はじめまして

今回、新しくブログを開設しました。

ホシガラス北海道へ その5 20日以降編

2010-06-28 17:05:11 | Weblog
 20日は朝2時半に起きて秘密の探鳥をしましたので4時頃朝帰りして、二度寝
をしました。その為、本当に起きたのは6時半でした。

 折りから同宿となった日本野鳥の会 東京の一行23名と大広間での朝食となり
ました。

 フェリーの出航は10時25分なので、鳥見も中途半端です。ぶらぶらと過ごし
ます。野鳥の会の人は、近くにアリスイを探しに行きました。
 窓から見ていると港内でウニを採っています。器用に脚で船を漕ぎ箱眼鏡で覗き
長い竿で突いています。



 9時40分に宿の人に見送られて港に向かいました。我々の乗るフェリーが
入港して来ます。



 定時に出航です。宿の人や、お店の人がテープを持って見送っています。



 船は静かに岸壁を離れました。今日も波は静かです。
 オオセグロカモメが飛んで行きます。



 間もなく焼尻港に入りました。港内にウトウの番い?が、のんびりと浮いて
います。新婚カップルかも知れません。



 ウミウが慌ただしく飛び立ちます。緊急事態発生でしょうか?



 曇り空ながら静かな航海です。12時05分に羽幌港に入りました。
 同行の女性二人が所用で今日の便で帰宅するので、時間稼ぎの為、クルマの中で
昼食を摂る事になり、近くのコンビニで仕入れます。

 留萌の手前から往路に来た道を逆行し無料の高速道路に入ります。
 留萌から少し走った幌糠で小休憩です。

 留萌本線のたった一両の電車が通って行きます。



 14時半頃、深川から道央道に入り時間があるので野幌森林公園に寄ることに
しました。
 クルマの少ない道央道です。



 江別西ICから一般道に出ます。15時33分に野幌森林公園に到着しました。
 園内は濃緑の林になっていました。林内を散策する人、ジョギングする人、我々
のように探鳥する人など思い思いにこの公園を楽しんでいます。

 私が、この近くに居た昭和20年代では野幌原始林と言って今の何倍もの広大な
森林でしたが、周辺の開発が進み今では何分の一かになってしまいました。
 それでも園内を回ると一日では出来ない広さです。多少の起伏があるもののほぼ
平地です。

 エゾハルゼミが盛んに鳴いています。キビタキの声が甲高く聞こえます。アオジ、
ニュウナイスズメ、カワラヒワ、クロツグミぐらいでした。

 時間が無いので一時間程で引き揚げました。途中で出逢ったバーダーさんに聞く
とエゾフクロウも居るとの事でしたが諦めました。

 再び一般道を走り千歳空港に17時40分に着き、お二人と別れました。

 千歳市街に戻り、今日の宿探しです。今回の探鳥の主要部分は今日で終わりなの
で本来なら今日のフェリーで帰りたい所ですが、日曜日は運行していないので予定
通り明日のフエリーになりました。

 千歳市街では直ぐにホテルが見つかり、シングル3部屋を確保しました。

 フロントの可愛い受付さんに食事の店を教えて貰い出掛けると又、可愛い仲居
さんの接待で気持ちよく飲み食べして2時間を過ごしホテルに戻りました。

 21日 曇りです。

 7時にバイキング形式の朝食を済ませ、8時12分ホテルを出ました。

 今日は夕方のフェリーに乗る迄の間、出来るだけ回る事にしました。
 先ず、千歳の東に位置する、長都沼(オサツヌマ)へ行きます。

 20分で着きました。農地の中にある川と言いますか沼でもありそうな細長い
水路です。明治の頃は屡々溢れて農作物の被害があったようです。

 観察用の四阿が設置されています。



 旅立ち遅れたコハクチョウとマガンがいます。コハクチョウは羽を痛めている
ようです。仲間が来るまで待つのでしょう。



 マガンは一羽です。何か旅立て無い事情があったのでしょう。渡り鳥の中には
良く有る事ですが秋になって無事に家族や友達と一緒になれれば良いと念じます。



 周囲には広い農地が拡がります。防風林を設けて北海道特有の景色です。



 ここでは二時間程、本当にのんびりと過ごしました。18時までたっぷりと時間
があります。

 遠くの梢で、カッコウがしきりと啼いています。広い風景で聴くカッコウは格別
です。富士山にツキミソウが似合うように、さいはての原野にカッコウは良く合い
ます。さしはての寂しさを強調しているような鳴き声です。それにツツドリが加わる
と更に寂しさが増します。

