 3日間泊まった民宿 つかさ です。島には2軒だけです。
 他も似たような家です。私は毎度この、つかさ に世話に
なっています。


 噂に聞いている鳥がなかなか見つかりません。最後の機会
に賭けます。
 噂の鳥は、セイタカシギ、ミゾゴイ、ツリスガラ、
タイワンハクセキレイ、キョウジョシギ、マミジロ、
ギンムクドリ、コムクドリ、ヤツガシラです。

 このうち、セイタカシギ、タイワンハクセキレイ、
キョウジョシキ゛は海岸の方で粘れば見られるでしょうが
時間がありません。ツリスガラは小さくて葦原の中なので
余程運が良くなければ無理です。
 ミゾゴイも夜行性ですから、葦原から何か気が向いて出
て来ない限り難しいです。マミジロも暗い場所が好きです。
 ギンムクドリは我々が来る前の情報なので、もう旅立っ
たようです。
 残りはヤツガシラぐらいです。

 宿の前から海岸に向かい、砂利置き場へ行って見ます。
 何と無く予感がしました。
 暫く探していると、居ました。やっと一種類だけ噂の
鳥を見つけました。ヤツガシラです。






 頭の冠毛が興奮したり、驚いたりすると前後に開いて
黒い筋が7~9条現れるので、この名があるようです。
 日本には江戸時代から見られて居ますが、数は少ない
ので珍鳥の部類です。体長26Cmのやや大きい鳥で、
居れば目立ちます。北朝鮮から中国にかけてユーラシア
大陸で繁殖し、冬は南方で越冬します。
 舳倉島では、シンボルのような鳥ですが姿形が変わっ
ています。地面をほじくって昆虫やみみず等を食べます。






 無線塔の広場の餌場にコルリが来ていました。


 そしてお馴染みになった日の丸ことノゴマも常連顔で
現れました。


 学校の校庭に出て、もう一度ノドアカツグミを確認し
ます。




 心持ち喉が赤いようです。



 10時20分になると、輪島ー舳倉島の連絡船が入港して
来ました。約100Tの船が波をかき分けて来ました。
 これで今日も無事に予定通り帰れそうです。

 標高13mの校庭から400mm望遠で撮りました。


 水場に行くとヤマガラが居ただけでした。


 ヤマガラは何とも写真写りの悪い鳥です。

 西海岸の岩場でダイサギとアオサギが仲良く並んでいます。


 岩場だけに打ち寄せる波が強く当たります。
 草地を歩くとマヒワの♀が、飛び跳ねていました。


 シロハラホオジロが名前の通りの白いお腹を見せて
枝に止まって呉れました。


 船は15時に出航するので、12時に宿に戻り、最後の
昼食、精算、荷物纏めをして14時、リヤカーに荷物を載
せて港へ向かいます。海は静かなようです。助かります。





 15時少し前にタラップを揚げて出港しました。
 10分経つと、低い島が全部見えます。


 15分後です。これ以上になると灯台しか見えません。
 低い低い島です。温暖化で海水位が上がると、もっと島
が小さくなってしまいそうです。


 出港後50分で右舷に七つ島が見えて来ました。無人島
ですが灯台が有り、オオミズナギドリの繁殖地です。



 往きには少なかった海鳥が今度は沢山飛んだり浮いたり
していました。
 オオミズナギドリのピンボケ写真です。


 復路も輪島に着くまで、デッキにいました。
 今回も船酔いの薬が無駄になりました。
 16時30分、無事定時に入港です。
 
 港から歩いて5分もしない、これも定宿へ向かいます。

 空には相変わらずミサゴが飛んでいます。


 ミサゴは♂54Cm、♀64Cmの体長で翼を拡げる
と、155~175Cmも有り、トビより少し小ぶりで
魚が常食です。そして一年中見られます。

 見ていると変わった鷲鷹がカラスに追われています。
 ケアシノスリでした。ミサゴの♂くらいの大きさです。
 冬の鳥でカムチャッカからベーリング海、シベリアで
繁殖します。




 これで舳倉島の探鳥が終わりました。次は何時来れる
か、これが最後かも知れません。

 七回の舳倉島探鳥では多くの珍しい鳥が見られました。

 然し、その影には多くの痛ましい姿もあります。
 与えられた本能とは言え、大変な苦難を背負って種の
保存と繁殖に一生を捧げている、いたいけな小鳥たちの
懸命な努力には学ぶべきものが有ります。