1月25日 晴れ
24日のメールで葛飾に超珍しく、日本ではこれまでに公式には
2例しかない、コノドジロムシクイが来ていると聞いたので、偶々
予定が無いので出掛けることにしました。
ウイークデーなので、ラッシュを避けて9時前に家を出ましたが、
現地に着いたのは11時40分になっていました。約3時間でした。
午前中は風も無く晴れて快適な日和でしたが、昼頃から風が出て
来て、葦が揺れるので葦原の中に潜んで出て来ないのではと思い
ましたが、12時半頃に葦原の渕に出て来て呉れました。
鳥追い小父さんの私は今のところ年間目標として国内で60回
以上の鳥見、200種以上の鳥を見る事にしていますが、ここ
10年以上それをクリアーしています。
現地に着くと既に20~30人位のカメラマンとバーダーが来て
いました。
このコノドジロムシクイは体長13Cmで雀より小さくウグイス
の仲間です。1994年に函館、98年に山形で発見されただけ
で、それ以外は非公式には若干有るようですが確認されていない
珍しい鳥ですが、ウグイスの仲間だけに地味で綺麗な鳥では有り
ません。名前の通り虫を食べて暮らしています。
それでは鳥の写真をご覧下さい。
声は少し高い澄んだチーチュリと啼きました。
小さく地味ですが、愛らしい鳥です。
1月26日 曇り
昨日に較べると曇っていて風もあり寒い日でした。
鎌倉の鳥の会の例会で舞岡公園へ出掛けました。
時節柄ロウバイの黄色い花が軟らかい、ふくよかな香りを
周囲に漂わせていました。
鳥の姿は少なく、目玉は既にお馴染みのアオシギです。
キジバトが寒いので丸くなっていました。メタボキジバトみたい
ですが寒いので膨らんでいるだけです。
きざはしの池湿地ではお馴染みのアオシギが泥の中の虫を
啄んでいました。
傍でタシギも餌を啄んでいました。
タシギはアオシギより4Cm程小さく、矢張り虫やみみずの
ようなものを食べています。
それでも26種の鳥に出会えましたが、寒い一日でした。
13半には引き揚げました。
1月27日 晴れ
今日は良い天気です。朝から晴れて風も無く絶好のBW日和です。
毎月実施している小田原市郊外の酒匂川に於ける私のマイフィー
ルド探鳥会で11名が参加して下さいました。嬉しいことです。
この時期は、年間で一番多くの鳥が見れるので今日も期待大です。
まして珍鳥の情報も入っているので楽しみに出発しました。
土手に立つとジヨウビタキの♂♀が見られました。
ジョウビタキは、常鶲とか尉鶲と書きます。
安土桃山時代には飼い鳥として一番高級とされていたことから
尉の名が付けられたとか、この鳥の♂の頭が灰色で翁のようなの
で謡曲で翁を尉と言う事から、この名が付いたようです。
♂です。
♀の頭は灰色になっていません。
飯泉橋を渡ると橋の下のホテイアオイの群生地にクイナが
出て来ましたが、直ぐに葦の中に入って暫く待っていまし
が、その後出て来ません。非常に警戒心の強い鳥です。
クイナは体長29Cmと水鳥としは中型の部類で暗い場所
を好みます
ここにはクイナの仲間のバンもいました。クイナより一回り
大きく、明るい水面や湿地で見られます。
橋の上から川面を見ているとカワアイサの♂が第一夫人と一緒に
やって来ました。カワアイサは5~7羽の♀を連れています。
鴨の親類です。
やがてハーレムの中に、もう一羽の♂と入りました。
橋を渡り酒匂川の右岸を歩くとセグロセキレイに遭いました。
空にはチョウゲンボウが舞っています。
チョウゲンボウは江戸時代前期からクソトビとかマグソタカ
とか言われ、軽蔑されていました。
キジバトと同じくらいの大きさで、鷹でありながら鷹狩りには
使われず、役に立たない鷹とされていましたが、なかなか綺麗
な鳥で現在では格が上がりました。
チョウゲンボウ(長元坊)の由来は、はっきりしませんが恐らく
余り偉くない、間の抜けて坊さんがいたのかも知れません。
河原ではタヒバリが尻尾を振っていました。タヒバリはヒバリ