 カッコウもツツドリも他の鳥に託卵して本当は寂しいのです、その為に子供を
案じて何時も啼いているのだと思います。

 たっぷりと南石狩の原野で新鮮な空気を満喫して次はウトナイ湖へ向かいました。

 月曜日なのでネイチャーセンターは休みなので勝手に湖畔の林内を歩きます。

 シマアオジの径とありますが、今ではシマアオジの居た径になりました。
 私が最初にシマアオジを見たのは、このウトナイ湖で90年6月でした。

 途中で良く喋る地元らしいバーダーさんに会いましたが、羨ましい話ばかりで
時間の無い我々には耳に毒でした。

 湖畔に出るとオジロワシが飛んで来ました。



 何時見ても北の大地の猛禽を象徴する素敵な雄姿です。
 林内では、センダイムシクイのチヨチヨビーの声が盛んでした。焼酎一杯グィー
と言って宴会でもしているようです。湖畔の葦原ではコヨシキリです。



 1時間半ほど歩き回り12時35分にウトナイ湖を後にして近くで昼食を済ませ
もう一度勇払原野へ行って見ました。
 前回と変わり映えしません。水路にウトナイ湖から飛来したであろうコブハクチョウ
二羽が居ました。



 嘗て、某製紙メーカーの構内に小さな切り立った丘があり、そこに無数の
ショウドウツバメのコロニーがありましたので、一応探しに行って見ました。
 その工場も今では社名も変わり、当時有名だったゴルフ場も跡形もなく消え
丘も無くなっていました。

 海岸線を走る国道から別の勇払原野に入って見ました。ここでもノビタキ
です。



 もう既にこの鳥も、最初に予想した通り今ではノビタキかー、になってしまいま
した。それでも写したくなります。

 原野にはセンダイハギの群落がありました。



 ノゴマも現れました。もう見慣れた鳥です。



 オオジシギが三カ所で鳴き交わしていました。草原の鳥の揃い踏みです。



 日高本線もたった一両で走り過ぎて行きます。苫小牧から様似間を走りますが
直通は日に5本です。



 何か飛んで来たと思うとベニマシコです。







 名前の通りの朱が目立ちます。一渉り歩き回りましたが気になるのはここにも
開発の手が伸びて開発業者の看板が目立ち、所々に地割りをして柵を巡らしている
区域があります。そして気になるのは各所に大型ゴミが捨てられています。

 この自然豊富な原野が何時まで残されるのでしょうか?そんなに開発が必要なのか
大きな疑問を感じます。
 この次ぎに訪れた時はどんなになっているでしょうか寂しい思いです。

 帰りがけにコムクドリが道路に降りて来ました。



 16時近くですが、まだ時間がありますので、もう一度ウトナイ湖の南岸へ
行って見ました。コブハクチョウは先ほど勇払で見たので矢張りここには居ません。
 湖面には数羽のカルガモが居るだけでした。

 湖岸に鳥に餌をやらないで下さいとの苫小牧市の立て札が立っている傍で何かの
餌がポリ袋に入って2袋100円で無人販売していました。
 或いは鯉の餌かも知れませんが、パン屑にピーナツみたいな物が混じっているので
鯉に与えても水鳥も食べる事でしょう。おかしな話です。

