goo blog サービス終了のお知らせ 

高齢者になっても、ヒマ・ひま・暇やはり暇

高齢者「さいら」ブログ。リタイヤーから、晴れて高齢者の仲間入り。店名をマイナーチェンジ。内容は以前と同様雑他。

漁業での和歌山県の位置

2005年11月09日 | 外なる話題
 漁業の世界では、実は都道府県の縛りではなくて、自然の縛りの世界です。漁業の仕事をしていると時々「皆さんと違う。」と思うことがあります。例えば「近畿」です。私ども漁業の世界には「近畿」という感覚が全くありません。例えば同じ近畿圏ですが、奈良県や滋賀県には「海」がありません。(正しくは、琵琶湖は「鹹水の海」ではありません。琵琶湖は漁業制度では紛れもなく「海」ですが、)ゲンゴロウブナは獲れますが鰯は獲れません。日本海では、「ズワイガニ」の漁獲が開始されました。近畿である京都や兵庫の日本海側では「ズワイガニ」は漁獲されますが、同じ近畿でも和歌山県では「伊勢エビ」のシーズンです。同じ近畿ですが決して「ズワイガニ」は漁獲されません。例え海があっても、日本海の海と太平洋の海とでは同じ近畿と言っても全く違います。
 漁業の世界では「海区」という纏まりがあります。海の環境がよく似た纏まりです。魚には「県境」は有りません。自分が住み良いところを探して泳ぎます。
 ですから、近都府県が会議をするときも「近畿」という輪ではありません。「海区」の輪になります。これは同じ様な海況とそれに伴う漁業形態の類似に依拠しています。和歌山県の漁業に関係する者はその海の状況から「近畿」とはお付き合いはありませんが、「海区」のお付き合いは他府県に比較して広いです。近畿でも和歌山県はよく「近畿のおまけ」と言われます。これは近畿の端にあることも原因していると思われます。同じことが「海区」でも言えます。
 しかし、「海区」の場合、端、辺境は実は重要です。魚や海の流れの入り口であったり、出口であったりする訳ですから、その辺境で得られた知見は、その境界条件をして重要な役割をします。海区という目で見てみますと和歌山県は複雑です。
 一つは「瀬戸内海」の輪です。和歌山県の日の岬以北は「瀬戸内海」になります。九州から和歌山県までの「瀬戸内海」に面した府県で構成されます。和歌山県のシェアーである「紀伊水道」は瀬戸内海の東の端にあります。他の二つは「太平洋」に関係します。国の分け方ではごく最近は違うかも知れませんが、「太平洋」を和歌山県の潮岬を境にして、大きく分けます。一つは九州から和歌山県。もう一つは和歌山県から千葉県迄です。会議のシーズンになりますと、日にちをずらして、3海区にそれぞれ出席することになります。遠い、地の果てに有る「串本」からそれぞれの会議に参加することになり、会議のシーズンになると結構大変です。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。