の仲間で無くセキレイの仲間です。その為に尻尾を上下に振り
ます。お腹に縦縞があり、夏になるとお腹が橙色になります。
嘴の広いハシビロガモです。♂と♀ですが、この♂はまだ未成熟
なので顔のグリーンが薄く、寧ろ黒いくらいの若鳥です。
若いのにもう二羽の♀と一緒に行動していました。なかなか。
川の縁ではハマシギの群れ(ここでは12~13羽)が泥の中の
虫を漁っていました。ハマシギは21Cmくらいの鳥で、嘴が僅
かに下向きに反っています。せわしなく餌を漁り危険を感じると
一斉に飛び立ちます。その数は数百羽に及ぶ事もあります。
雲のように流れるように飛ぶ姿は壮観です。今日は少しの群れな
ので、そんな光景には出会えませんでした。
中州にはユリカモメ・セグロカモメを主に若干のオオセグロカモメ
とウミネコの群れ、約7~800羽の群が日向ぼっこをしていまし
たが時折、運動の為か一斉に飛び立ち、直ぐに舞い降りて元の位置
につきます。種を問わず中にリーダーがいるのでしょう。
日向ぼっこばかりしていては、運動不足になるので時間を見て合図
するのかも知れません。メタボになって敏捷に飛べなくなったら大
変です。鳥も考えているのでしょう。
河原の石の中にシロチドリが完全な保護色になって遠くからでは
絶対見つけられない姿で潜んでいました。
先月もいたので見当を付けて探すと矢張りいました。
遠くからでは石ころ同様です。体長も17.5Cmでウグイスより
少し大きいくらいです。
川には黒パンツを穿いたようなオカヨシガモが泳いでいます。
今日は良く見かけました。
ヨシガモは海に近くにおり、オカヨシガモは内陸にいると言われ
ていますが、最近は混同しています。江戸時代では、そのように
棲み分けていたのでしょうが、最近の環境変化で鳥達も対応に敏捷
でなければ生き残れないので懸命なのでしょう。
キセキレイにしてもカワセミにしても嘗ては清流の鳥であったのが
最近は汚染された川でも何とか生活しています。
可哀想なことです。
今日は期待した珍鳥に会えず、11人もいて探せない残念さを感じ
ながら歩いていましたが、最後に神のお授けか、執念かやっと気が
晴れる珍しい鳥に出会えました。
まずは鴨の親戚のアイサの仲間のウミアイサです。然し♀でした。
遠くて写真になりませんでしたが、次は頬の白いホオジロガモです。
これも約300mくらい先でしたが、特徴があるので何とか撮れ
ました。
ヒドリガモの中には時折、アメリカヒドリと言う頭にメタリック
グリーンの光沢のある種類がいますが、時々紛らわしい鴨が見られ
ます。今日もそうでした。
先頭を泳いでいるのが♂で僅かにグリーンが見られますが本当の
アメリカヒドリは、もっと頭の後ろまでグリーンが伸びており、
喉がもっと白っぽくなっています。
9時から15時20分まで、川を上下して61種の鳥に出会え
ました。天気も良く風も無く厚着の服装では時折汗ばむ程の日
でした。
満足して帰途に就きました。
1月28日 曇り
昨日とは違って、薄曇りの寒い日でした。
今日で四日連続の鳥追いです。
東京都杉並区の公園に非常に活発に動き回るカラフトムシクイ
と言う鳥が来ているとの情報を聞いて、他の用事をキャンセル
して出掛けました。
4時間、粘りましたが駄目でした。それでも一瞬、灌木の繁み
の中から飛び立った姿を見ましたが完全ではありません。
この鳥は以前、他の場所で見ているので、それほど残念では
有りませんが少しは残念です。
こんな事も長い鳥追いの中には有るものです。そんなに百発百中
では世の中、面白く有りません。
次ぎに期待しましょう。
そんな事で今日は暗い繁みの中のウグイスの写真しか撮れません
でした。
不鮮明ながらご覧下さい。
ウグイスの笹鳴きが聞かれると春の近さを感じます。
もう間もなく立春です。春を楽しみに待ちます。
善福寺川にキセキレイがいました。おまけです。
かくして四日間が終わりました。