 子供連れの親が当然のように買って湖岸へ行きました。



 原野の事と言い、この事を見て複雑な思いを抱きながら17時近く立ち去りました。

 18時にサンフラワーさつぽろ に乗船しました。18時45分に出航しました。
 後は寝るだけです。

 22日 曇り空です。

 6時20分に起きて甲板に出ると霧はありませんが曇っているので遠くは霞の
中です。それでも往路の霧よりはましで明るい海です。金華山沖のようです。

 遠くにミズナギドリの類が飛んでいます。遠いので種別の断定は出来ませんが
殆どがオオミズナギドリとハシボソミズナギドリと思います。



 時折10頭ほどのキタオットセイの群れが船と平行して海面を飛び跳ねて
行きます。このオットセイは通称トッカリと言われています。残念ながら写真には
撮れませんでした。

 海は静かです。船の周辺も細かい波紋だけです。



 対象的に船側は大きな波しぶきが上がっています。



 順調な航海が終わり14時に無事、大洗港に入港しました。
 直ぐには下船出来ず、まずはトラックからです。14時25分に漸く船外に
出ました。後は、大洗ICを14時40分に入り一路、常磐道を走ります。

 谷和原付近で事故があり25分程のろのろ運転です。トラックが一台横転して
フロントガラスが滅茶滅茶になっていて傍でドライバーが担架に乗せられて
いました。恐らく居眠り運転では無いかと我が方のドライバーは言っていました。
 恐ろしいことです。

 15時50分に守谷SAで小休憩しただけで17時40分に藤沢に戻りました。

 総走行距離1310Km 使用したガソリンはハイオクで156.21㍑
1㍑当たり8.4Kmでした。

 私は終始乗せて頂くだけの身分ですが全行程を運転されたM氏とS氏には
心から感謝申し上げます。

 今回の探鳥は全部で63種でした。原野と草原が主体なので、この時期として
こんなものでしょう。特筆は、シマアオジ、キマユツメナガセキレイ、ウトウ、
ケイマフリでしょう。ウミガラスが入らないのが残念でした。

 又の機会を待つ事にして今回の探鳥記は、この辺で完結とします。

 ご覧頂いた方には感謝申し上げますと共に、ご感想のコメントを頂ければ
更に嬉しく思います。


ホシガラス北海道へ その4 19日編  続き

2010-06-27 14:49:11 | Weblog
 天売島には今回含めて95年以来5回訪れていますが何れも、徒歩です。
 今回はM氏の好意でクルマ持ち込みなので行動が楽です。

 島にはレンタカーも有りますが、一時間で3,300円もしますから、
8時間で26,400円になり4人乗りでは一人4,400円の負担です。
 もっとも唯の観光なら一周13Kmですから一時間も回れば充分なので
レンタカーも利用価値あるかも知れません。

 さて、最初にウトウの巣が有る場所へ行きます。イタドリの群落が切れた
海に面した斜面に無数の穴があります。この穴の奧に雛がいますが余り深く
ないようです。
 何かの気配で口の近くまで出てくる雛をハシブトガラスやウミネコが狙い
ます。以前、そんな場面を見た事があります。

 ウトウの卵は一つしか産みませんから親は一瞬にして子を失います。
 そんな点でもウトウは可哀想な鳥です。それだけに60万羽も集まり生存
を助けているのです。



 露出している斜面は下町的で、経験の低いウトウが巣にしますが、ビバリーヒルズ
と言われる高台のイタドリの群落は、ウミネコに襲われる事も無く安泰です。
 狭い天売島では60万羽もいては、矢張り住宅難のようです。

 内地ではニッコウキスゲと言われ、こちらではエゾカンゾウです。北海道の原野
では、どこででも見られます。



 昨年は数羽しか見られなかったノゴマが、今年は良く見られます。



 コムクドリも出て呉れました。



 断崖では、ウミネコが繁殖しますが、今年はどこへ行っても例年のように蝟集
するウミネコが見られません。ここでもウミネコの姿が少ないです。



 花も礼文島ほどでは有りませんが良く見られました。
 フウロソウの仲間と思いますが詳しくはわかりません。チシマフウロかも
知れません。



 この白い花も一度聞いてメモしましたが、そのメモを紛失して判らなくなりました。
 オドリコソウでしたでしょうか?



 何れも、植物に詳しいご親切な方のご教示を待ちます。宜しくお願い致します。

 又、ノゴマです。カワセミ同様、何回見ても撮りたくなります。



 北の大地を代表するハマナスで、この花を見ると知床旅情を想い出します。



 私たちはクルマから降りたり乗ったりしてゆっくりと島を一周しましたが、
途中で13Kmの一周コースを一人で歩く若い(?)女性と後先になりました。

 元気で良いなーと思いましたが、15年前今は故人となった北海道の友人と
同じ道を難なく歩いたものです。01年にも歩いているので若い事は良いものです。

 3時間ほど島内をゆっくり回り15時50分、今日の宿である島の宿ホテル大一
に入りました。暑い日で気温は25℃を超しているでしょう。

 丁度、フェリーが入港して来ました。のどかな島の風景です。



 早めの夕食をしてから19時過ぎに、ウトウの帰巣を見に出掛けます。
 島内のホテル・旅館・民宿では宿泊するお客さんの為に巡回バスを出して案内
していますが、我々は別行動で自前のクルマで出掛けます。

 10分程で到着すると、既に帰巣が始まっていました。海面にはゴマを撒いた
ように60万羽のウトウが漂っています。
 余りの壮観にカメラを持出すのも忘れるほどです。

 巣の回りではウミネコが待ちかまえています。



 時折、口に餌を銜えたウトウが来ると一斉に飛びかかり奪い合います。
 ウトウが無事に穴に入ると見物人から一斉に拍手が湧きます。







 19時半を過ぎると北海道といえども暗くなり写真は無理になりました。
 半月が出ているので感度を上げてマニュアルで撮りますが矢張り無理でした。

 辛うじて、それらしき姿が写っている程度です。ストロボは持参しませんが
余りストロボを発光させることによりウトウに危害を与える事も考えなければ
なりません。ネイチャーフォトは自然であるべきです。

 懐中電気の灯りだけで撮った画像です。





 一般客は20時に引き揚げましたが、我々は21時近くまで観ていました。
 その頃になると、とっぷりと暮れて街灯も無い所なので月灯りだけでは何も
見えません。やむなく引き揚げました。
 それでもウトウとウミネコの争いは続いています。

 クルマのライトに向かって飛んで来るウトウもいます。







 島の道路は狭いので来た道を帰れません。一方通行で進みますので夜道を一周
して宿に戻ります。

 かくして久々に晴天に恵まれた19日も終わりました。帰る日も近くなりました。

 今回の目的である、シマアオジとウトウを堪能とまで行かなくてもまずまず
見られた事で満足です。

 まだまだ先は長いです。


ホシガラス北海道へ その4 19日編

2010-06-27 11:08:17 | Weblog
 6月19日

 旅に出ると嬉しいのか何か判りませんが早くに目が覚めます。この日も既に6日目
を迎えているのにも拘わらず4時半に起き出しました。
 自宅ではまだ熟睡の時間です。
 外を見ると、やっと晴れました。爽やかです。風もありません。海も静かです。



 港では焼尻・天売島への連絡フェリーが待機しています。

 7時にバイキングの朝食を済ませて、8時に港へ行きます。港には巨大なウミガラス
の像が立っています。嘗て、天売島はウミガラスが観光の目玉でした。



 乗船手続きをして8時15分に、おろろん号に乗り込みました。
 8時30分、定時に出航です。マストにオオセグロカモメが止まっています。



 港外に出ても波は無く湖水のようです。羽幌の町が遠ざかり泊まったサンセット
プラザが霞んで見えます。



 気温は高く20℃前後でしょうか?何時もならやがて利尻島が見えるのですが
暑いので遠くは靄で煙っています。然し、これまでの悪天候を思えば有り難い事
です。心も晴れ晴れとします。

 海面近くを黒い水鳥が飛んで行きます。大きさから見て、フルマカモメか
アナドリの感じですが、断定出来ません。







 翼の色と形からフルマカモメと思いますが、誰方か断定して下されば幸甚です。

 ウミウが勢いよく海面から飛び立ちました。



 羽幌へ向かう高速船と行き交いました。フェリーと違って小型ですがスピード
が有ります。反面、揺れはきついです。

 

 出航して40分もすると焼尻島が見えて来ました。


 
 9時25分、入港し多くの客が下船しました。日帰りの観光客のようです。
 15分の後、出航しました。天売島は直ぐです。



 途中で、ケイマフリを見ました。ケイマフリは、赤い脚をしています。
 アイヌ語で、ケマは脚でフレは赤を言いますので、ケマフレから日本語的に
ケイマフリになったと言われています。北東北以北で繁殖し、それ以南では
冬鳥として南下しますが、その数は少なく珍鳥の部類に属します。
 飛ぶと赤い脚が目立ちますが浮いている時は残念ながら見えません。
 顔が白く、脚が赤い事から紅白で目出度いとされています。



 又、ウミウが飛び立ちます。大きいので迫力があります。



 ウミスズメが泳いで行きます。



 10時05分、天売港に入港しました。港からは焼尻島が見えます。



 毎回、天売島に来ると一周する観光船に乗る事にしていますが、お客さんが多い
と左側の窓際の席が取れないので今回も様子を見ていると我々を含めて8人との事
なので直ぐに乗る事にしました。10時20分に動き出しました。

 私の前の席には船長さんの息子さんの坊や(小学2年生)が友達と一緒に乗り込み
何やかやと可愛らしく説明して呉れます。島の純朴な子供さんは本当に可愛いです。

 島の北側を回ると先ずウミスズメです。





 ウミネコが群れています。このウミネコ達が夕方になると60万羽のウトウが
雛に持ち帰る餌を奪う為に待ちかまえるのです。
 ウミネコは海に潜る事が出来ないので海中に居る美味しい魚が食べられない為、
ウトウの持ち帰る魚に魅力があるのでしょう。
 ウミネコも生きなければならないとは言うものの、奪われるウトウに同情して
しまいます。

 ウトウとケイマフリが見えます。上がウトウで下のぼけているのがケイマフリ
です。



 ウトウです。ウミスズメ科の体長38Cmでキジバトより少し大きめの水鳥です。
 漢字では善知鳥と書きますが、何故これをウトウと読むのか判りません。
 嘴の所の突起がアイヌ語で、ウト と言うのでその名が付いたと言う説と、北陸
東北地方で出崎を、うと と言う所からとの説もあります。
 何れにしても突起が命名の基になっているようです。

 又、謡曲『善知鳥』では、ウトウの親は巣に戻るとウトウと言って雛に呼びかけ
ヤスカタと応えると安心して巣に入るのを見ていた猟師が、真似して雛が獲られる
と親は血の涙を流すと言われていますが、ウトウはウトウともヤスカタとも啼きま
せん。
 ウトウと言う呼び名は、江戸後期の滝沢馬琴の随筆にも出ているので古くから
呼ばれていたようです。



 ケイマフリですが、残念ながら赤い脚は水中に隠れています。



 船が進むとウトウの群れが見えて来ます。ガイドさんが今日は海が静かなので
沢山出ていますと説明しました。ラッキーです。今までのロスを取り戻した感じ
です。



 岩に上がっているウトウもいます。





 島の南西部の屏風岩が見えて来ました。嘗ては、この岩とその先の赤岩は
オロロン鳥と言われるウミガラスの大コロニーで数万羽が棲息していました。
 現在は、10数羽が細々と棲息しているだけです。



 ゴマフアザラシの群れも現れ好奇な目で我々を眺めています。





 本物のウミガラスは見られませんが、デコイは沢山設置されています。
 中に動きが有れば喊声ですが、双眼鏡で詳しく見ても一つも動きません。





 天売島のシンボルでもある赤岩です。今は、ただ立っているだけの岩になりました。



 赤岩を過ぎると観光船も黙々と走り港へ向かうだけです。
 


 約一時間余の観光も終わり、今回も遂にウミガラスに会えませんでした。

 ケイマフリの赤い脚は見えた物の写真には撮れずに終わり残念です。ここでも
課題が残りました。何時まで経っても北海道に卒業はありません。

 港の傍で昼食をして、宿に荷物を置いて午後は島内を探鳥します。

 長くなるので、ひとまずここで休憩です。

ホシガラス北海道へ その3 18日編

2010-06-26 14:15:00 | Weblog
 6月18日

 4時に目覚めると雨の音が聞こえず静かな夜明けです。鳥の声も聞こえます。
 窓を開けると一面の霧です。北海道ではガスと言います。
 風が有るのでやがては、ガスが切れる事を期待して4時50分スタートして
一路、原野に向かいます。雨も無いので三脚を持参しましたが、直ぐに濡れます。

 湿度100%では、カメラもよくよくで無ければ取り出せません。

 木道を一周しますが、収穫ゼロです。6時20分に宿に戻ります。

 二日間お世話になった宿に別れを告げて最後の原野での待機となります。
 予定としては12時まで、粘る事にして昨日の場所で待ちます。

 ガスは一向に晴れません。周囲は灰色の世界です。

 やがて微かにシマアオジの声が風に乗って流れて来ました。
 矢張り相当な距離です。超の付く珍鳥は、そう容易くは我々に姿を見せません。

 遠方では有りますが午前中に数回スコープに入りました。仕方ありません。

 カメラに納めても満足な画像では有りませんが一応掲載します。
 見られた人は目から脳裏にしっかりと納めました。





 シャッターを切ると丁度おめかしの羽繕い中でした。失礼しました。















 何れも証拠写真的な画像で見栄えがしません。又、課題が残りました。
 後、何回訪れる事が出来るでしょうか?そのうちにシマアオジは見られなく
なるかもしれません。

 予定通り12時17分、後ろ髪を引かれる思いと再訪を期してサロベツ原野を
立ち去りました。

 原野の南に位置するパンケ沼に寄りましたが、アオサギが20羽程度一定の
間隔を置いて佇立しているだけでした。木道を2Km程歩くと幌延の長沼に行け
ますが、原野の中で食事する場所(店)も無く13時と言うのに昼食はまだなので
到底歩く元気が出ません。

 クルマで迂回して長沼に有る幌延ビジターセンターに13時30分に着きました。
 センターの係員からアカエリカイツブリが見えますと二階の観察室に案内され
スコープで覗かせて頂きました。
 スコープだけで満足出来ないのが我々です。許可を得て木道を歩き近くへ行き
ましたが、たった一羽で抱卵中です。長居は禁物です。恐る恐る近づき早めに立ち
去りました。この頃には霧も晴れて曇り空ながら明るくなりました。



 近くにコバイケイソウが咲いていました。



 カキツバタも今が盛りです。



 ツメナガセキレイの亜種であるキマユツメナガセキレイが近くに巣があるのか
餌を銜えて近くに降りました。







 ここも子育て中なので、余り長居をせずに素早く撮らせて貰い立ち去りました。
 ノビタキは忙しなく動き回っています。



 空ではツツドリが電線に止まったり、啼きながら飛んで行きました。
 チュウヒが飛んだり、マガモの編隊が飛んで行ったり時間があれば滅法楽しい
場所です。

 広大な原野の清々しい空気をいっぱい吸い込んで身も心もすっかりリフレッシュ
と言う感じです。

 私のふるさととも言うべき北の大地は、恋人のような存在です。
 原野の果てから聞こえてくるカッコウの声は、何とも言えない趣があります。
 心まで広くなる感じです。

 それだからこそ今回を含めて32回も訪れる事になりました。それならば
永住すれば?と言われるかも知れませんが、その辺は身勝手と言われるかも
知れませんが微妙な物があります。

 兎に角、行く先々で後ろ髪を引かれる思いで立ち去っていくこの辛さです。

 15時に、やっと手塩の町でお蕎麦やさんを教えて貰い、行くと休業でしたが、
近くに喫茶店風の店が開いていたので漸くラーメンの昼食となりました。

 昔は、ここまで鉄道が来ていましたが道内のローカル線が全廃になり今では
跡形も有りません。
 遅い昼食を済ませて落ち着きを取り戻し今日の宿所である羽幌へ向かいます。

 手塩町からは約一時間で着きます。予約しておいた宿へ行くと忌中の垂れ紙が
出ています。不安を感じながら応接を乞うと誠に申し訳有りません、今朝祖母が
亡くなられたとの事で、宿はサンセットプラザに頼んでありますから、そちらへ
との事でした。私の家に何回も電話したとの事ですが、当方は留守にしているので
連絡が不能なので致し方ありません。
 サンセットプラザは何時も泊まる所で、今回も予約を入れましたが希望の部屋が
無く、やむなく羽幌町の観光協会に紹介された宿に予約を入れた次第です。

 世の中いろいろな事があるものです。

 16時50分、無事にチェックインを済ませ、やれやれでした。

 期待のサンセットは雲が多くて見られませんでしたが明日の天売島行きのフェリー
は無事就航のようです。

 ここで一旦、おしまいにします。第二のメインであるウトウの群れる天売島は
その4にします。


ホシガラス北海道へ その2 17日編

2010-06-25 16:13:11 | Weblog
 この旅行も4日目となりました。

 いよいよ今回のメインであるシマアオジ探しとなりましたが、生憎の雨です。
 時間に余裕が有るものの、それ程無制限では有りません。

 1000Kmも先の、さいはての土地には矢張りそんなに滅多に来られません。
 次ぎの日程も有りますので、このサロベツ原野では二日間を予定しています。
 貴重な二日間ですが無情にも雨の音が屋根に当たります。

 それでも3時50分に起きて5時スタートの予定を早めて4時半に雨具着用の
完全装備でクルマに乗り込みます。原野までは10分程です。

 2773haの広大な原野は雨に煙っています。



 時期の終わったワタスゲも雨に濡れています。



 気温も低く鳥はヒバリだけが元気に雨空の中でさえずっています。耐えかねた人はクルマ
に戻りました。



 雨煙る中でノビタキ。ツメナガセキレイが、微かに啼いていました。
 二時間程眺めていましたが、雨は止む気配も無く宿に戻ることにしました。
 早起きは何か得すると言われていますが、この日は収穫ゼロでした。
 日程に追われる観光客がぼつぼつ現れ出しました。



 宿で朝食後、ビジターセンターの開館を待って9時に再び出掛けます。

 駐車場の傍の看板からオオジシギが飛び立ちました。





 ビジターセンターの二階から原野を眺めて午前中を過ごしました。時々外にも出ます。

 ノゴマが灌木に止まりました。電線よりは少し様になります。



 


 器用にも片足で立って囀っています。



 木道に餌を銜えたヒバリがいました。近くの巣では雛が待っていることでしょう。
 雨に濡れて可哀想です。直ぐに立ち退いであげました。



 オオジシギは駐車場の傍の看板が好きなようです。再三見かけました。



 ビジターセンター隣のみやげもの売り場兼食堂で昼食を済ませてから原野の周辺を
クルマで回りましたが特に収穫は有りませんでした。
 原野に戻って何度目かの木道を歩きます。一周約1.1Km有ります。

 途中で出逢ったバーダーらしき人にシマアオジの情報を聞くと今一瞬見てきたとの
事で先を急ぎます。それらしき場所で待機します。

 やがて右の方から微かにシマアオジの声が風の音に混じって聴こえて来ます。
 スコープを持っている人に探して貰うと80m程の前方にいます。
 カメラは手持ちです。無いよりましとシャッターを切りますが曇天の下の遠方で
写っているだけの写真になりました。16時01分から03分の間の興奮タイムでした。





 シマアオジは体長15Cmと、スズメよりほんの少し大きく我が国では北海道
だけに夏鳥として渡って来ますが最近では超貴重種になりバーダー憧れの鳥です。

 やや満足して16時半、宿に戻りました。

 18日以降は次ぎになります。